岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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盗撮で現行犯逮捕、後日逮捕されるケース・されないケース|弁護士に相談を

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  • エスカレーターや階段で盗撮しているのがバレてしまった…
  • 風俗嬢を盗撮していたのがバレて金を払えと言われている…
  • 駅で盗撮したことがあるが、後日逮捕される可能性があるのか?
  • 着替えを撮影しようとして上手く撮れていなかったが、盗撮になるのだろうか?

法務省の資料によれば、令和元年に盗撮で逮捕・取り調べを受けた人数は3,166人に及びます。

実際に盗撮がバレてしまった方、盗撮をしてしまった方には、今後逮捕されないか逮捕されるとどうなるのかという点についてご不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、盗撮を理由とする逮捕に焦点をあてて解説していきます。

  • 盗撮したら必ず逮捕されるのだろうか?
  • 盗撮したら実際にどれくらいの刑罰を受けるのだろう?
  • 盗撮で前科をつけない方法は?

目次

盗撮したら逮捕される?

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盗撮が発覚してしまった場合、逮捕されるかどうかは主に以下の3パターンに分けられます。

盗撮で逮捕されるか?
  1. 盗撮で現行犯逮捕されるパターン
  2. 盗撮で通常逮捕(後日逮捕)されるパターン
  3. 盗撮で逮捕されず在宅事件として進むパターン

盗撮で現行犯逮捕されるケース

現行犯逮捕とは

盗撮行為の最中、またはその直後であることを条件に、逮捕令状なしで誰でもできる逮捕のこと

  • 駅での盗撮行為が被害者に見つかり、そのまま腕を掴まれた
  • お店での盗撮を私服警察に見つかり、バックヤードに連れていかれた
  • 盗撮が見つかったので逃げたが、追いつかれて取り押さえられた

など…

盗撮で逮捕される大半のケースは、現行犯逮捕であると言われています。

盗撮写真/動画という明確な証拠が残っている場合、誤認逮捕や冤罪を主張するのは困難となります。

盗撮で後日逮捕(通常逮捕)されるケース

通常逮捕(後日逮捕)とは

逮捕令状が発付されていることを条件に、盗撮行為から日が空いてもできる、警察官などによる逮捕のこと

  • トイレに仕掛けていたカメラが見つかり、数日後自宅に来た警察にパソコンが押収され、逮捕された
  • 盗撮が見つかった現場から逃げたものの、後日警察に逮捕された
  • その場では盗撮は見つからなかったものの、防犯カメラに盗撮現場が映っていたため、数か月後警察が来て逮捕された

など…

盗撮から時間をおいて逮捕される、いわゆる後日逮捕は正式名称を通常逮捕といいます。

盗撮で通常逮捕がなされる例はあまり多くはありませんが、

  • 設置型の盗撮
  • 被害者が盗撮に気づき、後から被害届を出した

などの場合には、通常逮捕される可能性があります。

盗撮で逮捕されないケース

実は盗撮がバレたらどんな場合でも逮捕されるというわけではなく、①盗撮行為をしたという疑いが十分にない もしくは ②罪証隠滅、逃亡の恐れがない 場合には、警察は逮捕することはできません(刑事訴訟法199条)。

なお実務上は、金額の少ない窃盗や怪我の軽い交通事故など、損害が比較的軽微な事件についても逮捕が行われないことがよくあります。

逮捕がなされない場合、身柄を拘束しない在宅事件として捜査が進められていくことになります。

在宅事件とは

被疑者を逮捕・勾留をしないまま取り調べを続けること

  • 盗撮がバレたが、写真を撮る前だったためそのまま帰された
  • 風俗店で盗撮し警察に通報されたが、逮捕まではされなかった
  • スマホを没収され、家族が身元引受人になってくれたため、罪証隠滅・逃亡の恐れが無いとされ家に戻れることになった

など…

盗撮で任意同行や呼び出しに応じたら逮捕される?

盗撮について、警察から任意同行や呼び出しを求められることもありますが、逮捕されるとは限りません。

むしろ取り調べを拒否したり、連絡をとらない方が「罪証隠滅や逃亡の恐れがある」として、逮捕されてしまうこともあります。

素直に呼び出しなどに応じていれば、在宅事件として捜査が進められていくことが多いでしょう。

なお取り調べのなかで多数の余罪が判明するなど新たな事実が発覚した場合、逮捕されてしまうことも可能性としてはあります。

盗撮で逮捕される「証拠」には何がある?

