第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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大麻リキッドで逮捕|逮捕後の流れや刑罰・逮捕回避について解説
大麻リキッドと呼ばれる液状大麻は、電子タバコのように吸引できる手軽さから、若者を中心にまん延しています。
令和4年、大麻(大麻リキッドを含む)で検挙された人数は5,546人で、20歳代は2,853人(前年比1.1%増)でした(令和5年版 犯罪白書「大麻取締法違反等」より)。
- 大麻リキッドとは?逮捕の流れは?
- 大麻リキッドで逮捕された時の刑罰は?
- 逮捕の回避、不起訴・執行猶予を目指す方法は?
大麻リキッドの使用・所持等で逮捕のお悩みがある方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
大麻リキッドとは?
大麻リキッドとは?
大麻リキッドとは、液状の大麻のことをいいます。
大麻リキッドには、大麻草から抽出したTHC(テトラヒドロカンナビノール)という有害成分が含まれており、大麻幻覚や記憶障害・学習力の低下などをもたらすといわれています。
大麻リキッドと乾燥大麻の違い
また、大麻リキッドには、乾燥大麻よりも多くのTHCが含まれていることが特徴です。
THCの濃度は、乾燥大麻が5~10%前後なのに対し、大麻リキッドは70〜80%とかなりの差があります。
よって乾燥大麻よりも毒性が強く、依存症となるリスクも高くなるという点で、特に問題視されているのです。
大麻リキッドは使用・入手しやすい?
使用方法としては、電子タバコのカートリッジに大麻リキッドを注入し、そのまま吸引する方法が主流だとされています。
電子タバコは、一般の「タバコ」とは違い無害性のものが多いです。
よって、喫煙具であるにもかかわらず、未成年者でも入手できることがある点も問題といえるでしょう。
大麻リキッドそのものにおいても、インターネットなどで隠語で売買されていることがあり、入手規制がいまだ整備されていないのが現状です。
大麻リキッドの逮捕と刑罰
2024年12月12日以降の罪・刑罰
2024年12月12日以降、大麻リキッドの使用、所持、売買、密輸等は、麻薬及び向精神薬取締法(以下「麻向法」といいます。)の違反で、逮捕される可能性があります。
刑罰は以下のとおりです。
態様 | 営利目的 なし | 営利目的 あり |
---|---|---|
使用 所持 譲渡 譲受 製剤 小分け など | 1ヶ月~7年の懲役 | 1年~10年の懲役 ※情状により300万円以下の罰金を併科 |
輸出入 製造 など* | 1年~10年の懲役 | 1年~20年の懲役 ※情状により500万円以下の罰金を併科 |
麻向法(令和6年12月12日施行)65条、同法66条、同法66条の2
* 大麻草の栽培は、大麻草の規制に関する法律(令和6年12月12日施行)24条違反となり、1年以上10年以下の懲役。営利目的の場合は1年以上20年以下の懲役となり、情状により500万円以下の罰金が併科される。
大麻リキッドに関する犯罪で逮捕・起訴され有罪になれば、懲役刑が科される可能性があります。
営利目的で大麻リキッドの所持、密売、密輸等をした場合は、罰金刑も併科される(懲役と罰金が同時に科される)可能性もあります。
2024年12月11日以前の罪・刑罰
2024年12月の法改正前は、大麻リキッドの所持、密輸等は大麻取締法違反の罪でした。
(続きを読む)
大麻取締法では、以下のような行為が禁止されています。
態様 | 営利目的 なし | 営利目的 あり |
---|---|---|
所持 譲受 譲渡 など | 5年以下の懲役 | 7年以下の懲役 ※情状により200万円以下の罰金を併科 |
栽培 輸出入 など | 7年以下の懲役 | 10年以下の懲役 ※情状により300万円以下の罰金を併科 |
なお、2024年12月11日以前は、いわゆる大麻の「使用」を罰する規定はなく、友達の大麻リキッドを遊び半分で吸引(使用)しても、自分が所持していなければ逮捕されることはありませんでした。
しかし、2024年12月12日以降は、大麻リキッドの「使用」は犯罪となり、逮捕される可能性があります。
