岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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風俗店で本番強要、強制性交罪になる?弁護士が解説

  • 風俗嬢と合意のうえで本番をしたのに、強制されたと言われた…
  • 風俗店側から強制性交罪で警察に被害届を出すと言われている…
  • 本番を強要してしまい、風俗店から示談で100万円払えと言われている…

もしも風俗店やデリヘル、メンズエステなどで本番行為をしてしまった場合、店側から強制性交(強姦)だと言われ、慰謝料を請求される可能性があります。

この記事では、そのような場合の適切な対処法と強制性交罪について、弁護士監修のうえで解説していきます。

  • 本番をしただけで強制性交罪になるの?
  • 店側から慰謝料を要求されたら払わなくちゃいけない?
  • 家族や会社にバレずに解決する方法はない?

風俗店で本番…強制性交罪とは?

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(性交等)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

刑法177条

風俗店やデリヘルで、風俗嬢の同意なく無理やり本番行為に及んだような場合、その行為は強制性交罪(強姦罪)に該当する恐れがあります。

具体的に、その要件などを見ていきましょう。

強制性交罪の構成要件とは?

風俗での本番行為が強制性交罪にあたるには、以下の2つの条件が必要となります。

  1. 相手方の反抗を著しく困難にさせる程度の暴行、または脅迫
  2. 性交のほか、肛門性交、口腔性交など性交と同視されるような性交類似行為

例えば、風俗嬢と同意のうえで本番をしたような場合には、「暴行、または脅迫」の構成要件を満たさず、強制性交罪は成立しません。

暴行、脅迫の具体例としては殴る蹴る、羽交い絞めにする、強引に押し倒すなどが考えられます。

さらに周囲の状況やそれまでの言動を考慮して、個別具体的に判断することになります。

性器の挿入に至らない、指や異物の挿入、触れるだけなどの行為の場合は、強制性交にはあたらないと解されるのが一般的です。

なおその場合は、強制わいせつ罪などが成立する可能性があります。

強制性交罪の刑罰は懲役何年?執行猶予はつく?

基本的に、強制性交罪の刑罰は5年以上20年以下の懲役刑となります。

なお未遂であったなどの事情で懲役刑が3年以下の場合、執行猶予がつく可能性もあります。

具体的な刑罰の相場として、法務省刑事局のデータによると以下のようになっています。

強制性交等罪による懲役割合
1年以下0%
2年以下2.54%
3年以下57.20%
5年以下25.85%
7年以下8.90%
10年以下4.24%
15年以下1.27%
20年以下0%
強制性交等(強姦)罪の量刑の推移 平成29年~令和1年のデータより

執行猶予がついたのは、全体の19%です。

同意での本番でも強制性交になる?

風俗嬢と実際には同意がなかったにも関わらず、同意のうえで本番行為をしたと思っている場合、すなわち強制性交の故意が無い場合は強制性交罪は成立しません。

ただし往々にして、行為者は同意のうえであったと思っていても、被害者はそうは思っていなかった、という場合がよくあります。

現実に同意があると思いこんだことが相当であるかは、行為に至るまでのやりとりや現場の状況などから個別具体的に判断されます。

一般的には、風俗店やデリヘルでは本番行為は禁止されています。

もしも確実に相手から合意があったのに後から「無理やりだった」と虚偽の主張がなされた場合は、事案が複雑になります。早めに弁護士にご相談ください。

未遂だったら強制性交罪にならない?

強制性交罪には未遂規定があり(刑法180条)、裁判となったときは懲役刑が短くなる可能性があります。

ここでの未遂とは、暴行や脅迫は行ったものの、性交には至らなかった場合のことを指します。

なお性交に至らなかったもののわいせつな行為をした場合には強制わいせつ罪、風俗嬢などに怪我をさせた場合は傷害罪などが成立する可能性もあります。

本番強要で強制性交罪以外の罪になる可能性がある?

本番をする行為の態様によって、強制性交罪以外に以下のような罪が成立する可能性があります。

成立する罪刑罰
強制わいせつ罪
(暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をする)
6ヶ月~10年の懲役
準強制性交罪
(泥酔、睡眠など反抗できない状態で性交)
5年~20年の懲役
強制わいせつ致傷罪
(暴行によりわいせつな行為をする際相手を傷害してしまった場合)
無期懲役または
3年~20年の懲役
強制性交致傷罪
(暴行により性交等をする際相手を傷害してしまった場合)
無期懲役または
6年~20年の懲役

風俗店で強制性交したら逮捕される?

