岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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逮捕後、不起訴になれば前科はつかない|前科、前歴の職業への影響

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  • 逮捕後に不起訴になった!前科はついてない?就職への影響は?
  • 逮捕歴や不起訴の事実、前科の有無って調べるとすぐわかるものなの?

ご覧のページでは、逮捕後、不起訴により前科なしとなったときの職業への影響について解説します。

不起訴の事実は前歴あつかい|前科・前歴の意味や違いについて知りたい方はコチラ

ご覧のページでは、前科、前歴の仕事への影響などについて解説します。

  • そもそも前科、前歴とは何なのか?
  • 逮捕後、不起訴になったという事実はどのような扱いなのか?

こういった疑問をお持ちの方はコチラの記事をご覧ください。

逮捕後、不起訴で前科なしに|職業面への影響とは

不起訴処分を獲得した場合、前科はつきません

前科とは「有罪判決を受けたという事実」を指します。

前科がつくと、現在の職業や就職に影響を及ぼす可能性があります。

また、たとえ前科がつかなかったとしても、逮捕の事実が不利にはたらくケースもあります

  • 前科がついた場合
  • 不起訴処分獲得により前歴で済んだ場合

それぞれの仕事への影響についてみていきましょう。

前科がつくと就職はどうなる?現在の職業への影響は?

まず前科がつくと、就職面で不利になります。

履歴書への影響

就職の際に「賞罰欄」のある履歴書の提出を求められた場合、「前科が有るという事実」を記載する必要が出てきます。

賞罰欄の「罰」というのは、判例上、

裁判で有罪判決を受け確定したという事実=前科を意味する

とされています。

(略)

なお、履歴書の賞罰欄にいう「罰」とは一般に確定した有罪判決(いわゆる「前科」)を意味する

(略)

引用元:仙台地方裁判所 昭和60年9月19日日判決 事件番号『昭和55年(ワ)第378号』

仮に前科を隠し、後からそれがばれたときには、懲戒処分を受ける可能性もあります。

面接への影響

面接において前科の有無を聞かれた場合、正直に答えなくてはなりません

これは、裁判においても判示されています。

使用者が、雇用契約の締結に先立ち、雇用しようとする労働者に対し、(略)企業秩序の維持に関係する事項についても必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合には、労働者は、信義則上、真実を告知すべき義務を負うというべきである。

引用元:東京高等裁判所 平成3年2月20日判決 事件番号『平成2年(ネ)第897号』

こちらも、仮に嘘をついた場合、後から懲戒処分の事由になる可能性があります。

結論

前科がついた場合、

  • 賞罰欄に前科を記載する必要が出てくる。
  • 面接で前科について聞かれた場合、正直に申告する義務を負う。

つまりは、就職面で不利になる

こういった影響を回避するための方策としては、

  • 賞罰欄のない履歴書を使用する
  • 犯歴などを聞かれないよう履歴書の内容や風貌、発言内容などに注意を払う

などがあります。

法的な側面から、微妙な判断を迫られるケースもあります。

事前に弁護士に相談をしておくと安心でしょう。

前科がつくことによる就職への影響
履歴書への影響面接への影響
賞罰欄のある履歴書には、前科を記載する必要がある面接で前科の有無を聞かれたときには、正直に申告しなければならない

では、有罪判決を受けて前科がついた時、

いま働いている職場

にはどのような影響がでるのでしょうか?

解雇の可能性

裁判で有罪判決を受けたという事実だけで、懲戒解雇を行うのは不当です

懲戒解雇の事由に適うかどうかは、事件の態様によって異なります。

業務と関係のない私生活上の犯罪の場合
  • 通勤途中
  • 休日中

などに起こした、業務とは関係のない犯罪の場合は、解雇が認められるケースは限定的です。

私生活上の犯罪について解雇が認められるのは、事件の態様が以下の①と②両方に当てはまる場合だけです。

要件
  1. 定款などに、私生活上の犯罪が懲戒の事由にあたるということが明記されている
  2. 下記のいずれかに該当する
  • その行為が企業秩序に直接の関連を有する
  • その行為が企業に対して社会的評価の低下毀損につながるおそれがあると客観的に認められるものである

