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刑事事件で起訴|起訴までの流れと起訴後の流れ

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刑事事件起訴される意味とは?

起訴されるまでの流れは?

起訴後の流れはどうなる?

刑事事件の弁護経験をもつ弁護士が刑事事件と起訴の関係について解説します。


1

刑事事件で起訴される意味

起訴・不起訴
Q1

刑事事件で起訴されるとは?

刑事事件で、起訴されるとはいったいどのような意味を持つのでしょうか。

起訴は「訴えを起こす」と書きます。

起訴

検察官が、裁判所に刑事事件についての審判を求めて訴えを起こすこと

起訴とはこのような意味になります。

起訴するかどうかの判断は、原則として検察官のみがおこなうことになっています。

起訴するかどうか検察官がもつ権限について、根拠を確認しておきます。

公訴は、検察官がこれを行う。

引用元:刑事訴訟法 第247条

公訴とは、起訴のことです。

まず、刑事事件を認知した警察は、一次的な捜査をおこないます。

検察官は送致を受けると、警察が集めた証拠・資料を確認します。

さらに、検察官は、必要と認めるときには自ら捜査をおこないます。

起訴の流れ

慎重な捜査がおこなわれたうえで、検察官によって起訴されるかどうかが決められます。

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Q2

刑事事件で起訴されたら有罪率は高い?

刑事事件で起訴されたら、「有罪率が高い」と耳にしたことはあるでしょうか。

検察の統計資料で、有罪率の高さを見ることができます。

こちらの資料をご覧ください。

起訴後の有罪率(2017年度)
確定裁判数 299,319
有罪数 298,878
有罪率 99.9%

検察統計「審級別 確定裁判を受けた者の裁判の結果別人員(2017年)」より作成

いかがでしょうか。

約99.9%」と高い確率で有罪になっていることが分かります。

しかし…

この確率は、「起訴されたら」の話です。

刑事事件をおこしても、すべての事件が起訴されるわけではありません。

検察官によって起訴不起訴の判断がおこなわれます。

刑事事件の「起訴率」についての資料をご覧ください。

刑事事件の起訴率(2017年度)
刑事事件の総数 1,001,211
起訴 329,517
不起訴 671,694
起訴率 32.9%

検察統計「被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較(2017年)」より作成

刑事事件が警察・検察などの捜査機関によって捜査されることになっても、すべての事件が起訴されるわけではありません。

慎重な捜査を経て、起訴するかどうかの判断が検察官によっておこなわれます。

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Q3

刑事事件の起訴猶予は不起訴の一種?

刑事事件における起訴を語るうえで、「起訴猶予」という言葉がよく登場します。

起訴と言葉が似ているので、起訴の一種であると思われがちですが…

起訴猶予は、不起訴の一種

数ある不起訴の理由のうちの一つが起訴猶予です。

起訴猶予は、犯罪を犯したことが証拠などによって明白であるが、

年齢や境遇

犯罪の内容

犯罪後の対応(被害者への謝罪、示談などによる賠償)

このような情状から、起訴しないと判断される不起訴の一種です。

起訴と不起訴
起訴 刑事裁判で事件を審理するよう、検察官が裁判所に対して申し立てること
不起訴 犯罪を犯したことが明白であっても、さまざまな情状から起訴しないと検察官に判断される
2

刑事事件、起訴されるまでの流れ

刑事事件で起訴されるまでの流れは、大きく2通りに分けることができます。

留置場などに入れられることになる逮捕・勾留があるかないかが一番の違いとなります。

2通りの刑事事件の流れ
在宅事件 自宅などにいながら刑事事件の捜査をうける
身柄事件 留置場などの刑事施設に入れられて刑事事件の捜査をうける

それぞれの流れにおける起訴についてみていきたいと思います。

Q1

刑事事件で逮捕がなくても起訴される?

刑事事件では、逮捕がなくても起訴されることがあります。

刑事事件の流れ(逮捕されなかった場合)

刑事事件では、かならず「逮捕」がおこなわれるイメージが強いかもしれません。

すべての刑事事件で逮捕がおこなわれるわけではありません。

在宅事件では警察や検察から都度、呼び出されて取り調べなどを受けることになります。

在宅事件は、起訴されるまでは特に時間の制限なく事件が捜査されることになります。

事件をおこしてから数ヶ月で起訴されることもあれば、一年後に起訴されるということもあるようです。

事件の内容や捜査の進捗によって、いつ起訴されるかはさまざまです。

刑事事件をあつかった経験を持つ弁護士であれば、在宅事件で起訴されるおおよその時期が検討つきます。

弁護士がついていれば、検察官に捜査の進捗を確認してくれるでしょう。

在宅事件について詳しくはこちらの動画をご覧ください。



Q2

刑事事件で逮捕後、いつ起訴される?

