
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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逮捕されても不起訴なら前科はつかない?就職・解雇・結婚・海外旅行etc前科の影響

- 逮捕されたから前科がつくの?
- 不起訴なら前科はつかない?
- 前科の影響は?デメリットは?
(執行猶予・調べる方法・仕事・資格制限・結婚・子供への影響・海外旅行)
このような「前科」に関する疑問やお悩みをお持ちの方へ。
刑事事件弁護の経験豊富な弁護士が、あなたのお悩みや疑問を解決する手段をご案内します。
目次
前科とは?「逮捕されても不起訴なら前科がつかない」の意味は?
「前科」の定義とは?
逮捕だけなら、前科はつかない!
- 逮捕されると前科がつく
- 起訴されると前科がつく
と思っている方もいるかもしれません。
まず、「前科」の定義について確認しておきましょう。
前科とは
「確定判決」で「刑の言渡し」を受けたこと
まず、「刑の言渡しを受けた」というのは、有罪判決がだされたということです。
次に、「確定判決」とは、通常の不服申し立てができない判決のことをいいます。
前科は、確定判決で刑の言渡しを受けたこと、つまり有罪判決が確定した事実です。
判決が宣告されて14日経過すると、判決が確定します。
このような判決のことを「確定判決」といいます。
「確定判決」には、通常の不服申し立て手段をとることはできません。
判決宣告から14日経過していない場合、上告や控訴といった不服申し立てができます。
しかし、確定判決に対して不服申し立てするときは、再審請求を申し出なければなりません。
判決確定前 | 判決確定後 | |
---|---|---|
不服申立の手段 | 上訴(上告・控訴) | 再審請求 |
確定判決というのは、刑事裁判の結論をだすために言い渡される判決です。
そのため、簡単にくつがえすことができないように、要件はきびしいものとされています。

まとめ「逮捕と前科」
さて、話を元に戻して、確認しておきましょう。
「逮捕されただけで前科はつくのか?」
この答えについては、もうお分かりですよね・・・。
逮捕されただけでは、前科はつきません。
有罪の確定判決はおろか、刑事裁判さえ始まっていないからです。
逮捕と前科
逮捕されただけでは、前科はつかない
逮捕後すぐに弁護士に相談すれば、取調べに対するアドバイスがもらえます。

「不起訴」なら、前科はつかない?
ここでは、「不起訴処分」と「前科」を整理しておきましょう。
不起訴処分
検察官の事件処理のうち、「公訴を提起しない」という処分。
被疑者は起訴されないため、刑事裁判を回避できる。
不起訴処分が出されれば、刑事裁判にはなりません。

逮捕されたとしても、「不起訴」ならば、前科はつきません。
不起訴と前科
不起訴ならば、前科はつかない
逮捕や検挙のあと、弁護士と示談交渉をすすめましょう。
示談が成立すると、不起訴の可能性が高まります。
示談と不起訴の関係については、こちらの記事もご覧ください。
「起訴されても無罪」なら、前科はつかない?
次に、起訴されたケースを考えましょう。
前科は、「有罪」の履歴です。
したがって、無罪ならば前科になりません。
起訴されたとしても、無罪判決が確定すれば、前科はつきません。
無罪と前科
無罪ならば、前科はつかない
さて、ここまでの内容をまとめて見てみましょう。

前科はつく?つく場合の流れは?
「前科がつくか?つかないか?」をまとめました。
前科がつくか?つかないか?
前科がつく
- 逮捕→起訴→有罪
前科がつかない
- 逮捕→不起訴処分
- 逮捕→起訴→無罪
前科がつくかどうかについて、さいごに
- 略式起訴と前科
- 書類送検と前科
の2つを確認しておきます。

「略式起訴」は?罰金でも前科に変わりない…
まず、確認ですが、罰金刑でも、前科はつきます。
罰金刑と前科
罰金刑も前科になる
有罪判決の内容が、懲役であろうと、罰金であろうと、両者とも前科がつくことに変わりありません。

