岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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風俗での盗撮がバレたらどうなる?事件と示談の流れ・依頼者のための対処法

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風俗店やデリバリーヘルス(デリヘル)を利用した際に盗撮が店にバレてしまい、困っていませんか?

当記事では、風俗店で盗撮がバレてしまった際に起こりうること、およびその後の対策について解説しています。

盗撮それ自体は、犯罪に該当します。
よって風俗店に警察通報された場合、警察に出頭する可能性も考えられるでしょう。
ただし、相手の同意のもとおこなった撮影は「盗撮」に該当しません。

一方、風俗トラブルそのものにおいては、一般的に民事的な解決を図れることも多いです。

犯罪から考える対策・話し合いで解決する場合の対策について解説していきましょう。

  • 風俗店・デリヘルでの盗撮がバレたらどうなるかがわかる
  • 風俗店での盗撮がバレた直後、現場でおこなう対処法がわかる
  • 風俗店での盗撮事件(刑事事件)対策がわかる
  • 風俗店での盗撮で弁護士が介入した場合の流れ・メリットがわかる

風俗店での盗撮がバレたらどうなる?

風俗店で女性キャストを盗撮し、バレてしまった場合の流れとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 盗撮事件として警察沙汰にされる(刑事トラブル)
  • 風俗店に慰謝料(示談金)を請求される(民事トラブル)

風俗店に盗撮がバレてしまった場合であっても、動画や写真を削除することによって許してもらえることもあるでしょう。

しかし、上記のような対応を迫られる可能性も十分にあります。

盗撮行為は、迷惑防止条例違反に該当します。
また、盗撮の刑罰は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です(東京都や大阪府などの場合)。
ただし、悪質・常習であるケースを除き、初犯であれば刑罰までは科せられないこともあります。

かりに刑罰が科せられる場合、前提として検察官に起訴され、有罪判決を受ける流れになります。

なお迷惑防止条例は、各都道府県ごとに名称が異なります。

のちの「風俗店での盗撮がバレたときの対処法」でも解説いたしますが、実際に盗撮で刑事事件になった場合は、弁護士による刑事事件の対策が重要になってきます。

また、実際に風俗店とトラブルになった場合、民事的な請求が主になってくるケースも多いです。
民事的な解決を図ることができれば、基本的に警察は介入しません。

次章では、風俗店・デリヘル利用時に盗撮がバレた際の、現場対処法について解説していきましょう。

風俗店での盗撮がバレたときの現場対処法

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スマホ(携帯)や盗撮用隠しカメラなどを設置し、風俗店の女性キャストを盗撮してバレてしまった場合、取り急ぎ現場での対処法についてご説明します。

示談書・示談金については一旦持ち帰る

近年、性能のいい小型カメラやスマホ(携帯)が普及していることもあり、風俗店も警戒心を強めています。
また、悪質な風俗店ですと、店側と 女性キャストとで共謀し、あえて盗撮を仕向け高額な慰謝料を請求することもあるようです。

いずれにせよ、まずは盗撮したことについては素直に謝罪しなくてはなりません。

しかしその先の「示談」については、独断でおこなうことが危険な場合もあります。

危険な示談・独断でしない方がいい示談には、以下の例が考えられるでしょう。

  • あらかじめ示談金(損害賠償金)が決められており、不当に高額な金額である
  • 清算条項の記載がない
  • 示談書と一緒に念書も強制的に書かされた

示談とは、当事者間の合意です。

民法上の「和解契約」であり、一度締結した示談は原則取り消しができません。
よって、示談書・示談金の有効性などを吟味するためにも、一旦持ち帰ることが重要です。

その後は、弁護士などの専門家に相談・依頼し、真正な示談交渉を実現させましょう。

示談書に記載すべき「清算条項」とは?

当事者双方が合意した部分以外、債権債務が存在しないことを確認する条項です。
合意した部分とは、示談書に記載してある示談金やその他の約束事です。
風俗店との示談であれば、示談締結以後、風俗店からお客さんには一切の金銭請求などができなくなります。

風俗店に金銭(損害賠償)を請求された場合も支払わないこと

盗撮が犯罪であることから、店側が警察への通報や家族・職場への情報漏えいなどを盾にし、脅してくるケースも考えられます。

盗撮の証拠を握られている場合はとくに、風俗店側の不当な請求がエスカレートする傾向にあります。

風俗店の利用者からすれば、とにかく手持ちのお金を支払い、その場を去りたくなるでしょう。
金銭支払いにより警察への通報を免れるのであれば、それに越したことはありません。

しかし泣き寝入りを防ぐためにも、可能な限りで金銭の支払いはしないでおきましょう。
以下の対応が可能な場合があります。

  • 弁護士を介し、冷静な示談交渉の末に支払金額を確定できる
  • 弁護士を介し、警察通報を回避できることがある
  • 弁護士を介し、個人情報や盗撮の証拠を回収できる
  • 弁護士を介し、被害者(店・女性キャスト)に謝罪することができる

弁護士を介せば、穏便な解決を図れる可能性が高いです。

示談書へのサイン・締結および金銭の支払いについては、一旦どちらも持ち帰るようにしましょう。

また、示談書へのサイン強要や金銭の支払い要求をされている時点で、風俗店側の違法性が問われるケースもあります。

それをふまえ、次章では以下について詳しく解説いたします。

  1. 風俗店側の刑事責任の可能性
  2. 利用者(お客さん)側の刑事事件の流れ・対策

脅迫・恐喝・暴行については証拠を取る

つづいて、刑事事件を中心にお話しします。

まずは風俗店側・デリヘルサービス店側が加害者になりうるケースです。

脅迫の例「お金を支払うまで家には帰さない」などと言って脅された
所持品を取り上げられた状態でお金の交渉を迫られた
恐喝の例「とにかく金を払え」となど金銭を支払うことを要求し、実際に支払ってしまった
暴行の例示談・金銭上の話し合いの最中に、殴る蹴るなどの危害を与えられた

