岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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親子喧嘩でも傷害罪で逮捕される?家族間の傷害事件も弁護士へ相談

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親子喧嘩で口論の末、親を殴ってしまった・・・
親子喧嘩で息子や娘に傷害を負わせてしまい、警察に通報されたが刑事事件に発展するかが心配・・・

傷害罪で逮捕される事件は聞いたことがあっても、親子間や親族間でのいわゆる家庭内暴力であっても、「傷害罪」は成立するのでしょうか。
実は、親子喧嘩などの家庭内トラブルであっても、「傷害罪」は成立しえます。

当記事では、傷害罪が成立する根拠からご説明しつつ、親子間で刑事事件に発展した場合の対策についても解説しています。

  • 親子喧嘩でも怪我させたら犯罪?
  • 暴行罪と傷害罪はどう違う?
  • 親子喧嘩でも警察に逮捕されることはある?
  • 親子喧嘩の相手である子供が未成年だったら?
  • 親子喧嘩でも示談は有効?

上記のような疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。

親子喧嘩でも傷害罪になる

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親子喧嘩であっても、どちらかが怪我すれば傷害罪が成立する可能性はあります。
可能性というのは、親子喧嘩で刑事事件に発展し、逮捕されたり起訴されたりした場合に、犯罪として成立する可能性があるということです。

実際に親子喧嘩で通報され、警察沙汰になってしまうと、当事者は困惑するかもしれません。
しかし、喧嘩の被害者・加害者が、親子間であろうとその他家族間であろうと、傷害罪の成立を妨げる理由にはあたらないのです。

本章ではまず、傷害罪の成立について解説していきましょう。

傷害罪とは

まずは傷害罪の条文からご紹介します。

(傷害)第二百四条 
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法204条

暴行という手段を用いて、人に傷害を負わせた罪が「傷害罪」です。

「傷害」とは、人の生理的機能の障害であると定義されています。
人の健康状態を悪くする、ということです。
つまり人を殴ったり蹴ったりして怪我をさせた場合には、傷害罪が成立することになるのです。

傷害罪と暴行罪の違い

傷害罪と暴行罪の違いについてみていきましょう。
傷害罪と暴行罪の分かれ道は、「傷害するに至った」かどうかです。
たとえば外傷ですと、相手を殴ったが怪我にいたらなかった場合は暴行罪、怪我をしてしまったのであれば傷害罪になるということです。

(暴行)第二百八条 
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する

刑法208条

傷害罪の法定刑は、暴行罪と違い、拘留や科料が規定されていません。
なお、「暴行」を用いるという点においては、傷害罪も暴行罪も共通です。

では、「暴行」と「傷害」についてもう少し詳しくみていきましょう。

暴行とは

暴行とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
傷害罪や暴行罪においては、人を押す・蹴る・殴る・突くなどの典型的な行為だけでなく、たとえば以下のような行為であっても、「暴行」にあたります。

  • 単に相手の胸ぐらをつかんだ
  • 相手に水をかけた
  • 相手に唾を吹きかけた
傷害の例
  • 打撲症
  • 裂傷
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)
  • 睡眠障害
  • 意識障害
  • 相手に病気をうつす「感染症」

上記のように、傷害はただの「怪我」のみをさしているのではありません。
暴行を加えたことにより、目に見える傷害以外の症状・傷病であっても、「傷害罪」にあたるとされているのです。

なお、傷害罪が成立した場合、それに加えて暴行罪が成立することはありません。
もっとも、別件であれば両罪は成立するでしょう。

親子喧嘩の傷害罪でも逮捕されるか

親子喧嘩でも、傷害罪に該当すれば逮捕されます。
本章では、逮捕の種類と逮捕の流れについてみていきましょう。

親子喧嘩で現行犯逮捕されるケース

現行犯逮捕の流れ

現行犯逮捕とは、現に犯行中もしくは、犯行直後の犯人を逮捕することです。
「私人逮捕」ともいわれ、警察官などの捜査機関だけでなく、目撃者などがその場で逮捕することも可能です。
親子喧嘩の場合ですと、隣人が親子喧嘩を聞きつけ、現場にて逮捕するということも考えられるでしょう。

