第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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電車での盗撮|慰謝料はいくら?被害者と示談して逮捕・起訴を回避
2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。
- 電車で盗撮していたら逮捕されてしまった…
- 盗撮がバレてしまった、ひとまず家に帰されたけどこの後どうなるんだろう…
- 一度目は見逃してもらえたが、また盗撮で捕まってしまった…
電車での盗撮がバレてしまった場合、バレないか不安な場合、まずは何をするべきなのでしょう?
この記事では「電車での盗撮」に注目して、皆様のご不安にお答えしていきます。
- 電車での盗撮で逮捕されたらどうなる?
- 電車での盗撮で裁判になることはある?
- 電車での盗撮を誰にも知られずに解決する方法はある?
電車での盗撮がバレたらその後どうなる?
電車での盗撮で現行犯逮捕されたら?
電車で盗撮しているのがその場で発覚し、駅員室に連れていかれた場合の多くは現行犯逮捕にあたります。
多くの場合、現行犯逮捕された後の流れは次のようになります。
- 被害発覚、駅員や被害者による現行犯逮捕
- 警察への連絡
- 駅長室などで駅員や警察官に事情の説明
- 被害者に処罰の意思がある場合など、最寄りの警察へ
- 最大2日間警察の留置場で取り調べ
- さらに起訴不起訴の決定まで最大1日間拘束
現行犯逮捕は、一般人でもすることができます。
最大2日間留置場に勾留され、その後引き続き勾留が必要かどうかが判断されます。
電車での盗撮で後日逮捕(通常逮捕)される?
電車での盗撮で、その後何日か置いてから後日逮捕(通常逮捕)される場合は多くありません。
なぜなら、盗撮被害者が後から盗撮されていたことに気づき被害届を出す、ということは非常にまれであるためです。
通常逮捕される時の流れは、以下のようになります。
- 被害者からの被害届提出
- 警察の捜査、容疑者の確定
- 逮捕状の発付
- 警察署への任意同行、任意での取り調べ、自宅の捜索などを経て通常逮捕
- 最大2日間警察の留置場で取り調べ
- さらに起訴不起訴の決定まで最大1日間拘束
電車で盗撮したら家族や会社にバレる?
電車で盗撮をすると、以下のような理由から家族にバレることがあります。
電車での盗撮が家族にバレる理由
- 警察が自宅のパソコンやスマホを押収しにきてバレる
- 盗撮での逮捕や身元引受の連絡が家族にいってバレる
- 逮捕や勾留で、長期間欠勤してしまい事情説明でバレる
- 公務員など職業によっては盗撮行為が報道されてしまい、バレる
実際のところ、警察から電話連絡がいきやすい関係で、家族にはバレてしまうことが多くなっています。
一方で会社には、逮捕による無断欠勤などを理由に、事情を説明せざるを得ず、バレてしまうことがあります。
家族・会社に盗撮が発覚するリスクを減らすのであれば、早期に弁護士に相談、接見してもらうことが一番です。
電車での盗撮で逮捕されたその後の流れは?
現行犯逮捕・後日逮捕(通常逮捕)された後の一般的な流れは、以下のようになっています。
まず逮捕されて最大3日間取り調べを受け、最大20日間の勾留をするかどうかが決定されます。
10日間(勾留延長請求があれば合計20日間)の勾留が認められるかは、盗撮行為の内容、身分、住所の有無、過去の犯罪歴などで決定します。
具体的には盗撮行為が悪質であったり、余罪が複数あったり、住所不定、過去に同様の前科前歴があるような場合は、勾留される可能性が高いと言えるでしょう。
そして勾留を終えるまでに裁判を起こすか、すなわち起訴するか不起訴となるかが決定します。
不起訴になった場合は釈放されますが、起訴された場合は必要に応じて勾留が続きつつ、裁判を待つことになります。
電車で盗撮したら前科はつく?
