第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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前歴とは?前科との違いは?傷害で逮捕…起訴猶予は前歴?
- 傷害の前歴・逮捕歴の意味は?前科と何が違う?
- 逮捕歴があると就職に不利?
- 起訴猶予は前科?前歴?
このページでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに、前歴・逮捕歴に関するノウハウと正しい知識を解説しています。
目次
この記事で解説している法律
- 法律
- 刑法204条
- 条文
- 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
- 刑罰
- 15年以下の懲役または50万円以下の罰金
傷害事件と前歴の関係
傷害事件の前歴・逮捕歴とは?前科との違いは?
前歴は逮捕や検挙など、捜査機関から被疑者として犯罪捜査を受けたことを言います。逮捕歴とは、その名の通り逮捕されたことを言い、逮捕歴は前歴の一部に含まれるという関係です。
前歴や逮捕歴は捜査機関の資料として残りますが、一般人が照会することはできません。前科は検察庁や裁判所の記録のほか、市区町村の犯罪人名簿にも記載されますが、こちらも一般人は照会できません。
傷害事件の前歴・逮捕歴があると就職は無理?困難?
前歴や逮捕歴は、履歴書の賞罰欄に記載する必要もないので、就職先の会社に知られる可能性は、前科に比べて低いです。また、前科のように、国家資格が失効・停止する事由にはなりませんので、逮捕のみを理由にただちに職を失うことはありません。
就職活動に当たっては、履歴書の賞罰欄に前科を記入する必要が生じる場面もありますが、前歴・逮捕歴は履歴書に記入する必要はありません。また、求職者側が前歴や逮捕歴を会社側に自発的に申告する義務はありません。
医師免許や公務員資格など、前科がつくと失効・停止してしまう可能性のある資格でも、逮捕や検挙のみを理由に失うということはありません。ただし、こういった職業は世間の注目を集めるため、逮捕段階で実名報道されてしまうことも多く、結果として懲戒処分を受けたり仕事を続けられなくなってしまう可能性もあります。
傷害事件で起訴猶予・不起訴は前歴になる?
事件が不起訴で終了した場合でも、被疑者として捜査機関の捜査を受けていれば、前歴にはなります。起訴猶予(=犯人の疑いが強いがあえて刑事罰を科すほどではない)でも、嫌疑不十分・嫌疑なし(=犯人の疑いが弱い・全くない)でも、捜査を受けたことは警察や検察の記録に残ります。
事件が不起訴で終了するということは、刑事裁判が開かれず前科もつかないということです。しかし、不起訴の判断をするための捜査は必要なので、前歴は残ることになります。
起訴猶予の場合も、嫌疑不十分や嫌疑なしの場合も、同様に前歴になります。嫌疑なしで不起訴になった場合などは、職場や周囲の人たちに身の潔白を説明するために、不起訴処分告知書を請求するという手段もあります。
傷害事件の基礎知識
傷害事件の意味とは?
傷害は、刑法204条によって定められた犯罪で、「人の身体を傷害した」場合に成立します。傷害の刑罰は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
傷害で処罰の対象となる行為は『人の身体を傷害する行為』です。傷害を未遂で処罰する規定はありません。
傷害の科される刑罰の範囲は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定まっています。傷害では、罰金刑、執行猶予付き判決、または実刑になる可能性があります。
傷害事件は「逮捕」される可能性あり?
傷害は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって傷害の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。傷害の逮捕を避けるためには、問題となっている傷害の被害者と早めに示談を締結することが大切です。
現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後の様子を目撃され、巡回中や通報で駆け付けた警察官にその場で捕まる、というケースが一般的です。すぐに警察署に連れていかれ、留置場に入れられる恐れがあります。
後日逮捕(通常逮捕)とは、犯行の後日に、警察が裁判所発付の逮捕状を持ってやって来る、という場合です。こちらも、警察署まで連行され、そのまま留置場に収監される恐れがあります。
傷害事件は「示談」で処分が軽くなる?
傷害事件は、検察が起訴を決める前に示談を結ぶことができれば、不起訴の可能性が強まります。また、初犯の傷害事件ならば、不起訴の可能性はより強まります。起訴決定後でも、傷害の被害者に示談してもらえれば、処分が軽くなる事由として考慮されます。
事件の態様が悪質であったり、同様の事件を重ねている場合は、起訴されやすくなる要因になります。その一方、被害者と示談できたり、初犯の場合は、不起訴になる可能性が強まります。不起訴になれば前科にならず、刑事事件で処分されることはなくなります。
起訴決定後でも、被害者と示談することに意味はあります。起訴を無かったことにはできませんが、示談で被害者に許してもらっていれば、執行猶予がついて実刑を回避できたり、量刑を軽くしてもらえる可能性は上がります。
傷害事件のポイント
前科をつけないためには「示談」が大切
傷害事件を前科をつけないで終結するためには、被害者と示談してもらうことが重要です。傷害の被害者に謝罪をして、許すという意思表示をしてもらえれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。
事件が起訴されなければ、前科がつくことはありません。実際、検察が事件を起訴するかどうかの判断に、示談しているかが影響を与える場合が良くあります。
起訴にならないためには、「事件を許す」旨が記載された宥恕条項や、「加害者の処罰を望まない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが重要です。
逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント
傷害事件の逮捕されてから釈放までの期間は、最も長くて23日間かかる恐れがあります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。ですが、傷害の被害者と示談することで、捜査機関の判断により早期釈放につながる可能性が高まります。
逮捕からその後の勾留まで決まり、更に勾留延長にまでなると、最大で23日間も身柄が拘束されることになります。当然、会社や学校には出られませんので、解雇や退学のリスクは高くなってしまいます。
被害回復がなされたと示談で認められれば、将来的に不起訴の可能性が高くなるため、身柄を拘束する必要性が低くなり、早期釈放の可能性が高まります。
早めの弁護士相談で早期解決を
傷害を起こしてしまった場合、迅速に弁護士に相談することが重要です。逮捕勾留回避や早めの釈放、不起訴で前科をつけない、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が上がります。
取り調べに冷静に対処するためのアドバイス、外に出られない本人に代わっての示談交渉など、弁護士にしかできないことはたくさんあります。示談交渉では、弁護士だけなら被害者が連絡先を教えてもよいという場合も多々あります。
弁護士に早めに相談したから刑事事件にならずに済んだケース、事件後すぐに釈放されて仕事を失わないで済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、今まで通りの生活を守るための最初のステップになります。まずは気軽に使える無料相談を今すぐ試してみてください。
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前科とは、刑事裁判で有罪判決の言い渡しを受け、それが確定したことを言います。事件が不起訴で終了した場合などは、前歴にはなりますが前科はつきません。