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強制性交等罪の類型犯罪とは?|準強制性交等罪や監護者性交等罪などを解説

強制性交等罪類型犯罪について知りたい!

集団強姦罪廃止されたってホント?その理由は?

ご覧のページでは強制性交等罪の類型犯罪について徹底解説していきます。


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強制性交等罪の類型犯罪

強制性交等罪には様々な類型犯罪があります。

今回はその代表的なところとして、

準強制性交等罪

監護者性交等罪

強制性交等致死傷罪

強盗・強制性交等罪

についてみていきましょう。

Q1

準強制性交等罪ってなに?

まずは準強制性交等罪条文を見てみましょう。

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

引用元:刑法178条2項

心神喪失

抗拒不能

の人に対して性交等(性交、肛門性交、口腔性交)をした場合はこの罪に問われます。

心神喪失とは?抗拒不能とは?

心神喪失とは、

精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態

を言います。

心神喪失の一例

泥酔状態

熟睡状態

麻酔にかかった状態

著しい精神障害、知的障害

つまり意識喪失状態であるなど、性的行為に対して正常な判断ができない状態のとき、心神喪失していると認められるわけです。

抗拒不能というのは、

心神喪失以外の理由によって心理的、物理的に抵抗することが不能又は著しく困難な状態

を言います。

抗拒不能の一例

だまされている状態(一例として医療行為と偽られた場合、就業上必要なことだと偽られた場合など)

性的行為について無知な状態(判例では14歳の性的知識の乏しい少女に対する巧言を用いた姦淫について旧準強姦罪が適用された例がある)

つまり恐怖驚愕錯誤などによって行動の自由を失っている状態を抗拒不能というわけです。

これら心神喪失、抗拒不能の状態にさせる

あるいは

もともと心神喪失、抗拒不能の状態となっているところに乗じる

などして性交等をすると、準強制性交等罪が成立します。

罪の重さ

準強制性交等罪は、強制性交等罪と同じように罰せられます。

つまり、

5年以上20年以下の懲役

に処されることになります。

まとめ

準強制性交等罪とは?

内容 心神喪失、抗拒不能の人に性交等をする
心身喪失 意識が無いなど、性交等に対し正常な判断ができない状態
抗拒不能 恐怖、驚愕、錯誤などにより行動の自由を失った状態
罰則 5年以上20年以下の懲役
Q2

監護者性交等罪ってなに?

つづいて、監護者性交等罪の条文を見てみましょう。

十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。

引用元:刑法179条2項

この法律は平成29年の刑法改正によって新設された法律です。

13歳以上の子供に対して行われる性的虐待について、取り締まることを目的としています。

従来、13歳以上の子供に対して行われる性的虐待は暴行、脅迫の事実が証明しづらく、たとえ姦淫の事実があっても旧強姦罪に問えないケースがほとんどでした。

監護者性交等罪では、暴行または脅迫の有無は要件に含まれないので、こうした犯罪も強制性交等罪と同じように処罰することができます。

監護者とは?

監護者性交等罪の構成要件は、

監護者が自身の立場などを利用し性交等をすること

です。

監護者とは

18歳未満の者を保護、監督している者

一般的な家庭モデルにおいては両親のことを指しますが、親と同程度の条件を持っている者も監護者と判断される場合があります。

家庭の事情、被監護者の事情によっては養親継父母養護施設等の職員などが該当し得ます。

ただし、教師や講師などは監護者には含まれません。

罪の重さ

監護者性交等罪は強制性交等罪と同じように罰せられます。

つまり、

5年以上20年以下の懲役

に処されることになります。

まとめ

監護者性交等罪とは?

内容 監護者が被監護者に性交等をする
監護者 18歳未満の者を保護、監督している者(両親など)
罰則 5年以上20年以下の懲役
Q3

強制性交等致死傷罪ってなに?

