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傷害事件の刑罰|初犯は罰金?懲役?全治3週間の傷害事件の刑罰は?暴行罪との違いは?

傷害事件の刑罰って?懲役刑?罰金刑?
大切なご家族が逮捕されると、家族がどんな刑罰を受けるのか心配です。
ほかにも、
- 全治1週間~全治3週間など怪我の程度で刑罰は変わる?
- 傷害と暴行の刑罰は違う?
- 初犯だと刑罰は軽くなる?
など、「傷害事件の刑罰」について弁護士の解説を交えて詳しくみていきましょう。
目次
傷害事件の刑罰を解説|初犯の刑罰は?暴行罪との刑罰の違いは?

傷害事件の刑罰は?懲役刑〇年?罰金〇円?
傷害事件とは、人の身体を傷害することによって成立する事件をいいます。
ご自身やご家族が傷害事件で逮捕されてしまうと、事件は以下のように進みます。

ご覧のようにスピーディーに事件の段階が変わっていきます。
事件が起訴され、刑事裁判において有罪判決を言い渡されると刑罰を受けることになります。
傷害事件の刑罰は以下の通りです。
15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
つまり、傷害事件で有罪判決を言い渡されると懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
懲役刑と罰金刑の意味は以下の通りです。
懲役刑:刑務所に収監され、所定の作業(刑務作業)を行うことを強制される刑罰
罰金刑:国家が犯罪に対する刑罰として強制的に金銭を取り立てる刑罰
具体的な量刑・刑期は、
- 行為態様の悪質さ
- 傷害結果の軽重
- 同種前科の有無
- 被害弁償・示談の有無
- 被害者の処罰感情の程度・内容
- 再犯防止の取り組み
など、個々の事案の特徴に応じて変動します。
また、懲役刑が言い渡された場合も執行猶予になれば、直ちには収容されません。
執行猶予を獲得するためには、
- 傷害事件の被害者に謝罪と賠償が尽くされている
- 傷害事件の被害者と示談が成立している
などの事項が重要です。
示談とは、事件を当事者間の話合いで解決することです。
傷害事件の示談において話し合われる内容は、
- 事件の慰謝料や損害賠償金
- 加害者を許すかどうか
などについてです。
示談をすることで当事者間のお金をめぐる争いは解決します。
刑事事件では加害者に有利な事情として考慮されます。
初犯の傷害事件の刑罰は?
初犯でも刑事裁判で有罪になれば「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲から刑が言い渡されます。
傷害罪によって生じた結果の重大性や傷害罪の行為の悪質性などによって判断されます。
例え、初犯であっても懲役実刑になる可能性はあります。
- 傷害罪の結果が極めて重大
- 危険な凶器を使うなど行為が極めて悪質
- 被害者側と示談が成立していない
などの場合は、初犯でも懲役実刑になるケースもあります。
さらに、傷害罪の加害者と被害者の間で示談が成立していない場合は、初犯でも懲役実刑になる可能性がより高まります。
初犯の事件は前科が複数ある場合と比べて、起訴猶予(不起訴処分)で終わる場合も多いです。
- 被害が軽微である
- 被害者側と示談が成立し、今回の事件を許してもらっている
場合は、まず確実に不起訴処分になると考えて差し支えありません。
傷害では、初犯で被害者の怪我が重くなければ、示談が成立したことが考慮されて不起訴になることが多いです。
示談が成立して、相手方から許してもらっていることは非常に重要です。
傷害事件と暴行罪の刑罰の違いは?
傷害罪と暴行罪は混同されがちですが、別物です。
簡単に言うと、加えた暴行によって、怪我をしているかしていないかという点が重要です。
傷害罪と暴行罪では、刑罰も異なります。
暴行罪:2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
傷害罪:15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
傷害罪の方が刑の範囲が非常に広く、暴行罪よりも重大です。
これは、ケガ(生理機能の障害)といってもその程度は非常に幅広いからです。
よって、刑の重さも幅を持たせて、実際の事件に応じて決められるようにしてあります。
暴行罪は、暴行を加えたが傷害(ケガ)が生じなかった時に成立し、暴行を加えて傷害(ケガ)が生じた時には、傷害罪が成立します。
傷害罪になるのは、力の行使によって傷害(生理機能の障害)を負わせた時に限られます。
傷害という結果が生じたか否かが、暴行罪と傷害罪の分かれ目です。
暴行によって不調が生じたとして、傷害(ケガ)が認められたのは、
嘔吐、失神、むちうち症、病気の感染、意識障害を伴う急性薬物中毒
などの症状です。
最近では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)がケガ(生理機能の障害)に当たるかが問題とされています。
ケガの内容は、証拠に基づいて認定されます。代表的な証拠は、医師の診断書です。
傷害罪 | 暴行罪 | |
---|---|---|
内容 | 暴行を加えて障害(ケガ)が生じた時に成立 | 暴行を加えたが障害(ケガ)が生じなかった時に成立 |
刑罰 | 15年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料* |
*科料:財産刑のうち、罰金より少額のもの。千円以上一万円未満とされている。
暴行罪については以下の記事をご覧ください。
暴行罪についてのページ
【具体例】傷害事件の刑罰の判断基準は?全治3週間以上の傷害事件の刑罰は?

