第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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刑事事件と民事事件の意味・違い・両方同時に裁判になるかを弁護士が解説
- 刑事事件とは?刑事と民事の違いは?
- 刑事と民事の両方が裁判されることはある?
- 示談とは?
このようなお悩みや疑問を抱えている方へ。
刑事事件弁護の経験豊富な弁護士が、あなたのお悩みや疑問を解決する手段をご案内します。
目次
刑事事件と民事事件の意味・違いは?
刑事事件とは?警察が介入?
刑事事件とは、刑罰が科されるかどうかが問題となる事件のことです。
刑事事件
刑罰が科されるか?
⇒有罪?無罪?
どんな刑罰が科されるか?
⇒懲役?罰金?etc
事件発生後、捜査され起訴された場合、裁判で有罪・無罪が決定されます。
民事事件とは?種類がある?
「民事事件」とは、私法上の権利義務が問題になる事件のことです。
たとえば、お金を貸した人には、借主に対してお金の返還を請求する権利があります。
お金を借りた人には、お金を返す義務がありますが、返さない場合には、貸主から返還を請求されます。
このような「個人の権利を実現できるかどうか」について問題とするのが、民事事件です。
種類は?
もちろん、お金の貸し借りだけが民事事件になるわけではありません。
相手に怪我をさせたり、相手の物を壊したときなどの損害賠償も民事事件です。
そのほか、手形小切手について返済を求める簡単な手続や、離婚・認知といった家族間の問題も民事事件です。
民事事件の種類
- 個人間の財産権に関する紛争(損害賠償など)
- 手形小切手訴訟
- 離婚や認知の訴え
手続きの流れの違いは?
刑事手続の流れは?
刑事手続の流れとしては、まず、警察・検察によって捜査が開始されます。
その後、刑事裁判がおこなわれ、有罪の場合、刑罰が科されます。
次のような流れです。
刑事手続きの流れ①捜査(警察・検察)
- 身体拘束:逮捕・勾留
- 証拠収集:捜索・差押え、取調べ、実況見分
刑事手続きの流れ②刑事裁判
- 公判
- 略式命令
- 即決裁判
- 不起訴(裁判なしで終了)
刑事手続きの流れ③刑罰の執行
- お金の徴収:罰金・科料
- 刑務所:懲役・禁錮・拘留
- 死刑
- 無罪(刑罰なしで終了)
法務省『刑事事件のフローチャート』(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji09.html)より抜粋・編集。
民事手続の流れは?
民事事件の解決手段は、当事者の合意による和解や、民事裁判などがあります。
民事事件の解決手段一例
- 和解
- 民事裁判
では、このうち民事裁判の流れについて、取り上げてみます。
民事裁判の流れは、次の図のとおりです。
民事事件では、警察などは関与せず、一般の方が自分の権利を主張しあいます。
裁判所に訴えを提起した後、民事裁判が開かれ、当事者の主張が正しいかどうかが検討されます。
最終的に、判決で「勝訴」「敗訴」が言い渡されます。
民事裁判の流れ①訴えの提起・応訴
- 原告が裁判所に訴状の提出
- 裁判所から被告に訴状の送達
民事裁判の流れ②民事裁判
- 通常訴訟
- 手形小切手
- 少額訴訟
民事裁判の流れ③結果
- 和解
- 判決
裁判所ホームページ『民事訴訟の種類』(http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_01_01/index.html)より抜粋・編集。
より柔軟な解決を図りたい場合には、裁判官による「和解」という手続きに移行します。
民事裁判によらずに和解することを「示談」といいます。
民事の示談の成立は、「刑事事件が不起訴になるか」や「量刑が軽くなるか」に大きく影響するものです。
加害者の方には、早めに示談交渉にとりくむことをすすめています。
「刑事の時効」と「民事の時効」の違いは?
「時効直前で犯人が逮捕された」というようなニュース報道がされる場合、問題になっているのは、刑事事件の公訴時効です。
「公訴時効」とは、犯罪が終了したあと、一定の期間が経過した場合、起訴されなくなる制度のことです。
公訴時効が完成すると、その時点以降の起訴は許されません。
公訴時効が完成する期間は、刑罰の重さなどを基準として、刑事訴訟法に規定されています。
これに加えて、事件の加害者が気になる時効は、民法の消滅時効だと思います。
事件の加害者は、相手方にあたえた損害を賠償しなければなりません。
この賠償について、相手方から請求されるリミットが民法の消滅時効です。
「消滅時効」とは、ある権利が行使されない状態が一定期間継続した場合に、その権利を消滅させる制度です。
事件をおこした場合、被害者から加害者に対する損害賠償請求権の時効は、3年です。
刑事事件 | 民事事件 | |
---|---|---|
時効 | 公訴時効 | 消滅時効 |
意味 | 起訴が許されなくなる | 損害賠償を請求されなくなる |
年数 | 刑罰ごとに違う | 3年* |
2018年9月12日現在の情報です。
*刑事事件の損害賠償を請求される法的根拠は、「不法行為」(民法709条等)であり、不法行為にもとづく損害賠償請求権の時効は3年とされている。このほか、20年の除斥期間がある。消滅時効と除斥期間は、一定期間の経過により権利が消滅する点では共通するが、時効の場合には権利が消滅したことを主張(援用)する必要がある。
刑事事件と民事事件、両方同時に起訴・裁判はある?
