第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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示談の時効は3年?交通事故(ひきにげ・物損事故)の加害者はどうすればいい?
- 示談っていつまでにすればいいの?
- 交通事故の示談とは?
- 時効は中断したり停止することがある?
このようなお悩みや疑問を抱えている方へ。
刑事事件弁護の経験豊富な弁護士が、あなたのお悩みや疑問を解決する手段をご案内します。
目次
示談が時効にかかる前に…加害者がすべきことは?
示談とは?時効にかかるのは損害賠償請求権?
示談とは?
刑事事件の示談とは、刑事事件の加害者と被害者が話し合いで、刑事事件の損害に関する紛争を解決することをいいます。
【犯罪も民事事件の側面がある】
- 刑事:どんな刑罰か?(刑事裁判へ)
- 民事:被害者への損害賠償は?(民事上の責任)
刑事事件については、①刑事事件の慰謝料や損害賠償金の金額について示談が問題になります。
この金額に関する合意のほか、②被害者が加害者をゆるすかどうか、ひいては被害届や告訴状を取り下げるかどうかといった話合いなどもします。
示談の時効とは?
示談の時効とは、示談で問題になっている「民事債権」の「時効」のことです。
「民事債権」というのは、誰かが誰かに対して請求できる金銭債権などの権利です。
刑事事件の場合には、「不法行為にもとづく損害賠償債権」が問題になります。
「不法行為にもとづく損害賠償債権」の時効は、3年です。
刑事事件の示談の時効
3年
ただし、これは被害者から加害者に損害賠償請求できなくなるという意味であって、加害者が賠償責任を認めて自発的に賠償することは許されています。
時効を待たないで示談?加害者の常識は?
刑事事件の場合、示談の成立がその後の起訴・不起訴、量刑に大きな影響を与えます。
そのため、「請求されてから損害賠償をすればよい」という姿勢ではなく、刑事事件の加害者は自ら積極的に示談交渉に取り組む姿勢が重要です。
◆交通事故と刑事事件
交通事故を起こして人を死傷させてしまった場合、必ず刑事事件が問題になります。
これに対して、「車の破損で済んだ」といった物損事故の場合には、原則として刑事事件にはなりません。
ただし、例外的にわざと物を壊すために事故をおこしたときなどは、器物損壊罪などに問われる可能性があります。
事故の種類 | 結果 |
---|---|
人身事故 | 刑事事件になる |
物損事故・過失 | 刑事事件にならない |
物損事故・故意 | 刑事事件になる |
交通事故の示談の時効期限とは?ひき逃げ・物損事故etc
期限は3年?起算点は?
交通事故の示談の期限は、民法724条により、
- 被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間行使しないとき
- 不法行為の時から20年を経過したとき
です。
起算点 | 期間 |
---|---|
被害者・その法定代理人が損害および加害者を知った時 | 3年 |
不法行為の時 | 20年 |
3年の期限は「消滅時効」です。
これに対して、20年の期限は、判例上「除斥期間」とされています。
消滅時効を理由に請求を拒否するには、「権利が消滅しています」という主張を相手方にしなければなりません。
この主張のことを「援用」といいますが、除斥期間の場合には援用は不要です。
また、消滅時効の場合、時効期間の進行が中断されることがあります。
これに対して、除斥期間が中断されることはなく、一定期間が経過すれば自然に権利が消滅します。
消滅時効 | 除斥機関 | |
---|---|---|
効果 | 権利が消滅する | 権利が消滅する |
援用 | 援用が必要 | 援用は不要 |
中断 | 中断あり | 中断なし |
20年の期限については、判例では除斥期間とされていました。
しかし、平成32(2020)年4月1日の改正民法の施行により消滅時効に変更される予定です。
3年の期限
(旧)時効 ⇒(新)時効(そのまま)
20年の期限
(旧)除斥期間 ⇒(新)消滅時効
具体的な示談の期限は?起算点はいつ?
