岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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隠しカメラがバレたらどうなる?盗撮で逮捕回避したい・逮捕されたら弁護士へ

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捜査機関などに隠しカメラがバレてしまった場合、どのような罪に該当するのか、その後の刑事処分の流れはどうなるのかについて解説しています。

最近の小型カメラやスマホの機能性は充実しており、音が鳴らないものや防水タイプ・超小型タイプ、時計型のものまで存在しています。
よって、被害者や周囲も気が付きにくく、明るみになっていない事件もあるでしょう。

隠しカメラやスマホで盗撮したことがバレてしまった場合、逮捕されることがあります。

  • 隠しカメラがバレたら犯罪になってしまう?
  • 隠しカメラで盗撮したらどんな罪に問われる?
  • 隠しカメラがバレた・・・検討すべき対策とは?

この記事では上記の疑問に答え、盗撮や盗聴、各法令などの内容をはじめ、バレてしまったあとの流れについても確認していきましょう。

また、浮気調査などのために、パートナーを監視目的で盗撮・盗聴した場合、犯罪になる可能性についても言及していきます。

盗撮などで逮捕されてしまった場合についての対策についても解説していきます。

隠しカメラがバレてしまい、犯罪の成立について不安な方は是非参考にしてください。

隠しカメラがバレたら?犯罪・違法となる可能性

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盗撮とは

隠しカメラが被害者や捜査機関にバレてしまったら、犯罪に該当することがあります。

隠しカメラの使用は相手の承諾を得ずに被写体を撮影することですので、「盗撮」にあたります。

盗撮はその状況によって条例違反になるケース、軽犯罪法違反になるケース、住居侵入罪になるケースなどがあります。

それぞれくわしく見ていきましょう。

条例違反に該当するケース

条例は各都道府県で制定されており、盗撮を広い範囲で規制しています。
内容・罰則などは、各地域によって異なります。

隠しカメラがバレた場合であっても、すべての都道府県で捜査対象になるとも限らないのです。

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例として、東京都の迷惑防止条例を見てみましょう。

東京都の迷惑防止条例では、禁止される被写体を、被害者の「通常衣服で隠されている下着または身体」に限定しています。

また、近年の小型カメラの技術進化やスマホの普及により、撮影場所が公共の場所以外でも規制が及ぶようになっています。

第5条
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

(中略)

(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例5条
盗撮(隠しカメラ)が迷惑防止条例違反となるケース
  • 駅のエスカレーターで、被害者のスカートの中をスマホで撮影または録画した
  • 電車やバスのなかで、被害者の衣服の中からスマホで撮影・録画した
  • ショッピングモールで買い物中の被害者のスカートの中を、小型カメラで撮影・録画した
  • 会社のトイレに隠しカメラを設置し、トイレの個室内を撮影・録画した

このように、公共の場所や乗り物などでスマホなどを使用して盗撮した場合、犯罪になる可能性が非常に高いです。

東京都の迷惑防止条例違反の罰則は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。

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また東京都をはじめ迷惑防止条例違反には「卑わいな言動」を規制する条文が盛り込まれている場合もあります。

例えば、着衣の上からであっても臀部などを執拗に撮影するような行為は、この「卑わいな言動」にあたるとして処罰の対象になることがあります。

軽犯罪法違反に該当するケース

盗撮は、条例違反に該当しないケースであっても、軽犯罪法違反に該当することがあります。

第一条 
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

軽犯罪法1条23号
盗撮(隠しカメラ)が軽犯罪法違反となるケース
  • 他人の住宅敷地内に侵入し、風呂場を撮影・録画した
  • 会社の女子更衣室をのぞき見、隠しカメラで撮影や録画をした

軽犯罪法1条23号では、迷惑防止条例に抵触しない場合の「のぞき」行為などを規制しています。

また、のぞき行為・盗撮目的ののぞき行為をおこなった際、他人の住居や建造物に侵入した場合は「住居等侵入罪」に問われることもあるでしょう。
これは、先述の条例違反でも同じことがいえます。

住居侵入罪については下記の記事を参考にしてください。

関連記事

住居侵入罪の構成要件|住居や建造物とは?どこに侵入したら罪になる?

盗聴器設置は罪にならない?

つづいて、盗撮行為ではないが盗聴した場合についてです。

盗聴自体、実は犯罪とする法令根拠は存在しません。

しかし、盗聴自体は罪にならないものの、盗聴器の設置をする際に他の罪に該当してしまうことがあるでしょう。

たとえば以下のケースです。

盗聴器設置で他の罪に該当するケース
  • 他人の住居に侵入し、勝手に盗聴器を設置した(住居侵入罪
  • 学校などの建造物に侵入し、女子トイレに盗聴器を設置した
    建造物侵入罪
  • 盗聴器を設置するため、他人の家の鍵を破壊した(器物損壊罪

隠しカメラでパートナーを盗撮したら罪になる?