判例をひも解くと、この②の要件を満たすケースというのはかなり珍しいものであることがわかります。

解雇が不当とされた実際の事例をここにご紹介しましょう。

事例1|鉄道職員が痴漢をはたらいた事例

非番の鉄道職員が、痴漢撲滅キャンペーン中に当時14歳の被害女性の臀部、大腿部を着衣の上から触った。

その職員は、略式罰金20万円の有罪判決を受けた。

  • 事例2|有名事件に加害者として関わり、新聞報道もされた事例

日本鋼管に勤める3人が、砂川事件(学生運動の先駆けとなった事件)において、米軍基地内に立ち入り有罪となった。

しかも、この事件はマスコミによって大々的に報じられた。

その上、この従業員らの勤務態度は普段から著しく悪かった。

これらの事例でも、解雇は不当だという判決が出ています

逆に、解雇が正当なものだと認められた事例を挙げると、たとえば以下のようなものがあります。

事例|鉄道職員が痴漢行為を何度も繰り返した事例

過去何回にもわたり痴漢行為をはたらき、再三、訓戒や減給処分を受け続けてきた鉄道職員が、また再び痴漢をはたらいて有罪となった事例。

鉄道職員は前回の痴漢行為の際に、「金輪際痴漢はしない。もしまた痴漢をしたらどんな処分も甘んじて受け入れる」といった内容の念書を書いていた。

これに匹敵するレベルの悪質さがないと、有罪判決を理由とした解雇が認められる可能性は低いでしょう。

業務と直接関係のある犯罪の場合
  • 勤務時間中にはたらいた犯罪行為
  • 社内の人間に危害が加えられた犯罪行為
  • 会社に損害を与えた犯罪行為

など、業務と直接関係のある犯罪行為の場合、解雇が正当なものだと認められる可能性は高いです。

法律上、使用者が従業員を解雇するときには、

  • 客観的に合理的な理由
  • 社会通念上の相当性

が必要であるとされています。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用元:労働契約法16条

業務と直接関係のある犯罪行為では、この要件に該当すると判断される可能性が高いです。

また、以下のような態様の事件の場合も、解雇が正当なものだと認められる可能性は高いでしょう。

一例
  • 運転免許証が必要な職種において、免許停止、免許取消となった
  • 実刑判決を受け、長期間服役することが決定した
有罪判決で解雇になる可能性
私生活上の犯罪業務に関連する犯罪
解雇の要件定款などに明記

企業秩序に直接の関連を有する
or
企業の社会的評価の低下毀損につながるおそれがある
客観的に合理的な理由

社会通念上の相当性
解雇の可能性一般的に低い一般的に高い
実務上は…

法的に解雇が不当と認められると見込まれる事件であっても、解雇が行われてしまうケースは多いです。

会社は法律の専門家ではないので、社会の一般常識的な判断として解雇をしてしまうのです。

実務上は、

弁護士に依頼したうえで解雇を取り消してもらい、自主退職という形で職場を去る

という方も多いです。

懲戒解雇の時にはもらえなかった退職金を元手に、再就職に向けて活動するというわけです。

逮捕後、不起訴処分で前科がつかなかった場合は?

ここまで前科がついた場合の職業面への影響について解説してきました。

逮捕後、不起訴処分となった場合はどうなのでしょうか?

就職への影響

前科がついた場合と比較すると、不起訴処分で前科がつかなかったときには就職への影響は小さくなります

履歴書への影響

履歴書への記載という面について、不利になるということはないでしょう。

先述の通り、履歴書における賞罰欄の罰とは、前科のことを指します

(略)

なお、履歴書の賞罰欄にいう「罰」とは一般に確定した有罪判決(いわゆる「前科」)を意味するから、使用者から格別の言及がない限り同欄に起訴猶予事案等の犯罪歴(いわわゆる「前歴」)まで記載すべき義務はないと解される。

(略)

