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「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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詐欺罪で執行猶予はつかない?判例から懲役覚悟の確率をチェック

「詐欺事件では、執行猶予がつかない」と聞いたけど本当なのだろうか…
詐欺罪の刑罰
10年以下の懲役
詐欺罪で有罪判決だと、刑罰としては懲役刑の可能性しかありません。
執行猶予がつくかどうかは、非常に大きなポイントになると思います。
- 執行猶予とはどういう意味なのか
- 詐欺事件は初犯でも執行猶予がつきにくいのか
- 詐欺事件は再犯だと執行猶予がつく可能性は低いのか
本記事の監修は、詐欺など刑事事件をあつかうアトム法律事務所の弁護士です。
目次
詐欺事件で執行猶予がつく意味
執行猶予とは?
詐欺事件が刑事裁判にかけられ執行猶予が言い渡されれば、一定の期間にわたって刑が執行されることがありません。
執行猶予
刑の執行が一定期間猶予され、無事に執行猶予期間を経過すれば刑を受けることがない制度
執行猶予付き判決となれば、すぐさま刑務所に入れられません。

執行猶予付きの判決は、どんな事件でも言い渡される可能性があるわけではありません。
ある一定の条件(要件)を満たしてはじめて、執行猶予が付けられる可能性があります。

このような要件にあてはまれば、執行猶予がつく可能性があります。
執行猶予について詳しくはこちら
詐欺事件における執行猶予の可能性
詐欺事件でも執行猶予はつく?
詐欺事件で起訴されると、有罪判決の確率は約99.9%といわれています。
詐欺罪では罰金刑の規定がなく、起訴されると正式裁判が開かれて懲役刑が言い渡される可能性が高いです。
振り込め詐欺などをはじめとした詐欺事件では厳罰化の傾向にはありますが、執行猶予がつく可能性は残されています。
詐欺事件で執行猶予がつくようなケースとしては、
- 深く、自分の罪を反省している
- 犯行の役割が組織の下っ端だった
- 詐欺未遂であったため被害が生じなかった
このような場合であれば、執行猶予の見込みがあります。
そのほかにも、
- 積極的に捜査協力をおこない、犯罪組織の検挙に貢献している
- 被害者からの許しがある
- 執行猶予中の監督者となる同居家族がいる
などの事情があれば、執行猶予判決となる確率が高まるでしょう。
✔ | 深く反省すること |
---|---|
✔ | 犯行の組織の末端である |
✔ | 詐欺未遂だった |
✔ | 積極的に捜査協力する |
✔ | 被害者から許しをもらう |
✔ | 同居家族が監督者となる |
詐欺で執行猶予判決が出た判例は?

詐欺事件で執行猶予判決となった裁判事例を確認していきます。
▼概要 |
---|
金融機関から、自分以外の者に譲渡する目的で自己名義のキャッシュカードを1枚詐取した |
▼前科の有無 |
無し |
▼量刑 |
懲役1年6月 執行猶予3年 |
▼概要 |
---|
共犯者と一緒に、雇用保険の失業等給付名目で現金63万6300円を振込入金させた詐欺事件 |
▼前科の有無 |
無し |
▼量刑 |
懲役2年 執行猶予3年 |
▼概要 |
---|
共犯者と一緒に、架空の金融業者を装って融資に必要な費用など現金合計135万円を振込入金させた詐欺事件 |
▼前科の有無 |
無し |
▼量刑 |
懲役2年6月 執行猶予4年 |
執行猶予が付いた判決の裁判事例をご覧いただきました。
振り込め詐欺といった特殊詐欺事件においては、実刑判決が言い渡されて刑務所行きになるのが実務の運用です。
とはいえ、かならずしも執行猶予付きの判決が得られないとはかぎりません。
アトム法律事務所で過去にあつかった振り込め詐欺事件において、
懲役5年の求刑に対して、懲役3年執行猶予4年の執行猶予付き判決
を得た事例がございます。
アトムの弁護士は
- 被害者へ弁償をおこなっている
- 反省している
このような点を書面にまとめるなどして「見える化」をはかり、裁判官に執行猶予付きの判決となるよう求めて活動しました。
「詐欺事件では、執行猶予がつくことはないだろう…」
早々にあきらめるのはまだ早いです。
執行猶予がつく可能性があるか、アトムの弁護士にご相談ください。
あらゆる可能性について丁寧に解説します。
24時間・365日、いつでもお電話お待ちしております。
刑事事件でお困りの方へ
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そのあと、弁護士との対面相談をご案内しています。
対面相談は完全個室で対応しています。

弁護士相談においても、事件について気兼ねなくお話しください。
詐欺の初犯/再犯で執行猶予となる違いはあるのか
詐欺は「初犯」でも執行猶予がつかない?

刑事事件は「初犯」である場合、執行猶予がつくケースが多くあります。
一方、刑事事件のなかでも、詐欺事件の場合は初犯でも執行猶予がつかないことも多いです。
振り込み詐欺事件の場合、初犯でも数年間の懲役刑が言い渡されることは珍しくありません。
初犯でも、執行猶予がつかず実刑判決となる可能性が高いようです。
振り込め詐欺事件
- オレオレ詐欺
- 架空請求詐欺
- 還付金詐欺
などといった振り込め詐欺事件が近年、多発しています。
このような犯罪増加を抑制するために、近年、振り込め詐欺犯への厳罰化が顕著にみられます。
詐欺は「再犯」なら執行猶予がつかない?

一般的に、再犯事件の場合は厳しい判決が予想されます。
初犯でも厳しい判決が言い渡されることが多い詐欺事件では、ますます執行猶予の可能性は遠のくことになります。
詐欺事件の初犯で執行猶予付きの判決が言い渡されても、再犯した場合は、
執行猶予が取り消しとなる
このような可能性が大きくなります。
執行猶予の取り消しとなれば、猶予されていた刑期が執行されることになります。
すなわち、
- 前回分の刑期
- 今回分の刑期
これらの刑期が合計されることになります。
例を出してみてみます。
例
「懲役1年6月・執行猶予3年」が言い渡された。
その執行猶予期間中に再犯を犯して、「懲役3年」の実刑判決を受けた。
このような例で、執行猶予が取り消しとなった場合どうなるのでしょうか。
懲役 | 執行猶予 | |
---|---|---|
前回の刑 | 1年6月 | 3年 |
今回の刑 | 3年 | (↑取り消される) |
合計 | 4年6月 | – |
前回の刑と今回の刑が合計された「4年6月」のあいだ、懲役刑を受けることになります。
執行猶予が取り消しになると、刑務所にすぐさま入れられます。
執行猶予は、犯した罪を自発的に社会生活のなかで反省していくという意味を持ちます。