第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
被害届の取り下げは「示談」で確実?方法・期間・傷害や窃盗の示談金は50万?
- 被害届の取り下げとは?
- 示談で「取り下げ」を約束すれば安心?
- 再提出されることは?
- 被害届の取り下げ方法・期間は?
- 「取り下げ」に必要な示談金は?
このような疑問やお悩みをかかえている方へ。
刑事事件弁護の経験豊富な弁護士が、あなたのお悩みや疑問を解決する手段をご案内します。
目次
示談するなら「被害届の取り下げ」も?取り下げたら釈放?不起訴?前科は?
そもそも「被害届」とは?
「被害届」とは、簡単にいうと、捜査機関に対して「犯罪があったこと」を知らせる書面です。
被害届とは
- 被害者が捜査機関に犯罪事実を知らせる書面
- 犯罪捜査のきっかけになる
取り下げ後どうなる?~釈放・不起訴・前科・前歴~
被害届の取り下げと釈放・不起訴
被害届の取り下げには、犯罪捜査を中止するというような効果はありません。
しかし、実務上は、被害届の取り下げによって、犯罪捜査が打ち切られることも多いです。
捜査が打ち切られれば、釈放してもらえます。
また、被害届の取り下げによって、不起訴になったというケースも少なくありません。
被害届取り下げの効果
- 釈放の可能性が高まる
- 不起訴の可能性が高まる
前科・前歴は?
被害届と、前科・前歴の関係を確認しておきます。
前科とは、
刑事事件の確定判決で刑罰の言渡しを受けたこと
をいいます。
被害届が出されただけでは、前科はつきません。
その後、刑事裁判になり、有罪の確定判決がだされたときに、前科がつきます。
前科
確定判決で刑の言渡しをうけたこと
(有罪判決がだされたこと)
前歴とは、
捜査機関から、犯人として捜査された履歴のこと
をいいます。
被害届が出されたことをきっかけに、犯人として捜査されると前歴がつきます。
前歴
犯人として犯罪捜査をうけた履歴
(例)逮捕歴・検挙歴など
「前科」と「前歴」は両方とも、一定の事実があったことをあらわすものです。
被害届を取り下げたからといって、これらの事実は消えません。
前科 | 前歴 | |
---|---|---|
内容 | 有罪判決が確定 | 犯人として捜査 |
取り下げの効果 | 消えない | 消えない |
ちなみに、前歴は、捜査機関の内部資料であるため、一般人に公開されるものではありません。
示談で確実に取り下げてもらえるの?被害届の再提出はされない?
示談すれば安心?「取り下げ」は確実?
被害届が取り下げられると、釈放や不起訴の可能性が高まります。
被害届の取り下げを目指すならば、示談の交渉は欠かせません。
「示談」とは、
民事上の紛争について、裁判によらずに当事者間の話合いで解決すること
をいいます。
刑事事件といえども、刑事事件の損害に関する賠償は、民事上の紛争です。
加害者は、刑事事件の損害賠償に関する紛争を解決するために、示談金を用意することになります。
この示談金の金額は、
- 損害と同額
- 損害を上回る金額
など、自由に決められます。
「示談」は、自由度が高い解決手段です。
「示談の条件」も決めることができます。
「被害届の取り下げ」も、示談の条件とすることができます。
「刑事事件の示談」とは?
- 刑事事件の被害に関する損害賠償を解決する手段
- 当事者間の話し合いで、示談金を決める
- 当事者間の話し合いで、示談の条件を決める
(例)被害届の取り下げ
「示談」について詳しく知りたい方は、以下のリンクもご覧ください。
「取り下げ」が条件なのに、取り下げてもらえないことも?!
「被害届の取り下げ」が示談の条件になっていたのに、実際には、取り下げてもらえなかった
というケースも稀にあります。
このようなケースで、取り下げを強要することはできません。
被害届を取り下げてもらえなくても、示談が成立していれば、落胆する必要はありません。
「示談の成立」は、それだけで、「当事者間で事件が解決していること」をあらわすことができます。
たしかに、「取り下げ」があれば、さらに処罰感情の低下を示すことができます。
しかし、「取り下げ」がなくても、示談そのものの効果が無意味になるわけではありません。
弁護方針としては、「取り下げ」が示談の条件になっていたことや、示談の経緯などを正確に説明することも大切です。
「一度は被害届を取り下げようと考える程度に、処罰感情が緩和されていた」ということを、検察官に伝えることは大切です。
取り下げ後、【再提出】の可能性は?
被害届の取り下げ後に、被害届を再提出することを禁止する法律はありません。
したがって、理論上は、取り下げ後に、被害届を再提出される可能性は残ります。
しかし、被害者も、示談によって、事件を最終解決させる意思があったはずです。
そのような意思をくつがえすほどの、よほどの事情がなければ、再提出されることはほとんどないでしょう。
加害者側としては、最初から最後まで、誠意ある対応を心がけましょう。
被害届の取り下げ方法は?示談書をそえて取り下げ書を提出?
手続きは書面で?電話はNG?時間帯は?
「取り下げ」を示談の条件と決めた場合、示談書に「取り下げ」を約束する条項が記載されます。
しかし、それだけでは、被害届を取り下げてもらえません。
別途、被害届取り下げ書が必要です。
通常、電話では受け付けてくれません。
被害者の方に、「被害届取り下げ書」を提出してもらう必要があります。
取り下げ期間は?起訴されても間に合う?