強制性交等致死傷罪条文を確認してみます。

第百七十七条、第百七十八条第二項若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

引用元:刑法181条2項

条文中の「第百七十七条、第百七十八条第二項若しくは第百七十九条第二項の罪」というのは、それぞれ

強制性交等罪

準強制性交等罪

監護者性交等罪

のことです。

「人を死傷させる」とは?|傷の程度

上記3つの犯罪において人を死傷させると、この強制性交等致死傷罪が成立します。

問題はこの「死傷させる」の範囲です。

傷の度合い

判例上は、

「メンソレータムを1回塗っただけで苦痛を感ぜずに治った」

という程度の傷でも、旧強姦致傷の罪が成立するとされています。

どんなに小さな傷であろうとも、傷を負わせた時点で強制性交等致傷罪が成立するとみていいでしょう。

膣内、肛門内、口腔内への傷

無論、膣内肛門内口腔内へ傷を負わせた場合も例外ではありません。

処女に対しての強制性交によって処女膜に裂傷を負わせた事件

口腔性交によって咽頭喉頭炎を負わせた事件

について旧強姦致傷罪が適用された事例があります。

精神面への傷害

精神面へ傷害を負わせた場合も、強制性交等致傷罪が成立する余地があります。

準強姦の事案につき被害者の一人がPTSDを発症したという事例

について傷害として認めて、旧準強姦致傷罪を構成するとした地裁判決があります。

「人を死傷させる」とは?|受傷の経緯

性交等の行為そのもので受傷した場合はもちろんのこと、以下のような場合でも強制性交等罪致傷罪が成立します。

一例

暴行または脅迫の段階で受傷した場合

性交等をされそうになった人が逃走を図り、その途中で転倒などして負傷した場合

また、仮に性交等自体が未遂であっても、犯罪行為のさなかに被害者がケガをしたり死亡したりした場合は強制性交等致死傷罪は既遂になります。

たとえば、性交等を遂げることを目的として被害者を殴りケガをさせたとします。

その後、性交等自体を遂げなかった場合でも、強制性交等致死傷罪は既遂になるわけです。

罪の重さ

強制性交等致死傷罪の罰則は

無期懲役、または6年以上20年以下の懲役

です。

まとめ

強制性交等致死傷罪とは?

内容 強制性交等罪やその類型犯罪で人を死傷させる
死傷の範囲 どんな小さな傷でも致傷と認められる
受傷の経緯 問わない
罰則 無期懲役、または6年以上20年以下の懲役
Q4

強盗・強制性交等罪ってなに?

強盗の未遂罪か既遂罪を犯し、さらに強制性交等罪の未遂罪、既遂罪を犯した者

強制性交等罪の未遂罪か既遂罪を犯し、さらに強盗の未遂罪か既遂罪を犯した者

については

強盗・強制性交等罪

に問われます。

強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第百七十九条第二項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。

引用元:刑法241条1項

この強制性交等罪の中には準強制性交等罪も入るとされていますが、監護者性交等罪は入りません。

罪の重さ

強盗・強制性交等罪の罰則は

無期懲役、または7年以上の有期懲役

です。

強盗・強制性交等罪においてさらに人を死亡させた場合には、強盗・強制性交等致死罪になります。

罪の重さは

死刑または無期懲役

です。

まとめ

強盗・強制性交等罪とは?

内容 強盗と強制性交等の両方を犯す
強制性交等罪の範囲 準強制性交等罪は含む
監護者性交等罪は含まない
罰則 無期懲役、または7年以上の有期懲役
人が死亡した場合:死刑または無期懲役
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「集団強姦罪」について

平成29年の刑法改正以前は、強姦罪の類型として

集団強姦罪

というものがありました。

Q1

集団強姦罪って刑法改正で削除されたの?

旧集団強姦罪の条文をみてみましょう。

二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。

引用元:刑法178条の2(H29改正前)

罰則に注目すると、「4年以上の有期懲役(20年以下の懲役)」となっています。

改正後の強制性交等罪の罰則は「5年以上の有期懲役」ですから、むしろ集団強姦罪のほうが刑としては軽くなってしまっています。

集団強姦罪は刑法改正にともない強制性交等罪に吸収されるような形で廃止となったのです。

とはいえ、複数人で強制性交等罪を犯したという事実は、検察官や裁判官の心証悪化させます。

一般的に、通常の強制性交等罪よりも複数人で犯行に及んだ強制性交等罪のほうが量刑は重くなるでしょう。

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強制性交等罪や弁護活動について知りたい方はコチラ

これら強制性交等罪の類型犯罪についてより理解を深めたいときには、おおもとの強制性交等罪それ自体についても知っておくべきでしょう。

強制性交等罪について知りたい方はコチラをご覧ください。

強制性交等罪における弁護活動について知りたい方はコチラをご覧ください。


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Q1

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