利用者の盗撮が問題になると同時に、そもそも風俗店側のやり方が問題になることがあります。

上記のような問題行為を受けた際、極力証拠を残すようにしましょう。
のちの交渉などがスムーズに運ぶ可能性があります。

しかし、実際の現場でそう冷静に対応することは無理難題かもしれません。
そのような場合であれば、当時の状況詳細を、相談した弁護士などの第三者に話すようにしてください。

弁護士は、風俗店などの利用者である依頼者から聞いた話をもとに、相手と示談交渉を進めます。

暴行などを受けたが証拠がない場合、刑事事件として立件することが難しい場合があります。
しかしそのようなケースであっても、話し合いを軸とした示談交渉であれば、暴行などの事実が解決の糸口になることもあり得ます。
盗撮した側である利用者(お客さん)と、暴行をした風俗店側両者の利益をもって、冷静に話し合うのです。

風俗店の盗撮者本人に向けた刑事事件対策

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風俗店やデリヘル利用者側の、盗撮事件・刑事事件対策についてお話しします。

盗撮事件(刑事事件)の対処法
  • 被害者(風俗店側)と示談
  • 示談金支払い
  • 盗撮の被害届が出ている場合は取り下げ依頼・交渉

刑事事件においても、示談のような民事的解決が重要となります。

その理由は、民事的解決を図ったことにより、警察が介入する必要性が薄れるからです。
被害届の取り下げについても同じことがいえます。

つまり示談の効果として、逮捕回避や起訴回避に繋がることが非常に多いのです。

盗撮事件では最悪の場合逮捕される可能性もあります。

また、風俗店などの店舗型サービスですと、盗撮目的で不法に建物に侵入したとして建造物侵入罪に該当する可能性もあるでしょう。

建造物侵入罪の刑罰は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金刑です。

なお、自宅で盗撮行為をしても、建造物侵入罪や住居侵入罪に該当することはありません。

実際に盗撮目的で風俗店を利用し、逮捕にいたった事例も存在します。
万一逮捕されてしまえば、被疑者という立場となり、留置場で拘束されることになります。

盗撮にしても建造物侵入罪にしても、被害者がいる犯罪であることに変わりありません。

そこで重要となる示談については、取り急ぎ弁護士の指示・見解をあおぐようにしましょう。
示談とは一種の契約であり、専門性を有するものでもあります。

弁護士による示談交渉の詳細については、次章でお話しします。

風俗店の盗撮がバレたら?弁護士を介した示談が優先

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弁護士の示談交渉・示談書内容

風俗店との示談交渉では、おもに以下を交渉する必要があるでしょう。

  • 示談金の取り決め
  • 示談書に盛り込む条項

ただし示談書においての注意点を見逃してしまうと、依頼者にとって何のメリットも発生しない結果となることもありえます。

そこで風俗店との示談交渉については、即時に弁護士に介入してもらうことが大切なのです。

示談は通常「示談書」をもって作成・保管が一般的ですが、本来形式に決まりはありません。

示談書に盛り込む内容においても、当事者の自由です。

これは、民法に規定された「契約自由の原則」に基づきます。

示談書は誰でも作成でき、サインすれば合意が成立します。
風俗店が一方的に作成した示談書であっても、サインしてしまえば有効に成立するということです。

そのため、風俗店で取り交わした示談書を吟味することなく締結してしまうのは、大変危険ということになるのです。

弁護士が風俗店との示談交渉に介入する場合、通常以下の条項を盛り込んだものを作成します。

風俗店とかわす示談書に盛り込むべき条項
  • 示談当事者の氏名(女性キャストであれば源氏名の場合もある)
  • 事件名・示談の対象となる行為(盗撮など)
  • 示談成立日
  • 禁止条項(店を今後利用しないなど)
  • 示談金の金額・支払い方法・支払時期
  • 清算条項
  • 被害届を出さない・あるいは取り下げる旨約束する条項
  • 当該事件・示談を誰にも口外しないという条項および違約金など

なお、すでに独断で示談締結してしまっている方については、以下の流れで進めていくことが多いです。

  1. 当該示談書の有効性を確認
  2. さらなる示談交渉をおこなう

2については、たとえばお客さんがすでに不当な金銭を支払っている場合、一部返還などを交渉します。

弁護士介入の示談交渉のメリット5つ

最後に、盗撮がバレてしまった場合に、弁護士が示談交渉に介入するメリットをご紹介します。

盗撮事件における弁護士介入示談のメリットとは

  1. 適切な内容で示談締結できる
    弁護士が介入した事実により、風俗店側が冷静な話し合いに応じてくれる可能性が高い
  2. 適正な金額で示談締結できる
    不当に支払った金銭があれば、返還してもらえる可能性もある
  3. 外部への情報漏えい対策ができる
    風俗店から依頼者の家族や職場に、口外されないよう約束させることができる
  4. 風俗店からの恐喝・脅迫がストップする
    今後一切の請求をしないよう風俗店に約束させることができる
  5. 盗撮事件として警察沙汰にならない
    被害届の取り下げなどを約束させることができる

風俗店・デリヘルに盗撮がバレてしまった際は、刑事事件になる前に弁護士相談を利用しましょう。