岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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リベンジポルノで逮捕されたらどうすればいい?弁護士相談と示談は早めが鉄則

元交際相手が憎く、復讐目的でインターネット上に裸の写真をばらまいた・・・
自分ではそのような性的画像を所持していないが、第三者に提供してしまった・・・

これらはどちらも、リベンジポルノ法違反で処罰される可能性があります。
当記事では、近年制定されたリベンジポルノ法について解説しつつ、逮捕例や逮捕後の流れについて説明しています。

  • リベンジポルノ法違反とは?なにが規制される?
  • リベンジポルノと他のわいせつな罪との違いは?
  • リベンジポルノ法違反で逮捕されたらどうなる?
  • リベンジポルノ法違反で逮捕されたら何を優先すべき?

リベンジポルノ法違反に該当しそうな方、ご家族からリベンジポルノで逮捕されそうと相談を受けたご家族の方は、ぜひ最後までお読みください。

リベンジポルノ法違反とは?

リベンジポルノ法の正式名称は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」です。
平成26年に制定された比較的新しい法律であり、もともとは元交際相手などからの復讐による、被害防止のためにできた法律です。

加害者には、重いもので懲役刑が科せられることもあり、被害者の告訴があれば事件は必ず捜査されます。
なお、被害者からの告訴がない場合は、そもそも逮捕や起訴されることはありません。
リベンジポルノは、被害者からの告訴を必要とする「親告罪」にあたるのです。

告訴とは、被害者はじめとする告訴権者が、捜査機関に対し、犯罪被害を申告して処罰を求める手続きです。
告訴できる期限は、犯人を知った日から6ヶ月です。

リベンジポルノ法違反で逮捕される要件

リベンジポルノ法違反で規制される行為

リベンジポルノ法違反で規制される行為は、以下の2種類があります。

  1. 公表罪
    第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した

    例)被害者の顔ははっきりとはわからないものの、画像の背景やその他容姿などから本人と判定できる性的画像を、自分のSNSに投稿して複数人に知らしめた

  2. 公表目的提供罪
    公表させる目的で、私事性的画像記録(物)を提供した

    例)復讐したい相手との性にまつわる動画を、友人や知人に渡し、友人知人にSNSで投稿してもらうようお願いした

2の公表目的提供罪について、自らが手を下さなくとも、第三者に拡散依頼をすればリベンジポルノ法違反にあたる可能性があるのです。

リベンジポルノ法違反で規制される画像とは

リベンジポルノ法で規制している画像は、次のいずれかに掲げる「人の姿態(したい)が撮影された画像」をさします。

私事性的画像記録とは

  1. 性交又は性交類似行為に係る人の姿態 
  2. 他人が人の性器等(性器、こう門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
  3. 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

上記の画像に該当し、かつ撮影された被害者が、第三者が閲覧することを認識していない場合が対象です。
撮影対象者(被害者)が任意に撮影を承諾したもの、または撮影をしたものは除きます。

リベンジポルノ法違反で逮捕後科せられる刑罰

リベンジポルノ法違反の刑罰については、以下のとおりです。
第三者に拡散を依頼しただけであっても、起訴されて有罪判決が出れば懲役刑の可能性があります。

リベンジポルノ公表罪3年以下の懲役または50万円以下の罰金
リベンジポルノ公表目的提供罪1年以下の懲役または30万円以下の罰金
私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律第3条

リベンジポルノ法と他の法律違反との違い

わいせつな罪を取り締まる、他の法律との違いをみてみましょう。

児童ポルノ法違反との違い

児童ポルノの罪との大きな違いは、同罪の被害者が10代に限るということです。
具体的には、児童ポルノ法違反の疑いがもたれるのは、被害者が18歳未満であったケースです。

たとえば10代の少女が、交際相手に性的な写真を送らされたとします。
この写真を、不特定多数の人間に出回る可能性のある方法でネット上に掲載したり、知人に送信したりした場合、児童ポルノ法違反・リベンジポルノ法違反どちらも成立する可能性があります。

児童ポルノ法違反のなかでも、上記のように不特定多数に提供する目的で「製造」した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金刑に処される可能性があります。

わいせつ物頒布罪との違い

わいせつ物頒布罪は、頒布・公然陳列・電気通信による頒布・所持保管の4つに分類され、以下のような疑いがあるケースで適用されます。

  • わいせつ物頒布
    わいせつ物を不特定多数の者に交付した
  • わいせつ物公然陳列
    インターネット上にわいせつな動画や画像をアップし不特定多数の者が閲覧できる状態にした
  • わいせつ物電気通信による頒布
    わいせつな画像などデータを、第三者のメールアドレスに送信し、第三者が取得できる状態にした
  • わいせつ物所持保管
    わいせつ物を実際に手元に置いたり、自宅で保管した

一見児童ポルノ法違反と似ていますが、わいせつ物頒布罪においては、「わいせつ物」の定義が限定されていることが特徴です。

具体的には、性的な部位にモザイクがかかっていた場合などは、わいせつ物頒布罪で立証することは困難なことが多いです。
その点リベンジポルノ法違反該当のケースですと、性的画像の対象範囲が広いといえるでしょう。

わいせつ物頒布罪における「わいせつ物」について明確な基準はありませんが、裁判官による判断が重視されます。

リベンジポルノで逮捕されたら?

