岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。

刑事事件の告訴|告訴取り下げの効果は?告訴された後の流れは?被害届との違いは?

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ご自身やご家族が刑事事件を起こしてしまった。

さらに、被害者から告訴されている…

  • 告訴されたらどうなるのか
  • 告訴が取り下げられたらどんな効果があるのか
  • 告訴と被害届の違い

など、たくさんの疑問や不安が浮かんできますよね。

今回は、「刑事事件告訴」について詳しくみていきましょう。

専門的な解説は弁護士の先生にお願いします。

刑事事件の告訴とは?告訴されるとどうなる?流れは?

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刑事事件の告訴とは?告訴されるとどうなる?

刑事事件告訴とは、以下のような意味を持っています。

犯罪の被害者その他の告訴権者から、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示(略)

引用元:有斐閣 法律用語辞典 第4版

被害者やその他の告訴権者からの刑事告訴が刑事事件の捜査のきっかけになります。

告訴が捜査のスタートになることも多いのです。

告訴は刑事訴訟法上定められた制度です。

告訴には、

  • 被害者の強い処罰感情が表明される
  • 被害届のときよりもすみやかに捜査される

などの特徴があります。

また、親告罪においては、告訴がなければ検察官が起訴することができません。

親告罪に当たる犯罪は、起訴時までに告訴取消を含む示談を成立させることが大切です。

示談成立によって、不起訴が獲得でき、前科が付くことを阻止することが可能となります。

  • 刑事告訴は、捜査開始のきっかけとなる
  • 親告罪は、告訴がなければ起訴されない

刑事事件で告訴された後の流れは?

刑事事件を起こし、告訴が受理されるとその事件について警察官の捜査が開始されます。

告訴される場合、書面または口頭で、捜査機関に対して、被害者から告訴されることになります。

もっとも、刑事告訴されたとしても、捜査で証拠が収集されて立件されなければ逮捕されません。

捜査によって、裁判官から逮捕状が発付されなければ原則逮捕されることはありません。

逮捕してもよいという裁判所の許可がなければ、原則的に逮捕には至らないということになります。

逮捕状が発行されると、警察官や検察官は、容疑者を逮捕することができるようになります。

逮捕状の請求・発布のながれ

裁判所に令状(逮捕状)を請求するためには、犯人や事件性を特定するだけの一定の証拠を揃える必要があります。

証拠が揃う期間は事件によって変わってくるので、後日逮捕までの期間は事件ごとに変わってきます。

後日逮捕によって、逮捕された後の流れは以下の通りです。

逮捕の流れ

簡単な事件で、証拠が早く集まれば1週間ほどで逮捕される場合もあります。

逆に、証拠集めに時間がかかる場合は逮捕までに数年かかることもあります。

告訴と被害届の違いは?

告訴被害届を混同している方も多いかもしれません。

告訴と被害届は、犯人の処罰も求める意思表示が含まれるかどうかが異なります。

被害届とは、被害者が警察に対して犯罪の被害にあった事実を申告することを言います。

告訴とは、被害者等の告訴権者が、警察等に対し、犯罪の被害にあった事実を申告し、かつ、犯人の処罰も求める意思表示を言います。

なお、被害届や告訴のどちらも捜査開始のきっかけになります。

被害者は、被害届か告訴のどちらかを選択して警察に提出します。

被害届と告訴の一番の違いは、親告罪においては、告訴がなければ検察官が起訴することができないという点になります。

親告罪の告訴においては、起訴時までに告訴取消を含む示談の成立が非常に大切です。

示談の成立によって、不起訴が獲得でき、前科が付くことを阻止することが可能となります。

親告罪でない犯罪(非親告罪)は、示談成立で必ず不起訴となる訳ではありません。

もっとも、比較的軽微な罪であれば、高確率で不起訴となります。

まとめ

告訴と被害届の違い

 告訴被害届
意味犯罪により被害を受けた者が、被害を受けた事実を捜査機関に申告するため作成する書面犯罪の被害者その他の告訴権者から、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示
捜査義務生じる生じない
処罰を求める意思含まれる含まれない

刑事事件の告訴取り下げの効果は?告訴に期間や時効はある?

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告訴が取り下げられたらどうなる?