交通違反で多い!逮捕・略式起訴で前科者?
略式起訴されると、高確率で有罪になります。
実務上、有罪になることが予定されて、略式起訴・略式裁判で済ませるといった実情があるからです。
したがって、略式起訴された時点で、前科を覚悟しておかなければなりません。
手続きとしては、検察官によって「略式起訴」、その後「略式裁判」という刑事裁判がおこなわれます。
略式起訴とは?
検察官が略式裁判を請求するときに、おこなわれる起訴の形式。
略式裁判とは、書面審理でおこなわれる裁判です。
略式裁判とは?
- 簡易裁判所の管轄に属する事件のうち、
- 100万円以下の罰金または科料を科すべき場合で、
- 被疑者に異議のないときに、
- 検察官の略式起訴によって、請求される
というのが、略式裁判です。

交通違反の違反者などが、この略式起訴・略式裁判をとおして罰金刑に処せられることが多いです。
略式起訴・略式裁判の流れを見てみましょう。
略式起訴・略式裁判の流れ
- 略式起訴→略式裁判(罰金刑)→不服なし→有罪判決が確定
- 略式起訴→略式裁判(罰金刑)→不服あり→公判手続き(通常の裁判)→有罪or無罪判決が確定
参考
- 通常起訴→公判手続き(通常の裁判)→有罪or無罪判決が確定
略式裁判の結果に不服があるときは、通常の裁判手続を求めて、公開の法廷で刑事裁判を受けることはできます。
しかし、そのようなケースはまれです。
「略式裁判をするかどうか」について同意を求められたときは、「前科がつくリスク」を考慮して決断するようにしましょう。

「書類送検」だと不起訴になりやすい?
身柄送致とは?
警察によって、ある犯罪捜査がされたとします。
この場合、その捜査資料は、検察官へ送致されます。
このとき、すでに犯人が逮捕されていたら、身体拘束されている犯人も、捜査資料とともに検察官へ送致されます。
これを「身柄送致」といいます。
書類送検とは?
「書類送検」とは、犯人が身体拘束されていないとき、捜査資料のみが検察官へ送致される手続です。
身柄送致と書類送検の相違点
表にまとめると、次のとおりです。
身柄送致 | 書類送検 | |
---|---|---|
捜査資料 | ◯ | ◯ |
被疑者の身体 | ◯ | ✖ |
事件の性質 | 身柄事件 | 在宅事件 |
そもそも、身柄事件の犯人が逮捕されたのは何故か?といえば、「逮捕の必要性がある」と判断されたためです。
逮捕の必要性とは?
- 「逮捕手続き」の要件のひとつ。
- 「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」の有無で判断される。
たとえば……
犯行態様が悪質だったり、前科多数といった犯人もいると思います。
このような犯情が悪い犯人は、もし裁判になれば、通常は重い刑罰が科せられることになるでしょう。
そのため、このような犯人は、
- 逃亡のおそれが高い
- 犯罪をかくすために、証拠隠滅のおそれが高い
と考えられることが多いです。
逮捕の必要性は、どうやって判断される?
悪質・前科etc
⇓
犯情が悪い
⇓
刑罰が重くなりそう
⇓
逃亡や罪証隠滅の恐れあり?
⇓
逮捕の必要性あり
こういった考慮から、犯情が悪い犯人は、「逮捕の必要性」が認められ、逮捕されやすい傾向にあります。

また、犯情が悪い場合、もちろんですが、処罰の必要性が高いと判断されてしまいます。
そのため、逮捕事件は、在宅事件に比べて、不起訴処分になりにくい傾向にあります。
在宅事件の場合は、犯情がそれほど悪くなく、不起訴になりやすい傾向にあります。
総じて、在宅事件のほうが、前科がつきにくいかもしれません。
身柄事件 (逮捕あり) | 在宅事件 (逮捕なし) | |
---|---|---|
送検 | 身柄送致 | 書類送検 |
犯情 | わるい | それほど悪くない |
不起訴 | なりにくい | なりやすい |
逮捕された場合でも、その後の弁護活動や示談交渉によって不起訴になるケースも多々あります。
お悩みの方は、無料相談などを活用して弁護士に是非ご相談ください。

