第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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痴漢事件で高校は退学?前科と社会復帰は?
- 高校生の子どもが痴漢で逮捕された!
- 痴漢の逮捕後の流れは…?
- 学校にばれずに解決できる?
ご覧のページでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに、高校生が痴漢で逮捕された場合の悩みや困りごとにお答えします。
目次
この記事で解説している法律
- 法律
- 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(※東京都の場合)
- 条文
- 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
- 刑罰
- 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
高校生の痴漢事件と逮捕・学校の関係
痴漢事件で高校は退学?前科と社会復帰は?
生徒を退学処分にするかどうかは、学校側の裁量による部分が大きく、個別の事情によって左右されます。事件が検察官送致(逆送)されて、刑事裁判が開かれ有罪となった場合は未成年でも前科がつきますが、それ以外の処分で終わった場合には前科はつきません。
少年院送致も保護処分であり、前科にはなりません。児童用施設や少年院に送致された場合、通学が長期間できなくなってしまうため、学校を退学になってしまう可能性は高いですが、これらの施設は少年の更生を支援する施設であり、最終的にどの処分が少年の社会復帰のためにベストかという観点から慎重に考える必要があります。いずれにしても前科がつく可能性がある検察官送致は回避すべき処分です。
高校生の痴漢事件で逮捕から釈放までの流れは?
高校生など未成年の場合も、逮捕から勾留までの流れは成人と大差ありませんが、捜査後は事件が家庭裁判所に送られます。未成年の場合には、事件を送致された家庭裁判所が、在宅審判や審判不開始で釈放を決定する可能性があります。
少年事件の場合、犯罪の嫌疑が不十分である場合を除いては、必ず家庭裁判所に事件が送致されます。家庭裁判所が観護措置が必要であると判断すると、少年の身柄は釈放されず少年鑑別所に送られてしまいます。
観護措置が取られず在宅で審判が進む場合、審判不開始の場合、審判を行い不処分が決まった場合には、すぐに釈放されます。審判の結果、保護観察処分に決まった場合も身柄は釈放されますが、その後の素行が良くないと少年院に送られてしまう可能性があります。
痴漢事件で高校生の逮捕後の流れは?処分は?
逮捕後に事件を捜査した捜査機関が、犯罪の疑いありと判断した場合、事件は必ず家庭裁判所に送られます。高校生など未成年の事件の処分は、基本的に家庭裁判所の審判によって決められます。
少年事件では、家庭裁判所の調査を経て、審判が開かれるケース、審判不開始で終了するケース、検察官送致で成人の刑事事件と同じ手続きになるケースに分けられます。審判不開始になれば、それ以上の調査や処分を受けることなく事件は終了します。
家庭裁判所の審判の後は、不処分で終了するケース、検察官送致されるケース、保護処分を受けるケースがあります。保護処分には、保護観察官の監督のもと社会で暮らし更生を図る保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設への送致、少年院への送致、があります。
痴漢事件の基礎知識
痴漢事件の意味とは?
痴漢は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(※東京都の場合)によって定められた犯罪で、「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為(略)。公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れ」た場合を差します。痴漢の刑罰は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
痴漢(条例違反)が処罰の対象と定める行為は『公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れる行為』が該当します。
痴漢(条例違反)の条文では、刑罰は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(東京都の場合)」と規定されています。痴漢(条例違反)においては、罰金刑、執行猶予付き判決、または実刑になる可能性があります。
痴漢事件は「逮捕」される可能性あり?
痴漢は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって痴漢の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。痴漢の逮捕を避けるためには、問題となっている痴漢の被害者と早めに示談を締結することが大切です。
現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後の様子を目撃され、巡回中や通報で駆け付けた警察官にその場で逮捕される、という場合が多いです。そのまま警察署に連行され、留置場に入れられてしまう可能性があります。
後日逮捕(通常逮捕)は、事件から時間を置いて、裁判所発付の逮捕状を持って警察がやって来る、という場合です。こちらも、警察署に連れていかれ、そのまま留置場に収監されてしまう可能性があります。
痴漢事件は「示談」で処分が軽くなる?
未成年の痴漢事件は、示談の有無にかかわらず、家庭裁判所に事件が送致され、審判を行うかどうかの判断をされます。審判において、示談の有無が処分の決定に影響を与える可能性はあります。
少年事件では、成人と異なり、示談をしたおかげで起訴されずに済む、あるいは、執行猶予がついた、といったことはありません。※家庭裁判所が事件を逆送した場合は、成人と変わらない刑事手続きで進みます。
審判においては、より軽い処分でも少年の更生が望めると、家庭裁判所に判断してもらえれば、処分が軽くなることが期待できます。被害者に真摯に謝罪し示談を結ぶことで、更生の見込みが高いと、家庭裁判所が判断する材料になります。
痴漢事件のポイント
前科をつけないためには「示談」が大切
未成年による痴漢事件では、大人の場合と違い、いきなり刑事事件化はされず、まずは家庭裁判所の審判に付されます。前科がつかないようにするためには、家庭裁判所から検察官への事件送致(いわゆる逆送)を防ぐことが必要ですが、その際に、少年自身の自省や更生の環境が整っていることの他に、痴漢の被害者に謝罪をして、示談で許しを得ることができたかどうかも大きな判断材料となります。
少年事件では、検察官送致(逆送)で刑事裁判が開かれることを回避できれば、前科がつくことはありません。検察官送致されずに事件が終了するかどうかの判断に、示談して被害者から許しを得ているかということも影響を与えます。
少年の場合は、成人の事件以上に、本人や周囲の更生に向けた取り組みが重視されます。弁護士が付添人となり、更生への意欲と具体的手段を裁判所に主張することで検察官送致を防ぎます。
逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント
少年が痴漢事件で逮捕されたら、成人と同様に勾留されるか、観護措置で少年鑑別所に送られる可能性があります。事件が家裁に送られた後も、観護措置がとられる可能性がありますが、痴漢の被害者と示談できれば、早期釈放につながる可能性が上がります。
逮捕からその後の勾留まで続き、更に勾留延長までされてしまうと、最長で23日間も身柄拘束が続くことになります。その間、会社や学校は休まざるをえず、解雇や退学のリスクは高まってしまいます。
成人の場合と流れは異なりますが、家庭裁判所の調査や審判において、被害者に謝罪し示談で許しを得ているという事情は、早期釈放のプラス要因になります。事件を反省し更生に向けて取り組んでいる、ということを示す要素の一つとして、少年事件においても示談は有効です。
早めの弁護士相談で早期解決を
痴漢で疑われている場合、早めに弁護士に相談することが大切です。逮捕勾留の阻止や早期釈放、不起訴で前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が上がります。
取り調べに落ち着いて対応するためのアドバイス、逮捕勾留中の本人に代わって被害者と示談するなど、弁護士だからできることはたくさんあります。示談交渉の場面では、弁護士でなければ被害者の連絡先すら分からない場合も多々あります。
弁護士に早めに相談したから刑事事件にならずに済んだケース、事件後すぐに釈放されて退学にならずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、今まで通りの生活を取り戻すための最初のステップになります。まずはデメリットなしの無料相談をぜひ試してみてください。
刑事事件でお困りの方へ
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学校側に事件が知られていない段階では、警察から学校への連絡や、家庭裁判所が調査段階で行う学校照会を控えてもらうよう働きかけることが重要です。学校に事件を知られてしまった後でも、少年が真摯に反省し、更生への取り組みを行っていることを学校に訴えることで、退学処分を回避できる可能性は上がります。