岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。

刑事事件(裁判の流れ・時効・示談・民事事件との違い・判決閲覧)を弁護士が解説

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  • 刑事事件とは?民事事件との違いは?
  • 刑事事件の流れは?
  • 時効は何年?
  • 示談とは?メリットは?
  • 判決の調べ方は?刑事裁判の裁判傍聴はどうする?

このような疑問を抱えている方へ。

刑事事件弁護の経験豊富な弁護士が、あなたのお悩みや疑問を解決する手段をご案内します。

【用語】刑事事件とは?民事事件との違いは?意味を解説

刑事事件とは?刑事手続の流れは?

刑事事件としては、以下のようなニュース報道をよく目にすると思います。

  • 覚醒剤の陽性反応が出たため逮捕された
  • 児童虐待で父親が起訴された

このことからも分かるとおり刑事事件とは、

ある人が犯人として逮捕されたり捜査を受けたりして、刑罰が科せられるかどうかが問題になる事件

です。

刑事事件」とは、刑罰が科されるかどうかが問題となり、刑事手続の対象となる事件のことです。

刑事事件
  • 刑罰がかされるか?(有罪・無罪)
  • どんな刑罰か?(懲役・罰金 etc)
  • 手続は、「刑事手続」にしたがう

事件発生から刑罰までは、次のような流れになります。

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刑事訴訟法などには、刑罰が科されるまでの手続が規定されています。

この手続きのことを「刑事手続」といいます。

刑事手続きのおおまかな流れは、捜査⇒裁判⇒刑罰の執行です。

刑事手続きの流れ①捜査(警察・検察)
  • 身体拘束:逮捕・勾留
  • 証拠収集:捜索・差押え、取調べ、実況見分
刑事手続きの流れ②刑事裁判
  • 公判
  • 略式命令
  • 即決裁判
  • 不起訴(裁判なしで終了)
刑事手続きの流れ③刑罰の執行
  • お金の徴収:罰金・科料
  • 刑務所:懲役・禁錮・拘留
  • 死刑
  • 無罪(刑罰なしで終了)

法務省『刑事事件のフローチャート』(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji09.html)を抜粋・編集。

民事事件とは?

民事事件は、私人間の紛争が問題になる事件です。

たとえば、

  • 借金について、借主に返済を請求する権利があるか?
  • ある不動産について、権利があるのは誰か?
  • 怪我をさせられた被害者に対して、どのくらいの損害賠償をする義務があるか?

といったことを問題にするのが、民事事件です。

民事事件とは?

私法上の権利があるか?

(例)損害賠償を請求する権利

私法上の義務があるか?

(例)賠償金を支払う義務

刑事事件の場合は、どんな刑罰が科されるかといった終着点にむかうには、かならず刑事裁判を通過して判決が言い渡されます。

ですが、民事事件の場合には、判決ではなく、和解という解決手段もあります。

判決最終結論が裁判所から言い渡されるものです。

これに対して、和解当事者の話し合いで結論を出す方法です。

民事裁判の流れ①訴えの提起・応訴
  1. 原告が裁判所に訴状の提出
  2. 裁判所から被告に訴状の送達
民事裁判の流れ②民事裁判
  • 通常訴訟
  • 手形小切手
  • 少額訴訟
民事裁判の流れ③結果
  • 和解
  • 判決

裁判所ホームページ『民事訴訟の種類』(http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_01_01/index.html)を抜粋・編集。

民事事件の場合、権利の実現方法として、執行手続についても法律が整備されています。

裁判の判断に従わない場合、土地や預金が差押えられる可能性があります。

刑事事件と民事事件の相違点

ある事件がおきた場合、刑事事件民事事件の両方の側面を持っているときがあります。

交通事故で人を殺してしまった場合、

  • 刑罰か科されるかという問題は刑事事件ですが、
  • 遺族に対して損害賠償をするかという問題は民事事件です。
刑事事件と民事事件(交通事故の場合)
事件の分類扱う範囲
刑事事件有罪?
懲役は何年?
民事事件損害賠償はいくら?
示談はできる?