後日逮捕の要件
逮捕の要件は(1)嫌疑の相当性(証拠上、その犯罪を犯したと十分に疑われること)、および(2)逮捕の必要性(逃亡・証拠隠滅のおそれが認められること)です。
嫌疑の相当性
大麻リキッドを所持している場合、大麻の購入履歴がある場合などは、嫌疑の相当性が認められる可能性があります。
また、薬物所持の疑いで逮捕される際、予試験といって警察官が簡易的な鑑定をすることが多いです。
大麻事犯でも予試験が行われますが、覚醒剤のようにその場ではすぐに反応が出ません。
警察は、いったん持ち帰り、鑑定の結果を待ってから、大麻事犯の嫌疑の相当性を固め、後日逮捕に踏み切るという流れが想定できます。
逮捕の必要性
大麻リキッドの在庫を処分したり、仲間との口裏合わせをしたりなど、薬物事件では、証拠隠滅のおそれが認められやすいものです。
そのため、大麻リキッドに関する犯罪でも、逮捕の必要性が認められやすい傾向があります。
大麻リキッドの逮捕の流れ
大麻リキッドで逮捕されるきっかけ
大麻リキッドで逮捕されるきっかけには、以下のようなものが考えられます。
- 警察の職務質問
- 大麻リキッド吸引中、警察官に見つかった
- 大麻リキッドの密売に関するSNS投稿
- 大麻リキッドの購入履歴
- 鑑定、家宅捜索
- 関係者が検挙され、芋づる式に捕まった
大麻リキッドで逮捕された後の流れ
(1)逮捕
大麻リキッドに関する犯罪は、後日逮捕されることが多いです。
警察の逮捕された後は、被疑者(事件の容疑者)として、警察の取り調べを受けます。
(2)送致(逮捕から48時間以内)
その後、身柄事件の場合、逮捕から48時間以内に、検察庁に身柄と事件が送られます(送致)。
(3)勾留の請求(逮捕から72時間以内)
送致を受けた検察官は、取り調べをおこない、被疑者の身柄を釈放するかどうか考えます。
「捜査の必要性があり、被疑者を釈放できない」と判断した場合、検察官は、裁判官に対して、勾留(こうりゅう)を請求します。
勾留というのは、逮捕後におこなわれる、比較的長期の身体拘束のことです。
検察官の勾留請求は、逮捕から72時間以内、かつ被疑者を受け取った時から24時間以内におこなわれます。
(4)勾留の決定
勾留請求を受けた裁判官は、審査をおこない、勾留の必要性がある場合、勾留を決定します。
勾留は原則10日間、勾留延長の場合はさらに10日間以内の範囲で認められます。
つまり、最大20日間、身体拘束が続くことになります。
(5)起訴
検察官は、勾留の満期までに、被疑者を起訴(きそ)するかどうかを決めます。
起訴というのは、刑事裁判にかけることです。
大麻に関する犯罪で起訴された場合、公開の法廷で、刑事裁判を受けることになります。
大麻の所持量が多い場合、営利目的の場合などは、初犯でも起訴される可能性があります。
起訴されない場合
不起訴処分(起訴をしない決定)の場合、その後、刑事裁判にかけられる可能性はなくなり、刑罰を受けることはありません。
処分保留になると、釈放はされますが、その後「在宅事件」として捜査が続き、時効をむかえるまで起訴される可能性が残ります。
未成年の大麻リキッド所持は逮捕される?
14歳未満の未成年
14歳未満の未成年の場合、大麻リキッドの所持等で「逮捕」はされません。しかし、補導等された後、家庭裁判所に送致されることもあります。
14歳以上の未成年
14歳以上の未成年の場合、大麻リキッドの所持、購入等すれば、逮捕される可能性があります。その後は、必ず、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所の審判
家庭裁判所では、未成年について入念な「調査」をおこない、審判が開始されれば、裁判官が審理のうえ処分を決定します。
少年事件の審判で言い渡される決定には、以下のようなものがあります。
- 不処分
- 保護処分
- 児童福祉手続
- 刑事手続き
- 試験観察
大麻リキッドで逮捕されても初犯である場合、グラム数などが多くなければ保護処分となるケースが多いようです。
しかし、大麻事犯を繰り返していた場合などは、少年院送致の可能性も十分ありえるでしょう。
大麻リキッドの逮捕の不安は弁護士に相談を
大麻リキッドでの逮捕を回避するには?
