第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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児童ポルノで逮捕?児童ポルノ禁止法・関税法違反になるケースと対策
以下のようなお悩み・心配事を抱えていませんか?
- 児童ポルノに関与した。児童ポルノをどう扱ったら逮捕されてしまうのか
- 児童ポルノを輸入して所持している。どのような罪で逮捕されるのか
- 児童ポルノにまつわる行為で逮捕されそう。逮捕されたらどうなってしまうのか
児童ポルノで罪になるポイント・逮捕されるポイントは、性的好奇心をもって、児童のわいせつ物やわいせつデータなどに関与したことです。
性的好奇心は深入りすれば個人の問題でもあり、また児童ポルノをどのように扱ったかについては、程度が議論されることもあります。
しかしながら、児童ポルノの罪は、相手が未熟な児童である点で悪質な部類に該当します。
犯罪の程度や、被害者の処罰感情が重いケースですと、最悪の場合実刑判決がくだることもあるでしょう。
当記事では、児童ポルノにまつわる事例・逮捕例をご紹介しています。
そのうえで、どのような罪・刑罰にあたるのか、逮捕される可能性やその後の対策についても解説していきましょう。
なお、現時点で逮捕をおそれている方・逮捕中の被疑者ご家族においては、弁護士を介した対応を急ぐケースもあります。
刑事事件になる前であっても、早めの弁護士相談を利用しましょう。
- 違法となる「児童ポルノ」とはそもそも何?
- 児童ポルノをどう扱ったら罪になる?逮捕される?
- 児童ポルノで逮捕された事例・逮捕の流れとは?
- 児童ポルノの所持などで逮捕されるかが心配・・・弁護士相談後のメリットとは?
目次
児童ポルノとは
「児童ポルノ」とは?
児童ポルノとは、児童が被写体となったわいせつ物をいいます。
また、児童ポルノを規制する法律は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下児童ポルノ禁止法といいます)です。
児童とは18歳未満をいい、男女どちらでも該当します。
ただし、架空のキャラクターなどは、児童であっても同法の児童ポルノとはされず、実物する人物のみが該当する点もポイントです。
よって、児童の裸体が描写された漫画などは、法律で禁止される児童ポルノではありません。
児童ポルノに該当するものの例としては、たとえば以下のようなものがあります。
- 実在の児童が写っているわいせつな写真集
- 実在の児童が写っているわいせつな写真や動画データ・DVDなど
また、以下の条文において、どのように描写されたものが該当するかを規定しています。
法律で規制される「児童ポルノ」の定義
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
児童ポルノ禁止法第2条
「定義」に出てくる児童ポルノの要件、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」にあたるかどうかは、ケースバイケースであるというのが結論です。
ただし、あからさまに児童の裸を撮影したデータは、該当する可能性が高いでしょう。
逮捕事例については、目次「 児童ポルノで逮捕される事例 」で後述します。
児童ポルノ禁止法で規制される行為など
この法律の目的・規制される行為は、以下のとおりです。
児童ポルノ禁止法 の目的
児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童の権利を守る
(児童ポルノ禁止法第1条)
児童ポルノ禁止法で規制される主な行為
- 児童ポルノの単純所持
- 児童ポルノの提供
- 児童ポルノの製造
- 児童ポルノの輸出入
- 児童ポルノの公然陳列
児童ポルノの製造とは、相手に裸の画像などを撮影させ、送信してもらうようなケースです。
実際に会って撮影したケースでも同じです。
なお、児童ポルノの提供・製造の法定刑は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
児童ポルノで逮捕される事例
児童ポルノ禁止法に違反したケース
近年話題になったニュース・事件では、以下が児童ポルノとして摘発され、逮捕にいたっています。
児童ポルノ禁止法違反で逮捕された事例
- 10代の児童と性交をし、その様子を撮影し所持していた
- 10歳未満の児童の上半身裸写真を撮影し所持していた
児童ポルノ禁止法違反に該当する行為などがあり、逮捕される要件を満たした場合、警察に逮捕されてしまうでしょう。
以下は、児童ポルノ禁止法違反で逮捕される要件をまとめたものです。
児童ポルノ禁止法違反で逮捕される要件
- 児童ポルノに該当する物がある
- 児童ポルノを所持・提供など規制される行為をした
- 捜査機関に犯人と思われる証拠をにぎられ、犯人性が疑われている
- 児童ポルノが拡散されるおそれや隠滅される可能性、被疑者が逃亡するおそれなどがある
なお、規制行為が「輸出入」である場合は、次にご説明する「関税法違反」に該当します。
