岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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傷害事件で逮捕!その後の流れとは?逮捕されない傷害事件もある?

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家族が傷害事件逮捕されてしまった…

逮捕されたその後の流れが非常に気になりますよね。

  • 傷害事件逮捕されたその後の流れは?
  • 傷害事件で逮捕されない場合は?
  • 傷害事件の拘留(勾留)期間は?

など、疑問に思うことがたくさんあると思います。

今回は、「傷害事件逮捕その後」についてみていきましょう。

傷害事件で逮捕!その後の流れを解説|逮捕までの期間は拘留(勾留)される?

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傷害事件で逮捕されるとその後どうなる?

ご自身やご家族が傷害事件で逮捕されると、「傷害事件逮捕後の流れ」が気になると思います。

傷害事件で逮捕されたその後、どのように事件が進んで行くのか段階別にみていきましょう。

傷害事件の流れ①「逮捕」

刑事事件の流れ

傷害事件を起こすと、傷害罪に問われ、逮捕される可能性があります。

傷害罪とは、人の身体を傷害することによって成立する犯罪です。

傷害罪の逮捕には、2つのパターンが考えられます。

  1. ① 傷害罪の事件当日に逮捕される現行犯逮捕
  2. ② 傷害罪からしばらくした後に逮捕される後日逮捕(法律的には「通常逮捕」)

傷害事件の現行犯逮捕とは、傷害事件の当日に傷害事件の現場で逮捕されることをいいます。

傷害事件が起こったその時その場所で被害者や目撃者によって逮捕されるのが一般的です。

傷害事件の後日逮捕とは、傷害事件の逮捕状にもとづいて逮捕されることをいいます。

傷害事件が起こった翌日以降に逮捕状をもった警察官によって逮捕されるのが一般的です。

被害者が重大なケガをした場合、目撃者や被害者側の関係者、現場にかけつけた警察官によって現行犯逮捕されることが多いです。

また、傷害事件の手段として悪質な凶器を用いた場合も現行犯逮捕されるケースが多いです。

現行犯逮捕された場合は、加害者はそのまま警察署へ連行されます。

後日逮捕の場合は、逮捕状がいつ発行されていつ逮捕されるのかは捜査の進み具合によって異なります。

現行犯逮捕と後日逮捕の違い

現行犯逮捕された場合は、傷害事件の加害者はそのまま警察署に連行されることになります。

家族が逮捕されてしまったら、ご自身ではどうすればよいのかわからないかもしれません。

この時点で、ためらわずに弁護士に相談することを検討しましょう。

傷害事件の流れ②「送致」

刑事事件の流れ

現行犯、もしくは後日、警察に逮捕された後、警察は48時間以内に

  • 検察官に事件を引き継ぐ
  • 被疑者を釈放する

のどちらかを判断しなければなりません。

傷害事件の被疑者は、その日の夜「留置場」で一泊し、翌日か翌々日に検察官へ「送致」されることになります。

送致のあとに釈放されることもあれば、そのまま勾留が続くこともあります。

検察官による逮捕の場合も、その後に取調べを行います。

傷害事件の流れ③「勾留~勾留延長」

刑事事件の流れ

事件が検察官に送致されると24時間以内に、

  • 裁判官に勾留を請求
  • 起訴
  • 釈放

されるかが決められます。

検察官から勾留請求をされた場合には、裁判所に行って裁判官と面談をしなければなりません。

裁判所では、裁判官から逮捕の理由となった傷害容疑について簡単な質問を受けます。(勾留質問)