逮捕・勾留されてから起訴される身柄事件の流れはつぎのとおりです。

刑事事件の流れ(逮捕・勾留された場合)

逮捕や勾留は、警察や検察がおこなう捜査方法の一環です。

逮捕の要件
勾留の要件

このような要件を満たすと、逮捕・勾留されることになります。

逮捕・勾留されると、起訴されるまで最大23日間におよぶ身体拘束がつづきます。

逮捕や勾留期間など、刑事手続きの流れはさらに細かく時間が規定されています。

起訴前改

釈放されて在宅事件に切り替わらないかぎり、時間制限に沿って起訴される流れになります。

逮捕・勾留中は、警察や検察から厳しい取り調べを受けることになります。

弁護士がついていれば、取り調べを乗り切るアドバイスがもらえます。

また、早期釈放にむけての弁護活動に尽力してくれるでしょう。

身柄事件について詳しくはこちらの動画をご覧ください。



3

刑事事件、起訴後の流れ

起訴後は、裁判を受けることになります。

裁判にはいくつかの種類がありますが、ここでは基本となる裁判の流れを解説していきます。

刑事裁判の流れ
Q1

第1回公判は起訴から約40日後?

起訴されてから、第1回目の公判は約40日前後で開かれます。

第一回公判では、

冒頭手続

 ↓

証拠調べ手続

 ↓

弁論手続

大きく、このような流れで裁判がすすめられていきます。

それぞれの手続きでおこなわれるのはつぎのとおりです。

第1回公判の流れ
▼冒頭手続 人定質問
起訴状朗読
黙秘権告知
罪状認否
▼証拠調べ手続 冒頭陳述・証拠調べ請求
検察官の立証
被告人・弁護人の立証
▼弁論手続 検察官の論告求刑
弁護人の最終弁論
被告人の意見陳述

争いのない事件ならば、1回の公判で終了することもあります。

Q2

第2回公判で判決が言い渡される?

第1回公判から、第2回の公判は約10日後に開かれます。

判決の言い渡しは、

有罪

無罪

の言渡しがおこなわれます。

有罪判決であれば、

どのような刑罰が与えられるのか(例:懲役、罰金)

その刑罰はどの程度のものか(例:懲役〇年、罰金〇万円)

このような内容が理由とともに告げられます。

刑罰の種類

判決が言い渡されて、裁判は終了です。

4

刑事事件の起訴と解雇の関係

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Q1

刑事事件の起訴で会社から解雇される?

刑事事件で起訴されると、どのような判決を受けることになるか気になると思います。

仕事をされている方は、会社から解雇されるのではないかという点も気になるかもしれません。

起訴されたら会社解雇?

原則として、起訴されたことだけが理由で解雇されることはない

解雇されるかは、「会社の就業規則」などによるところが大きいといえるでしょう。

起訴段階は、「無罪の推定」という原則がはたらきます。

刑事裁判で有罪判決が言い渡されるまで被疑者や被告人は有罪ではなく、あくまで「無罪」と推定されるという考え方です。

ただ…

犯人であることが明白である

事件の性質上、会社の信用性・信頼性を傷つける事態となった

このような場合だと、解雇される可能性もあります。

弁護士に依頼することで、「解雇事由に該当しない」可能性が高くなるような弁護活動をおこなうことができます。

資格・免許
Q2

公務員が刑事事件で起訴されたら?

公務員の方は、刑事事件で起訴されたら懲戒免職されることになるのでしょうか。

起訴されたら公務員は免職?

原則として、起訴されたことだけが理由で免職されることはない

公務員の懲戒免職については、有罪判決の内容で規定されています。

地方公務員を例に、条文を確認してみます。

次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。

一 成年被後見人又は被保佐人

二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

(略)

四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者

五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

引用元:地方公務員法16条

職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。

引用元:地方公務員法28条4項

「その職を失う。」と法律で規定されています。

このような要件に該当すれば、自動的に失職します。