前歴とは?逮捕されても不起訴なら前科はつかないけど…でも逮捕歴はつく!
「前歴」とは?~逮捕と前科の違い~
先ほど見てきたとおり・・・
逮捕されてだけでは前科はつきません。
ですが、何もつかないのか?といえば、NOです。
逮捕された場合、「前歴」がつくことになります。
「前歴」とは、
刑事事件の犯人として捜査された履歴のこと
です。
逮捕歴などが、前歴の具体例です。
刑事事件の犯人のことを、法律用語で「被疑者」と呼びます。
前歴というのは、被疑者として捜査された事実のことです。
前科 | 前歴 | |
---|---|---|
内容 | 有罪判決の言渡し + 判決の確定 | 犯人として捜査 (被疑者になった) |
具体例 | 懲役の前科 罰金の前科 | 逮捕歴 検挙歴 |
デメリット | 大きい | 小さい |
前歴は、基本的に、警察内部の捜査資料として保管されるものです。
通常、一般公開が予定されていない情報です。
そのため、前歴は、前科に比べて、デメリットはほぼないといえるでしょう。
前科は、就職や結婚に与える影響が、大きいかもしれません。
ですが、前歴の場合は、不利益はさほど大きくありません。
誤認逮捕されて前歴がついちゃったけど、どうしよう…
このような方も、さほど悩む必要はないでしょう。
「逮捕後に釈放」それでも前歴はつく?
逮捕されたら、前歴がつきます。
その後、釈放されたとしても、前歴は消えません。
釈放されても前歴は消えない!
- 逮捕・・前歴がつく
- 釈放・・前歴は消えない
前科のデメリット・前科を調べる方法などについてサクッと知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
前科ありの影響・デメリット~逮捕されても不起訴を目指す理由~
【執行猶予】前科は消えない…でも刑罰は消える?
前科そのものについて、「消える」ことはありません。
前科とは、「有罪判決の言渡し」を受けて、その判決が確定したという「事実」だからです。
しかし、「『刑の言渡し』の効力」が消えるということはあります。
前科 | 刑の言渡しの効力 | |
---|---|---|
消える? | 消えない | 消える |
影響は? | ・イメージが悪い ・風評被害 ・実名報道 | ・資格制限の有無 |
有罪の刑を言い渡された過去、前科は消えません。
しかし、一定条件のもと一定期間を経過すれば、更生の証として「『刑の言渡し』の効力」は、消えます。
前科でいちばん問題になるのが、資格制限の問題でしょう。
「『刑の言渡し』の効力」が消えれば、医者や弁護士になれないという資格制限が解除されることもあります。
「執行猶予」と「前科」について考えてみましょう。
「執行猶予」とは、懲役刑の実施が一定期間、猶予されるというものです。
つまり、執行猶予を取り消されずに、期間満了を迎えたら、懲役刑は実施されないので、刑務所に行く必要はなくなります。
執行猶予つきの懲役刑は、前科になります。
しかし、執行猶予を取り消されずに、期間満了をむかえれば、「『刑の言渡し』の効力」が消えるとされています。
執行猶予と前科
- 前科は消えない
- 執行猶予が期間満了をむかえれば、「『刑の言渡し』の効力」が消える
- 「『刑の言渡し』の効力」が消えれば、資格制限が解除されることもある

【調べる】調査でばれる?戸籍は?前科者リスト?
戸籍で調べることはできない!
前科が、戸籍で調べられることはありません。
戸籍は、親族関係を登録し証明するものです。
戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編製され、日本国籍をも公証する唯一の制度です。戸籍事務は、市区町村において処理されます
引用元:法務省ホームページより(http://www.moj.go.jp/MINJI/koseki.html)
戸籍に、前科は記載されません。
市町村役場には前科者リストがある?
市町村役場には、いわゆる「前科者リスト」があります。
「前科は戸籍で調べられる」というイメージがついてしまったのも、このリストの存在が原因かもしれません。
「前科者リスト」は、「犯罪者名簿」「犯罪人名簿」などともよばれます。
地方検察庁の本庁の犯歴担当事務官は、(略)その裁判を受けた者の戸籍事務を管掌する市区町村長(略)に対し、その既決犯罪通知書(甲)を送付してその裁判に関し必要な時効を通知する。
引用元:犯歴事務規程第3条4
市町村役場の犯罪人名簿は、事務手続きのための内部資料として使われています。
たとえば、選挙権の把握です。
したがって、犯罪人名簿をつかって前科を調査される可能性は、ゼロに限りなく近いです。
前科が知られるルートとして可能性があるのは?
興信所などは独自の調査ルートがあったり、聞き込み調査でバレてしまったりと、前科が知られる可能性が全くないとはいえません。
実名報道のリスクは?
前科の実名報道も気になるところですよね。
実名報道と前科のページはこちら
つぎは、前科と仕事について見ていきましょう。

