岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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痴漢事件の職場への影響|逮捕されたらどうなる?痴漢事件で解雇はされる?

痴漢事件と職場への影響・対策について解説しています。

この記事にたどり着いた方は、以下のことでお困りではないでしょうか?

  • 痴漢事件で逮捕されたら職場にばれてしまう?
  • 痴漢事件を起こしたら職場を解雇される?

当記事では、大きくこれら2点について疑問を解決していきます。

痴漢事件の被疑者になってしまった場合、その場で現行犯逮捕される可能性が高いです。
逮捕された被疑者は、しばらくは警察署の留置場での生活を強いられ、職場やご家族と連絡が取れません。
そのような逮捕にまつわる影響・疑問を解決していきましょう。

また、逮捕後釈放された場合であっても、痴漢事件が職場にばれてしまった場合どうなってしまうのか、当事者は様々な心配事を抱えるでしょう。
会社の方針のみに従い、当事者は解雇されてしまうのでしょうか?
解雇されるリスクや対策などについての疑問も解決していきましょう。

  • 痴漢で逮捕されたら職場にばれる?ばれない方法は?
  • 痴漢で職場に迷惑をかけないためにできることは?
  • 痴漢事件で職場を解雇されることはある?
  • 痴漢事件で職場を解雇されないためには?

痴漢で逮捕されたときの職場への影響は?

逮捕の流れと職場への影響

痴漢行為は「迷惑防止条例違反」や「強制わいせつ罪」に該当することが多く、被害対象が女性であっても男性であっても成立しえます。
痴漢で逮捕後、職場への影響で懸念されることには、おもに以下が考えられます。

  • 逮捕後の身柄拘束により長期欠勤が続く
  • 逮捕後の身柄拘束により職場に痴漢事件のことを話す必要が出てくる
  • 長期の欠勤により仕事の面で職場の人に迷惑をかける

これら懸念される内容について、逮捕後の流れに沿って解説していきましょう。

冒頭で触れたように、痴漢行為をおこなった場合、その場で現行犯逮捕される可能性が高いです。
現行犯逮捕とは、目撃者などによって、犯行中(痴漢行為中)に逮捕されることです。

現行犯逮捕の流れ

図のとおり、逮捕された被疑者は警察署に連行され、そのまま留置場などに収監されます。
収監されると、被疑者のご家族には通常警察から電話連絡がいきますが、ご家族がすぐに面会できるわけではありません。

逮捕後72時間は、警察の取り調べなどにより、一般面会が禁止されています。

弁護士であれば、逮捕直後でも被疑者と面会することが可能です。
これは法律上規定された、弁護士のみの特権です。

弁護士接見(面会)は一般面会のように時間制限がなく、立会人も不要です。
逮捕された直後は、取り急ぎ弁護士接見を依頼するといいでしょう。
痴漢事件の今後の見通しなどについて相談することが可能です。
職場への対応について、希望を考慮しつつ対応方法を見いだせるでしょう。

逮捕されたあとの流れは、以下図のとおりです。

刑事事件の流れ

痴漢事件について、職場にはばれたくない・迷惑をかけたくないという方が大半ではないでしょうか。

図のとおり、逮捕後48時間以内に被疑者の身柄は検察官に送られます。
その後、検察官の判断により、被疑者をそのまま勾留するかどうかが決まります。
この手続きのことを「勾留請求」といいますが、勾留請求ののち勾留決定されてしまいますと、さらに最大20日間もの留置場生活が続きます。
身柄拘束が長期になればるほど、職場に痴漢事件を隠し通すことが困難になるでしょう。

痴漢事件当日や、数日間程度の欠勤は職場にばれずに済むかもしれません。
しかし体調不良等の理由を使って欠勤し続けた場合、傷病の申告を促されることもあるため、隠し通せない可能性が考えられます。

勾留満期後は、検察官によって起訴される可能性も出てきます。

起訴とは、検察官による公訴の提起をいい、刑事裁判にかけられることをいいます。
仮に起訴後も身柄拘束が続いた場合、何か月も会社を休んでしまうことになります。

民間企業の会社員の場合、会社に在籍している以上職場や他の従業員に迷惑をかけてしまう点も懸念されます。
大手企業にお勤めの方や、地位・立場が上位の方の場合ですと、痴漢事件・逮捕が明るみになれば報道されるという可能性も考えられます。
その場合、職場に在籍しづらくなるのはいうまでもありません。

また、最悪のケースですと、痴漢事件の被疑者が起訴され前科持ちになってしまうことも考えられます。
そうなると、ますます職場に在籍することは難しくなるでしょう。

次章では、逮捕・勾留による不利益にかかる対策について言及していきましょう。

痴漢が職場にばれたくない・職場復帰したい方へ

痴漢事件で逮捕されてしまった場合、まずはご家族が事件について知ることになります。
ご家族ができることとして望ましいのは、やはり弁護士接見依頼です。

弁護士接見やその後の弁護活動の依頼により、以下のような職場対策をすることが可能です。

  • 逮捕中・勾留中の身柄解放活動
  • 被害者との示談
  • 不起訴処分獲得に向けた活動

では順番に解説していきましょう。

逮捕後、勾留がついた場合の起訴・不起訴の判断が下るまでの身柄拘束期間は最大で23日間です。
まずは身柄解放活動を検討しましょう。
身柄が解放されることにより、職場を長期欠勤せずに済みます。
また、職場の従業員に、痴漢事件を悟られる可能性が低くなるでしょう。

