4人の弁護士がこの記事に回答しています
【殺人事件を弁護士に相談】弁護士費用は?構成要件・無罪の方針・解決事例は?

「殺人に強い弁護士を探している…」
「刑事事件専門の弁護士に相談したい…」
このようなお悩みをお持ちの方もおられますよね。
- 殺人事件の弁護士費用
- 殺人事件・傷害致死など人を死亡させた罪の刑罰
- 殺人事件の弁護方針・解決事例
今回は、このような「殺人事件」にまつわる疑問を弁護士監修のもと解説します。
目次

【殺人事件】弁護士の本音・事件傾向
殺人事件 最近のニュースは?
殺人事件の最近のニュースについて一例をあげます。
時期 | 場所 | 被害者 |
---|---|---|
2018 | 高千穂町 | 6人 |
2018 | 日置市 | 5人 |
2018 | 三田市 | 1人 |
2018 | 新座市 | 1人 |
2018 | 座間市 | 9人 |
2017 | 新発田市 | 2人 |
平成29年度版『犯罪白書』と見てみると、殺人の認知件数は895件でした。
これは、刑法犯全体の0.8%にあたります。
実際に検挙された人は、816人にのぼっています。

弁護士資格の意味・弁護士の気持ちとは?
「殺人事件の刑事弁護を弁護士に依頼したい」
このように、お考えの方もおられるでしょう。
ですが、殺人は刑事事件のなかでも特にセンセーショナルな犯罪です。
刑事弁護をひきうけてくれる弁護士はいるのでしょうか。
弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命としています(弁護士法第1条第1項)。
そのため、
えん罪の救済
重すぎる刑罰の回避
違法な手続きの排除
といった目的のために、刑事弁護をおこないます。
人権の擁護 + 社会正義の実現 | ||
---|---|---|
えん罪 | ⇨ ⇨ ⇨ |
無罪 |
重すぎる刑罰 | 軽く | |
違法な手続き | 適法な手続き |
日本弁護士連合会のホームページで、
弁護士が刑事弁護をする理由
について書かれていました。
参考までに引用しておきます。
「どうして悪い人の弁護をするの?」
こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
(略)
弁護人の最も重要な役割は、えん罪の防止です。(略)無罪の可能性を追求する弁護人の役割が必要なのです。
また、行き過ぎた刑罰が科されたり、違法な手続が見逃されたりしないようにするためにも、弁護人は被告人の立場から、意見を述べ、証拠を提出します。
このような弁護人の活動は、まさに人権擁護と社会正義の実現のためのものにほかなりません。
引用元:日本弁護士連合会ホームページ『弁護士の使命と役割』(https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/lawyer/mission.html)
さて、「殺人事件の刑事弁護を任せられる」と思っていただけたところで、
弁護士費用
アトム法律事務所の事務所概要
について、ご説明しておきます。

【殺人】弁護士費用・弁護士相談窓口はこちら
【費用】示談・裁判員裁判etc含めると?
刑事弁護を弁護士に依頼したいと思っても、気になるのが「弁護士費用」ですよね。
弁護士費用のページ
- 刑事事件の弁護士費用(外税表示)
- 43462
アトム法律事務所では、明瞭な料金体系のもと、弁護活動をおこなっています。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
無料相談のご案内
無料相談のご案内
【弁護士紹介】東京・横浜・千葉・埼玉・大阪・京都・名古屋・福岡etc
アトム法律事務所の事務所概要は下記リンクから、ご覧いただけます。
事務所概要のページ
次の項目では、「殺人罪」の成立要件と刑罰、そのほかの犯罪との違いを解説します。

【殺人】弁護士にきく有罪・無罪・刑罰
殺人罪(刑法第199条)とは?
殺人罪(刑法第199条)の構成要件を確認しておきましょう。
「構成要件」とは、犯罪を特徴づける類型のことです。
構成要件
犯罪を特徴づける類型のこと
条文に書かれている
殺人罪の構成要件は、
殺意をもって、「人を殺した」
というものです。
①「人」といえるか? |
---|
=出生後、死亡するまでの間 (赤ちゃんの身体の一部が母体の外に出てきた時点で「人」になる) |
✕ 胎児(⇨堕胎罪) ✕ 死体(⇨死体損壊) |
②「殺した」といえるか? |
---|
=死期を早めること |
〇手段・方法は自由。 |
③「殺意」があるか? |
---|
=「死亡」の危険性が高い行為をしている」という認識・認容 |
〇おもに、凶器の種類・形状、用法、創傷の部位・程度から判断。 |
2018年11月1日現在。
参考までに、殺人罪の条文を引用しておきます。
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
引用元:刑法第199条

殺人罪にならないケースとは?
人を死亡させてしまった事件でも、殺人罪にならないケースもあります。
人を死亡させてしまった刑事事件でも、
「殺意」がない場合
殺人罪にはなりません。
殺意がないケース
傷害致死
過失致死
保護責任者遺棄致死
危険運転致死 etc
また、「強盗の機会」に殺人をしたときは、
殺人罪ではなく「強盗殺人罪」
が成立する可能性があります。
簡単に表にまとめました。
殺意あり | 殺意なし | |
---|---|---|
⇓ | ⇓ | ⇓ |
強盗犯 | ||
⇓ | ⇓ | ⇓ |
強盗殺人 etc |
殺人罪 | 傷害致死 etc |
強盗殺人罪は、通常の殺人罪より、重い刑罰が条文に規定されています。
強盗殺人 etc |
殺人罪 | 傷害致死 etc |
---|---|---|
重い | 中くらい | 軽い |