被害届の取り下げ期間は、とくに法律に規定されていません。
しかし、被害届の取り下げには、
- 不起訴処分や釈放の可能性が高まる
- 裁判官の量刑判断に影響を与える
といった効果があります。
「取り下げ」の効果
- ① 不起訴処分・釈放の可能性が高まる
- ② 裁判官の量刑判断に影響を与える
このような「取り下げ」の効果からすると、「取り下げ」は、早ければ早いほど望ましいといえます。
たしかに、取り下げには、期限がありません。
しかし、①起訴される前まで、おそくとも②裁判官が刑事裁判の結論をだす前までが目安となるでしょう。
取り下げはいつまで?
- ① 起訴される前まで
- ② おそくとも刑事裁判の結論が出る前まで(最終弁論の前まで)
窃盗・傷害etc…「被害届の取り下げ」にかかる示談金とは?相場を調査!
窃盗の示談金は「被害金額+α」?
窃盗の示談金相場についていえることは、被害額に少し上乗せした金額で示談が成立するケースも多いということです。
したがって、被害金額が大きければ大きいほど、示談金の金額も大きくなる傾向があります。
窃盗の示談金
被害金額+α
示談金の実例【5選】を表にまとめました。
怪我の内容 | 示談金 | 結論 | |
---|---|---|---|
① | スーパーで万引き 約4万5000円相当 | 4万 円 | 不起訴 |
② | バイク窃盗 時価40万円相当 | 70万 円 | 不起訴 |
③ | 財布の盗難 現金約2万円 | 10万 円 | 不起訴 |
④ | コンビニで万引き 約150円相当 | 10万 円 | 罰金 30万 円 |
⑤ | ゴルフ場で置き引き 現金30万円入りのバッグ | 65万 円 | 不起訴 |
前科が多数ある場合は、示談が成立しても不起訴にならないケースも多いです。
二回目・三回目‥‥‥と窃盗を重ねると、
- 罰金刑ではなく、執行猶予つきの懲役刑になる
- 執行猶予つきではなく、実刑になる
といったように、刑罰が重くなる傾向があります。
窃盗を何度も繰り返してしまう人は、窃盗癖(クレプトマニア)の疑いもあります。
窃盗癖・クレプトマニアとは
- 精神障害のひとつ
- 衝動的に窃盗をくり返してしまう
- 原因はストレスなど
クレプトマニアについて詳しく知りたい方は、下記のリンクもご覧ください。
アトム法律事務所では、協力関係にあるクレプトマニアのカウンセリング機関をご紹介できます。
気になる方は、お気軽に弁護士にお尋ねください。
傷害事件の示談金は「50万」?
傷害事件の示談金相場についていえるのは、
- 傷害の程度が重大?軽微?
- 被害者の処罰感情が強い?弱い?
といった要素により、金額は変わるということです。
傷害の程度が軽微な場合は、10万~30万円で示談が成立することもあります。
これに対して、傷害の程度が重大な場合は、100万円を超えることもあります。
実例を通じて、傷害事件の示談金を確認してみましょう。
まずは、全治1週間の実例【5選】です。
怪我の内容 | 示談金 | 結論 | |
---|---|---|---|
① | 顔面を殴る | 20万 円 | 送致なし |
② | 顔面を殴る 被害者は2名 | 32万 円 | 罰金 50万 円 |
③ | 顔面を殴る 爪でひっかく | 40万 円 | 罰金 50万 円 |
④ | 公衆トイレの個室内に侵入 ・わいせつ行為 ・打撲傷も負わせる | 50万 円 | 不起訴 |
⑤ | 駅のホームに突き落とす | 100万 円 | 不起訴 |
こんどは、重傷の示談金【3選】です。
被害者の怪我 | 示談金 | 結論 | |
---|---|---|---|
① | 手首靱帯損傷 (全治3週間) | 25万 円 | 不起訴 |
② | 顔面を3発殴る (全治3週間) | 75万 円 | 不起訴 |
③ | むちうち 頭部打撲 (休業3週間) | 179万 円 | 不起訴 |
ひとえに「傷害事件」といっても、さまざまなケースがあることを分かっていただけたと思います。
そのほか気になる【示談金まとめ】
窃盗や傷害事件については、この記事内でご紹介できました。
ですが、犯罪は、窃盗や傷害のほかにもたくさんあります。
下記の記事では、
- 交通事故
- 詐欺
- 盗撮(撮影罪・迷惑防止条例違反・軽犯罪法違反etc.)
- 痴漢(迷惑防止条例違反)
- セクハラ
などの示談金の実例も、紹介しています。
また、
- 器物損壊
- 名誉棄損
- 強姦(強制性交等)
- 強制わいせつ
などの犯罪の示談金実例は、下記の記事をご覧ください。
個別の事案によって示談金の金額は異なります。
ご自身の示談について、
- 示談の見通しがつかない方
- 示談金の相場が知りたい方
遠慮せずに、アトム法律事務所の弁護士に無料相談してみてくださいね。
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「被害届」とは、
犯罪により被害を受けた者が、被害を受けた事実を捜査機関に申告するため作成する書面
です。
被害届は、犯罪捜査のきっかけになる書面です。