【仕事】解雇?就職は不利?就職支援・履歴書の書き方etc
前科があるとクビ?
犯罪を起こした場合に、就業規則でクビになるとされている会社もあるかもしれません。
また、前科を隠して就職して、のちのち解雇されるということもあります。
前科持ちは就職・再就職が不利?
- 学生時代の頃やんちゃして前科持ちだが、就職できるか不安である
- 刑務所から出所したあと再就職先がなかなか見つからない
就職に関する不安はつきないですよね。
前科があることで、会社の社風にあわないなど判断される可能性もあります。
しかし、前科があっても雇ってくれる会社はあるので、地道に就職活動を続けていきましょう。
場合によっては、仕事が見つかるまで、生活保護受給を検討してみてもよいかもしれません。
履歴書に「前科」を書く?
「前科」がある場合、基本的には、履歴書の賞罰欄の「罰」に記載することになります。
会社指定の履歴書に賞罰欄がある場合、正直に書くしかありません。
前科の記載例
平成◯◯年◯月 暴行罪にて罰金刑
記入欄があるのに白紙にした場合、告知すべき事実を告知しなかったとして、解雇事由となる可能性があります。
履歴書の様式を指定されていないのであれば、「賞罰欄」のない履歴書を準備するというのもひとつの手段です。
ただし、その場合でも、面接で前科について聞かれた場合、「答える義務」があります。
前科は告知すべきであると同時に、刑の効力の消滅という制度も存在しています。
「消滅した前科を申告する必要はない」と判断した裁判例もあります。
前科の申告について迷ったときは、弁護士にお尋ねください。
就職支援の制度ってなに?
前科を隠して就職するのは、現実的に考えてきびしいものです。
自分の力だけで就職先をさがすのはむずかしい・・・
そんなときは、就労支援を活用してみましょう。
法務省では、刑務所出所者に対する就労支援を実施しています。
民間団体でも就労支援をおこなっている法人があるようです。
ただし、場合によっては、
前科持ちは安い賃金で雇用できる
という観点から、前科者を受け入れる事業者もあります。
更生の第一歩は、安心して続けられる仕事を見つけることです。
不安なことがあれば、すぐに弁護士にお尋ねください。
刑事弁護士は、ご依頼者様のその後の更生にも豊富な知識と経験でアドバイスさせていただきます。

【資格制限】公務員になれない?その他の資格制限は?
一定の職業については、資格制限があります。
資格制限がある職業
- 公務員
- 法律家(裁判官・検察官・弁護士・司法修習生)
- 校長・教員・教育委員会
- 医療(医師・薬剤師・看護師etc)
- 建築(宅建・建設業者etc)
- 会計士・司法書士・行政書士 etc
前科持ちの人は、この資格制限にひっかかる可能性があります。
ただし、すべての前科持ちが、資格制限にひっかかるわけではありません。
刑罰が執行された後、一定の条件のもと、一定期間を経過すれば、資格制限がはずれることもあります。
くわしくは、下記リンクをご覧ください。
前科と資格制限のページはこちら
【家族】結婚できない?子供への影響は?
前科は婚約者にバレる?
彼氏が前科もちだったことを知って結婚を取りやめる
現代でも起こり得ますよね・・・。
前科を結局打ち明けられないという方もいるでしょう。
前科バレのリスクを考えてみましょう。
ばれる可能性 | |
---|---|
市役所への照会 | ★☆☆☆☆ |
裁判所への照会 | ★☆☆☆☆ |
興信所の調査 | ★★★☆☆ |
公務所に対する前科照会は、裁判の証拠に使うなど、やむを得ない場合に限定されます。
通常、このルートからばれることは考えられません。
前科バレのリスクがあるとしたら、興信所などの調査です。
ただ、この場合でも違法調査は許されないため、絶対にバレるともいいきれません。