刑事事件と民事事件は、今まで見てきて分かるとおり、問題となっている事柄が違います。

そのほか、大きな違いとして3点あります。

それは、①事件の当事者、②解決手段、③証明の程度です。

刑事事件と民事事件の違いは?
刑事事件
(刑罰)
民事事件
(権利の実現)
事件の当事者検察官
VS
被告人
原告
VS
被告
(一般人同士)
和解和解はできない和解できる
証明の程度「疑わしきは被告人の利益に」
(無罪かもしれないときは、無罪)
「高度の蓋然性」
(経験上、その事実があることに疑いはないという程度)

①事件の当事者

刑事事件は、国家から刑罰を科されるかどうかという図式なので、当事者は、国の代表である検察官被告人です。

これに対して、民事事件は、個人の権利義務の有無に関する争いなので、当事者は、一般人同士です。

②和解できる?

和解とは、たがいに自分の主張をゆずりあって結論を出す手続です。

和解

当事者がたがいに譲歩して、争いをやめることを約する契約

(例)示談

刑事事件では和解はできませんが、民事事件では和解できます。

民事事件では、自分の権利について譲歩することはできます。

しかし、刑事事件では、どんな刑罰を科すかについて譲歩することはできません。

刑事事件民事事件
和解和解できない和解できる
示談示談できない
(被害者と加害者間での示談はできる)
示談できる

混乱しやすいのが、「刑事事件の示談」です。

「示談」も、和解の一種です。

「刑事事件の示談」というのは、刑事事件の被害に関する損害賠償について、被害者と和解することです。

刑罰の軽さや不起訴について、検察官と和解しているわけではありません。

③裁判では?証明の程度がちがう

さいごに、証明の程度です。

刑事事件の場合、「被告人は無罪である」というところからスタートします。

有罪の証明を、検察官がしていくことになります。

その証明の程度は、合理的な疑いを超える程度といわれています。

これは、「この人は、もしかしたら無罪かもしれない」など有罪であることに少しでも疑問が残るような場合、無罪になるというものです。

刑事裁判~証明の程度~

合理的な疑いを超える程度

民事裁判では、自分に有利な事実を両当事者が証明していきます。

そして、その証明の程度は、「通常人が疑いを差し挟まない程度の高度の蓋然性」といわれています。

これは、「100%その通りだとはいえなくても、十中八九その事実があったと筋がとおる主張であれば足りる」というものです。

民事裁判~証明の程度~

通常人が疑いを差し挟まない程度の高度の蓋然性

【刑事事件の流れ】逮捕の流れ・裁判の流れは?

逮捕されるまでの期間は?

逮捕されるまでの期間については、個別の事件によって異なります。

防犯カメラや、多数の目撃証言がある、指紋が照合されたなど証拠が多数収集されるといったケースもあると思います。

そのようなケースでは、数日から1ヵ月程度で逮捕されてしまうこともあります。

一方で、時効直前で逮捕される事件も、なかにはあります。

ご自身やご家族の時効について気になる方は、弁護士に相談してみましょう。

逮捕の流れは?

逮捕の流れは、次の図のとおりです。

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警察に逮捕されたら48時間以内に検察官に送致されます。

送致」というのは、「事件が送られる」ことをいいます。

そのまま検察官のもとでも身体拘束が続くことがあります。

この身体拘束の手続を「勾留」といいます。

勾留」は、被疑者の送致を受けた時から24時間以内に、検察官から裁判官に対して請求されます。

そして、裁判官が勾留決定した場合、勾留されることになります。

原則として、10日間、検察官のもとで身体を拘束されます。

さらに、勾留は最長で10日間延長されることもあります。

裁判の流れは?

裁判の流れは、次の図のとおりです。

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内容は、次の図のようになっています。

裁判の流れ

冒頭手続は、被告人が本人かどうか、どんな罪で起訴されたのかを確認される手続です。

裁判の冒頭では、黙秘権の告知もされます。

黙秘権というのは、被告人が自分に不利益な事項を含めて全て事項について黙秘してよいという権利です。

冒頭手続の概要や、黙秘権について確認したら、次は証拠調べ手続です。

証拠物件や供述などから、検察官側・弁護側が立証活動をします。

証拠調べが終了したら、弁論手続のあと、判決が言い渡されます。

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「裁判の流れ」については、こちらのページもご覧ください。

【時効】刑事事件の時効とは?年数は?海外だと停止?

