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デリヘルでつい本番…強制性交罪?その場で示談してはいけない5つの理由

- デリヘルで、嬢に拒否されたのにもかかわらず本番してしまった…
- うっかり滑って本番行為をしてしまった…
- 合意のうえで性交したつもりだったが、後から無理やりされたと言われた…
- デリヘルで本番したことの慰謝料を支払わなければ、家族に言うと脅されている…
風俗嬢が自宅やホテルに出張して性的サービスを行うデリバリーヘルスでは、基本的には「本番(性交)」行為は禁止されています。
しかしそのルールを破り本番をしてしまい、さらに「本番強要(強制性交)だ」と言われてしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。
- そもそも強制性交罪ってどんな罪?
- デリヘルでの本番ってバレるの?
- デリヘルの強制性交で金銭を請求されたら払わなくちゃいけない?
- デリヘルで本番して逮捕される、強制性交の前科がつくことはある?
この記事では、以上のような疑問にお答えしていきます。
デリヘルでの本番は強制性交罪になる?

強制性交罪とは?|構成要件と刑罰
デリヘルで無理やり「本番」をする行為は、刑法177条の強制性交罪に該当する可能性があります。
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
刑法177条前段
強制性交罪が成立するには、以下のような条件を満たしていること必要です。
強制性交罪の構成要件
- 暴行又は脅迫…相手方の抵抗を困難にするほどの暴行、脅迫
- 性交等…通常の性交のほか、肛門性交、口腔性交を含む
例えば互いに合意のうえで性交をしたような場合は、「1.暴行又は脅迫」があったとは言えないため、強制性交罪は成立しません。
デリヘルでの本番行為は何故バレる?
本番行為がなされた場合のデリヘルの対応は、主に以下の3つです。
- 風俗嬢などがその場で店に連絡し、スタッフが部屋までやってくる
- 風俗嬢などがその場で店に連絡し、スタッフから電話が来る
- 風俗嬢などがサービス後に店に連絡し、その後スタッフから電話がくる
いずれにしても、相手がデリヘル側のスタッフに伝えることで本番行為は発覚します。
デリヘルの本番で逮捕・起訴されることはある?
デリヘルでの本番行為で逮捕・起訴されるかは店の方針や被害者の処罰感情によって決定します。
店が本番行為に対して厳格な方針をとり、被害者も示談金よりも刑事上の処罰をと望む場合は被害届が提出され、それに基づき取り調べ・逮捕が行われる可能性があります。
実際のところ、風俗店側が実際に警察に通報することは多くありません。ですが
- 本番行為の盗撮も行っている場合(行為が悪質・証拠もある)
- 全く話し合いに応じない(示談の見込みがない)
- 本番の際に相手が怪我を負った(強制性交致傷になる)
などのケースでは被害届を出す、通報する、という方針を取っている店もあります。
さらに被害届が出されてしまうと、その後の示談条件が厳しくなってしまうこともあります。
よって、デリヘルでの本番がトラブルになった場合には早めに弁護士に相談することが重要です。
実際、被害届が出されても起訴されることはまれです。
風俗トラブルの刑事事件化に検察がそこまで積極的でないというのもありますが、多くの事案は風俗店との示談によって解決するためです。
デリヘルの本番で強制性交罪の前科がつくことはある?
強制性交罪で裁判で起訴され、有罪判決がくだされると前科がつきます。
よって、実際に本番をしてしまったり、逮捕されただけでは前科はつきません。
デリヘルでの強制性交が起訴にまで持ち込まれる件数はさほど多くはありませんが、以下のような事情があると起訴され、前科がついてしまうことも考えられます。
- そもそも性的サービスを提供することを目的としていない店である
(派遣型マッサージなど) - 性交に持ち込んだ行為態様が悪質
- 被害者と示談がなされていない
- 被害者に謝罪をしていない
- 同種の前科や前歴がある
デリヘルでの強制性交が家族にバレることはある?

デリヘルで本番行為をしてしまい、その後の対応が不適切であると家族に発覚してしまうこともあります。
例えば風俗店や警察から連絡があり、家族がうっかりその電話や手紙をとってしまうことなどです。
風俗店は探偵事務所や興信所を使い、携帯電話の番号などから利用者の氏名・住所を割り出してくることがあります。
割り出しにかかる日数はまちまちですが、いずれにせよ早い段階から弁護士を通じ風俗店と連絡することで、家族への発覚を防ぐことができます。
そのような事態を防ぐためには、早めに風俗店と適切な示談をし、その後の干渉を防ぐことが重要です。
デリヘルへの対応|強制性交の前科をつけないために

