岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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不起訴処分とは|コトバの意味・不起訴処分の理由を直撃

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  • 不起訴処分の意味とは?
  • 不起訴処分の種類理由は?
  • 不起訴処分告知書とは?

不起訴処分についての疑問を徹底的に解説していきます。

不起訴処分の意味が知りたい

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不起訴処分とは?

不起訴処分とは、検察官が「起訴しない(公訴を提起しない)」とする処分のことをいいます。

公訴とは、刑事事件について裁判所の裁判を求める申立てを検察官が行うことをいいます。

起訴/不起訴の判断は、検察官のみがおこなうことができるという原則があります。

検察官は刑事事件を慎重に捜査して、起訴/不起訴の処分を決定します。

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逮捕されている場合、不起訴処分となれば釈放されます。

不起訴処分

起訴しないという検察官が決定する処分

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不起訴処分がくだされる意味とは?

刑事事件をおこして逮捕されたりすると不起訴処分を獲得することが大切だと考えられています。

不起訴になることは、刑事事件において大きな意味をもちます。

  • 刑事裁判は開かれない
  • 有罪にはならない
  • 刑事罰が科されることがない

不起訴処分とならずに起訴されると、

  • 公判にて事件が審理される(公判請求)
  • 略式裁判によって事件が審理される(略式請求)

いずれかで、事件が審理されることになります。

起訴されると、有罪なのか、無罪なのかが争われます。

有罪である場合は、科すべき刑罰について審理されます。

不起訴処分となれば、そもそも公判が開かれることはありません。

不起訴処分の実務上の意味としては、

  • おとがめなし
  • 無罪とほぼ同義

このような意味ととらえることができるでしょう。

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不起訴処分は前科・前歴がつく?つかない?

刑事事件をおこすと、一生その事実が残り続けることになるのか気になると思います。

前科は、公判で有罪判決が言い渡された履歴のことを一般的にさします。

不起訴処分であれば、そもそも公判が開かれることはありません。

不起訴処分となれば、前科がつくことはありません。

前歴はどうでしょうか。

前歴は、法律用語ではなくはっきりとした定義はありません。

捜査機関から犯罪捜査をうけた履歴のことを一般的にさすことが多いです。

警察などの捜査機関によって捜査対象となった以上、不起訴処分であっても前歴がつくことになります。

不起訴処分で前科・前歴はつく?
前科前歴
不起訴処分つかないつく
起訴され有罪つくつく
起訴され無罪つかないつく

不起訴処分の種類・理由

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不起訴処分は何種類?

不起訴処分の種類は、20種類もあります。

種類については、法務省「事件事務規程」にて規定されています。

不起訴の処分となる理由は幅ひろいです。

  • 被疑者が死亡した
  • 刑が廃止された
  • 時効となっていた

など、さまざまです。

不起訴処分の理由としてあつかわれる主な種類があります。

  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 起訴猶予

この3つが主な不起訴処分の理由です。

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不起訴処分の理由①嫌疑なし?

不起訴処分としてあつかわれる主な理由に「嫌疑なし」があります。

そもそも「嫌疑」とは…

ある者が犯罪を行なったのではないかという証拠に裏付けられた疑い。

引用元:三省堂 大辞林

刑事事件をおこすと、嫌疑がかけられることになります。

嫌疑がなければ、不起訴となります。

嫌疑なし

犯人でないことが明白である

嫌疑があるかどうかは、単なる主観的な推測などでおこなわれるものではありません。

嫌疑なしかどうかは、客観的な資料証拠にもとづいて判断されます。

嫌疑なしの典型的な例としては、

  • アリバイがあった
  • 真犯人が他に見つかった

このような場合があげられます。

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不起訴処分の理由②嫌疑不十分?

不起訴処分としてあつかわれる主な理由に「嫌疑不十分」があります。

嫌疑をかけるには、客観的な資料や証拠がそろっている必要があります。

嫌疑不十分

犯人であることを示す客観的な資料や証拠が足りない

客観的な証拠などがなければ、犯人であることを証明することができません。

「犯人かもしれない…」程度では、人を裁くことはできません。

犯罪の成立に「故意」が必要な事件において嫌疑不十分とされる例としては、

  • 故意があったと認める供述調書
  • 故意があったと判断できる状況証拠

このようなものが足りないと、嫌疑不十分となります。

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不起訴処分の理由③起訴猶予?