【一覧】人を死亡させた罪の「刑罰」
殺人事件に関する刑罰については、以下の表をご覧ください。
罪名 | 死刑 | 懲役 | 罰金 |
---|---|---|---|
殺人 * |
〇 | ・無期 ・5年~20年 |
✕ |
強盗 + 死亡 ** |
〇 | ・無期 | ✕ |
強盗 + 強制性交等 + 死亡 *** |
〇 | ・無期 | ✕ |
* 刑法第199条
** 刑法第240条
*** 刑法第241条
次の表は、「殺意なし」で、人を死亡させてしまった犯罪の刑罰です。
「殺意あり」と比べると、軽いものになっています。
罪名 | 死刑 | 懲役 | 罰金 |
---|---|---|---|
過失致死 | ✕ | ✕ | 1~50 万円 |
傷害致死 | ✕ | 3~20 年 |
✕ |
保護責任者 遺棄致死 |
✕ | 3~20 年 |
✕ |
危険運転 致死 |
✕ | 1~20 年 |
✕ |
* 刑法第205条
** 刑法第219条・第218条・第205条
*** 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条

【殺人】弁護士の弁護方針・解決事例
弁護方針は?
死亡または未遂その①【凶器の用法】
殺人罪は、「殺意」の有無が争点になりやすいです。
実際の刑事裁判では、「殺意」の認定について、次のような要素が検討されることが多いです。
殺意の認定
凶器の用法
動機の有無
犯行前後の言動
凶器の用法については、どのような検討がされるのでしょうか?
「殺意」については、
凶器の殺傷能力の程度
攻撃の仕方・キズのでき方
などを分析し、「殺意がなかったこと」を主張します。
殺人罪が起訴される事案としては、
① 殺傷能力が高い凶器を使用し、
② 枢要部(手足以外)を攻撃し、
③ 損傷が重度である
ケースが多いといわれています。
したがって、
凶器の殺傷能力が低いこと
身体の枢要部をねらっていなかったたこと
などを主張し、殺意について争います。
簡単に表にまとめてみましょう。
たとえば、包丁をつかった刑事事件の殺意の有無を考えてみます。
手 | 足 | 頭 | 腹 | 胸 |
---|---|---|---|---|
⇓ | ⇓ | |||
⇓ | 手元が くるった |
あえて ねらった |
||
⇓ | ⇓ | ⇓ | ||
殺意なし | 殺意あり |
具体的な事案によって異なります。くわしくは弁護士にご相談ください。
ただし、この表はあくまでも目安です。
たとえば、手や足をねらった場合でも、
しつこく何回も刺した
腕や脚の付け根をねらった
というような事案では、「殺意あり」とされる可能性もあります。

死亡または未遂その②【動機がない】
一般に、殺人事件の動機には次のようなものがあります。
激怒 | 怨恨 |
介護疲れ | 看病疲れ |
異常めいてい | 精神障害 |
子育ての悩み | 金銭トラブル |
異性関係トラブル | 性癖 |
あくまで一例です。
刑事事件を起こした「動機」が、
殺意をいだくまでに強いものではない
ということも、「殺意」否定につながります。

死亡または未遂その③【犯行前後の言動】
犯行前後の発言・行動からも「殺意」の有無が検討されます。
あらかじめ凶器を用意していたようなケースでは、「殺意あり」とされる可能性が高いです。
犯行前 |
---|
たまたま手元にあった凶器を使用した。 (✖ 事前に凶器を準備) |
関係性がわるくはなかった。 (✖ 「殺してやる」等の発言) |
犯行後 |
事件後、被害者を救助した。 (✖ 助かる可能性があるのに見殺し) |
あくまで一例です。

【正当防衛】
殺意が肯定できる場合でも、正当防衛が成立することもあります。
正当防衛が成立すれば、殺人罪は無罪です。

解決事例は?
アトム法律事務所の解決事例をご紹介します。
事件の概要 |
---|
駅のホームで女性を線路に落下させた。 |
解決例 |
逮捕された後に事件を受任。 弁護活動により殺人未遂として立件できないことが理解された。 被害者との示談成立。 不起訴で事件終了。 |
アトムグループの解決事例については、こちらもご覧ください。
「殺人事件の解決事例」のページ

殺人・傷害致死の弁護士相談は、アトム法律事務所にお任せ
LINE無料相談・相談予約はこちらから
アトム法律事務所では、刑事事件の法律相談を受け付けています。
殺人罪の刑事弁護
刑事事件の示談
など、刑事事件の弁護活動をおこなっています。
24時間365日、深夜・早朝を問わず、専門スタッフが順次対応させていただきます。
無料相談のご案内
無料相談のご案内
まずは、お電話・メール・LINEでお問い合わせください。
LINEでは、相談受付後、弁護士と直接やりとりできます。
さいごに
人を死亡させてしまった事件でも、「殺人罪」「傷害致死罪」「危険運転致死」など、罪名は異なるようです。
また、個別の事案で考慮すべき諸事情があれば、刑罰が減刑される可能性もあります。
まとめ
殺人事件・傷害致死などのご不安は、ぜひ弁護士にご相談ください。
無料相談について詳しく知りたい方は、無料相談のご案内をご覧ください。
今すぐお電話をしたい方は、フリーダイヤル 0120-631-276 におかけください。
24時間365日、専門スタッフがお電話をお待ちしております。
回答者
野根義治
アトム法律事務所では、殺人事件の刑事弁護もおこなっています。