岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。

妻が万引き(窃盗)で逮捕|逮捕後の流れと夫・弁護士ができること

当記事にたどり着いた方は、以下でお困りではないでしょうか?

  • 妻が万引きをしている。今後逮捕されるのか、逮捕されたらどうなるのか。
  • 妻が万引きで逮捕されたと警察から連絡があった。今後どうなってしまうのか。
  • 妻が万引きした理由が理解できない。精神疾患ではないか。
  • 妻が万引きで逮捕された。自分がすべきことは何か。

万引き行為は、刑法上の窃盗罪にあたります。
窃盗で逮捕されると、最悪10年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処せられる可能性もあります。

万引きは日常の場面でおこなわれる犯罪であり、窃盗罪のなかでももっとも多い比率を占めている手段・犯行です。
また、短期間で何度も犯行におよぶ人も少なくなく、一度犯してしまうと、再度犯行に及んでしまう人も多いのが特徴でしょう。

当記事においては、窃盗をした妻がいるという方に向け、刑事事件の流れについて解説していきます。
また、ご家族としてできることや対策についても言及していきましょう。
繰り返される万引き行為には、精神疾患が潜んでいる場合もあります。

窃盗罪は、初犯であれば不起訴処分を獲得しやすい犯罪でもありますが、犯行の態様や回数、被害金額、被害者側の処罰感情などによって、今後の処分が左右される犯罪でもあります。
ご主人は正しい知識を身につけ、後悔しないよう妻に寄り添っていくことも大切です。

  • 妻が万引きで逮捕される可能性や、逮捕後どうなるのかがわかる
  • 妻が万引きで逮捕された場合、夫が取るべき行動がわかる
  • 妻が万引きで逮捕された場合、弁護士に依頼すべき内容がわかる

妻が万引きで逮捕されたらどうなる?

万引きは窃盗罪です

窃盗罪について規定されている条文から確認しましょう。

(窃盗)第二百三十五条 

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法235条

窃盗とは、他人の財物を盗むことです。
窃取した時点で既遂ですので、仮に盗ったものを返却した場合でも、窃盗の事実をなくすことはできません。

窃盗の事実をなくすことはできませんが、被害者に弁償した際は刑の減軽などにつながります。

刑罰は、逮捕後ただちに科せられるわけではありません。

刑罰を受けるには、逮捕後検察官により「起訴」されることが前提となります。

万引きで逮捕される?逮捕とは?

万引き事件で逮捕される可能性は十分にあります。

令和元年の窃盗事件のうち、万引きの検挙率はおよそ70%となっており、窃盗罪のなかでも圧倒的です。

ただし、万引き事件が全件逮捕されるわけではなく、以下の要素に応じ逮捕を免れるケースがあります。

  • 被害金額がごくわずかである場合
  • 被害者が警察沙汰にしないと意思表示するとき

前者の場合、微罪処分といって、ただちに釈放されることがあります。
微罪処分とは、警察による厳重注意であり、検察官に事件が送られることもありません。

つぎに、逮捕についてご説明します。

逮捕とは、被疑者の身体の自由を拘束する強制手段です。
逮捕要件は以下のとおりです。

逮捕の要件

  1. 犯罪の嫌疑があり、犯人特定されている
  2. 逮捕の必要がある
    (逃亡のおそれ・罪証隠滅のおそれのいずれかが認められる)

逮捕の種類には、おおきく以下の2種類があります。

  • 現行犯逮捕
  • 後日逮捕(通常逮捕)
現行犯逮捕と後日逮捕の違い

万引き行為を誰かに目撃された場合は、その場で逮捕される「現行犯逮捕」にいたることがあります。

また、お店の防犯カメラに犯行現場が映っており、犯人が特定されたケースですと、後日逮捕されることがあるでしょう。

現行犯逮捕は、犯行が明白な場合にできる例外的な逮捕です。
後日逮捕のように、逮捕状を必要としません。

万引き行為は、お店の人などに現行犯逮捕されるケースが大半です。

逮捕の流れ

万引きで逮捕されたあとは、以下のような流れをたどります。

刑事事件の流れ

まずは逮捕後、48時間以内の制限時間内で警察の取り調べを受け、身柄拘束が続く場合は身柄ごと検察官に送致されます。
なお、逮捕後すぐに釈放された場合には時間制限を受けず、書類のみが検察官に送られます。

身柄を受け取った検察官は、24時間以内に勾留請求するかどうかを決めなくてはなりません。

勾留請求された場合、被疑者の身柄はさらに最大20日間拘束されることになります。

勾留満期をむかえますと、検察官により起訴もしくは不起訴とする処分が決定されます。
起訴され有罪判決を受けた場合のみ、刑事裁判によって刑罰が科せられるという流れです。

なお、逮捕・勾留に対する釈放を希望する場合には、弁護士活動が必要です。
詳しくは目次「妻が万引きで逮捕されたら弁護士を介した対策を」で後述いたします。

妻が万引きで逮捕されたら夫は何をすればいい?