デリヘルや風俗嬢とその場で示談する5つの危険
本番直後、デリヘル嬢がその場で店に連絡をし、店側のスタッフが部屋にやってきて「本番をしたなら示談しろ」と言ってくる場合があります。
ですか言いなりになってその場で示談するのは、以下の理由から非常に危険です。
その場での示談が危険な理由
- 店から一方的に提示される示談金が不当に高額すぎる恐れがある
- 「これ以上請求しない」という文言がなく、あとから追加で示談金を請求される恐れがある
- 示談相手が店に限定されており、デリヘル嬢からも示談金を請求される恐れがある
- 「警察には言わないが家族には言わないとは書いてない」「個人情報を渡す」など不利な示談条件となっている場合がある
- 「トラブルの事実を口外しない」などの文言がなく、SNSなどでトラブルが拡散されてしまう恐れがある
示談金の支払いをおさえる、示談後に再度トラブルが起こるのを防止するという観点からも、その場で・ご自身のみで示談を締結することは避けるべきです。
風俗店や警察からの電話は無視していい?
本番行為をした直後、または期間をおいて風俗店から電話が来ることがあります。
もしも本番強要、強制性交してしまったという心当たりがあるのでしたら、電話には出た方が良いです。
電話に出ないことで、風俗店側が示談金の請求を諦めるというパターンも無いことはありません。
ですが同時に、示談を諦めて警察に通報することに繋がる恐れなどがあるのも事実です。
ただし、電話口でも「●万円支払う」などと約束してはいけません。
口頭でも示談は成立するため、後からやはり高すぎる、減額してほしいと争うことはかなり難しくなるためです。
電話では風俗店側の要求を聞くにとどまり、電話の後で弁護士に相談するようにしましょう。
また、警察からの連絡も無視すると逮捕の必要性が高いと判断される恐れがあるため、出るようにした方がよいでしょう。
デリヘルが強制性交で100万円払えと言ってきた…従うべき?

強制性交に至った行為態様にもよりますが、デリヘルでの本番についての慰謝料で100万円は高額すぎると言えます。
一般的に弁護士がデリヘルでの本番で示談をすると、示談金は30万円前後となるケースが多いです。
そのように高額な請求をするのは、示談金相場を知らない利用者の無知に付け込み、もし支払ってもらえれば風俗店もデリヘル嬢も臨時収入がもらえる、という思惑がはたらいています。
ですが不当に高額な慰謝料(示談金)であったとしても、一度払ってしまったり払う約束をしてしまうと、その撤回は困難です。
示談金を提示された場合は、すぐに返事をするのではなく、弁護士などに確認してもらうようにしましょう。
ただし、強制性交に至った経緯が悪質な場合には示談金100万円が不当とは言い切れない場合もあります。
弁護士にご相談される際は、その時の状況や経緯を詳しく正直にお話しください。より具体的なアドバイスが可能になります。
デリヘルに身分証をとられて不安、どうする?
デリヘルに身分証や個人情報を控えさせられたとしても、示談の条件として「デリヘルが得た個人情報の破棄」を求めることもできます。
このようにより有利な条件で示談を結ぶには、弁護士へ依頼することが効果的です。
実際にそのような条件がのんでもらえるかはデリヘル店の意向次第ですが、法律のプロである弁護士が交渉することで、有利な条件をのんでもらえる可能性が大きくあがります。
デリヘルでの強制性交は弁護士の示談が効果的

デリヘルでの強制性交トラブルの示談とは?
示談とは
当事者間の話し合いにより、裁判外で和解すること
デリヘルでの強制性交における示談とは、要するに裁判や警察を通さずに、当事者の間で強制性交したことについての損害賠償金をいくら払うか、という争いを解決することを指します。
示談するにあたって加害者から被害者へ支払われる金銭が示談金と呼ばれています。
強制性交で示談することの効果は?
デリヘルでの本番行為について示談することの最も大きな効果は、「トラブルを終局的に解決できること」にあります。
すなわち示談後に、更なる損害賠償金を請求されたり、警察に逮捕されたり、裁判になったり、家庭や職場に知られるといったトラブルを避けられるということです。
一般にデリヘルでの本番行為については、示談をすれば裁判にまで持ち込まれて前科がつくことはまずありません。
また、家族などに知られることでの家庭内不和などのリスクも減ります。
強制性交の示談を弁護士に任せるべき理由とは?
上記のような示談することのメリットを享受するには、示談を弁護士に依頼するのが重要です。
示談を弁護士に任せるべき理由
- 相場価格にもとづき、なるべく安い示談金で示談できる
- 清算条項を入れることで、後に起きるトラブルを防止できる
- ノウハウがあれば、トラブル発生からなるべく早くに示談できる
- もしも店側に違法行為があった場合は、その対応もできる
示談は主に示談書を作成して行います。
ですが風俗店の用意した書面やご本人が独自に用意する書面ですと、重要な条項が漏れており、結果としてご本人に不利になることもあります。
もしもデリヘルでの本番でトラブルになってしまった場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。
なお実際に合意があったと言えるかは、行為にいたるまでのやりとり、実際の行為態様、部屋の状況、被害者との体格差など、様々な要素が考慮されます。
風俗嬢から明確な合意の発言があった、相手方から誘ってきたと言えるような場合でないと、「合意があった」と証明するのは困難であるのが現実です。