関税法に違反したケース
関税法とは、輸出及び輸入についての税関手続の適正な処理を規定している法律です。
関税法においては、児童ポルノと思われるものを、海外から輸入または海外へ輸出した場合罪になるとされています。
関税法違反で逮捕された事例
- 児童のヌード写真集を、海外から本邦に輸入した
つまり、自分で児童ポルノを製造しなくとも、輸入などによって児童ポルノを受け取り所持していた者は、処罰対象になるということです。
(輸入してはならない貨物)第六十九条の十一
次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
(中略)
八 児童ポルノ(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第二条第三項(定義)に規定する児童ポルノをいう。)
関税法69条の11
上記、密輸などの違反による法定刑は、以下のとおりです。
第百九条
2第六十九条の十一第一項第七号から第十号までに掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(以下略)
関税法109条2項
児童ポルノで逮捕されるきっかけ・逮捕後について
児童ポルノの罪は、どのようにして捜査機関に明るみになるのでしょうか。
まずは被害届により発覚するケースです。
被害届は、原則被害者が捜査機関に提出します。
被害の事実を申告するにとどまり、被害者の処罰意思までを含むものではありません。
しかし被害届がきっかけとなり、捜査が開始することがあります。
また、告発によって事件が明るみになることがあります。
告発とは、犯罪被害者以外の第三者が、事件を申告し処罰意思を申し出ることです。
被害届と同様、捜査が開始され逮捕にいたるケースがあります。
そのほか、児童を取り巻く犯罪においては、サイバーパトロールにより事件が発覚することもあります。
サイバーパトロールとは、現に警察が、ネット上の有害な書き込みなどをチェックすることです。
たとえば、児童ポルノの画像をネットで拡散している犯人や、児童買春などを斡旋している犯人をつきとめ、その後児童ポルノ禁止法の各行為に違反していることが明らかとなることがあります。
逮捕後は、検察官に勾留請求をされる可能性が高いでしょう。
その後一度も釈放されなかった場合、逮捕から検察官の起訴・不起訴の判断がくだるまで最大23日間の身柄拘束となります。
なお、逮捕の必要性がないと判断された場合には、在宅捜査といって、自宅にいながら警察や検察の捜査におもむくことになるでしょう。
児童ポルノで逮捕されそう・逮捕された方は弁護士へ
これまでご紹介した、児童ポルノ禁止法や関税法違反の疑いがある方、もしくはすでに逮捕されてしまった被疑者のご家族は、弁護士に相談しましょう。
児童ポルノ禁止法違反である場合は特に、現に児童の被害者がいることが問題です。
刑事事件では、被害者との示談が最も重要ですが、未成年である児童本人のみでは示談締結ができません。
そこで児童が絡む犯罪においては、児童の親など法定代理人と、弁護士とですることになるでしょう。
児童ポルノで逮捕の可能性・逮捕後に起訴される可能性がある方が留意すべき点は、以下のとおりです。
- 逮捕回避・起訴回避のためには被害者との示談締結が重要
- 相手が児童である場合、両親などの処罰感情が大きくなる傾向にある
- 被害者対応などの弁護活動は、遅くなれば手遅れになることがある
刑事事件で実際に逮捕されてしまった場合、被疑者本人の身柄は拘束されます。
身柄拘束は人権保護と密接な関係にあるため、本来であれば最小限にとどめなければなりません。
そこで逮捕や勾留などの身柄拘束中においては、捜査機関側に厳格な時間制限規定がもうけられているのです。
これは裏を返せば、時間制限があるゆえ、刑事弁護の対応も急ぐ必要があるということです。
弁護活動が遅れてしまうと、検察官に起訴され、正式裁判の手続きに移行する時期がきてしまいます。
検察官に起訴され正式裁判となれば、高確率で有罪判決となります。
有罪判決となれば、前科がつきます。
前科がつく前に手を打っておきましょう。
また、被害者児童や両親の処罰感情においては、慎重な対応が求められます。
そのような対応を誠実におこなってくれる、刑事事件に精通した弁護士に相談・依頼することが重要です。
最後に、児童ポルノに関する弁護活動、おもに示談成立によって得られるメリットをまとめておきましょう。
児童ポルノの弁護活動によるメリット
- 逮捕回避できる可能性がある
- 逮捕・勾留中の場合は釈放される可能性がある
- 検察官に起訴されない(前科がつかない)可能性がある
- 起訴されたとしても刑事処分が軽くなる可能性がある
まずは弁護士に、個別に事件を相談するところからです。
早期の行動が、被疑者・被告人にとって有利な結果を導いてくれるでしょう。
児童ポルノの提供とは、児童ポルノとされるDVDなどのデータを、相手に利用すべき状態におくことをいいます。
たとえば児童ポルノのデータを第三者に販売したケースです。
ただし、有償であるか無償であるかは問いませんので、無償でインターネット上に拡散した場合でも提供にあたります。