岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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証拠隠滅罪とは?罪になる場合とならない場合は?

証拠隠滅罪は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造した場合や、他人の刑事事件に関して偽造・変造の証拠を使用した場合に成立する罪です。証拠隠滅罪の刑罰は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金と刑法104条に規定されています。

他人の刑事事件において、有罪判決につながる証拠を隠したり、破棄したりする行為が証拠隠滅に該当します。

証拠隠滅罪の成立要件

証拠隠滅罪が成立するのは、次の2つのいずれかを満たした場合です。

  • 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造すること
  • 他人の刑事事件に関して偽造・変造した証拠を使用すること

隠滅とは、証拠を隠したり破棄したりする行為です。証人も証拠であることから、証人を匿う行為や逃す行為もこれに含まれます。

偽造は、実在しない証拠を作り出すことです。たとえば、架空の領収書を証拠として作り出す行為は偽造にあたります。

変造は、実在する証拠に変更を加える行為です。たとえば、証拠となる実在の領収書に記載された金額を変更する行為は変造にあたります。

偽造・変造された証拠を使用することとは、証拠が偽造・変造されたものであることを知って、警察などの捜査機関や裁判所に提出する行為です。

証拠隠滅罪の罪にならないケース

次の場合には、証拠隠滅罪にならないか、または罪になりにくいです。

  • 自分の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合
  • 親族の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合
  • 証拠を隠滅する意思がなく、偶然に証拠が隠滅された場合

自分の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合

自分の刑事事件に関する証拠を隠滅する行為は、心情的にやむを得ない行為と考えられています。適法行為の期待可能性がないことから、自分の刑事事件に関する証拠を隠滅しても罪にはなりません。

もっとも、刑事事件において「証拠隠滅のおそれ」は逮捕の要件のひとつです。自分の刑事事件に関する証拠を隠滅すると、その刑事事件で逮捕されるリスクが高まります。

親族の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合

親族の刑事事件に関する証拠は、他人の刑事事件に関する証拠であるため、証拠隠滅罪が成立します。しかし、親族の刑事事件に関する証拠を隠滅することは、心情的にやむを得ない行為といえるでしょう。そのような場面においては適法行為の期待可能性が少ないため、親族の刑事事件に関する証拠を隠滅しても刑が免除されることがあります。

ただし刑が免除される判決も有罪判決の一種であることから、前科となります。

もっとも、免除される可能性が高いと検察官が判断すれば、起訴せず不起訴で事件を終わらせるケースも少なくありません。

証拠を隠滅する意思がなく、偶然に証拠が隠滅された場合

証拠を隠滅する意思がない場合、犯罪の故意がないことから証拠隠滅罪は成立しません。

証拠隠滅罪の刑罰

証拠隠滅罪の刑罰は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

証拠隠滅罪の刑罰は、平成28年6月23日施行の刑法一部改正により、2年以下の懲役または20万円以下の罰金から、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に重罰化されました。

証拠隠滅罪を犯してしまった場合の対処法

証拠隠滅罪を犯してしまった場合、刑事罰を受ける可能性があります。証拠隠滅罪を犯してしまった場合は、弁護士に相談して、適切な対応を検討することが重要です。

弁護士に相談することで、以下のメリットがあります。

  • 弁護士は、証拠隠滅罪の法律的な知識を有しており、適切な対応をアドバイスすることができます。
  • 弁護士は、警察や検察官と交渉し、被疑者にとって有利な結果を得ることができる可能性があります。
  • 弁護士は、被疑者の権利を守り、不当な処罰を受けることを防ぐことができます。

証拠隠滅罪を犯してしまった場合は、早めに弁護士に相談して、適切な対応を検討してください。

証拠隠滅罪のよくある質問

証拠隠滅罪とはどのような罪ですか?

証拠隠滅罪は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造した場合や、他人の刑事事件に関して偽造・変造の証拠を使用した場合に成立する罪です。

刑法104条に規定されています。

証拠隠滅罪の刑罰はどのようなものですか?

証拠隠滅罪の刑罰は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

証拠隠滅罪の罪にならないケースはどのようなものですか?

証拠隠滅罪の罪にならないケースや罪になりにくいケースは、次のとおりです。

  • 自分の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合
  • 親族の刑事事件に関する証拠を隠滅した場合
  • 証拠を隠滅する意思がなく、偶然に証拠が隠滅された場合

証拠隠滅罪を犯してしまった場合の対処法はどのようなものですか?

証拠隠滅罪を犯してしまった場合、すぐに弁護士に相談することが大切です。弁護士は、証拠隠滅罪の罪を軽減するための弁護活動を行います。また、刑事裁判で不起訴や無罪を勝ち取るための弁護活動も行います。

証拠隠滅罪の弁護士に相談するメリットはどのようなものですか?

証拠隠滅罪の弁護士に相談するメリットは、弁護士が証拠隠滅罪になるケースならないケースを理解し、証拠隠滅罪に問われないように適切なアドバイスをしてくれることです。また、弁護士は証拠隠滅罪で逮捕された場合、警察や検察との交渉を代行し、被疑者を不利益な取り調べから守ってくれます。