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刑事事件の裁判所の種類を解説|簡易裁判所と地方裁判所、管轄する事件の違いとは?

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刑事事件における裁判所の種類や役割について知りたい!

刑事事件を裁判所で傍聴したいときはどうすればいいの?

ご覧のページでは、刑事事件の裁判所について徹底解説していきます。


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刑事事件の裁判の流れについて知りたい方はコチラ

ご覧のページでは裁判所に焦点をしぼって解説していきます。

刑事事件の裁判の流れについて知りたい方はコチラの記事をごらんください。


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刑事事件の裁判所の種類

刑事事件においては、

見込まれる刑罰の重さ

被告人の年齢

審級

などによって、その事件をとり扱う裁判所の種類が違います。

Q1

裁判所にはどんな種類があるの?

日本には、5種類の裁判所があります。

簡易裁判所

地方裁判所

家庭裁判所

高等裁判所

最高裁判所

です。

それぞれ解説していきましょう。

簡易裁判所とは

簡易裁判所は、

罰金以下の刑に当たる事件の第一審

窃盗や横領など比較的軽微な事件の第一審

略式手続となった事件

などについて管轄する裁判所です。

簡易裁判所の刑罰

簡易裁判所では、原則罰金以下の刑しか科すことができません。

ただし、次に挙げる刑罰にかかる事件については、3年以下の懲役刑を科すことができます。

簡裁が懲役を科せられる罪

刑法130条 住居侵入

刑法186条 常習賭博及び賭博場開張等図利

刑法235条 窃盗

刑法252条 横領

刑法254条 遺失物等横領

刑法256条 盗品譲受け等

古物営業法の一部

質屋営業法の一部

審理の結果、これら規定された刑罰以上の刑罰を科す必要があった場合には、地方裁判所事件を移送することになっています。

簡易裁判所はその性質上、とり扱う事件の量がとてつもなく多く、5種類の裁判所の中で最多の全国438か所に存在しています。

地方裁判所とは

地方裁判所は、

簡易裁判所の管轄外の事件

簡易裁判所から移送されてきた事件

の第一審を担当します。

支部も含めて全国253か所存在しています。

高等裁判所とは

第一審の判決に不服があった場合には、さらに上級の裁判所に不服申し立てをすることができます。

この不服申し立てを「上訴」と言いますが、とくに

第一審に対する不服申し立てを「控訴

控訴審に対する不服申し立てを「上告

と言います。

高等裁判所控訴の審理を行います。

簡易裁判所で審理された事件の控訴審も、地方裁判所ではなく高等裁判所にて行われます。

高等裁判所が第一審を管轄する事件

例外として、内乱罪内乱予備・陰謀罪及び内乱ほう助罪については、高等裁判所が第一審を担うことになっています。

内乱罪は国家の存続を揺るがす大事件ですので、例外として上級の裁判所が最初から審理することになっているのです。

高等裁判所は全国に本庁8か所、支部6か所、合計14か所置かれています。(知的財産高等裁判所を除く)

最高裁判所とは

最高裁判所は、憲法によって設置された日本における唯一かつ最高の裁判所です。

刑事訴訟においては、上告の審理を行います。

言うまでもないことかもしれませんが、最高裁判所は全国に1か所しかありません。

家庭裁判所とは

家庭裁判所は、少年(法律上、20歳未満の男女のこと)の起こした事件について審理する裁判所です。

少年事件では、非行のある少年に対して、性格の矯正や環境の調整をくだすことを目的に、特別な措置が講じられることになっています。

家庭裁判所は人間科学や社会学、犯罪学に精通した専門スタッフを擁しており、少年の更生に関して専門的知見から判断をくだすことができます。

本庁の他、支部や出張所をふくめて、全国に330か所存在しています。

まとめ

刑事訴訟における裁判所

管轄する審理
簡易裁判所 ・罰金以下の刑に当たる事件の第一審
・その他規定された事件の第一審
・略式手続
全国438か所
地方裁判所 ・簡易裁判所の管轄外の事件の第一審
・簡易裁判所から移送されてきた事件の審理
全国253か所
高等裁判所 ・控訴審
・内乱に関する罪の事件の第一審
本庁8か所、支部6か所、合計14か所*
最高裁判所 ・上告審 全国1か所
家庭裁判所 ・少年事件 本庁、支部などふくめ全国330か所

*知的財産高等裁判所を除く

Q2

簡易裁判所と地方裁判所、それぞれの管轄の仕組みは?