傷害事件の刑罰は示談の有無によって変わる?
傷害事件の示談成立は、事件後の刑事手続きにおいて非常に有効です。
刑事裁判になった場合も、刑罰に大きな影響を与えます。
傷害事件の示談が成立したということは、傷害事件によって生じた賠償金トラブルが当事者間の合意によって解決しているということです。
示談が成立すれば、傷害罪の加害者は、被害者に対して、示談金を支払い、その他の示談の条件を履行する義務を負います。
傷害罪の示談が成立すれば、傷害罪の加害者は、その後の刑事手続きにおいて、示談が成立しなかった場合と比べて有利に取り扱われます。
具体的には、刑事裁判にならない可能性や、不起訴で前科がつかない可能性が高まります。
示談が成立したことで、軽微な傷害事件であれば不起訴になることも多いです。
傷害罪の前科がつかないメリットは大きいです。
傷害事件の示談についてさらにくわしく知りたい方は以下のページをご覧ください。
傷害事件の示談についてのページ
全治1週間~全治3週間以上の傷害事件の刑罰は?

傷害事件の刑罰は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲で定められるとわかりました。
しかし、傷害事件のケガの程度は事件によって大きく異なります。
こちらでは全治1週間~全治3週間のケガの傷害事件の示談金と刑事処分をみていきましょう。
まずは、全治1週間の例からみていきましょう。
事件の内容 | 示談金 | 刑事処分 | |
---|---|---|---|
① | 居酒屋で知り合った被害者とカラオケ店に行き、個室内で被害者を突き飛ばして、全治1週間の左肩打撲の傷害を負わせた事件。 | 40万円 | 不起訴 |
② | ハローワーク内で、被害者夫婦に対し、顔面をこぶしで数回殴るなどの暴行を加え、全治1週間の怪我を負わせた事件。 | 32万円 | 罰金50万円 |
続いて、全治2週間の傷害事件の示談金と刑事処分をみてみましょう。
事件の内容 | 示談金 | 刑事処分 | |
---|---|---|---|
① | 会社の元従業員に対し、その後頭部をノコギリ(刃カバーが付いた状態)で殴り、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 25万円 | 不起訴 |
② | 飲食店の男子トイレで、飲食店店長である被害者の両腕をつかみ、被害者の首筋を右手でつかむなどの暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 40万円 | 不起訴 |
最後に全治3週間の傷害事件の示談金と刑事処分をみてみましょう。
事件の内容 | 示談金 | 刑事処分 | |
---|---|---|---|
① | 交通トラブルを起こし、被害者に対して、顔面を3発殴るなどの暴行を加え、全治約3週間の傷害を負わせた事件。 | 75万円 | 不起訴 |
② | 新幹線内で前の座席に座っていた被害者に対し、座席を数回蹴るなどの暴行を加え、休業約3週間を要する頚部挫傷、頭部打撲傷などの傷害を負わせた事件。 | 179万円 | 不起訴 |
傷害事件の示談金は傷害事件によって生じた結果の大小や、被害者の処罰感情によって金額が左右されます。
傷害事件の被害者が示談に応じない場合、加害者としては、刑事手続において刑罰が重たくなるリスクを負います。
示談金の相場としては民事裁判で認められる金額になります。
- 傷害罪の被害がそれほど重たくない場合:10万〜30万円程度
- 損害が重たい案件:100万円以上になることもある
- 後遺障害が残るケース:数千万円から一億円以上になることもある
傷害事件の示談金や刑事処分は事件ごとに異なるので一概には言えません。
ケガの程度や、被害者の処罰感情によっては、示談金が高額になることもあります。
しかし、示談金を支払うのを渋り、示談が決裂すると加害者にとって不利益な影響を与える場合があります。
具体的には、
- 示談成立で、不起訴になるはずが、罰金や刑事裁判になる可能性がある
- 示談成立で、執行猶予になるはずが実刑になる
などのリスクが挙げられます。
【弁護士無料相談】傷害事件の刑罰を受けないためには?

傷害事件で刑罰を受けないためには?
傷害事件の刑事裁判で有罪判決を受けると、前科がついてしまいます。
前科が付くと、就職・転職・結婚などこの先の人生に大きな影響を与えます。
傷害事件で、刑罰を受けないようにするには、
不起訴処分を獲得する
ことが非常に重要です。
不起訴処分を獲得すれば、刑事裁判が開かれることはありません。

傷害事件が起訴され、裁判になると刑罰を受ける可能性があります。
刑事事件はスピーディーに進行します。
事件の加害者になった場合は、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
傷害事件の流れのページ
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傷害事件で刑罰を受けることを回避する方法は…
事件後、弁護士に相談して弁護活動を早急に開始する
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前科がつかないことは、今後の人生において非常に重要です。
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藤垣圭介
執行猶予後は、社会で日常生活を送ることが可能です。
再び犯罪を犯した場合は、執行猶予が取り消されて刑務所に収容されます。