岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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公務員が詐欺で逮捕…逮捕後の流れは?資格は失う?

  • 公務員の家族が詐欺逮捕
  • 詐欺逮捕後の流れを教えてほしい。
  • 公務員の資格は取り上げ?

こちらでは、過去10年の刑事弁護士としての経験にもとづいて公務員詐欺で疑われた場合の対応と正しい知識を解説しています。

この記事で解説している法律

法律
刑法246条
条文
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。(刑法246条1項)
刑罰
10年以下の懲役

公務員の詐欺事件と逮捕・資格の関係

逮捕・釈放の流れ

公務員の詐欺事件で逮捕から釈放までの流れは?

詐欺事件で逮捕されると、留置所や拘置所に身柄を拘束され、捜査機関の取り調べを受けます。在宅捜査に切り替えられた場合や、不起訴が決まった場合は、身柄が釈放されます。

逮捕から勾留、そして起訴決定までは、最長で23日間の間、留置場に身柄拘束される恐れがあります。さらに起訴が決まった場合には、判決が出るまで1か月~それ以上の期間、拘束が続いてしまう可能性もあります。

微罪処分や不起訴処分で事件が終了したら、身柄は速やかに釈放されます。検察へ送致後に勾留請求されなかった、裁判所に勾留請求が却下された、勾留期間内に起訴決定がされなかった、などの場合は身柄が釈放され、事件は在宅捜査に切り替えられます。起訴後でも、保釈が認められた場合、執行猶予実刑判決を回避できた場合には、直ちに釈放されます。


資格・免許

公務員の仕事は?資格は失う?

詐欺事件で逮捕された場合、警察からの連絡やマスコミ報道で職場に知られる可能性はありますが、逮捕されたことのみを理由に資格を失う、ということはありません。事件が起訴され懲役刑(禁錮以上の刑)に処せられた場合は、公務員の資格を失い、失職することになります。

事件が不起訴で終了した場合は、国家公務員法38条や地方公務員法16条にある公務員資格の欠格事由には該当しません。しかし、職場に事件のことを知られ、懲戒処分を受ける可能性はあります。

詐欺事件で起訴された場合、罰金刑はないので、有罪になれば必ず懲役刑になります。執行猶予付き懲役刑でも、欠格事由に該当するため、公務員資格を失うことになります。公務員資格の欠格期間は、実刑の場合はその刑期満了まで、執行猶予の場合は執行猶予期間の満了まで、となります。


一般面会の流れ

詐欺事件で逮捕された公務員の家族との面会は?警察からの連絡は?

家族の一般面会は、基本的に逮捕中は認められず、勾留決定の翌日(逮捕後最長4日目)から可能になることが多いです。公務員の逮捕はマスコミに報道されてしまうことが多く、警察から職場への連絡が無かったとしても、職場に知られてしまうリスクは高いと言えます。

逮捕された家族に面会する場合は、警察署の留置係で面会受付をし、1回15分程度の面会が認められます。一般の方の面会は、「1日一組だけ」「時間制限あり」「接見禁止中は面会不可」等の様々な制約がありますが、弁護士であればこれらの制約はなくいつでも面会が可能です。

家族への連絡は、警察から来る場合もありますが、弁護士や裁判所から来る場合もあります。こちらから警察へ確認をする場合は、自分の身元や逮捕勾留されている本人との関係などを聴取される可能性があり、弁護士以外が確認をしても教えて貰えない場合もあります。


詐欺事件の基礎知識

詐欺事件の意味とは?

詐欺とは、刑法246条で定められた犯罪で、「人を欺いて財物を交付させた」場合を差します。詐欺の刑罰は「10年以下の懲役」です。

詐欺で処罰の対象とされる行為は『人を欺いて財物を交付させたり、不法に利益を得る行為』が該当します。詐欺は未遂でも処罰される可能性があります。(刑法250条)

詐欺の刑罰は「10年以下の懲役」と明記されています。詐欺では、罰金刑がないため、有罪になると執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

詐欺事件は「逮捕」される可能性あり?

詐欺は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって詐欺の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。詐欺の逮捕を避けるためには、問題となっている詐欺の被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後の様子を見られ、警察官が駆け付けてその場で逮捕される、という場合が典型です。そのまま警察署に連れていかれ、留置場に収監される可能性があります。

後日逮捕(通常逮捕)とは、犯行の後日に、警察が裁判所発付の逮捕状を持ってやって来る、というケースです。この場合も、警察署まで連行され、そのまま留置場に入れられる恐れがあります。


示談の流れ

詐欺事件は「示談」で処分が軽くなる?

詐欺事件は、検察が起訴を決める前に示談を結ぶことができれば、不起訴の可能性が上がります。さらに、初犯の詐欺事件だと、不起訴の可能性はより強まります。起訴決定後でも、詐欺の被害者と示談できれば、処分が軽くなる事由として考慮されます。

悪質な事件態様であったり、同様の事件を繰り返している場合は、起訴されやすくなる要因になります。その一方、被害者と示談していたり、初犯の場合は、不起訴になる可能性が高まります。不起訴になれば前科にならず、刑事事件で処分されることはなくなります。

起訴された後でも、被害者と示談すべき理由はあります。起訴を取り消してもらうことはできませんが、示談で被害者から許してもらえれば、執行猶予で実刑を回避したり、量刑が軽くなる見込は高くなります。


詐欺事件のポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

詐欺事件を前科をつけないで終わらせるためには、被害者側に示談に応じて貰うことが重要です。詐欺の被害者に謝罪を受け入れてもらい、許すという意思表示をしてもらえれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。

事件が起訴されなければ、前科はつきません。実際、事件を起訴するかどうか検察が判断する際に、示談して被害者に賠償しているかが影響を与える場合が良くあります。

起訴猶予を得るためには、「事件を許す」ことが記載された宥恕条項や、「加害者の処罰を求めない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが重要です。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

詐欺事件で逮捕されてから釈放までの期間は、最長で23日間かかる恐れがあります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。ですが、詐欺の被害者に示談してもらうことで、当事者間で事件が解決したことを捜査機関に訴えることができ、釈放が早まる可能性が上がります。

逮捕後に勾留まで続き、その勾留が延長されると、最長で23日間も身柄が拘束されてしまうことになります。その間、会社や学校は休むしかなく、解雇や退学の可能性は高まります。

示談で被害者から許してもらえれば、将来的に不起訴の可能性が上がるため、身柄を拘束しておく必要性が低くなり、早期に釈放される可能性が上がります。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

詐欺トラブルに遭った場合、迅速に弁護士に相談することが重要です。逮捕回避や早めの釈放、不起訴で前科をつけない、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。

取り調べに適切に対処するためのアドバイス、身柄拘束中の本人に代わっての示談交渉など、弁護士だからこそできることは数多くあります。示談交渉は、弁護士でなければ相手方の連絡先を教えてもらえない場合も多々あります。

早めの弁護士相談のおかげで刑事事件にならずに済んだケース、事件後すぐに釈放されて会社にバレずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、今まで通りの生活を取り戻すための最初のステップになります。まずはデメリットなしの無料相談をぜひ試してみてください。

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