勾留が決定されると、まずは10日間身柄が拘束されることになります。

勾留質問において、裁判官に「証拠を隠したり、逃亡したりするおそれがない」と判断されると勾留はつきません。

留置場に荷物を取りに一旦帰って、その後、釈放されます。

勾留決定の前に弁護士を立てて対応すると勾留の請求や決定を阻止できる場合があります。

弁護士に依頼すると、弁護士は検察官や裁判官に逮捕された人に有利な事情を書面や口頭で伝えてくれます。

勾留の阻止が成功すれば、逮捕から数日で留置場から釈放されます。

勾留されなければその後は職場や学校にも通えるので日常生活を送ることが可能です。

一方、勾留決定から10日経過時点で、勾留を継続したまま捜査を続ける必要性がある場合があります。

その際は、最長10日間延長され、合計20日間勾留されることがあります。

傷害事件の流れ④「起訴」

刑事事件の流れ

検察官は、勾留期間中に、警察官が集めた証拠などを検討します。

そして、事件を起訴するか、被疑者を釈放するかを判断します。

起訴の流れは以下の通りです。

起訴の流れ

事件が起訴(公判請求)された場合は、被疑者段階の勾留は、自動的に被告人勾留へと切り替わることになります。

基本的には、保釈が認められない限り、判決が出て裁判が終了するまで勾留が継続することになります。

勾留が決定されてしまっても、事件が不起訴で終了すれば、そのまま釈放されることになります。

不起訴で釈放されるケースとしては、逮捕・勾留後に示談がまとまった事件などが考えられます。

被害者と示談がまとまり、事件を起訴する必要がないケースでは、検事は事件を不起訴処分として処理し、被疑者を留置場から釈放します。

傷害事件において、

  • 傷害の手口が悪質である
  • 重大なケガが生じている
  • 同種前科が複数ある

などの場合は、罰金では済まず、懲役刑を請求されることが多いです。

懲役刑を請求されることを公判請求といいます。

傷害事件の流れ⑤「刑事裁判~判決」

刑事事件の流れ

事件が起訴されると、その後、刑事裁判を受けることになります。

基本的には、保釈が認められない限り、判決が出て裁判が終了するまで勾留が継続することになります。

事件が起訴された後は、通常起訴の日から約40日後に刑事裁判の第一回公判が行われます。

容疑を認めている場合は、第一回公判の約10日後の第二回公判で有罪判決がくだされ、刑事裁判が終了することも多いです。

傷害の刑罰は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。

刑事裁判で有罪判決になると以上の範囲から判決を言い渡されます。

執行猶予が付かない懲役刑が言い渡された場合は、そのまま刑務所に収容されます。

起訴から事件終了までの流れは以下の図をご覧ください。

刑務所の流れ

執行猶予が付いた場合は、直ちには、刑務所に収容されません。

傷害事件の執行猶予や刑罰については以下の記事もご覧ください。

傷害事件の逮捕までの期間は?

後日逮捕されるまでの期間に、法律上の決まりはありません。

傷害罪を犯してから後日逮捕されるまでの期間は、捜査の進み具合によるところが多いです。

単純な傷害事件で捜査がスムーズに進行した場合は、早期に逮捕されることが予想されます。

通常の傷害事件は、傷害事件から一か月以内に後日逮捕されるケースが多いです。

複雑な傷害事件で捜査が困難な場合は、後日逮捕までの期間が長引く傾向にあります。

特に、傷害事件の関係者が複数いる場合は、捜査が難航します。

そのようなケースでは、逮捕状を請求することができないので、後日逮捕までの期間が長引くことになります。

複雑な傷害事件で捜査が難航している場合は、傷害事件から半年後や一年後に後日逮捕されることもあります。

以上のように、逮捕までの期間は様々です。

しかし、何十年も先まで自由なタイミングで逮捕できるわけではありません。

傷害事件にも時効があります。

傷害事件の時効については以下の記事をご覧ください。

傷害事件で逮捕されると拘留期間はどれくらい?

みなさんは「拘留」と「勾留」の違いをご存じでしょうか。

「勾留」と「拘留」を混同している方もいらっしゃるかもしれません。

まず、「拘留」とは、

自由刑の一種で、一日以上三〇日未満の期間、刑事施設に拘置するもの(刑一六)。

引用元:有斐閣 法律用語辞典 第4版

といった意味を持っています。

傷害罪の刑罰は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。

傷害罪の刑罰に「拘留」はありません。

傷害罪で関係するのは「勾留」です。

被疑者又は被告人が、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、かつ、住居不定、罪証隠滅のおそれ又は逃亡のおそれのいずれか一つの理由(これを「勾留の理由」という)があるときに認められる刑事手続上の拘禁(略)

引用元:有斐閣 法律用語辞典 第4版

つまり、勾留は、逮捕の流れでも出てきた通り、

傷害事件の被疑者や被告人が、逮捕に引続いて、一定の期間、警察署の留置場や拘置所などに留め置かれること

です。

被疑者勾留の期間は、勾留を請求された日から最長で20日間です。

原則は、勾留は10日間です。

やむを得ない事由があると認められたときは、検察官の請求により、裁判官の判断で、最長10日間勾留期間が延長されます。

勾留期間の延長は、通算して10日間を超えることができません。

よって、勾留期間を通算すると、勾留請求された日より最長20日間、被疑者勾留される可能性があるということですね。

最長20日間も勾留されるとなると本人も残された家族も不安でたまりませんよね。

【Q&A】傷害事件で逮捕!その後の流れ|逮捕されない場合もある?いつ釈放される?

