岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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「強制わいせつ」強制わいせつで高校生の逮捕後の流れは?処分は?

2023年7月13日以降の事件は「不同意わいせつ罪」に問われます。

  • 高校生の子どもが強制わいせつ捕まった
  • 強制わいせつ逮捕後の流れが気になる。
  • 学校に知られずに解決できる手段は?

こちらでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに高校生強制わいせつで逮捕された場合の悩みや疑問にお答えします。

この記事で解説している法律

法律
刑法176条
条文
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑罰
6か月以上10年以下の懲役

高校生の強制わいせつと逮捕・学校の関係

未成年の逮捕の流れ

強制わいせつで高校生の逮捕後の流れは?処分は?

逮捕後に事件を捜査した捜査機関が、犯罪の疑いありと判断した場合、事件は必ず家庭裁判所に送られます。高校生など未成年の事件の処分は、基本的に家庭裁判所の審判によって決められます。

少年事件では、家庭裁判所の調査を経て、審判が開かれるケース、審判不開始で終了するケース、検察官送致で成人の刑事事件と同じ手続きになるケースに分けられます。審判不開始になれば、それ以上の調査や処分を受けることなく事件は終了します。

家庭裁判所の審判の後は、不処分で終了するケース、検察官送致されるケース、保護処分を受けるケースがあります。保護処分には、保護観察官の監督のもと社会で暮らし更生を図る保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設への送致、少年院への送致、があります。


未成年の逮捕・釈放の流れ

高校生の強制わいせつで逮捕から釈放までの流れは?

高校生など未成年の場合も、逮捕から勾留までの流れは成人と大差ありませんが、捜査後は事件が家庭裁判所に送られます。未成年の場合には、事件を送致された家庭裁判所が、在宅審判審判不開始で釈放を決定する可能性があります。

少年事件の場合、犯罪の嫌疑が不十分である場合を除いては、必ず家庭裁判所に事件が送致されます。家庭裁判所が観護措置が必要であると判断すると、少年の身柄は釈放されず少年鑑別所に送られてしまいます。

観護措置が取られず在宅で審判が進む場合、審判不開始の場合、審判を行い不処分が決まった場合には、すぐに釈放されます。審判の結果、保護観察処分に決まった場合も身柄は釈放されますが、その後の素行が良くないと少年院に送られてしまう可能性があります。


検察官送致と保護処分の違い

強制わいせつで高校は退学?前科と社会復帰は?

生徒を退学処分にするかどうかは、学校側の裁量による部分が大きく、個別の事情によって左右されます。事件が検察官送致(逆送)されて、刑事裁判が開かれ有罪となった場合は未成年でも前科がつきますが、それ以外の処分で終わった場合には前科はつきません

学校側に事件が知られていない段階では、警察から学校への連絡や、家庭裁判所が調査段階で行う学校照会を控えてもらうよう働きかけることが重要です。学校に事件を知られてしまった後でも、少年が真摯に反省し、更生への取り組みを行っていることを学校に訴えることで、退学処分を回避できる可能性は上がります。

少年院送致も保護処分であり、前科にはなりません。児童用施設や少年院に送致された場合、通学が長期間できなくなってしまうため、学校を退学になってしまう可能性は高いですが、これらの施設は少年の更生を支援する施設であり、最終的にどの処分が少年の社会復帰のためにベストかという観点から慎重に考える必要があります。いずれにしても前科がつく可能性がある検察官送致は回避すべき処分です。


強制わいせつの基礎知識

強制わいせつの意味とは?

強制わいせつとは、刑法176条に定めのある犯罪で、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合に当てはまります。被害者が13歳未満の場合は、暴行又は脅迫がなくても、単に「わいせつな行為をした」だけで犯罪が成立します。強制わいせつの刑罰は「6か月以上10年以下の懲役」です。

強制わいせつで処罰の対象となる行為は『暴行または脅迫を用いて行われたわいせつな行為』です。被害者が13歳未満の場合は、「暴行または脅迫を用いて」という条件は無くなります。強制わいせつは未遂でも処罰される可能性があります。(刑法179条)

強制わいせつの法定刑(科される刑罰の範囲)は「6か月以上10年以下の懲役」と定められています。強制わいせつにおいては、罰金刑がないため、有罪になると執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

強制わいせつは「逮捕」される可能性あり?

