岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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児童ポルノ製造罪とは|逮捕や示談の不安は弁護士にご相談を 

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  • 児童買春をしたとき、裸の写真も撮ってしまった…
  • ゲームやSNSで知り合った児童に、わいせつな写真を送らせてしまった…
  • 設置しておいた盗撮カメラに、18歳未満の子供が映っていた…

このような行為をしてしまった場合、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。

この記事では、児童ポルノ製造罪にあたる行為、刑罰、逮捕されたあとの流れや弁護士に相談するメリットについて解説していきます。

  • 児童ポルノ製造罪の懲役は何年?
  • 写真を送ってもらうだけでも児童ポルノ製造になる?
  • 児童ポルノ製造罪で捕まったら必ず有罪になる?

児童買春・児童ポルノ禁止法の「児童ポルノ製造罪」とは?

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「児童ポルノ製造」の刑罰は懲役何年?

児童ポルノ製造罪は、その目的と行為によって刑罰が異なります。

製造行為刑罰
児童ポルノを提供目的で製造する
児童ポルノを提供目的以外で製造する
児童をひそかに盗撮し児童ポルノを製造する
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
児童ポルノを不特定多数に提供する目的で製造する5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金

大きな枠組みでは、児童ポルノを撮影・作成することが「児童ポルノ製造」にあたります。

なかでも、インターネット上で不特定多数に見せたり、売ったりするために児童ポルノを製造することは特に重く罰せられます。

どんな画像が「児童ポルノ」になる?」

児童ポルノとは、以下のような写真、画像、絵などを指します。

児童ポルノとは

18歳未満の実在する児童の、以下の姿を映したもの

  • 性交や性交類似行為の姿
  • 児童が他人の性器に触る姿
  • 他人が児童の性器に触る姿
  • 衣服の全部または一部を脱いだ児童の性器周辺、胸、臀部が露出・強調されている姿

それでは、具体的にどのような行為が自動ポルノ製造にあたるのか見ていきましょう。

①児童買春時に撮影をして児童ポルノ製造

18歳未満の児童を買春し、性交した時や服を脱いだ時の写真を撮影した場合、児童ポルノを製造罪が成立します。

児童買春容疑で逮捕された方が取り調べを受け、スマホを押収されたことで児童ポルノ製造も発覚する、といったケースが多くなっています。

また、この場合以下の罪も成立する可能性があります。

同時に起こりうる行為その他に成立する
金銭など対価を支払って18歳未満とみだらな性交をする児童買春禁止法違反
金銭など対価を支払わず18歳未満とみだらな性交をする青少年保護育成条例違反(淫行)
性交などの相手方が13歳未満強制性交罪、強制わいせつ罪

②わいせつ画像を送信させて児童ポルノ製造

SNSなどを通じて児童にわいせつな自撮りを送らせた場合も、児童ポルノ製造罪が成立します。

この場合、実際に「製造」したのは児童ですが、撮るように要求する行為などにより、受信した時点で加害者も「製造」していると考えられています。

同時に起こりうる行為その他に成立する罪
わいせつ画像を送らせる際に脅迫行為があった場合強要罪、強制わいせつ罪
わいせつ画像を送るよう脅迫、しつこく要求した場合脅迫罪、青少年保護育成条例違反など

③児童買春時に相手を盗撮して児童ポルノ製造

児童買春、淫行などの際に、性交等の相手方となっている児童をひそかに撮影することでも児童ポルノ製造罪となります。

また盗撮場所にもよりますが、以下の罪が成立する可能性もあります。

同時に起こりうる行為その他に成立する罪
ひそかに盗撮する行為各都道府県の迷惑防止条例違反*、軽犯罪法違反
児童を売春する行為児童買春禁止法違反
児童と淫行する行為青少年保護育成条例違反
*ホテルや自室など私的な空間における盗撮を罰するかは都道府県によって異なる

④盗撮時に児童が映りこんで児童ポルノ製造

カメラをトイレや更衣室に設置して盗撮していた際、児童の裸体などを撮影してしまった場合も児童ポルノ製造罪が成立します。

同時に起こりうる行為その他に成立する罪
ひそかに盗撮する行為各都道府県の迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反
盗撮カメラを設置しに侵入する行為建造物等侵入罪

18歳以上だと思ってても児童ポルノ製造罪になる?

もしも児童ポルノを撮影する故意が無い場合、つまり相手を18歳以上だと思い込んでいた場合には、児童ポルノ製造罪は成立しません。

ただし、本当にそう思うことが相当であったと言えるかは厳しく判断されます。

例えば相手が18歳以上と名乗っていたとしても、年齢確認を怠っていたり、それまでのやりとりから本当の年齢を知ることができたと考えられるような場合には、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。

児童ポルノ製造罪で逮捕されたらどうなる?