具体的に以下のような盗撮の「証拠」があると、嫌疑が高まり、逮捕される可能性が出てきます。

盗撮事件で用いられる証拠
  • 実際の盗撮画像、動画
  • 撮影に使ったカメラやスマートフォン
  • 被害者、目撃者の証言
  • 防犯カメラに映った盗撮行為の映像
  • 盗撮画像や動画の保存されたパソコンのデータ

このような様々な証拠から盗撮の疑いが十分だと考えられると、逮捕の要件「嫌疑の相当性」が満たされます。

近年では、被害者の証言だけで逮捕される、ということはまれになっています。

防犯カメラに映ってたら盗撮で逮捕される?

盗撮行為が防犯カメラに映っていたことを証拠として、通常逮捕されてしまうこともあります。

特に駅での盗撮などの場合、防犯カメラやICカードで出入りの記録が確認できるため、比較的通常逮捕に繋がりやすいと言われています。

また盗撮が防犯カメラに映っていたことから、店側が警戒して警備員を置き、それにより現行犯逮捕されることもあります。

盗撮したら何罪で逮捕される?

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盗撮をしたら迷惑防止条例で逮捕される?

多くの場合、盗撮は各県の迷惑防止条例で逮捕されます

具体的には、以下のように規定されています。

次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所

ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

東京都迷惑防止条例5条1項2号

なおこの迷惑防止条例は各県ごとに定められているため、「盗撮」行為の範囲も県によって変わります。

例えば、「公共の場所や乗物での盗撮」のみを条例で定めている県では、ホテルや学校、店舗などでの盗撮を取り締まれない可能性があります。

盗撮したら建造物侵入罪で逮捕される?

盗撮する場所によっては、建造物侵入罪(刑法130条)に該当する可能性もあります。

次のいずれ正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法130条

実際の判例では、以下のような行為で建造物侵入罪の成立が認められています。

  • 小型カメラを設置する目的でパチンコ店の女子トイレに入った行為
  • 着替えを撮影する目的で小学校の印刷室に入った行為

仮に日常的に出入りする場所であっても、盗撮目的の場合は建造物侵入罪が成立することがあるので、注意が必要です。

盗撮したら軽犯罪法違反になる?

各県の迷惑防止条例では違反を問えない盗撮行為については、まれに軽犯罪法違反が問われる場合もあります。

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

軽犯罪法1条1項23号

盗撮で逮捕されたら刑罰はどうなる?

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盗撮の刑罰|法定刑は懲役?罰金刑?

迷惑防止条例違反、住居侵入罪、軽犯罪法違反のそれぞれの法定刑は以下のようになっています。

盗撮―迷惑防止条例違反(東京)1年以下の懲役
又は100万円以下の罰金
常習としての盗撮―迷惑防止条例違反(東京)2年以下の懲役
又は100万円以下の罰金
住居侵入罪3年以下の懲役
又は10万円以下の罰金
のぞき行為―軽犯罪法違反拘留又は科料*
*1日以上30日未満の収監、もしくは1,000円以上1万円未満の徴収

なおこれらは刑の上限であり、実際にくだされる判決の相場とは異なります。

盗撮の刑罰|実際の判例

盗撮で逮捕、裁判となった事例の実際の刑罰は、以下のようになっています。

初犯で罰金刑になった事案
事案パチンコ店にてスマホで被害者のスカート内臀部を盗撮
前科なし
刑罰罰金30万円
量刑調査報告集 5 平成27年5月の事案

初犯の場合は、起訴されても罰金刑で終了することが多いです。

被害者の宥恕を得て執行猶予がついた事案
事案エスカレーターにてデジタルカメラで被害者の太腿を盗撮
前科1犯・示談成立
刑罰懲役6ヶ月、執行猶予3年
量刑調査報告集 5 平成26年2月の事案

被害者と示談することができ、かつ宥恕(処罰を望まない)も得られた事案です。

そのような場合には裁判となっても執行猶予がつき、実際には刑務所に入らず済むことも多くあります。

被害者と示談できず実刑になった事案
事案電車内でに小型カメラを用いて被害者の下着を撮影
前科5犯・示談不成立
刑罰懲役1年2カ月
量刑調査報告集 5 平成26年10月の事案

前科が多く、かつ前回の処罰から2年以内の犯行、被害者とも示談できなかったため、実刑を受けた事案です。

盗撮の刑罰が変わる要素|初犯・前科はどう影響する?