強制わいせつは、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって強制わいせつの容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。強制わいせつの逮捕を避けるためには、問題となっている強制わいせつの被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行直後や犯行中の現場を見られ、やって来た警察官にその場で捕まる、という場合が一般的です。すぐに警察署まで連行され、留置場に入れられる恐れがあります。

後日逮捕(通常逮捕)とは、事件後に時間が経って、警察が裁判所発付の逮捕状を持ってやって来る、というケースです。この場合も、警察署まで連れていかれ、そのまま留置場に収監される可能性があります。


示談の流れ

強制わいせつは「示談」で処分が軽くなる?

未成年の強制わいせつは、示談の有無にかかわらず、家庭裁判所に事件が送致され、審判を行うかどうかの判断をされます。審判において、示談の有無が処分の決定に影響を与える可能性はあります。

少年事件の場合、成人とは変わって、示談をしたおかげで不起訴処分で終了、あるいは、実刑を回避できた、といったことはありません。※家庭裁判所が検察官送致(逆送)を決めた場合は、成人と同じ刑事手続きで進みます。

審判で、現時点でも少年の更生の見込みが高いと、家庭裁判所が判断してくれれば、軽い処分で終了することが期待できます。被害者と示談を結び謝罪と被害弁償の経緯を示すことで、更生が十分望めると、家庭裁判所が判断する根拠になります。


強制わいせつのポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

未成年による強制わいせつの場合、成人のケースと違い、いきなり刑事事件にはならず、まずは家庭裁判所に送致され、その審判に付されます。前科を避けるためには、事件が検察官へ送致(いわゆる逆送)されることを防ぐ必要がありますが、その際に、少年自身の自省や更生の環境が整っていることと共に、強制わいせつの被害者に謝罪を尽くし、示談で宥恕(許し)の意思表示をしてもらえたかどうかも大事な判断材料となります。

少年事件では、検察官送致(逆送)で刑事裁判が開かれることを回避できれば、前科がつくことはありません。検察官送致されずに事件が終了するかどうかの判断に、示談して被害者から許しを得ているかということも影響を与えます。

少年事件では、大人の事件以上に、本人の反省と更生につながる環境作りが重要視されます。弁護士が付添人となり、これらの更生に向けた取り組みを裁判所に訴えかけていくことで刑事事件化を防ぎます。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

少年が強制わいせつで逮捕された場合、成人と同様に勾留されるか、観護措置をとられ少年鑑別所に入れられる可能性があります。事件が家裁に送られた後も、観護措置がとられる可能性がありますが、強制わいせつの被害者と示談することができれば、早期釈放につながる可能性が上がります。

逮捕後に勾留が決定し、更に勾留延長にまでなると、最大で23日間も身柄拘束が続いてしまうことになります。当然、会社や学校は休むしかなく、解雇や退学のリスクは高まります。

成人の場合と流れは異なりますが、家庭裁判所の処分の判断において、被害者に真摯に謝罪し示談してもらっているという事情は、早期釈放に向けてプラスになります。事件を反省し更生に向けて取り組んでいる、ということを示す要素の一つとして、少年事件においても示談は有効です。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

強制わいせつの加害者になった場合、弁護士に早めに相談することが重要です。逮捕阻止や早めの釈放、起訴されないで前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。

取り調べにしっかり対応するためのアドバイス、外に出られない本人に代わって被害者と示談するなど、弁護士が役立つ場面はたくさんあります。示談交渉においては、弁護士だけなら相手方が連絡先を教えてもよいという場合も多々あります。

早めの弁護士相談のおかげで刑事事件化を避けられたケース、事件後すぐに釈放されて学校に知られずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を守るための第一歩になります。まずはデメリットなしの無料相談を今すぐ試してみてください。

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