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それでは、実際に児童ポルノ製造罪で逮捕された場合逮捕されず取り調べされる場合の流れを見ていきましょう。

①児童ポルノ製造罪での逮捕から最大72時間身体拘束

もしも警察に逮捕された場合、勾留請求まで最大72時間、留置場で過ごすことになります。

この期間は家族でも面会できませんが、弁護士の接見を通じて伝言や差し入れが可能です。

この期間に、身元や児童ポルノ製造に至った経緯、被害者との関係、画像の照会などが行われます。

逮捕後48時間以内には検察に送検され、そこで検察官からも直接質問を受けることになります。

②勾留決定したらさらに最大20日間拘束

勾留が決定した場合、その後最大20日間取り調べが続き、その期間内で起訴するか不起訴とするかが決定されます。

引き続きの取り調べが必要であったり、逃亡・証拠隠滅の恐れがあると思われる場合は勾留が続きます。

早期釈放を望む場合は、弁護士側から意見書を提出したり、勾留決定に対する準抗告をして決定を取り消してもらうことなどが可能です。

不起訴となるには、主に以下のようなパターンがあります。

  • 嫌疑不十分
    画像や児童とのやりとりが見つからないなど、児童ポルノを製造したという証拠が不十分であるとき
  • 起訴猶予
    被害者と示談済み、犯行態様がさほど悪質でない、本人が十分反省しているなどの理由から、訴追を必要としないとき

③起訴決定したらさらに裁判まで拘束が続くこともある

起訴が決定した場合、裁判までおよそ1ヶ月以上の期間、勾留が続くこともあります。

起訴後の勾留からの釈放を望む場合、保釈金を支払って保釈手続きを進める必要があります。

保釈されればご家族や会社と話す時間がとれるほか、弁護士と打ち合わせをしたり、再犯防止のため通院したりすることもできます。

④略式裁判、刑事裁判

裁判の形式としては、主に略式裁判と通常の刑事裁判があります。どちらも非常に高い割合で有罪となります。

略式裁判被疑者の同意を得て、公判を開かず簡易裁判所で簡易な手続きにより行われる裁判
100万円以下の罰金刑が科される場合に限られる
刑事裁判公判を開き、通常地方裁判所で通常の手続きにより行われる裁判
科される刑罰に制限はない

児童ポルノ製造罪で逮捕されなかった|在宅捜査の場合

在宅捜査の場合、逮捕されたときのような72時間、20日間といった期間制限はなく、在宅のまま起訴・不起訴が決定します。

被疑者は、警察の呼び出しに応じてその都度警察署に赴き、取り調べなどをうけることになります。

児童ポルノ製造罪の弁護活動とは?

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児童ポルノ製造罪での不起訴を目指すのが一番

児童ポルノ製造事件においては、そもそも裁判を避け、不起訴を目指すのが基本的な弁護方針となります。

なぜなら児童ポルノ製造罪で裁判となると、非常に高い割合で有罪となってしまうためです。

児童ポルノ製造罪の被害者がわかる場合は示談が重要

もしも児童買春相手を撮影していたり、SNSで特定の相手から自撮りを受け取ったりしている場合は、被害者側と示談することが最も有効です。

不特定多数の盗撮など、相手方が特定できない場合でも贖罪寄附をしたり、性的依存症の治療施設に通うことで、反省を示し、再犯防止に努めることができます。

そのような姿勢が評価されれば、不起訴となる可能性があがります。

弁護士が自首に同行することも可能

もしも児童ポルノ製造で警察から連絡が来ていない段階であっても、不安であれば弁護士が自首に同行することもできます。

事件発覚前であれば、自首することにより逮捕されずに済んだり、弁護士が身元引受人になることで家族や職場に知られず済んだケースもあります。

もっとも、状況によっては自首することが得策とは言えない場合も多くあります。

自首を決める前に、必ず弁護士に相談し、詳しい状況などを共有するようにしてください。

会社や家族に児童ポルノ製造がバレる可能性はある?

基本的に警察が児童ポルノ製造罪について家族や会社に告げることはありません。

ですが身元引受人として連絡せざるを得ない状況になってしまったり、逮捕勾留が長引くことにより事実を明かさなければならなくなる、といったことは十分に考えられます。

できるだけ早期に弁護士に相談し、身柄拘束からの早期釈放を目指すことが有効です。

児童ポルノ製造罪でのご不安は弁護士にご相談ください

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児童ポルノ製造罪は重大な犯罪ですが、その認識なく撮影行為に及んでしまう方が多くいらっしゃいます。

もしもご自身の製造行為に気づいてしまったり、また警察からご連絡が来た場合には、すぐ弁護士にご相談ください。

製造罪は行為態様が多岐にわたり、初動から適切な対応をとることで、不起訴となる可能性も上がります。

まずはお気軽にご相談ください。