裁判例などから、盗撮の刑罰は以下のような要素で変化することがわかります。

盗撮の刑罰が重くなる要素
  • 盗撮行為の態様が悪質である
  • 撮影した部位が陰部などにまで及ぶ
  • 撮影した枚数やデータが多い
  • 同様の前科や前歴がある
  • 前回の犯行から時間が経っていない
  • 被害者と示談が成立していない
  • 被害者に謝罪、賠償していない
  • 被害者からの宥恕がない

してしまった盗撮や前科を無かったことにすることはできません。

そこで、盗撮発覚後の弁護活動としては「被害者に謝罪し、示談する」ことが最も重要となります。

盗撮で逮捕されたらどうなる?2パターンのその後の流れ

盗撮で逮捕されたらその後の流れは?

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留置場逮捕後最大48時間警察の取り調べ
検察庁逮捕後72時間以内に勾留請求の決定
留置場
拘置所
最大20日間の勾留中に警察の取り調べ
起訴・不起訴の決定
裁判所など刑事裁判

盗撮で逮捕されたら何日拘束されるの?

逮捕されると最大で3日間、その後勾留もされると最大23日間身柄拘束されることになります。

そのためいかに勾留されないか、勾留が認められたとしても早期に釈放されるかが重要です。

①警察に盗撮の取り調べを受ける

まず警察により、本人情報・盗撮の犯行態様・盗撮の動機・余罪・被害者との面識の有無・証拠画像の内容などが確認されます。

ここで喋ったことは供述調書としてまとめられます。

取り調べが無い時間は、留置場で暮らすことになります。

このとき、ご家族の方は面会できませんが弁護士はいち早く「接見」することができます。

接見ができれば、勾留されないような適切な警察への対応方法がわかるため、その後の流れが非常に有利になります。

②検察に送検され、裁判官による勾留決定がくだされる

逮捕後48時間以内に検察庁の身柄が移り、そこで検察官の質問などを受けます。

引き続き身柄拘束の必要があると認められた場合は、勾留決定がくだされます。

例外として、犯罪が軽微なときは「微罪処分」として警察内の取り調べだけで終了する場合があります。

勾留中に盗撮での起訴・不起訴が決まる

被疑者が勾留されている間に、刑事裁判を起こすかが決定されます。

勾留中も取り調べは継続され、他に家宅捜索・カメラの解析・実況見分などを行うこともあります。

勾留中は、被疑者は留置場や拘置所で暮らすことになります。

盗撮で略式起訴・裁判がなされる

起訴には公開された法廷で裁判を行う通常の裁判と、書面だけで完結する略式起訴があります。

通常の裁判は起訴の決定からおよそ1か月後に開かれます。

一方で略式起訴の場合は、手続きへの同意からおよそ2週間後に略式命令がくだされ、罰金の支払いなどが決定されます。

盗撮で逮捕されなかったその後の流れは?

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自宅適宜警察の取り調べをうける
検察庁書類送検
検察庁からの呼び出し・起訴不起訴の決定
裁判所など刑事裁判

盗撮で逮捕されなかった場合は、適宜警察や検察からの呼び出しに応えていくことになります。

逮捕された事件と異なり、取り調べに時間制限が無いため起訴・不起訴決定までの期間が長期化することもあります

盗撮で逮捕されたときの弁護活動は?

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盗撮で逮捕されたら|逮捕が不安なら弁護士に相談を

ご自身が盗撮で逮捕されたり、またご家族が盗撮で逮捕されたという連絡が来たのならば、弁護士にご相談ください

盗撮で逮捕されたことの影響を大きくしないためには、勾留や起訴を避けることが重要です。

いち早く弁護士に相談すれば警察に適切な対応をすることができ、長く身体拘束される可能性が減ります。

盗撮被害者と示談して起訴されないようにする

勾留や起訴を避けるために最も効果的な手段が、盗撮被害者と示談することです。

示談(裁判外での話し合いによる和解)が成立してしまえば、警察や検察も「当事者間で解決しているなら」とその後の捜査や裁判を避ける傾向があります。

被害者も、加害者本人と会って示談することはしたがりませんが、弁護士に依頼することでスムーズに示談ができます。

盗撮被害者と相場額で示談する|示談金の相場はいくら?

