
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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給付金詐欺については弁護士に相談|自首はできる?逮捕されたらどうればいい?

新型コロナウイルスの拡大により、給付金詐欺が横行しています。
日々のニュースを見聞きし、いまだ逮捕には至っていないが、今後の逮捕に恐れている方もいるのではないでしょうか?
または、身近に給付金詐欺に加担した人を見聞きしたこともあるかもしれません。
コロナ禍における給付金支給は最近の制度であるため、犯罪になることを顧みずに金銭を詐取してしまった方もいるのではないでしょうか?
給付金詐欺は、その名のとおり「詐欺罪」として立件されることがあります。
また、詐欺罪は比較的量刑の重い犯罪に分類され、逮捕後起訴され前科がつくこともおおいに考えられます。
当記事では、以下の疑問に沿って、給付金詐欺の性質や犯罪内容・逮捕後の流れや対処法について解説していきましょう。
- 持続化給付金の詐欺事件とは?
- 給付金詐欺になる行為をしてしまったかも・・・まず何をすればいい?
- 給付金詐欺で自首したらメリットはある?
- 給付金詐欺について弁護士に相談したら何をしてもらえる?
目次
持続化給付金・給付金詐欺とは

持続化給付金制度と詐欺事件
持続化給付金とは、中小企業や小規模会社または個人事業主の方が、売り上げの減少に応じて申請できる給付金です。
売り上げの減少率の基準は、前年同月比で50%以上とされています。
新型コロナウイルス感染拡大により、特に大きなダメージを受けている事業者に向け支給される再起のための給付金ですが、給付金にまつわるトラブルや詐欺事件は増加する一方です。
給付金詐欺とは
給付金詐欺をした場合、問われる罪について解説します。
持続化給付金・各種給付金などを不法に手に入れた場合、刑法上の詐欺罪に問われます。
(詐欺)第二百四十六条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法246条
詐欺罪とは、金品をだまし取る行為です。
刑法上は詐欺罪について、「人を欺いて財物を交付させた」ことを要件としており、欺(あざむ)くとは「だます行為」のことをさしています。
給付金詐欺の場合、給付金をだまし取った相手方を錯誤に陥らせ、かつ交付に向けられた行為があれば詐欺罪として成立しえます。
詐欺罪の法定刑は、「10年以下の懲役」と重くなっています。
また、詐欺罪は「未遂罪」としても成立します。
つまり、人を欺く行為をしたが給付金を得なかった場合であっても、詐欺未遂罪で捕まってしまう可能性があるということです。
給付金詐欺をしてしまったらどうすれば?弁護士ができること

持続化給付金詐欺について自首などを検討している
持続化給付金の不正受給が大きな事件になる前に、対処できる方法として、まずは以下をご紹介します。
- 経済産業省の持続化給付金相談窓口(コールセンター)に電話連絡する
- 各自で警察署に出頭し自首する
- 弁護士に同行してもらい自首する
まずは経済産業省のホームページ記載の、相談窓口に連絡することです。
安易に詐欺に加担してしまい、どうすればいいのかわからない場合問い合わせてみましょう。
そのほか、捜査機関に発覚する前に、自首するという方法があります。
自首した場合は、のちに処分や刑が減軽されたり、逮捕されない可能性があります。
また、自首は弁護士同行によりおこなうことも可能です。
複数の法律事務所において、刑事弁護の一環として「自首同行サービス」というものがあります。
信頼できる弁護士事務所、または弁護士法人に問い合わせてみましょう。
ご家族からのご依頼で、自首同行について相談することも可能です。
弁護士同行の自首について詳しく知りたい方は、『自首は弁護士同行がスムーズ|自首の必要性と弁護士同行のメリット』もあわせてお読みください。
給付金詐欺で弁護士ができること・弁護士依頼のメリット
給付金詐欺や給付金の不正受給を弁護士に相談・依頼するメリットは以下のとおりです。
- 弁護士と自首あるいは給付金を返還することにより処分が軽くなる可能性がある
- 給付金詐欺で逮捕後勾留されない可能性がある
- 逮捕中、何度も弁護士と面会(接見)できるため逐一専門的なアドバイスが受けられる
- 事件終了まで、被疑者やそのご家族は弁護士に相談できる
弁護士が給付金詐欺の依頼を受けてできることについては、次章で詳しく解説していきましょう。
給付金詐欺は示談ができない・弁護士同行の自首や返還を検討
先述のとおり、詐欺罪は重い犯罪です。
そこで、給付金詐欺・不正受給の当事者が優先すべき事項についてお伝えしていきます。
給付金詐欺をしたら優先すべきこと
- 給付金の自主返還
- 給付金詐欺について自首する
まず、速やかに給付金を自主返還することにより、刑事事件にならないか、刑事処分が有利になる可能性が考えられます。
不正受給の被害者が個人などであれば通常示談を検討するところ、給付金詐欺の被害者は国および行政です。
よって、示談という方法が想定しがたく、示談成立により刑事処分が有利になるというメリットが存在しません。
そこで先述の経済産業省に連絡のうえ、指示を仰ぐなどして自首返還することが優先事項として考えられます。
不正受給の申告が早かった場合には、詐欺罪として立件されることなく終わるケースも想定されるでしょう。
別途、持続化給付金の不正受給においては、ペナルティについても知っておいた方がいいです。
国から支給される給付金などは、各種法律・規則などによって細則が存在し、新型コロナウイルスの給付金においても、各自治体が交付要綱を公開しています。
基本的には、不正に受給した給付金の額に年利率3%の延滞金が発生し、これらの合計金額に20%の加算金が課せられます。
ただし、中小企業庁が調査を開始する前に自自首返還の申出・返還をした場合には、原則として加算金・延滞金は課されません。
上記のように、早期に自主返還をした場合は、詐欺事件として立件されないケースも考えられます。
しかし、タイミングによって警察への自首を優先した方がいいこともあります。
法律上の自首は、捜査機関に犯罪事実及び犯人が発覚する前にしなければなりません。
不正受給の犯人と発覚してからでは法律上の自首は成立しないため、第一に自首を検討した方がいいケースもあるでしょう。
また、給付金の返還について不安な方であっても、直接弁護士に相談することが可能です。
返還した方がいいという事実に変わりはありませんが、自首との兼ね合いや返還そのものについて、取り急ぎ弁護士に聞いてみてもいいでしょう。
給付金詐欺で弁護士依頼したら勾留されない可能性がある
つづいて、給付金の不正受給で逮捕されたケースについて言及します。
給付金の不正受給は詐欺罪です。詐欺罪で逮捕された場合、基本的に検察官により勾留請求される可能性が高いです。
勾留請求されてしまいますと、最大23日間の身柄拘束が予想されます。