刑事訴訟において、正式裁判の第一審は、原則、簡易裁判所地方裁判所にて行われることになります。

簡裁と地裁、どのように振り分けられているのかという点について解説していきましょう。

まず、以下の態様の事件は簡易裁判所だけが管轄権を有しています。

簡裁が専属で担う罪

罰金以下の刑にのみあたる罪

過失致死傷罪、賭博罪、侮辱罪、軽犯罪法違反など

これらに該当する事件では、原則、簡易裁判所だけが第一審を担います。

問題は、簡易裁判所と地方裁判所、両方が管轄権を有している事件です。

簡裁も地裁も管轄権を有する罪

罰金が選択刑になっている罪(「○○円以上の罰金もしくは○○年以下の懲役」といった罰則規定を持つ罪)

公務執行妨害、公然わいせつ罪、傷害罪、窃盗罪、脅迫罪など

罰金の規定がないものの、簡裁が管轄権を有する罪

常習賭博罪、賭博場開張等図利罪、横領罪、盗品譲受け等罪

これらの罪においては原則として

区検察庁に送致された事件は簡易裁判所が

地方検察庁に送致された事件は地方裁判所が

それぞれ担うことになっています。

送致とはなにかについて知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

ここでは送致について、警察官から検察官へ事件を引き継ぐ手続きのことだと覚えていただければ結構です。

この送致先の指定は、検察の警察に対する内部的な通達によって、各地域ごとに定められているようです。

一例として、広島県警に送付された、送致基準に関する通達をご紹介します。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/61645.pdf
 www.pref.hiroshima.lg.jp

広島県警管轄の事件では、

障害の程度が加療2週間を超えない傷害罪

営利目的外の公然わいせつ罪

などについて、区検察庁へ送致する=簡裁が事件を担う、ということになります。

事件内容がより悪質、重大な事件は地方検察庁に送致され、そうでない事件は区検察庁に送致される傾向があるわけです。

まとめ

簡易裁判所が担う事件は以下の通り

略式手続がとられた事件

罰金以下の刑にのみあたる事件

その他、区検察庁に送致された事件(送致の基準は地域によって異なる)

Q3

家庭裁判所の裁判の流れとは?

少年事件(20歳以下の者が起こした事件)は、検察ではなくまず家庭裁判所に事件が送致されます。

警察から事件を引き継いだ家庭裁判所は、

審判をするべきか

審判せず手続を終了とするか(審判不開始

を決定します。

審判不開始とは、家庭裁判所における調査の結果、

審判に付することができない冤罪が疑われるときなど)

審判に付するのが相当ではない(事件態様が悪質でない、環境的に更生が見込まれる

場合につき、審判自体を開始しないことを言います。

審判が開始される場合はさらに、

検察官送致(通常の刑事事件として裁くべきとして検察官に事件を送致)

保護処分(更生のために少年院に入れさせたり、保護観察所が保護観察したりする処分)

不処分(処分の必要なしとしてそのまま釈放)

などといった決定がくだされることになります。

検察官送致と保護処分の違い
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刑事事件を裁判所で傍聴したいとき

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刑事事件を裁判所で傍聴してみたい!

刑事事件の判例を見てみたい!

そのような声にもお答えして、裁判傍聴の方法判例の調べ方についてもここで解説していきましょう。

Q1

傍聴の流れと仕組みを教えて!