盗撮事件における示談金の相場は、およそ30万円程度と言われています。

もっともこれはあくまで相場額であり、犯行態様や相手方の処罰感情によって、金額は大きく左右されます。

盗撮事件における示談の特徴として、示談書に「盗撮を行った場所・路線の使用禁止」などが盛り込まれることがあります。

盗撮の前科がつかないよう不起訴を目指す

弁護士は盗撮の前科をつけないよう、示談を中心とした不起訴を目指した活動をします。

盗撮の前科がつくと、以下のような影響があります。

盗撮の前科がつく影響
  • 現在働いている会社を懲戒解雇される恐れがある
    (公務員であれば懲戒免職される恐れがある)
  • 就職活動で前科の有無を記載しなければならないことがある
  • 一部国家資格が受けられなくなる
  • 盗撮の前科がついたことが離婚事由になることがある
  • 再犯した場合、刑罰が重くなる可能性がある

前科があることで会社を懲戒解雇されるかは、会社内の就業規則などによります。

盗撮は私生活の非違行為のなかでも、性犯罪という類型上、比較的懲戒解雇が認められやすい傾向があります。

盗撮で逮捕からの釈放、保釈を目指す

弁護士は、ご家族や本人のご希望を聞いて、身柄拘束からの早期釈放を求める意見書を提出することができます。

例えばスマホやパソコン、カメラが没収されており、かつ家族が本人を監督する意思がある場合は、もはや「罪証隠滅の可能性、逃亡の可能性」があるとは言いにくくなります。

そのようなことを書面でまとめ、警察に提出することで勾留から逃れられる場合があります。

また、起訴決定後の勾留から釈放される保釈の手続きも、弁護士に代理して行わせることができます。

盗撮の逮捕が不安…事前に知りたい逮捕についての疑問

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盗撮で逮捕されたら前科はつく?

盗撮で逮捕されただけでは前科はつきません。

盗撮で起訴され、刑事裁判で有罪になったときに初めて前科がつきます。

なお、執行猶予がついて実際には刑務所に行かなくとも、有罪判決が出た時点で前科はつくため要注意です。

前科をつけたくない場合は、あくまでも起訴自体を回避する必要が出てきます。

盗撮で逮捕されたらスマートフォンは戻ってこない?

盗撮で逮捕、または在宅事件となっても、盗撮に用いたスマートフォンは押収されるのが一般的です。

捜査が終われば返還してもらえますが、捜査終了までは数カ月以上かかることもあります。

例外として、写真が撮影できていない「カメラを差し向けた」事案であれば、比較的早期に返却してもらえることもあります。

盗撮で起訴される時効は?|逮捕で時効中断になる?

盗撮の刑事事件における時効、すなわち検察が起訴することができる時効期間は、以下のようになっています。

迷惑防止条例違反の場合盗撮が終わってから3年
建造物侵入罪の場合敷地から出たときから3年
軽犯罪法違反の場合盗撮が終わってから1年

なお、逮捕されたとしても公訴時効は停止しません(刑事訴訟法第254条1項)。

よって公訴時効完成前に逮捕されたとしても、公訴時効完成までに起訴されなければ、時効が成立し、処罰されることはありません。

注意点としては、盗撮被害者が加害者に損害賠償請求などを行う民事の時効は「盗撮の加害者や盗撮の事実を知った時点から3年間」または「盗撮行為から20年間」です。

つまり刑事で盗撮の時効が完成したとしても、民事訴訟を起こされる可能性はゼロではありません。

弁護士に適切な示談をさせることで、民事訴訟を起こされるリスクを減らすことができます。

盗撮での逮捕がご不安な方は弁護士に相談を

盗撮で逮捕、勾留、起訴されてしまうと、日常生活に様々な悪影響が及ぶ可能性があります。

早期に弁護士に相談し、身柄釈放、不起訴となることで、そのような影響を最小限に抑えることができます。

まずはお気軽にお電話、LINEでご相談ください。