引用元:仙台地方裁判所 昭和60年9月19日日判決 事件番号『昭和55年(ワ)第378号』

逮捕後、不起訴になった場合、その事実を履歴書に書く必要はありません

面接への影響

面接で犯罪歴などを聞かれた場合には、逮捕の事実や不起訴処分となった事実は申告しなければなりません。

ただ実務上、

  • 履歴書などに不審な点がない
  • 犯罪が報道されていない

といった場合であれば、面接で犯歴などを聞かれることは稀でしょう

職場への影響

不起訴処分を獲得している場合、前科有りの場合より解雇が不当と認められる可能性はさらに高まります

不起訴の理由が「嫌疑なし」「嫌疑不十分」の場合、業務に直接関連する犯罪であっても解雇は不当と認められることでしょう

「嫌疑なし」「嫌疑不十分」とは

それぞれ

  • 被疑者が犯人であるという証拠が見つからなかった、犯人ではなかった
  • 被疑者が犯人であるという証拠が不十分だった

という理由による不起訴を指す。

ただやはり、法的に解雇が不当だと見込まれるような事件であっても、会社の判断により解雇が強行されるケースも多いです

とくに逮捕の事実が社内に広まってしまっている場合、職場に居づらくなってしまいます。

実務上、有罪判決のときと同じく

弁護士に依頼したうえで解雇を取り消してもらい、自主退職という形で職場を去る

という選択をする方も多いです。

前歴があることによる就職や現在の職場への影響
就職への影響職場への影響*
履歴書への記載という面では影響なし
面接で犯歴を聞かれた場合は申告の必要あり
私生活上の犯罪ならば解雇はほぼ不当
業務上の犯罪でも場合によっては解雇は不当

*実務上は解雇が行われてしまうケースも多い

逮捕の事実、不起訴処分の事実、前科の有無は調べるとすぐわかる?

再就職という面から考えたとき、

  • 逮捕歴、不起訴処分歴など前歴の記録
  • 前科の記録

が第三者に知られてしまうのかどうかというのは大きな問題です。

  • 第三者の調べで前科・前歴が判明してしまうのは、どんな態様の事件のときか

解説していきましょう。

逮捕歴や不起訴などの前歴がばれる可能性は?

前歴の記録は、警察と検察がそれぞれ保存しています。

しかし、これら情報は関係者以外が閲覧できるものではありません

前歴の記録は個人情報となるため、その管理は厳重です。

第三者が記録を閲覧できるような制度や仕組みもありません。

つまり…

公的機関に対する問い合わせなどで、前歴が漏れることはない

一般に、前歴がばれてしまうかどうかは、

その事件が報道されたかどうか

にかかってきます。

たとえ報道されたとしても

  • 匿名での報道だった
  • 扱いが小さく、時間経過によりネット上などからも記録が散逸した

といった場合であれば、前歴がばれることはほぼ無いと考えられます。

前科がばれる可能性は?

前科は、検察庁が記録を保管するほか、一定の条件に適う犯罪については地方自治体もその記録を共有します

しかしこれらの記録も、前歴と同じく関係者以外が閲覧できるものではありません

「前科は戸籍に載るから調べればすぐにわかる」といった誤解をお持ちの方は多いのですが、現実は違います。

自治体における前科の記録は、「犯罪者名簿」という戸籍とはまったく別体系の記録に載せられます

つまり…

公的機関に対する問い合わせなどで、前科が漏れるということもない

前歴と同じく、前科がばれてしまうかどうかは、一般に

その事件が報道されたかどうか

にかかってきます。

ただし前歴と比較すると、前科がつくような態様の事件では報道のリスクも相応に高いと言えるでしょう。

前歴よりも前科の方が、ばれる可能性は高いと言えそうです。

前歴、前科がばれる可能性
前歴前科
記録体系検察や警察が記録を保管検察が記録を保管
一部の前科記録は地方自治体も記録を保管
記録の閲覧関係者以外は閲覧不可能関係者以外は閲覧不可能
第三者にばれる可能性一般に報道の有無にかかってくる一般に報道の有無にかかってくる

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刑事事件の加害者として訴追を受けた方は、なるべく早く弁護士に頼ることが重要です。

早ければ早いほど

  • 解雇の阻止、撤回
  • 再就職への影響軽減
  • 不起訴処分の獲得

などについて可能性が高まります。

刑事事件は時間との勝負です。

なにか少しでもお悩みのことがあるのなら、早急に弁護士事務所に相談するべきと言えるでしょう。

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