風俗店での強制性交で逮捕される2つの条件

風俗店で本番行為をしてしまったとしても、どんな場合であれ逮捕されるというわけではありません。

具体的には、以下の2つの条件を満たした場合に逮捕されます。

逮捕の要件
1.嫌疑の相当性
2.逮捕の必要性

一般に強制性交は重大な犯罪であること、風俗店での強制性交の場合は相手方からの証言などが比較的得やすいことなどから、逮捕される可能性は無いとは言えません。

早い段階から弁護士に相談しておくことで、逮捕を避けられる可能性が上がります。

初犯じゃなかったら逮捕されやすい?

初犯であったら逮捕されない、再犯であったら逮捕される、とはっきり分かれているわけではありません。

ですが何度も同様の風俗トラブルを起こしている場合だと、店側が通報に至りやすい、行為の証拠を掴まれていることがある、行為が悪質であるなどの事情から、逮捕されやすいと言えるかもしれません。

実際に風俗店が警察に連絡することはある?

「警察に被害届を出す」「訴える」などの言葉はただの脅し文句に過ぎないことも、実際に警察に連絡がいくことも両方考えられます。

盗撮など比較的軽微なトラブルの場合は、店側も穏便に示談で解決しようとする傾向があります。

ですが強制性交に至るような場合では、被害者の身心の負担が重大であること、本番ができる店と噂がたつと店側の風評被害が大きいことから、警察沙汰になることもあるようです。

先に弁護士に相談して、警察の取り調べへの対応方法を聞いたり、店との早期示談などの解決方法を探るとよいでしょう。

示談しないと警察を呼ぶと言われたら?

何を言われたとしても、その場で示談や和解の書面にサインしてしまうことは避けた方が賢明です。

風俗店での強制性交における示談とは

被害者と加害者双方で話し合いをし、示談金を払うなどの条件を設けて、強制性交したことに関する争いについて和解すること

風俗店や風俗嬢の提示してくる示談金や示談の条件、今後に向けての条件などは、必ずしも適切なものとは限りません。

その場では示談せず持ち帰らせてもらい、弁護士に相談するなどして、適切な示談を目指すのがよいでしょう。

示談書の書き方によっては、示談金を払ったのに増額請求される、風俗嬢と風俗店に二重払いすることになる、示談したのに結局警察沙汰になる、などのトラブルが発生する可能性があります。

もしも強制性交で逮捕されたらその後どうなる?

もしも逮捕された場合、その後最大で3日間は警察などで拘束されます。

そのうえでさらに身柄を拘束したまま取り調べの必要があると判断された場合は、最大20日間勾留されます。

その後、裁判とするかどうかが決定され、起訴となった場合さらに勾留が続く場合もあります。

いずれにせよ仕事や家庭に大きな影響が出てしまうことになります。

弁護士は、逮捕や勾留からの早期の身柄解放、保釈の手続きなども行って、健全な生活に戻ることをお手伝いできます。

風俗店で強制性交してしまったら弁護士に相談を

もしも風俗店やデリヘルなどで本番行為をしてしまったり、強制性交だと言われたりしたら、ぜひお早目に弁護士にご相談ください。

風俗店や風俗嬢と示談が可能

ご本人のみで示談しようとすると、そもそも会ってもらえない・不当に高い示談金を請求されてしまう場合があります。

特に風俗店はこの手のトラブルに慣れており、個人で交渉して希望する条件をのんでもらうことは非常に難しいと言えます。

逆に要求がエスカレートしたり、実生活に危険が及ぶこともありますので、一人で解決しようとすることは避けましょう。

そこで弁護士が代わりに示談交渉を行うことで、適切な示談金で迅速な示談をすることができます。

示談ができれば強制性交の起訴・前科の心配が減る

一般に、風俗店や風俗嬢と示談が成立することで、逮捕・起訴されたり、強制性交の前科がつく可能性が低くなります。

何故なら、示談をすることで被害者との間の争いが解決するため、検察側としても「既に解決した事案であれば裁判を起こす必要まではない」という判断がはたらきやすくなるためです。

起訴を避けるには示談書に宥恕条項(加害者の罪を許すとする条項)を盛り込むことなどが効果的です。

結果的には相手方の気持ち次第となってしまいますが、弁護士に示談書の作成や示談手続きを任せることで、宥恕が得やすくなります。

強制性交発覚後はお早目にご相談ください

強制性交は、相手方の尊厳を傷つける重大な犯罪です。

それゆえに、逮捕や勾留、多額の示談金請求といった事態に繋がりやすく、放っておくと実生活に多大な悪影響があります。

取り返しのつかなくなる事態に陥る前に、まずは弁護士にご相談ください。

適切な法律アドバイスを行い、皆さんが安心して日常生活に戻れるようご協力いたします。