詐欺罪でも特に初犯だった場合、勾留請求を阻止したり、勾留請求後勾留決定を阻止したりできる場合があります。
長期の身柄拘束は、被疑者の精神や身体を疲弊させるだけでなく、仕事などの日常生活にも支障をきたします。
検察官による勾留請求や勾留決定を阻止するためには、弁護士に掛け合ってもらうしかありません。
勾留される要件は以下のとおり定められていますので、下記要件をつぶしていく必要があります。

被疑者の身柄が解放された際は、在宅捜査に切り替わります。
今後は弁護士と直接事務所などで打ち合わせし、二人三脚で被害者対応などの準備を進めることができるでしょう。
被疑者の代わりに、ご家族が事務所に赴く必要もなくなります。
逮捕中・釈放後でも逐一弁護士に相談できる
弁護士依頼は、給付金詐欺事件について刑事弁護を依頼できるのはもちろんのこと、精神的な不安の払しょくにもメリットをもたらすでしょう。
給付金を不正受給した本人やご家族は、事件直後から反省している方も多くいらっしゃいます。
現在、給付金の不正受給はニュースに取り上げられることも多いため、周囲の環境に早くから精神を病んでいる方もいることが予想されます。
そのような精神面においても、逐一相談・サポートできる相手は弁護士ではないでしょうか。
事件の展望や現在の状況、社会的な制裁における精神面の相談についても、逐一相談するといいでしょう。
給付金詐欺・給付金の不正受給は弁護士に相談ください

この章では、これまでお話してきた内容のまとめと、給付金詐欺のあらゆる手段についてご説明します。
給付金詐欺をした後の流れ・まとめ
まず、給付金詐欺や不正受給をしてしまった方は、以下の手順で行動することが望ましいです。
- 経済産業省に相談
- 弁護士事務所に連絡・相談
- 返還・自首・事件について弁護士のアドバイスを聴く
給付金詐欺の種類・手口について
給付金詐欺や不正受給については、様々な手口が存在します。
これからご説明するいずれの受給についても、関与した方は詐欺罪に問われる可能性があります。
給付金が誤振り込みされていた
万一、ご自分の銀行口座に、受け取れるべきでない給付金が振り込まれていたらどうでしょうか。
詐欺の被害者側と想定される自治体が、誤って給付金を振り込んでしまったという事例です。
実は、誤振り込みとはいえ、受領した給付金を費消した場合は詐欺罪が成立することがあります。
対象は給付金ではありませんが、過去の判例に、誤振り込みを認識していたうえで、その金銭を自分の借金返済に充てたという事件がありました。
最高裁判決は被告人の上告を棄却、誤振り込みの金銭について銀行に告知しなかったことは信義則に反すると判断し、有罪判決を下しました。
詐欺グループによる手口で不正受給に関与した
給付金詐欺が横行する以前から、詐欺事件には詐欺グループが関与していることが珍しくありません。
たとえば、給付金の手続きをした自治体の従業員になりすまし、すでに振り込んだ給付金を返還するよう連絡をしてくるケースです。
これら一連の詐欺行為にかかる、連絡係や受け子などの役割を、闇バイトなどで募集していることがあります。
安易にそのような詐欺グループに関与してしまった場合についても、速やかに弁護士に相談してください。
関与の割合や役割、罪の重大さについて、逮捕前に相談することができます。
「交付行為に向けられた行為」とは、財物(給付金)を差し出す行為です。
つまり、人を騙して給付金を交付させたことが、詐欺罪に該当するとしているのです。