法律上、告訴が取り下げられることは告訴の取消しと呼びます。

本記事では、一般的な言い方として「告訴の取り下げ」と記載します。

親告罪か、親告罪でないかによって効果が変わります。

告訴されていた事件が親告罪であれば、事件が起訴されることはなくなります。

前科はつきません。

もっとも、親告罪でない犯罪の場合は、告訴の取消しがあっても起訴することは可能です。

親告罪でない事件は、告訴取消しとなっても必ず不起訴になるわけではありません。

また、告訴が取り消されたから逮捕できないという規定もありません。

もっとも、親告罪でない犯罪も告訴が取り消されると被害者がすでに刑事処罰を強く望んでいないと捉えられます。

被害者が処罰を望んでいなければ、逮捕して刑事事件として立件する必要性も低くなります。

親告罪ではない事件でも重大事件でなければ告訴の取消しは後の刑事手続きに大きな影響を与えます。

親告罪の場合と親告罪でない場合の告訴が取り下げられる効果について整理しておきましょう。

比較

告訴取消しの効果

 親告罪親告罪以外
起訴の可能性なくなる起訴される場合もある
前科つかないつく可能性がある

告訴される期間は?告訴に時効はある?

法律上、告訴は検察官が起訴する前まで取り消すことができるとされています。

よって、告訴の期間は「検察官が起訴をするまで」といえます。

また、告訴ができる期間も親告罪と親告罪でない場合では異なります。

検察官に起訴されると、もう告訴を取り消すことができません。

被害者が起訴の後に、「告訴を取り消す」と言ったとしても起訴が取り消されることはありません。

そのまま刑事裁判が開かれ、判決が言い渡されます。

親告罪の告訴期間は、犯人を知った日から進行し、告訴できる期間は6か月と定められています。

親告罪でない事件は、6か月の告訴期間の規定は適用されません。

親告罪でない事件(非親告罪)は犯人を知って6か月が経過した後も加害者を告訴することができます。

もっとも、非親告罪の場合でも公訴時効の時効期間が経過すれば告訴されることはありません

公訴時効は、各事件によって期間が異なります。

まとめ

公訴時効と告訴期間

 公訴時効告訴期間
意味検察官の公訴する権限を消滅させる時効親告罪の告訴をできる期間
期間各事件による犯人を知った日から6か月

告訴を取り下げてもらう方法は?

告訴の取消しが行われると、不起訴になり前科はつきません。

前科がつかないということは今後の人生にも非常に重要なことです。

告訴の取消しを被害者に行ってもらう際に一番大切なのは、

被害者側と示談を成立させる

といったことです。

告訴は、被害者が被害を警察に報告すると共に、「犯人を処罰してもらいたい」という意思を示すものです。

したがって、謝罪と賠償を尽くし示談をすることによって被害者の気持ちを収めてもらう必要があります。

示談において、「被害者が加害者を許す(宥恕)」という条項を設けると、加害者は有利になります。

刑事事件への影響を考えた示談では、被害者の許し(宥恕)が重要です。

示談交渉において、被害者が同意してくれるのであれば、上記の宥恕条項を示談書に入れます。

被害者が許したことを書面に残すことができれば、加害者にとって有利に働く証拠になります。

ただし、被害者が本心で加害者を許してくれたことが大切です。

無理に示談させると、後に検察官に判明します。

【弁護士無料相談窓口】告訴の取り下げに弁護士は必要?

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告訴の取り下げに弁護士は必要?

告訴の取消しによって、告訴が取り下げられると様々なメリットがあるとわかりました。

告訴の取消しは、示談の成立・不成立に大きく左右される場合があります。

弁護士に依頼していれば、速やかに示談が成立する場合があります。

親告罪では、告訴の取消しをしてもらえば事件は必ず不起訴になり、前科はつきません。

告訴の取消しは、事件の起訴前に行われる必要があります。

できる限り早く、弁護士に示談交渉に着手してもらいましょう。

弁護士が示談することによって、大きなメリットがあります。

  • 適正な示談金が判断できる
  • 被害者の処罰感情が強い場合も弁護士ならば示談交渉に応じてくれる場合がある
  • 被害者の連絡先が不明の際も弁護士ならば教えてもらえる場合がある

早期の示談の成立が告訴を取り下げてもらうことにつながります。

刑事事件の加害者になってしまった場合は速やかに弁護士に相談することが得策です。

刑事事件について相談できる窓口はある?

刑事事件の告訴について詳しくみてきました。

告訴を取り下げてもらうとその後の刑事手続きに大きな影響を与えるとわかりました。

刑事事件後、すぐに弁護士に相談することができれば安心できますね。

ご自身やご家族が起こした刑事事件について告訴されても告訴取消しによって、不起訴になる事案も多いです。

告訴取消しの交渉は、被害者の処罰感情などの事情で非常にデリケートです。

専門知識を持ち、経験豊富な弁護士であれば適切な対処をとることができます。

刑事事件を起こし、告訴されてしまった方はまずは弁護士にご相談ください。

「被害者に事件を告訴されてしまった…」

ご自身では、どんな対応をすればよいのかわからなくなるかもしれません。

そんな時、弁護士に気軽に相談できる窓口があれば安心ですよね。

以下の窓口から、スマホからでも無料相談することができます。

まずは、一度弁護士に相談してみましょう。

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