盗撮について刑事裁判となり、そこで有罪判決が出た場合、盗撮行為の前科がつきます。
すなわち、盗撮がバレただけ・盗撮で逮捕されただけ・盗撮の裁判が終わっていない段階では、盗撮の前科はつきません。
盗撮の余罪が多数あったり、盗撮行為を否認し続けていたり、被害者との示談が成立していない場合は、刑事裁判となる可能性があります。
罰金刑であっても前科は成立し、就職や旅行、その他の犯罪の刑罰に影響することもあります。
前科をつけないためには、弁護士にご相談のうえお早目の解決を目指すようにしてください。
電車での盗撮は何罪になる?
電車での盗撮は迷惑防止条例違反や撮影罪になる
電車での盗撮は、各都道府県の迷惑防止条例に違反します。
次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
東京都迷惑防止条例5条1項第2号
電車は「公共の乗物」に該当し、そこで相手方の下着や衣服で隠されている身体を撮影した場合は、迷惑防止条例違反が成立することになります。
2023年7月からは新設された撮影罪で処罰される
なお、盗撮を取り締まる法律は元々存在せず、各都道府県の迷惑防止条例が適用されてきましたが、2023年7月に全国一律の処罰規定である撮影罪が導入されました。
撮影罪で取り締まられる盗撮は以下のような行為です。
第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(略)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。(略))又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(略)がされている間における人の姿態
(性的な姿態を撮影する行為等の処罰(略)関する法律2条)
電車での盗撮の刑罰|初犯・再犯で違う?
盗撮の法律上の刑罰は?
盗撮が迷惑防止条例に該当した場合、刑罰は以下のように設定されています。
盗撮* | 1年以下の懲役 又は100万円以下の罰金 |
常習盗撮 (反復して自らの欲望のためくりかえし盗撮する) | 2年以下の懲役 又は100万円以下の罰金 |
多くの都道府県で盗撮の刑罰は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています。
ですが再犯や同様の前科前歴がある場合などは、常習性があると認定され、刑罰がさらに重くなる可能性があります。
盗撮の実際の刑罰は?
実際の電車内の盗撮が刑事裁判となった事案では、以下のような刑罰がくだされました。
事案 | 電車内で、スカートの中を撮影する目的で カメラ付き携帯電話をスカート下方に差し出した。 同様の前科2犯 |
刑罰 | 懲役6ヶ月執行猶予4年 |
この事案では、懲役6ヶ月の判決がくだされながらも、4年間罪を犯さなければ服役しなくてよい、という執行猶予がつくことになりました。
再犯であっても、適切な弁護活動が行われれば、実際に懲役刑に服さずに済むこともあります。
電車での盗撮動画をネットにアップしたら?
もしも電車での盗撮動画をインターネットやSNS上にアップした場合は、迷惑防止条例違反に加えて以下の罪が成立する可能性があります。
わいせつ物頒布罪 (インターネットに盗撮画像・動画をアップする) | 2年以下の懲役 もしくは250万円以下の罰金もしくは科料 または懲役と罰金両方 |
わいせつ物有償頒布目的所持保管罪 (盗撮画像・動画を販売する目的で所持保管する) | 2年以下の懲役 もしくは250万円以下の罰金もしくは科料 または懲役と罰金両方 |
写真が撮れていなくても盗撮になる?
写真がうまく撮れていない、または写真や動画を撮影する前に被害者に気づかれてしまった場合でも、盗撮罪が成立します。
条例では、「カメラを設置する行為・差し向ける行為」についても、盗撮として処罰することを定めているためです。
なお実際に動画や写真が残っていない場合、「盗撮をしたと言える十分な嫌疑がない」として、逮捕されにくくなる可能性はあります。
ですが故意に画像を消去した場合は、むしろ逮捕の必要性が高まるため注意してください。
電車で服の上から撮影しても盗撮になる?
服の上からの撮影や立ち姿、座り姿の撮影であっても、迷惑防止条例違反となる可能性があります。
前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
東京都迷惑防止条例5条1項第3号
服で隠れる身体や下着の撮影でなくとも、撮影行為が「卑わいな言動」と評価されれば、迷惑防止条例違反となります。
卑わいな言動として逮捕された実例は?