裁判の傍聴にあたっては、とくに予約の必要などはありません。

入場の際に身分証明書の提示を求められたり、あるいは入場料を取られたりといったこともありません。

一般的な裁判傍聴の流れは以下の通りです。

裁判傍聴の流れ
①裁判所に行く
正面入り口から裁判所に入ります。
裁判所によっては持ち物検査を実施している場合もあります。
②開廷票をチェック
裁判所の入り口に開廷票があるのでチェックします。
③傍聴人入り口に集合し、法廷に入場
目当ての裁判の開廷時間になったら、その法定の傍聴人入り口に向かいます。
法定に入場し、裁判を傍聴します。

くわしく解説していきましょう。

①裁判所に行く

何はともあれ裁判所に行きましょう。

法廷が開かれている時間は、おおむね10時頃から4時過ぎくらいまでです。

裁判所自体は、9時には開館していることでしょう。

②開廷票をチェック

開廷票は、その日どの法廷でどんな裁判が開かれるのか記された一覧表です。

各法廷の前に置いてあるほか、裁判所によっては裁判所の入り口にまとめておいてある場合もあります。

開廷票をチェックして、傍聴したい裁判をピックアップします。

裁判員裁判制度が適用された裁判については、裁判所の公式ホームページでも期日日程を見ることができます。

ただ、それ以外の一般的な事件については、通常ネットなどで事前に開廷の予定などを知ることはできません。

開廷票だけが頼りとなるわけです。

③傍聴人入り口に集合し、法廷に入場

時間になったら指定された法廷に行き、携帯電話の電源を切って入場します。

なお、原則として携帯電話以外の撮影、録音ができる機器は法廷内への持ち込みを禁止されています。

事件や法廷によっては、「ペン、メモ、財布」以外、すべて入場前に預けなければならない、といったケースもあるようです。

法定に入ったら、静かに裁判を傍聴します。

途中退席も可能ですが、くれぐれも裁判の進行を妨げないよう注意してください。

裁判所は公式ホームページ上で裁判傍聴の手引きを公開しています。

こちらのページもご覧になってみてください。

Q2

刑事事件の判例を調べたい!

裁判の判決記録、いわゆる「判例」を調べるにあたっては、

判例集を読む

裁判所の公式ホームページを見る

検察庁に行って資料を請求する

といった方法があります。

①判例集を読む

全国の図書館にはおおかた「判例集」が収蔵されています。

国立国会図書館では、一部の判例集についてデジタル化されており、ネットからでも閲覧することができるようになっています。

デジタル化されていない判例集は、実際に現地に赴けば閲覧することができます。

法学部の学生や法務を仕事としている人向けに、これら判例集を収集、データベースとして体系化し商品として売り出している企業もあります。

月額5000円~1万円程度で手軽に判例集を検索することができるようになります


本格的に判例について調べたい、といった方は導入を検討してみてもいいでしょう。

②裁判所の公式ホームページを見る

裁判所の公式ホームページでは、一部の判例について無料で公開しています。

ここで閲覧できるのは裁判所が選択した主要な判決だけで、今まで行われた裁判全ての記録を閲覧できるわけではありません。

しかし、知的財産に関する判決は比較的よく公開されていると言われています。

③検察庁に行って資料を請求する

実際に検察庁に行って資料を請求するという手もあります。

刑事事件記録の閲覧、謄写の請求は、第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官に対して行えます。

手数料を用意した上で、第一審対応検察庁の「記録事務担当者」に問い合わせてみてください。

ただし、検察庁で刑事確定記録や判決文を閲覧することができるのは「正当な理由」を持つ人だけです。

実務上、事件関係者以外でかつ法曹でもないという方の場合、記録を閲覧するのは非常に難しいようです。

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刑事事件のお悩みを弁護士に無料相談

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Q1

スピーディーに弁護士に無料相談したいなら

自身の事件が簡易裁判所の管轄なのか、地方裁判所の管轄なのか

起訴されてしまうのか、略式手続で済む可能性はあるのか

こういった疑問をお持ちの方は、なるべく早く弁護士に相談してみてください。

早ければ早いほど

逮捕の阻止

勾留の阻止

不起訴処分の獲得

などについて可能性があがります。

刑事事件は時間との勝負です。

なにか少しでもお悩みのことがあるのなら、早急に弁護士事務所に相談するべきと言えるでしょう。

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などを活用し、ご自身のお悩みを払拭してください。