弁護士相談をする

妻が逮捕されたら、まずは弁護士に相談しましょう。
相談する弁護士・弁護士事務所のポイントは以下のとおりです。

なお、弁護士相談は逮捕前でも問題ありません。
早期の相談は、あらかじめ事件の可能性を知ることができ、メリットが多いです。

万引きで相談すべき弁護士・弁護士事務所
  • 刑事事件を豊富に扱っている
  • 刑事事件の経験を多く積んだ弁護士が多数在籍している
  • 万引き事件で不起訴処分を多く獲得している
  • 土日も相談や接見ができる弁護士がいる
  • 料金体系が明確に提示されている
  • 無料相談のシステムがある
  • すぐに担当弁護士と連絡が取れる

万引きで妻が実際に逮捕されてしまった・・・
そのような状況下においていえることは、ご主人をはじめとする、ご家族のスピーディーな行動が重要だということです。

逮捕後すぐに、身柄の解放や被害者対策など、対応を急ぐケースですと、短時間で並行してこなしていく必要性が出てくるからです。

刑事事件の経験が豊富な弁護士ですと、以下について十分なアドバイスをくれるでしょう。

  • 逮捕後の処分など見通し
  • 刑事事件処分に向けての対策
  • 接見(弁護士面会)の内容

相談時点で妻が逮捕中の場合、弁護士はまず接見を検討するでしょう。
事件の詳細を知るには、本人や警察に会って確認する必要があるからです。

弁護士に相談したご主人は、弁護士からの接見の報告を待ちましょう。

窃盗罪について知る|クレプトマニアとは

窃盗罪の量刑や今後の処分についてなど、弁護士を通じて知ることのほか、妻が窃盗を繰り返している場合には「クレプトマニア」についても知っておきましょう。

単に魔が差したという一時的な万引きであれば特段問題にはならないかもしれません。
ですが、今回の万引き事件が初犯でない場合は留意しておく必要があるでしょう。

クレプトマニアとは、窃盗症ともいわれる病気であり、精神疾患のひとつです。
物を盗ることを犯行の目的としているのではなく、精神的な解放を求めて犯行に及んでしまうことの多い病気です。

クレプトマニアと診断された場合、治療を優先することも重要です。

クレプトマニアの治療実績は、今後の再犯防止だけでなく、刑事処分の量刑判断などを左右する可能性があります。

刑事事件を多く扱う弁護士事務所であれば、治療先や関係団体などの情報についてのアドバイスがもらえるでしょう。

クレプトマニアについては、関連記事『クレプトマニア(窃盗症)で無罪は困難?|窃盗症と責任能力を解説』も参考にしてください。

妻が万引きで逮捕されたら弁護士を介した対策を

逮捕・勾留中には身柄解放活動

警察・検察の捜査期間は、かならずしも逮捕されている(身柄拘束されている)ことを必要としません。

逮捕後釈放される、もしくは最初から逮捕されずに捜査が進行するケースもあります。

刑事事件の流れ

逮捕・勾留請求されてしまった場合、もしくは勾留前であっても、弁護士による身柄解放活動を優先しましょう。
身柄の拘束は、被疑者や被告人にとって大変な精神的苦痛をともないます。
また、取り調べは原則警察と被疑者のみとされ、孤独な時間でもあります。

逮捕中に弁護士接見を依頼すれば、被疑者の取り調べについて、弁護士から有力なアドバイスをすることが可能です。

身柄解放活動は、おもに以下のタイミングでおこなうことが可能です。

  • 逮捕中
  • 勾留請求前
  • 勾留請求後
  • 勾留決定後

いま事件がどこにあるのかを弁護士に個別相談し、対応してもらいましょう。

晴れて釈放された被疑者とご家族は、間もなく対面することが可能です。

不起訴処分の獲得には被害者との示談が重要

つづいては、被害者対応です。
被害者対応とは、基本的に以下をいいます。

  • 被害弁償
  • 示談金の支払い
  • 謝罪

被害者のいる犯罪において、これらはもっとも重要な弁護活動といえるでしょう。

被害弁償とは、被害者に対し、金銭等の賠償をすることです。

対して、示談金は別途示談によって発生するものであり、被害者と合意ができていることが前提です。

謝罪は直接加害者がおこなうというよりかは、弁護士を介して、謝罪文などを渡すことが一般的でしょう。

被害弁償かつ示談をおこない、被害者側から許しを得られれば、刑事事件が有利に働く要素となります。
逆にいえば、被害者側からの許しを得られず、かつその他の事情も不利に働けば、不起訴処分の獲得が難しくなることもあるでしょう。

起訴・不起訴とは

起訴は、検察官が裁判所に起訴状を提出することで成立します。
検察官が起訴する事件は、原則以下2点を満たしているといえます。

  • 有罪である可能性がある
  • 起訴の必要性がある

不起訴とは、証拠が不十分である場合や、起訴を猶予すべき事情があるときに、検察官が起訴しない処分をいいます。

なお、起訴され有罪判決を受けた被告人には前科がつきます。

万引きをしていたとしても、起訴する必要性のない事件では不起訴になることがあります。

起訴する必要性のない場合とは、まさに被害者の許しを得られたとされる場合です。

示談締結後の弁護活動としては、以下の証拠を検察官に提出します。

  • 示談書や示談金の領収書コピー
  • 謝罪文のコピー

なお、示談書には被害者の「宥恕文言」が入っているかがポイントです。

宥恕文言とは、被害者が加害者を許すとしている文言です。

示談書に宥恕文言があるかないかで、処分が変わる可能性があります。

妻が万引きで逮捕されたら?まとめ

これまでご説明した内容をまとめておきましょう。

  • 妻が万引きで逮捕される根拠は「窃盗罪」にあたるから
  • 妻が万引きをし、目撃者や証拠があれば逮捕の可能性は高い
  • 妻の逮捕中、弁護士接見により有利な取り調べアドバイスがもらえる
  • 妻が万引きで逮捕されたら、夫はまず弁護士相談をする
  • 妻が万引きを繰り返す場合はクレプトマニア(窃盗症)を疑う
  • 妻が万引きで逮捕・勾留されたら、弁護士による身柄解放活動で釈放を狙う
  • 妻が万引きで逮捕中もしくは釈放中であっても、被害者対応は早期に依頼する
  • 万引き事件は、被害者の処罰感情や許しの有無で今後の処分が変わる
  • 万引き事件については、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談すること