結婚はできたけど…離婚の原因になる?
夫が前科もちだから、離婚したい…
こんなふうに、思われてしまうとつらいですね。
せっかく夫婦で楽しく生活してきたはずだったのに…。
結婚した後、前科バレで離婚されるリスクはあるのでしょうか。
犯罪が離婚原因になるとすれば、民法第770条第5号でしょう。
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
(略)
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法第770条第1項第5号
裁判離婚が認められるのは、婚姻関係を継続し難い重大な事由があったときです。
それまで良好な夫婦関係を営んでいた場合、「前科があった」というだけで、離婚が認められる可能性は低いです。
ただし、婚姻中に犯罪を繰り返し、刑務所に服役することになったという場合には、離婚が認められる可能性が高いです。
離婚 | |
---|---|
婚姻中に服役した | 離婚が認められる可能性が高い |
婚姻前の前科がある | それだけで離婚が認められる可能性は低い |
個別の事情によって異なります。
裁判例では、前科のある夫との離婚について、
前科があることを知って結婚した場合、前科そのものを理由に離婚はできない。しかし、その後、夫の犯罪癖が治らず、夫婦関係が破綻した。この場合「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められる。
と判断された事例があります(新潟地方裁判所昭和42年(タ)第7号 離婚請求事件 昭和42年8月30日)。

子供への影響は?
前科について、夫婦が納得していても、子供への影響は心配ですよね。
法律上は、親の前科で子供が不利益に扱われることはありません。
ただし、事実上、いじめの対象になってしまったり、将来的に何らかの身辺調査にひっかかる可能性はあるでしょう。
【親の前科】子供への影響
- 法律上の影響はなし
- 事実上の影響として、いじめや身辺調査の対象になるおそれ
前科に関する差別は許されませんが、現実問題として向き合わなければならないケースもあるのも事実です。
前科は非常にデリケートな問題です。
必要性がない場合は、みずから公言することは控えたほうがよいかもしれません。
子供への影響
- 法律上はない
- 事実上の影響が懸念される

【海外旅行】行けない?ハワイ・韓国・台湾・タイ・ヨーロッパetc
さいごに、前科と海外旅行について、まとめます。
海外に行くには、
日本でパスポートを発行してもらう
ことが必要で、また、入国するには
入国したい国でビザを発行してもらう
といった手続きが必要です。
パスポート | ビザ | |
---|---|---|
発行 | 日本 | 入国先の国 |
意味 | 身分証明書 | 入国許可証 |
パスポートに関していうと・・・
旅券法第13条にあたるケース
は、パスポートを発給してもらえない場合があります。
今まさに刑事裁判の途中、逮捕状が出されている、仮出所中、執行猶予中といったケースでは、パスポートは発給されない場合があります。
パスポートの発給制限(捜査・裁判中、服役中)
「死刑・無期懲役・長期2年以上の有期懲役」の刑で捜査・裁判中の場合
- 刑事事裁判の途中
- 逮捕状がだされている
- 勾留状がだされている
など
「死刑・無期懲役・有期懲役・禁錮」の刑が確定している場合
- 服役中だが「仮釈放」されている
- 服役中だが「刑の執行停止」
- 執行猶予中
これに対して、
旅券法23条違反の前科がある
刑法の公文書偽造の前科がある
といった場合は、その前科について「『刑の言渡し』の効力」が消えた場合、パスポートを発給してもらえます。
パスポートの発給制限(前科あり)
「旅券法第23条違反」の前科がある場合
- 違反内容:旅券申請について虚偽記載など
- 効力:「『刑の言渡し』の効力」が消えた場合は、発給される
「刑法第155条第1項または第158条の違反」の前科がある場合
- 違反内容:旅券などの公文書偽造・偽造公文書行使
- 効力:「『刑の言渡し』の効力」が消えた場合は、発給される
旅券法第13条を一部抜粋して編集しています。2018年10月20日現在の情報です。詳しくは、条文をご覧いただくか、担当省庁までお問い合わせください。
日本でパスポートが発給されたとしても、大使館でビザが発行されず、行きたい国に入国できないという事態も考えられます。
犯罪歴の申告をしたのち、相手国の判断をあおがなければなりません。
できる対策としては、形式的要件はきちんと準備しておくということでしょう。
犯罪歴を証明する書類などの準備をしっかりして申請に備えましょう。

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野尻大輔
「前科」は、「確定判決」で「刑の言渡しを受けた」ことをいいます。