被疑者の釈放に向けての活動内容ですが、検察官による勾留請求前・勾留請求後に、勾留する必要がない旨弁護士を介して訴えていきます。
勾留される要件は、刑事訴訟法60条に規定されている以下の内容になります。

勾留の要件

勾留の要件を満たさない旨、また、「勾留の必要性がない」旨を検察官や裁判官に訴えていきます。


勾留請求されずに済んだ場合、もしくは勾留請求が却下された場合は、被疑者はただちに釈放されます。

痴漢事件の場合ですと、被疑者と被害者には通常面識がありません。
そのような事情・背景から、被疑者が被害者を威迫し、痴漢の証拠を隠すことは考えにくいでしょう。

一例として、そのような点を検察官や裁判官に訴えていくことになります。

つづいて、刑事処分における対策について解説いたします。

痴漢事件など被害者のいる事件においては、示談が重要です。
示談が成立したかそうでないかで、被疑者の今後の処分に大きく影響するのです。
弁護士による示談交渉が成功すれば、不起訴処分となる可能性が高くなります。

また、示談交渉前に釈放されていた場合は在宅捜査となるため、その後の捜査と並行して示談が成立すれば、職場に出勤しながら不起訴処分を獲得できるでしょう。

以上、身柄解放と不起訴処分獲得ができれば、職場復帰事件終了を早期に迎えられる可能性が高くなります。

痴漢をしたら職場を解雇される?

痴漢で職場を解雇される可能性と解雇の種類・解雇理由

痴漢事件を起こした場合に、職場や会社を解雇されることがあるかと言われれば、解雇されることはあるでしょう。

解雇(クビ)とは、会社側の一方的な意思表示による労働契約の解除をいいます。
なお、解雇にも「普通解雇」や「懲戒解雇」など種類があり、痴漢事件を起こした場合はどちらの解雇にも該当しえます。

すこし労働問題の話題になりますが、普通解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合でない限りは無効です。
これは解雇濫用法理といって、上記を欠く場合は解雇権濫用であるとされているのです。
普通解雇の例には、私傷病などで就業できない場合や、能力不足により働き続けることが困難な場合などがあります。

痴漢事件の場合、逮捕・勾留などによって欠勤が長引いた場合には、解雇予告を通して普通解雇に付されることもあるでしょう。

痴漢事件を起こしたことが職場に明るみになった場合は、以下にご説明する懲戒解雇になる可能性も考えられます。

懲戒解雇とは、労働者に帰責事由がある場合の解雇です。
痴漢事件を例にしますと、痴漢事件を起こし、有罪判決を受けた場合に懲戒処分に付される可能性があります。

しかし、懲戒解雇・懲戒処分は、会社員や従業員の方にとって重大な不利益に値します。
どのような痴漢事件でも懲戒解雇となるわけではなく、会社側は慎重な手続きをもっておこなわなければなりません。

痴漢事件で懲戒解雇されうる根拠を挙げてみましょう。

  • 痴漢事件で「有罪判決」が下されている
  • 懲戒解雇となる事由が会社の就業規則に明記され、従業員に周知されている

有罪判決には、執行猶予付き判決も含まれます。

しかし逮捕された場合であっても、その時点では被疑者の有罪が確定しているわけではありません。
刑事事件で逮捕され、その後起訴されて有罪判決を受けるまでは、犯罪者扱いをすべきではないという刑法の原理原則に基づくためです。

つまり、逮捕や勾留で身柄拘束されていたとしても、有罪判決が下されていない段階で懲戒解雇に付することは、会社側の違法となる可能性があります。

また、いくら痴漢事件で起訴された場合であっても、会社の就業規則に解雇理由が明記されていない・就業規則の内容が周知されていない場合は、解雇が無効となる可能性があります。
ご自身の会社に備え付けられている、就業規則を確認しましょう。

痴漢で職場を解雇されたくない方は弁護士に相談

これまでお話ししてきた、痴漢事件と解雇にまつわる問題については、弁護士への相談を利用しましょう。

この章では、弁護士が、痴漢事件の被疑者を職場問題や解雇から救うための手段をお伝えします。
被疑者やそのご家族の要望別に、弁護士ができる活動・対策をまとめてみましょう(あくまで一例です)。

痴漢事件について職場にばれたくない!
  • 逮捕後すぐの身柄解放活動・接見(面会)をする
  • 被害者との示談交渉を並行し、早期釈放と解決に向けて活動
痴漢事件について上司には伝えている・早期職場復帰を果たしたい!
  • 身柄解放に向け、上司の協力を依頼する
  • 不起訴処分獲得に向けて、被害者との示談交渉を行う
痴漢事件で職場を解雇されたくない!
  • 痴漢事件の性質や、会社規則の観点からアドバイスが可能
  • 刑事事件・労働問題について双方からアプローチができる
  • 痴漢事件の不起訴処分獲得を狙い、前科をつけない活動をする

痴漢事件と職場問題について、痴漢事件はあくまで「私生活上の非行」に該当します。
つまり、職場内で問題を起こした事件ではないということです。

たとえば仕事中などに、会社の金庫のお金を横領した事件は、職場内での犯行です。
会社秩序を乱す行為であると判断され、即時解雇(クビ)になることもありうるでしょう。

しかし痴漢事件の場合は、そのような行為とは性質が異なるため、解雇を免れる要素が多いと考えられます。
よって、痴漢事件で有罪判決が出ない限り、ただちに職場復帰を諦める必要はありません。

痴漢事件・職場対応についてお困りの方は、「早期」の弁護活動を依頼することをおすすめします。