公訴時効とは?何年?《時効一覧》

刑事事件には、「公訴時効」という時効制度があります。

公訴時効とは、犯罪が終了した後、一定の期間が経過することにより、起訴されなくなる制度のことです。

たとえば、詐欺罪の場合、詐欺をして人から物をもらった時から7年が経過すると、起訴されなくなります

公訴時効の年数は、法定刑などを基準に刑事訴訟法に規定されています。

「法定刑」というのは、あらかじめ条文に規定されている刑罰です。

法定刑が重ければ重いほど、公訴時効の年数は長くなる傾向があります。

さらに、近年の法改正によって、殺人罪などは時効が廃止されました。

時効については、こちらのページもご覧ください。

海外だと、時効は停止する?

公訴時効の時効期間の進行は、停止することがあります。

時効は、一定の事由があると、進行を停止します。

具体的には、①公訴の提起、つまり起訴された時、時効が停止します。

ほかにも、②犯人が国外にいる場合には、国外にいる期間、時効は停止します。

また、③犯人が逃げ隠れているため、有効に「起訴状の謄本の送達」「略式命令の告知」ができなかつた場合には、逃げ隠れている期間、時効は停止します。

たとえば、「住居侵入罪」や「脅迫罪」の公訴時効は、3年です。

それらの犯罪行為を終えたあと、1年経過して、国外にいたため時効が停止したとします。

その後、国内にもどってきたとき、時効の進行が開始されます。

時効の停止

【示談と刑事事件】示談とは?流れは?示談金の相場は?

示談とは?示談の流れは?

示談とは、民事上の紛争について、当事者間の話し合いで事件を解決することです。

刑事事件で生じた損害について、加害者と被害者が話合いで解決するのが示談です。

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加害者は被害者に対して謝罪し、示談金を支払います。

怪我の治療費や、慰謝料などを加味して示談金の金額が決められます。

示談金の相場は?50万円以上も?

示談金は、個別の事件によって異なります。

なぜならば、被害金額や、被害者の処罰感情も事件ごとに、さまざまだからです。

示談金の相場・実例、示談の流れについて詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。

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【閲覧・傍聴】刑事事件の判決内容を知る方法とは?

裁判の記録を見るには、事件番号が必須?閲覧方法・調べ方は?

刑事裁判の記録は、原則として、裁判期間中は閲覧できません。

しかし、判決が確定され、裁判がおわったら、閲覧できます。

閲覧の請求は、第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官に対して行います。

ただし、その場合でも、だれもが閲覧できるわけではなく、閲覧できるのは、「正当な理由」がある場合などに限定されています。

閲覧には、事件番号が必要になります。

事件番号の調べ方は、裁判所のエントランスにある「開廷表」や、データベースで用語検索をして調べることになります。

判決文については、インターネットがあれば検索可能です。

裁判所のホームページで、無料で閲覧することができます。

「刑事事件の判決」の種類・流れ・調べ方については、こちらのページもご覧ください。

どうすれば裁判を傍聴できますか?

裁判傍聴は、基本的に誰でもできます。

ただし、傍聴希望者が多い裁判については、事前に「傍聴券」が配布されるので、入手する必要があります。

東京地方裁判所の場合、1階ロビーに「開廷表」が備え付けてあります。

その開廷表を見ることで、傍聴したい裁判の時間や法廷番号等が確認できます。

開廷日や開廷時間などは、次の表をご覧ください。

裁判傍聴の方法(一例)
開廷日平日
※年末年始を除く
時間(目安)10:00~12:00すぎ
13:00~16:00すぎ
事前申し込み不要
※傍聴者多数の場合、傍聴券交付手続あり

詳しくは、傍聴を希望する裁判所でお確かめください。

服装については、とくにドレスコードなどはありません。

裁判傍聴の際は、法廷に入る前に携帯電話の電源を切る必要があります。

裁判中も、静かに傍聴するようにしましょう。

裁判中であっても、法廷への入室・退室は自由です。

ですが、裁判の妨げにならないよう、静かに行動することが求めれます。

また、裁判中のメモは許されていますが、撮影・録音等は原則としてできません。

裁判傍聴の注意事項(一例)
服装自由
法廷への入退室自由
携帯電話電源オフ
メモ可能
撮影不可
録音不可

詳しくは、傍聴を希望する裁判所でお確かめください。

ご自身やご家族の逮捕・刑事事件の裁判について心配な方や、示談の流れを相談したい方は、たよりになる弁護士を早期にご相談いただければと思います。

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