リベンジポルノ法違反で、実際に逮捕されてしまった場合について解説いたします。
大きな流れは以下のとおりです。

リベンジポルノで逮捕されたあとの流れ

刑事事件の流れ(逮捕・勾留された場合)

児童ポルノ法違反の疑いがもたれ、警察に逮捕された場合、最大72時間はご家族との面会すらできません。
しかしこの期間であっても、ご家族や本人の意思で弁護士に接見依頼した場合、弁護士は被疑者と面会ができます。
弁護士の場合、接見の制限時間もありませんし、立会人も不要です。

被疑者のご家族は、弁護士を通じて伝言や差し入れが可能になるでしょう。

なお、被疑者は逮捕後48時間以内に、警察から検察へ送致されます。

検察官に身柄送致されたら、検察官が勾留請求するかしないかを判断します。
この判断は、被疑者の身柄を受け取ったときから24時間以内にしなければなりません。

被疑者が勾留請求されてしまった場合、さらに身柄拘束が続きます。
勾留が決定すれば、10日間は確実に拘束され、延長された場合はさらに最大10日間の勾留がつきます。
つまり、リベンジポルノで逮捕に至ってしまった場合、約1ヶ月弱は留置場から出られないことがあるのです。

この時点で弁護士に依頼した場合、事件内容を被疑者と弁護士とで共有することができます。
そのうえで、身柄解放活動をおこなったり、今後の刑罰回避について被害者の対応を検討することが可能になるでしょう。

リベンジポルノ法違反で逮捕されてしまった場合でも、その後検察官に起訴されなければ「有罪」にはならず前科もつきません。
刑罰や前科を回避するには、被害者との示談が有効です。

被害者との示談がかなわず、残念ながら検察官に起訴されてしまった場合は、以下のような流れをたどります。

起訴の流れ

限られた捜査期間において揃った証拠をもとに、検察官はその後の処分について検討します。
捜査で十分な証拠が出そろっていない場合や、そもそも嫌疑がない場合は起訴されませんが、証拠が十分、かつ被害者からの告訴が取り消されていないケースですと、起訴される可能性が高いでしょう。

起訴後は正式裁判となり、判決で刑罰が確定します。

リベンジポルノで逮捕されたら絶対にやっておきたいこと

リベンジポルノが親告罪であることについてはお話ししました。
被疑者が起訴されないためには、起訴される前に被害者と示談をしておくことが最重要課題です。

被害者に告訴を取り消してもらうための活動、つまり示談交渉をおこなう必要があります。

被疑者がリベンジポルノ法違反で逮捕された場合、絶対にやっておきたいことは以下の2点です。

  1. 逮捕後すぐ、弁護士に接見依頼
  2. 逮捕後すぐ、弁護士に被害者との示談交渉を依頼

なぜ逮捕後すぐなのかといいますと、まずひとつめに刑事事件が時間厳守で進行していく点にあります。
逮捕後48時間以内の捜査、24時間以内の勾留請求もしくは釈放、最大20日間の勾留期間・・・
刑事事件が終了するまでの時間は、実にスピーディーです。

仮に起訴後に被害者から告訴が取り消された場合、その後の刑罰においては考慮の対象となりますが、起訴をなかったことには絶対にできません。
そのため、被疑者の人生を大きく変えてしまう起訴・不起訴の判断前に、弁護士相談をしておく必要があるのです。

リベンジポルノの示談金はいくら?

リベンジポルノ法違反で逮捕されたら、被害者との示談交渉を経て不起訴処分を獲得することが理想です。
示談金とは、あくまで被害者本人(場合によっては法定代理人)に支払うものであり、弁護士に支払う弁護士費用とは別物です。

示談金の相場は、だいたい50万円以上であることが多く、100万円以下になることが多いでしょう。
示談金が100万円を超えるケースというのは、強制わいせつ罪など犯罪態様がさらに悪質な場合であることが多く、そのあたりとの比較になります。

示談とは被害者本人と加害者(代理人がいる場合は弁護士)との合意をいいます。
そのため、上記の示談金相場を下回ったり上回ったりする可能性もあります。
まずは事件の全容について、弁護士に相談してみましょう。