岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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教員が痴漢で逮捕…逮捕後の流れは?免許は取り上げ?

  • 教員の家族が痴漢逮捕
  • 痴漢逮捕後の流れが気になる。
  • 教師の資格は失う?

ご覧のページでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに教員痴漢で疑われた場合に取るべき対応と正しい知識を解説しています。

この記事で解説している法律

法律
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(※東京都の場合)
条文
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
刑罰
6か月以下の懲役または50万円以下の罰金

教員の痴漢事件と逮捕・免許の関係

逮捕・釈放の流れ

教員の痴漢事件で逮捕から釈放までの流れは?

痴漢事件で逮捕されると、留置所や拘置所に身柄を拘束され、捜査機関の取り調べを受けます。在宅捜査に切り替えられた場合や、不起訴が決まった場合は、身柄が釈放されます。

逮捕から勾留、そして起訴決定までは、最長で23日間の間、留置場に身柄拘束される恐れがあります。さらに起訴が決まった場合には、判決が出るまで1か月~それ以上の期間、拘束が続いてしまう可能性もあります。

微罪処分や不起訴処分で事件が終了したら、身柄は速やかに釈放されます。検察へ送致後に勾留請求されなかった、裁判所に勾留請求が却下された、勾留期間内に起訴決定がされなかった、などの場合は身柄が釈放され、事件は在宅捜査に切り替えられます。起訴後でも、保釈が認められた場合、罰金刑や執行猶予実刑判決を回避できた場合には、直ちに釈放されます。


資格・免許

教員の仕事は?免許は取り上げ?

痴漢事件で逮捕された場合、警察からの連絡やマスコミ報道で職場に知られる可能性はありますが、逮捕されたことのみを理由に資格を失う、ということはありません。事件が起訴され懲役刑(禁錮以上の刑)に処せられた場合は、教員免許が取り上げられ、職を失うことになります。

事件が不起訴で終了した場合は、教育教員免許法10条1項1号、同5条1項4号が定める教員免許の失効理由には該当しません。しかし、学校や教育委員会に事件のことを知られ、懲戒処分を受ける可能性はあります。

痴漢事件で起訴された場合でも、罰金刑で終了すれば失効理由には該当しません。執行猶予付き懲役刑は、失効理由に該当するため、教員免許を失うことになります。


一般面会の流れ

痴漢事件で逮捕された教員の家族との面会は?警察からの連絡は?

家族の一般面会は、基本的に逮捕中は認められず、勾留決定の翌日(逮捕後最長4日目)から可能になることが多いです。教員の逮捕はマスコミに報道されてしまうことが多く、警察から学校への連絡が無かったとしても、職場に知られてしまうリスクは高いと言えます。

逮捕された家族に面会する場合は、警察署の留置係で面会受付をし、1回15分程度の面会が認められます。一般の方の面会は、「1日一組だけ」「時間制限あり」「接見禁止中は面会不可」等の様々な制約がありますが、弁護士であればこれらの制約はなくいつでも面会が可能です。

家族への連絡は、警察から来る場合もありますが、弁護士や裁判所から来る場合もあります。こちらから警察へ確認をする場合は、自分の身元や逮捕勾留されている本人との関係などを聴取される可能性があり、弁護士以外が確認をしても教えて貰えない場合もあります。


痴漢事件の基礎知識

痴漢事件の意味とは?

痴漢とは、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(※東京都の場合)によって定められた犯罪で、「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為(略)。公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れ」た場合に成立します。痴漢の刑罰は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

痴漢(条例違反)で処罰の対象となる行為は『公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れる行為』です。

痴漢(条例違反)の刑罰の範囲は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(東京都の場合)」と定められています。痴漢(条例違反)は、罰金刑執行猶予付き判決、または実刑になる可能性があります。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

痴漢事件は「逮捕」される可能性あり?

痴漢は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって痴漢の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。痴漢の逮捕を避けるためには、問題となっている痴漢の被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後の様子を見られ、警察官が駆け付けてその場で逮捕される、というケースが典型です。そのまま警察署まで連行され、留置場に収監される可能性があります。

後日逮捕(通常逮捕)とは、犯行の後日に、警察が裁判所発付の逮捕状を持ってやって来る、というケースです。この場合も、警察署に連れていかれ、そのまま留置場に入れられてしまう可能性があります。


示談の流れ

痴漢事件は「示談」で処分が軽くなる?

痴漢事件は、起訴前に示談が成立すれば、不起訴の可能性が強まります。また、初犯の痴漢事件であれば、不起訴の可能性がより強まります。起訴が決まった後でも、痴漢の被害者に示談してもらえれば、刑罰が軽くなることが期待できます。

悪質な事件であったり、同様の事件を何度も行っている場合は、起訴されやすくなる事由になります。その一方、被害者と示談したり、初犯の場合は、不起訴になる可能性が強まります。不起訴になれば前科にならず、刑事事件で処罰されることはなくなります。

起訴決定後でも、被害者と示談した方が良い理由はあります。起訴を無かったことにはできませんが、示談で相手方の許しを得ていれば、執行猶予がついて実刑回避や、量刑が軽くなる期待は上がります。


痴漢事件のポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

痴漢事件を前科をつけないで済ましてもらうためには、被害者側と示談をすることが重要です。痴漢の被害者に謝罪をして、許しを得ることができれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。

前科がつくのは、事件が起訴されたケースのみです。実際、検察の起訴/不起訴の判断に、示談して被害者から許しを得ているかが影響を与える場合が多いです。

不起訴処分を得るためには、「事件を許す」旨が記載された宥恕付き示談や、「加害者の処罰を望まない」旨の嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが大事です。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

痴漢事件の逮捕から釈放されるまでの期間は、最長で23日間かかる可能性があります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。しかし、痴漢の被害者と示談することで、当事者間で事件が解決したことを捜査機関に主張でき、早めに釈放される可能性が上がります。

逮捕後に勾留まで続き、その勾留が延長されると、最大で23日間も身柄が拘束されることになります。当然、会社や学校は休むしかなく、解雇や退学のリスクは高まります。

被害者から示談で許してもらえれば、不起訴の可能性が上がるため、逮捕勾留しておく必要性が低くなり、早期釈放の可能性が上がります。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

痴漢を起こしてしまった場合、早めの弁護士相談が重要です。逮捕勾留回避や早めの釈放、起訴されないで前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。

取り調べに適切に対処するためのアドバイス、身柄拘束中の本人に代わっての示談交渉など、弁護士だからこそできることは数多くあります。示談交渉は、弁護士でなければ相手方の連絡先を教えてもらえない場合も多々あります。

早めの弁護士相談のおかげで刑事事件化を避けられたケース、事件後すぐに釈放されて解雇されずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を取り戻すための最初のステップになります。まずは気軽に使える無料相談をぜひ試してみてください。

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