不起訴処分としてあつかわれる主な理由に「起訴猶予」があります。

起訴猶予

犯人だと証明されるような場合でも、さまざまな情況から不起訴と判断されること

起訴/不起訴の判断は、さまざまな点を総合的にみて判断されることになります。

起訴猶予による不起訴とするかどうかは、

  • 年齢
  • 境遇
  • 犯した犯罪の軽重
  • 情状および犯罪後の情況

などから、検察官によって判断されることになります。

起訴猶予に加味される「犯罪後の情況」を具体的に述べるなら、

  • 十分に反省している
  • 被害者に謝罪している
  • 被害者と示談が成立している

などが重要になってきます。

主な不起訴の理由
  • 嫌疑なし:犯人でないことが明白
  • 嫌疑不十分:犯人であることを示す客観的な資料や証拠が足りない
  • 起訴猶予:犯人だと証明されるような場合でも、様々な状況から不起訴になる

不起訴処分になったか知る方法

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不起訴処分の理由は通知されない?

刑事事件は、大きく2つに分けて刑事手続きがとられることになります。

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逮捕・勾留されず不起訴処分となった場合、不起訴処分がわざわざ通知されることはありません。

不起訴処分となった場合、検察の方から不起訴である旨を通知する法的な手続きは特段ありません。

逮捕・勾留されて事件が不起訴処分となった場合、釈放されるときに不起訴である旨が伝えられることが多いようです。

ただ、起訴/不起訴の処分を保留にしたまま釈放されることもあります。

釈放される際には、どのような理由で釈放されることになったのか聞いておくことが大切です。

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不起訴処分告知書とは?

不起訴処分になったかどうかは、検察官に請求して確認することができます。

検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

引用元:刑事訴訟法第259条

検察官に請求すると、不起訴処分告知書が発行されます。

不起訴処分告知書とは、不起訴処分となったことを通知する書類です。

不起訴処分告知書については、担当の検察官・検察事務官に問い合わせてみましょう。

不起訴処分を獲得するポイント

不起訴処分を獲得するには、いくつかのポイントが重要になってきます。

ポイント
  • 被害者との示談
  • 反省
  • 取り調べ

それぞれどのように不起訴処分と関係してくるのか解説していきます。

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被害者と示談?

不起訴処分を獲得するポイントのうちの1つに「被害者との示談」があります。

被害者がいるような事件をおこした場合、

  • 被害弁償がおこなわれているか
  • 被害者からの許しが得られているか

このような示談がおこなわれているかどうかが、不起訴処分を判断する材料の一つとなります。

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反省が大切?

不起訴処分を獲得するポイントのうちの1つに「反省の有無」があります。

反省は、単に「反省しています」というだけではあまり意味がありません。

反省は言葉や態度で示すことがまず大切です。

ただ、言葉や態度だけでは不十分です。

具体的に、どのように反省しているのか示すことが大切です。

  • 事件をおこしてしまった原因は何か
  • 罪の重さを理解しているか
  • 理解したうえで再犯防止について考えているか

このような反省の内容を検察官に伝えることが大切です。

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取り調べを乗り切る?

不起訴処分を獲得するポイントのうちの1つに「取り調べ」があります。

刑事事件の捜査では、「取り調べ」がおこなわれます。

警察や検察などの捜査機関は、さまざまな方法で供述をせまってくるでしょう。

取り調べの際には、「黙秘権」という権利が保障されています。

  • 話したいことだけ話す
  • 何も話さない

このようなことが認められている権利です。

「認めれば、罪が軽くなる」

「取り調べの段階でとりあえず認めて、裁判で無罪を主張すればいい」

など、事実と異なる方へ誘導されてしまうことも可能性としてあります。

取り調べの内容は「供述調書」に記載されて、裁判などで証拠としてあつかわれることになります。

供述調書は、取り調べの最後にサインが求められます。

供述調書にサインしてしまうと、あとから訂正することができません。

サインするときは、

  • きちんと事実が述べられているか
  • 少しでも事実と異なる記述がないか

このような点を確認してから供述調書にサインするようにしましょう。

弁護士がついていれば、どのように対処すべきかアドバイスがもらえます。

  • 前科を回避したい
  • 公開の法廷での裁判を回避したい
  • 不起訴を獲得したい

このようなご希望がある方は、弁護士に相談することをおすすめします。

アトム法律事務所では、

  • ご家族が逮捕されている
  • 警察や検察から呼び出しを受けている

このような方を対象に、無料相談をおこなっています。