刑事事件と民事事件の違いを交通事故の例で説明すると?
危険運転致死罪にあたるような交通事故を起こしてしまったとします。
この場合、「どんな刑罰が科されるのか?懲役は何年か?」といったことが問題になるのが、刑事事件です。
これに対して、遺族との示談や、損害賠償について問題になるのが、民事事件です。
事件の分類 | 扱う範囲 |
---|---|
刑事事件 | 有罪? 懲役は何年? |
民事事件 | 損害賠償はいくら? 示談はできる? |
両方の裁判が同時進行することは?
両方の裁判が同時進行することも、ときにはあります。
刑事告訴した被害者が、その後自分の被害を回復するために民事裁判を提起するといったことも考えられます。
その場合、判決が先に出た裁判の結果が、まだ結論の出ていないほうの裁判に影響を与えることもあります。
同じ弁護士にたのむべきですか?
刑事・民事ともに裁判になると、多大な時間と労力がかかり当事者にとって負担が増えます。
そのため、なるべく裁判を避けたいと思われる方も多いでしょう。
裁判を回避して、刑事・民事ともに解決できる最善の方法としては「示談」があります。
民事の示談をすると、民事事件ではもちろんのこと、刑事事件も裁判にならない可能性がでてきます。
したがって、早期に弁護士に相談し、刑事の弁護活動を依頼すると同時に、同じ弁護士に民事の示談交渉も依頼するのがベストです。
刑事事件と民事事件を同時に解決?「示談」とは…
示談は、そもそも民事事件を解決する手段です。
事件がおきたとき、被害者に対して治療費や慰謝料などの損害賠償を支払わなければなりません。
このような損害賠償に関する紛争を、当事者の話合いによって解決するのが示談です。
示談とは
民事上の紛争について、裁判外における当事者間の話合いによって解決すること
示談交渉では、示談金の金額や、示談金以外に損害賠償金がないことの確認、被害届や告訴状の取り下げなどを交渉していきます。
示談の成立によって、「起訴の必要性がない」と検察官によって判断された場合、不起訴とされることも多いです。
そうなると、民事事件の解決とともに刑事事件の解決も図れそうです。
示談の成立⇒不起訴の可能性高まる
示談交渉は相手がいることなので、どうしても示談成立とはいかないケースもあるでしょう。
そういった場合には、自身が誠実に被害を弁償しようとしてきたことや、贖罪寄付(しょくざいきふ)をしたことなどを伝えるといった対策をとることができます。
示談の流れは?
示談の流れは、次の図のとおりです。
通常、示談交渉は、加害者側の弁護人と被害者とですすめていきます。
被害者としては、刑事事件の加害者に会いたくないと感じる方もおられるからです。
示談交渉については、弁護士が進めてくれるとはいえ、示談の主体は加害者の方自身です。
被害者の方への誠意ある謝罪がなければ、示談成立はむずかしいです。
弁護士と相談しながら、誠意ある対応をしていきましょう。
示談交渉
- 示談は、弁護士が進めてくれる
- 謝罪は、自分自身が誠意をもってする
示談金の相場は?実例は?
示談には、示談金が必要です。
示談金の金額については、損害賠償の意味合いがあるため、実際に生じた損害額が考慮されて決定されます。
くわえて、被害者側の処罰感情によっても、示談金の金額は大きく変わってきます。
示談金の金額
実際の損害・処罰感情を考慮して決定
示談金の実例について一部紹介しておきます。
内容 | 示談金 | |
---|---|---|
事案1 | 靴(9万円相当)を万引き | 11万円 |
事案2 | 現金30万円が入った財布を窃盗 | 65万円 |
事案3 | 顔面を殴って全治1週間の怪我を負わせた | 70万円 |
ご自身のケース、ご家族のケースで、どのくらい示談金が必要になるか知りたい方も是非弁護士にお問い合わせいただければと思います。
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「和解」とは、当事者が互いに譲歩して、その間に存在する争いをやめることを約する契約のことです。
裁判のなかでする和解と、裁判に関係なくできる和解とがあります。