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傷害事件で逮捕されない場合とは?

傷害事件を起こした後、身体拘束を伴う逮捕がされない場合もあります。

すべての傷害事件の加害者が逮捕されるわけではありません。

逮捕や勾留の目的は、

  • 逃亡を防ぐこと
  • 罪証隠滅(証拠隠滅)を防ぐこと

です。

逆に言えば、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れが無ければ逮捕されない可能性は高くなります。

逮捕されない傷害事件の場合でも、被害届が受理されると在宅捜査が始まります。

在宅事件の場合は、留置場で生活する必要はありません。

自宅で生活ができ、学校や職場にも通うことができます。

ただし、警察から呼び出しがあった場合は、呼び出しに応じる必要があります。

自宅から警察に出向き、傷害事件の操作や取り調べに協力します。

逮捕され、留置場に収容されると、日常生活を送れません。

その点、傷害事件を起こし逮捕されなかった場合は通常通りに生活を送ることができます。

傷害事件は被害届を出されると逮捕?

被害届が出されたからといって必ず逮捕されるわけではありません。

被害届が受理されるのと、捜査開始は別物と考えます。

ただし、被害届の提出は、警察が刑事事件を認知する一つのきっかけになります。

「被害届」とは、犯罪により被害を受けた者が、被害を受けた事実を捜査機関に申告するため作成する書面です。

被害届が提出されると、警察が「犯罪がある」と疑うきっかけになります。

被害届は、捜査開始の足掛かりとしての役割を果たします。

被害届は、捜査開始のきっかけ(捜査の端緒)とされます。

しかし、現実の問題として、証拠がなければ捜査が進展しません。

したがって、警察は、被害届が出されても捜査しないのではなく、捜査のしようがないという実態もあります。

被害届の提出は、警察が刑事事件を認知する一つのきっかけになります。

警察は、犯罪があると判断したときに、捜査を開始します。

上記については、刑事訴訟法第189条第2項に記載されています。

(一般司法警察職員の捜査権)

第189条

(略)

2.司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。

引用元:刑事訴訟法第189条第2項

被害届があれば、この条文の「犯罪があると思料するとき」に該当します。

しかし、被害届が出されないからといって、逮捕されないとは限らないということでもあります。

傷害事件のような刑事事件と被害届の関係については以下の記事をご覧ください。

傷害事件で逮捕された後いつ釈放される?

傷害事件での逮捕後、釈放されるタイミングは様々です。

逮捕・釈放の流れ

まず、逮捕されたその後、警察が事件を検察に送る必要が無いと判断した場合はすぐに釈放されます。

検察が勾留請求をしなかった場合、裁判所が勾留請求を却下した場合、などのケースでは被疑者はただちに釈放されます。

捜査機関の取り調べの結果、不起訴処分となった場合にも、被疑者の身柄はただちに釈放されます。

不起訴処分は、

  • 被疑者が犯人でないことが明らかな場合
  • 証拠が不十分で起訴しても有罪の見込みがない場合
  • 被疑事実は明白だが被疑者の状況や犯罪の軽重を考慮して起訴を猶予する場合

などが該当します。

起訴されてしまった場合は、保釈による釈放を求めることができます。

保釈保証金を裁判所に納付して釈放される制度で、保釈保証金は没取されなければ裁判終了時に還付されます。

【弁護士相談窓口】傷害事件で逮捕!その後の流れを知りたい…

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家族が傷害事件で逮捕された…弁護士に相談できる窓口は?

今回は、「傷害事件逮捕後の流れ」について解説しました。

ご自身やご家族が逮捕されてしまうと非常に不安になりますよね。

また、その後事件がどう進行するのか、家族がどうなってしまうか非常に気になります。

傷害事件などの刑事事件はスピーディーに進行します。

弁護士に依頼することで、事件の段階に合わせて適切な対応がとれます。

当事務所では、LINEでの無料相談対面相談(初回30分無料)などを行っています。

おひとりで悩まずにお気軽にご相談ください。

以下の窓口から今すぐ傷害事件の悩みを相談することができます。

まずは、弁護士に一度相談してみましょう。

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