大麻リキッドでの逮捕は、後日逮捕(通常逮捕)が多いです。
後日逮捕は、現行犯逮捕とは異なり、その場で警察署に連行されるわけではなく、一定の時間をおいて連行・収容されます。
後日逮捕を回避するには、逮捕前、すみやかに弁護士相談することが鉄則です。
最寄りの刑事事件を扱う弁護士事務所などに連絡しましょう。
職務質問を受けたケースですと、その直後が望ましいです。
弁護士に大麻所持の全容を打ち明け、逮捕回避の可能性や、対処法などについて相談しましょう。
弁護活動の一例
逮捕の必要性を低くする事情の例
- 養うべき家族がいる
- 身元を引き受けてくれる家族がいる
- 定職に就いている
- 罪を認めている
- 証拠品・関係者の情報を隠さず打ち明けている
大麻リキッドの逮捕後、不起訴・執行猶予を目指すには?
大麻リキッドは、依存性が高い危険な違法薬物です。反省して服役しても、再度同じ罪を犯してしまうことが珍しくありません。
そのため、大麻事犯で不起訴や執行猶予を獲得するには、「二度と大麻に手を出すことが無い」、「更生の意欲が高い」といった事情を、検察官や裁判官に対してアピールする必要があります。
- 不起訴の獲得
検察官に掛け合う必要がある - 執行猶予判決の獲得
裁判官を説得する必要がある
大麻の逮捕事件に強い弁護士は、いつ、どのような主張をすれば効果的なのか、熟知しています。
大麻事犯の処分軽減に有利な事情の例
大麻事犯の不起訴、執行猶予を目指す場合、有利な事情の例としては、以下のようなものです。
- 所持量が少なく、大麻への親和性が低い
- 営利目的ではない
- 大麻・薬物依存から抜け出すための治療を受けている
- 大麻リキッドの所持を反省している
- 大麻の関係者との連絡を絶った
- 更生を手助けしてくれる身元引受人がいる
わずかでも処分軽減を望む場合には、弁護士依頼を検討しましょう。
刑事弁護は、逮捕前から依頼可能です。
それどころか、逮捕後、時間が経過してしまうと手遅れになることも考えられます。
大麻事件・アトムの解決事例
以下、アトム法律事務所の大麻事件解決実績例を1つご紹介します。
友人と共同・営利目的という状況で身柄解放と実刑回避を実現
逮捕後の受任。
友人と共同で大麻を栽培しており、複数人が関与している事件であったが、起訴後の保釈請求が認められた。
また、営利目的ということもあり、重い刑罰が予想されるところ、実刑を回避し執行猶予付き判決を獲得。
本人は大麻栽培のほか、大麻・MDMAやLSDの所持の容疑でも逮捕されていた。
このほか、アトム法律事務所では解決実績の一部を、個人情報に配慮したうえで、公開しています。
気になる方は『大麻の執行猶予率』のページでご確認ください。
24時間相談ご予約受付中
アトム法律事務所は、2008年創業以来、ずっと刑事弁護にたずさわってきました。
刑事事件の解決実績、ノウハウの蓄積に裏付けられた弁護活動が得意です。
- 家宅捜索で大麻リキッドが見つかった
- 大麻の陽性反応が出てしまいそうで怖い
- 大麻で逮捕された家族のために、何ができる?
このようなご不安をお持ちの方は、お早目にご相談ください。
大麻リキッドの使用、所持をはじめ、麻薬に関する犯罪の早期解決のために弁護士が尽力いたします。
逮捕回避は、警察署に対する意見書をもっておこないます。
具体的には、逮捕の必要性がない旨、文書で訴えていくことになります。