隠しカメラの被写体が、ご自分のパートナーだった場合はどうでしょうか。

ご自分のパートナーに隠しカメラなどを設置する目的としては、おもに「浮気調査」が考えられます。
盗撮が成功し、浮気現場をとらえられた場合は証拠として慰謝料請求できることも考えられますが、そもそも罪になってしまう可能性も否めません。

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パートナーの浮気の証拠収集を合法的におこなうには、基本的に婚姻関係にあることなどがあげられるでしょう。

他人である恋人の自宅に侵入などし、小型カメラの設置等をした場合には、上記のような犯罪が成立してしまう場合があります。

探偵に依頼すればおこなってくれる浮気調査であっても、探偵業に就かない一般人がおこなった場合は犯罪にあたることがあります。

探偵業は、探偵業法などにもとづきその業務をおこなっています。

良かれと思ってした恋人などの浮気調査が、結果ご自分の首をしめることもありますので注意が必要です。

隠しカメラがバレたときの対策

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警察に自首する

隠しカメラが被害者や捜査機関にバレてしまったあとの対策についてご説明します。

まずは自首する方法です。

刑法上の自首とは

犯罪が発覚する前に、捜査機関に犯罪を申告すること

なぜ自首が隠しカメラがバレたときの対策になるのかというと、自首することにより以下のメリットが発生する可能性があるからです。

  • 自首することにより逮捕を回避できる
  • 自首することにより逮捕されても処分が軽くなる

自首すると、反省しているという内面を捜査機関に伝えることができます。
実は、犯罪に該当する要件と逮捕される要件は別物ですので、罪の事実があっても逮捕の必要性がないと捜査機関に判断された場合、そもそも逮捕を回避できるということがあるのです。

逮捕の要件

自首により、捜査機関に罪を打ち明けることになりますので、これ以上罪の証拠を隠滅する可能性が低いと判断されることがあります。

また、罪の申告をしたことにより、逃亡の可能性も低いと判断されやすくなるでしょう。

しかし、自首したからといってかならず逮捕を回避できるというわけではありませんし、かならず処分が軽くなるということを保証するわけではありません。

刑法では、自首により刑を減軽できるかどうかの裁量を、捜査機関に委ねているのです。

(自首等)第四十二条 

罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

刑法42条

また、自首には少なからず不安がつきものです。

そのような場合、たった1人で自首を検討せず、弁護士に自首同行を依頼することも可能です。

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自首した方がいいかどうかのアドバイスも弁護士から受けることができますので、ぜひ弁護士相談を利用しましょう。

なお、弁護士相談することにより、弁護士から捜査機関に告発するようなことはありません。

弁護士は、犯罪の被疑者など依頼者の正当な利益実現のため、すべての事実を把握すべきだとされています。

そのため、弁護士には守秘義務が課されており、依頼者は安心して弁護士相談を利用することができます。

隠しカメラについて刑事弁護を依頼する

つづいて、刑事弁護そのものを弁護士に依頼するというものです。

弁護士への相談・依頼開始時期は依頼者の意向により決めることができますが、できれば逮捕前もしくは逮捕中にはしておきましょう。

隠しカメラがバレて逮捕に至った場合、刑事事件のスケジュールは以下の流れで進行します。

逮捕の流れ

図にあるように、刑事事件はスピーディーに進行します。
よって逮捕後時間がたってから刑事弁護を依頼した場合、検察官の処分決定のタイミングに間に合わず、起訴されてしまう可能性があります。
刑事弁護依頼のタイミングとして、起訴前に手を打っておくことが重要です。

起訴前の刑事弁護とは?

検察官が公訴提起(起訴といいます)する前に、被害者との示談やその他刑事弁護を依頼することによって不起訴処分の獲得を目指すこと

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犯罪の嫌疑・証拠がある場合、不起訴処分のなかでも「起訴猶予」の獲得を目指すことができます。

不起訴処分になれば事件は終了し、前科はつきません。

捜査機関の犯罪履歴には残ってしまいますが、前科がつかないことにより社会的制裁などを受けず、通常の生活に戻ることが可能です。

隠しカメラでの刑事事件に関するお悩みはアトム法律事務所へ

隠しカメラによる盗撮事件を弁護士に相談すれば、適切なアドバイスや迅速な弁護活動を受けることが可能です。

盗撮事件でご自身が逮捕されそうな際、またご家族が逮捕されてしまった際には、まずは今後の見通しなどを知ることが重要です。

以下の窓口では24時間365日、電話窓口で相談のご予約を受け付けております。

事件の加害者になってしまったらまずは気軽に弁護士に相談してみましょう。