具体的な起算日は、
物損事故の場合は、事故日の翌日から3年です。
人身事故の場合、
- 傷害による損害は事故日の翌日から3年
- 後遺障害による損害は症状固定日の翌日から3年
- 死亡による損害は死亡した日の翌日から3年です。
- 交通事故の相手方に、加害者である自分の存在が明らかになっていないときは、事故日の翌日から20年です。
起算点 | 時効 | |
---|---|---|
物損事故 | 事故日の翌日 | 3年 |
人身事故 (傷害分) | 事故日の翌日 | 3年 |
人身事故 (後遺障害分) | 症状固定日の翌日 | 3年 |
死亡事故 (死亡分) | 死亡した日の翌日の翌日 | 3年 |
加害者不明の場合 | 事故日の翌日 | 20年 |
2018年9月7日現在の情報です。
ひき逃げの示談の時効は?
「ひき逃げ」といっても、後遺症が生じるときや、死亡させてしまうときもあると思います。
どのような人身事故であっても、民法の消滅時効については、基本的に3年です。
加害者が不明のままの事件では、事故日の翌日から20年で損害賠償請求権が消滅します。
物損事故の示談の時効は?
物損事故の示談においても、民法の消滅時効は3年です。
◆交通事故から示談成立までの期間は?
交通事故から示談成立までの期間は、その事件ごとに異なります。
被害者・加害者両者の言い分に折り合いがつかない場合には、示談交渉が長期化することもあります。
また、中断事由がある場合、時効の進行が妨げられます。
民事法の場合、債務の承認をしたときは、時効の進行が中断されます。
債務の承認とは、債務者が債務を負担していることを認めることです。
たとえば、交通事故の加害者が、被害者に対して「必ず後日に損害賠償しますが、今はちょっと待ってください」と伝えたとします。
この場合、加害者は、自分が損害賠償について債務を負担していることを認めているので、承認にあたります。
示談の時効Q&A【中断】【停止】とは?
時効の中断とは?催告とは?
民法には、時効の進行を妨げる制度として「時効の中断」というものがあります。
「時効の中断」とは、時効の達成に必要な期間の進行が、一定の事実の発生によって中断し、既に進行した期間が無に帰すことです。
時効が中断されると振出しに戻り、中断事由の終了後に改めて時効期間が進行していきます。
時効の中断事由としては、請求、差押え、承認等があります。
中断事由 | 具体例 |
---|---|
請求 | 被害者が加害者に対して、被害弁償をするように裁判で要求する |
差押え | 債権回収のために、銀行の貯金を差し押さえた |
承認等 | 「賠償金を支払う」と告げる |
2018年9月7日現在の情報です。
時効の停止とは?
時効の中断と類似した概念に、「時効の停止」があります。
時効の停止とは、何らかの客観的事実によって、時効の進行を停止させ、時効の完成が猶予される制度です。
時効の中断と異なり、それまでに経過した時効期間は維持されます。
時効を停止させる事情がなくなったとき、時効期間がふたたびカウントされます。
たとえば、大地震などがおきた場合などは、その混乱が収束して一定期間が経過してから、時効期間がふたたびカウントされます。
時効の中断を生じさせる事由は、民法上、時効完成の間際に、未成年者が法定代理人を欠くとき、天災事変が起こったときなど、権利者が中断行為をすることが困難であるような場合に、時効の停止という制度がつかわれます。
停止事由 | 再開の時期 |
---|---|
未成年者の法定代理人がいない | 未成年者が成人してから6か月経過後 法定代理人が就職してから6か月経過後 |
天災事変が起きた | 事態が収束してから2週間後 |
2018年9月7日現在の情報です。
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「示談」とは、そもそも民事上の紛争を解決する手段です。
示談は、民事上の紛争を裁判によらずに、当事者間で解決する契約であると解釈されています。
刑事事件であっても、生じた損害に関する賠償責任については、民事の問題となります。
そのため、刑事事件でも、示談が問題とされるのです。