岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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窃盗の再犯は実刑?執行猶予中の再犯は?

  • 実刑で刑が重くなる可能性は?
  • 窃盗再犯率は?
  • 再犯だと執行猶予はつかない?

ここでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに窃盗再犯に関するノウハウと正しい知識を解説しています。

この記事で解説している法律

法律
刑法235条
条文
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑罰
10年以下の懲役または50万円以下の罰金

窃盗事件と再犯の関係

実刑・執行猶予

窃盗の再犯は実刑?執行猶予?

再犯で起訴された場合、裁判官に悪い心証を与えるので、実刑の可能性は高くなります。特に執行猶予中の再犯は実刑の可能性が高く、実刑判決が出た場合は前の刑と合わせた期間、刑務所に入ることになります。

裁判官の心証が悪化すると、条文に定められた範囲内で、言い渡される刑期が長めになる可能性があります。

執行猶予中の再犯でも再度の執行猶予がつく可能性はありますが、非常に厳しい条件が必要です。今回の懲役(or禁錮)の言い渡しが1年以下であること、特に酌量すべき情状があること、前の執行猶予が保護観察付きでないこと、これらの条件の全てを満たした場合には再度の執行猶予を獲得できる可能性が出てきます。


実刑と執行猶予の違い

窃盗の再犯は前の執行猶予取り消し?

執行猶予中に再犯を起こした場合、再犯で実刑判決が出ると、前の執行猶予も必ず取り消しになります。再犯でも実刑判決を回避できた場合は、前の執行猶予が取り消されず刑務所に行かなくて済む可能性はあります。

執行猶予の期間中に再犯を犯し、執行猶予がつかない禁錮以上の刑を言い渡された場合は、必ず前の執行猶予は取り消されます。この場合、前回言い渡された刑と今回言い渡された刑の合算した期間を、刑務所で過ごさなければなりません。

執行猶予の期間中に再犯を犯し、罰金刑を言い渡された場合は、前の執行猶予が取り消される場合と、取り消されない場合があります。前の執行猶予期間が満了している場合は、今回の刑がどのような判決であれ、前回言い渡された刑が科されることはありません。


再犯の刑期

窃盗の再犯は刑期が長くなる?

刑法上の再犯の場合は、懲役刑の上限が二倍に引き上げられますが、言い渡される刑がそのまま二倍になるわけではありません。ここでいう再犯とは、刑法第56条1項で定義される、いわゆる累犯のことを指します。「懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処する」場合が、刑法上の再犯と定義されます。

刑法第57条に、累犯の懲役刑の上限引き上げについて規定されています。上限が引き上げられたからといって、必ず刑期が長くなるわけではありませんが、累犯でない場合に比べて刑が重くなる可能性は上がります。

前回の刑期や執行猶予期間が満了した直後の再犯は、更生の見込みが低いとして、裁判官の心証に悪影響を与えます。一方、前回の犯罪から長期間経っていれば、心証への悪影響は弱まり、執行猶予が付いたり刑が軽くなる可能性は高くなります。


窃盗事件の基礎知識

窃盗事件の意味とは?

窃盗は、刑法235条によって定められた犯罪で、「他人の財物を窃取した」場合に成立します。窃盗の刑罰は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

窃盗が処罰の対象とする行為は『他人の占有する財物を窃取する行為』が当てはまります。窃盗は未遂でも処罰される可能性があります。(刑法243条)

窃盗の刑罰の範囲は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と明記されています。窃盗には、罰金刑執行猶予付き判決、または実刑になる可能性があります。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

窃盗事件は「逮捕」される可能性あり?

窃盗事件は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、窃盗事件の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。窃盗事件の逮捕を避けるためには、問題となっている窃盗事件の被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行直後や犯行中の現場を見られ、やって来た警察官にその場で捕まる、というケースが主です。すぐに警察署まで連れていかれ、留置場に入れられる可能性があります。

後日逮捕(通常逮捕)とは、事件後に時間が経って、裁判所発付の逮捕状を持って警察がやって来る、というケースです。この場合も、警察署まで連行され、そのまま留置場に入れられる恐れがあります。


示談の流れ

窃盗事件は「示談」で処分が軽くなる?

窃盗事件は、起訴される前に示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。特に、初犯の窃盗の場合は、不起訴の可能性がより高まります。起訴された後でも、窃盗の被害者と示談が成立すれば、刑罰が軽くなる可能性が高まります。

悪質性が強かったり、同様の犯行を複数回行っている場合は、起訴の可能性が高まる事由になります。しかし、被害者と示談を結んだり、初犯の場合は、不起訴の見込みが強まります。不起訴になれば前科にならないですし、刑事事件で処分されることはなくなります。

起訴された後でも、被害者と示談した方が良い理由はあります。起訴を取り消してもらうことはできませんが、示談で被害者の許しが得られれば、執行猶予で実刑回避の可能性や、量刑が軽くなる見込は高くなります。


窃盗事件のポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

窃盗事件を前科をつけないで済ましてもらうためには、被害者側に示談に応じて貰うことが重要です。窃盗事件の被害者に真摯にお詫びをし、許しを得ることができれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。

前科がつくのは、事件が起訴されたケースのみです。実際、事件を起訴するかどうか検察が判断する際に、示談して被害者に賠償しているかが影響を与える場合が良くあります。

起訴猶予を得るためには、「事件を許す」旨が記載された宥恕付き示談や、「加害者の処罰を望まない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが大事です。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

窃盗事件の逮捕されてから釈放されるまでの期間は、最大で23日間かかる可能性があります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。ですが、窃盗事件の被害者に示談に応じてもらえれば、当事者間で事件が終結したことを捜査機関に訴えることができ、早期に釈放される可能性が上がります。

逮捕からその後の勾留まで続き、更に勾留が延長されると、最大で23日間も身柄が拘束されることになります。拘束中は、会社や学校には行けませんので、解雇や退学のリスクは高まってしまいます。

被害者の許しを示談で得られれば、将来的に不起訴の可能性が高くなるため、身柄を拘束する必要性が低くなり、早期に釈放される可能性が高まります。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

窃盗事件を起こしてしまった場合、すぐに弁護士に相談することが重要です。逮捕勾留阻止や早めの釈放、起訴されないで前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が上がります。

取り調べに適切に対応するためのアドバイス、逮捕勾留中の本人に代わって被害者と示談するなど、弁護士だからこそできることはたくさんあります。示談交渉は、弁護士でなければ相手方の連絡先すら分からない場合も多々あります。

弁護士に早めに相談したから刑事事件にならずに済んだケース、事件後すぐに釈放されて会社をクビにならずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を取り戻すための第一歩になります。まずは気軽に使える無料相談をぜひ試してみてください。

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