「卑わいな言動」として逮捕された盗撮の事案としては以下のようなものがあります。
卑わいな言動とは(ニュース)
- 公園でうつぶせになっていた女児の後ろからビデオを撮影(岐阜)
- 手の中に隠した小型ビデオカメラを使って、電車で隣の席に座っていた女子大生の全身を撮影(神奈川)
- 自転車で帰宅中の女子高校生の太ももを盗撮(大阪)
卑わいな言動と認定された判例は?
なお逮捕されても、必ずしも裁判になるわけではありません。
「卑わいな言動」として実際に裁判で認められたものとしては、以下のような事例があります。
卑わいな言動とは(判例)
- 細身のズボンを着用した被害者を約5分間付けねらい、携帯電話で被害者の臀部を約11回撮影した行為(最高裁H20.11.10)
- スカートの裾から中を撮影しようとしたが、不鮮明な画像しか撮れなかった行為(神戸地判H25.7.9)
- コンビニで外形上盗撮と見られるような態様で、スマートフォンを被害者のスカート内に差し入れた行為(広島高裁H28.2.26)
これらの裁判例を受けて、各都道府県の条例で「カメラを差し向ける行為」も明確に処罰対象となるよう定められました。
また、「卑わいな言動」と認められるときに性的意図は必ずしも必要ではない、という見方が一般的です。
弁護士に依頼して盗撮被害者と示談しよう
実際に盗撮してしまった場合、その後の逮捕や勾留を避けるためには、弁護士の手を借りて示談をするのが最も効果的です。
電車での盗撮で被害者との示談が重要な理由
示談とは
被害者と加害者間の話し合いにより、盗撮により生じる様々な争いを裁判ではなく話し合いで解決すること
被害者と早期に示談ができれば、盗撮について長く拘束されたり、起訴されたりする可能性は大きく減ります。
当事者間で問題が解決しているのならば、わざわざ裁判を起こす必要はない、と判断されやすくなるためです。
その他に示談することで、早期釈放され会社に盗撮がバレるのを防止できる、刑事事件の裁判のあと民事事件として慰謝料を請求されるリスクを下げることもできます。
弁護士に盗撮の示談を任せるべき理由
盗撮の加害者ご本人が示談をするのは困難であるため、弁護士に依頼するのが一般的です。
多くの盗撮被害者は加害者と直接会うことを避けるため、相手方とコンタクトを取ること自体が困難であるためです。
ですが弁護士に依頼して、示談に関する手続きを一任することで、時間や手間をかけずに被害者と示談することが可能になります。
電車での盗撮事案については、ご依頼者様が有利になるよう、以下の条項を付け足すことが可能です。
- 加害者の処罰を望まないという宥恕条項
- 示談の際に支払われる示談金以外の金銭は請求しないという清算条項
- 事案について口外しないという秘密保持条項
- 互いに示談書に定めた内容を破ったときの罰則を決める違約金条項
また、電車で盗撮してしまった場合、示談書には通勤ルートの変更などが盛り込まれることもあります。
電車での盗撮の慰謝料の相場はいくら?
電車で盗撮したことについての慰謝料の相場は、20万円~30万円と言われています。
慰謝料と示談金は別のものですが、示談金の金額を決定するときに、慰謝料側が参考にされることはよくあります。
実際、盗撮の示談金は30万円程度となる事案が多いです。
電車で盗撮してしまったら弁護士に相談を
盗撮は現行犯逮捕されることが多く、警察の取り調べへの対応方法・勾留されないためにできる活動を早く知り、実行することが重要です。
もしもご家族やご友人が盗撮で逮捕された、という連絡がきた場合、ぜひ弁護士の協力をあおいでください。
お電話での依頼を受けて、すぐに弁護士が留置場に向かい、接見することも可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
そこで、電車での盗撮で通常逮捕されるケースとしてありえるのは
などが考えられます。