親子喧嘩で現行犯逮捕されてしまったら、そのまま警察署に連行されます。

現行犯逮捕の流れ

警察に連行されたあとは、取り調べがおこなわれます。
警察の取り調べ時間は48時間以内と規定されており、それ以上被疑者を拘束することはできません。
取り調べを終えた警察は、その後検察官に身柄を送致する義務があります。

検察官は、被疑者を受け取ったときから24時間以内に勾留請求するかどうかを判断しなければならなりません。
釈放された場合は最大72時間の身柄拘束となりますが、勾留がついてしまった場合、さらに最大20日間の身柄拘束が続きます。

その間傷害事件の被疑者は、留置場などで生活することになるのです。

親子喧嘩でも後日逮捕される?

  • 息子からの暴力に怯えて生活している・・・
  • 親子喧嘩を警察に訴えても警察は介入できないと言われた・・・

家庭内で、このような悩みを抱えていらっしゃる方もいるかと思います。

「法は家庭に入らず」という古くからの格言があるように、かつては警察が、家庭内トラブルに介入することはあまりありませんでした。

しかし、昨今の虐待事件・DV事件が背景にあるように、警察が家庭内暴力などに介入するケースも増えています。

警察は傷害事件の内容を総合的に判断したうえ、警察に何度も相談が寄せられるケースや、被害届が正式に出されている事件の場合、逮捕に踏み切ることもあります。

後日逮捕(通常逮捕)の場合、逮捕要件が問題になります。
逮捕要件がある、すなわち親子喧嘩の当事者を逮捕する必要性などがあると判断された場合は、親子喧嘩でも逮捕やその後の刑事事件に発展します。

逮捕の要件

傷害事件であっても、親子喧嘩の加害者側が反省しているなど、逮捕の必要性がないと判断されることもあるでしょう。
その場合、それ以上の刑事手続きには発展しない可能性が高いです。

仮に逮捕する必要性が高いと判断された場合、先述の現行犯逮捕と同様の流れで進行していきます。
また、現行犯逮捕と後日逮捕の大きな違いは、後日逮捕の場合、あらかじめ逮捕状を請求する必要があるということです。

逮捕所脳の請求・発付の流れ

親子喧嘩の相手が未成年だった場合

では、親子喧嘩の当事者である子供が未成年であった場合はどうでしょうか。

未成年であっても、逮捕手続においては成人と変わりありません。
未成年が逮捕された場合、勾留中を含め、警察署の留置場などに収監されます。

未成年の逮捕の流れ

しかしその後の手続きは、成人と異なります。
未成年に嫌疑があると判断された場合、事件は家庭裁判所に送致されます。
最終的に裁判官の調査に付され、審判が開始されれば保護処分という判断がなされるのです。

未成年の少年事件の場合、殺人などを除き「刑罰」という概念が基本的にありません。
未成年は親子喧嘩で逮捕されても、刑法上の傷害罪による処罰規定が適用されないのです。

親子喧嘩からは少し反れますが、未成年が傷害を負わせ、損害賠償請求される事案であっても、加害者である未成年への直接請求が難しいことがあります。
そのように判断された場合は、親権者などが損害賠償責任を負うことになります。

少年事件については、『少年事件の流れ|少年の身柄拘束・処分についてわかりやすく解説』で詳しく解説しています。参考にしてください。

親子喧嘩・傷害罪については弁護士に相談!

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親子喧嘩についてお悩みの方は、刑事事件・傷害罪に詳しい弁護士に相談しましょう。
弁護士は親子喧嘩の状況等を判断し、その場に応じた対応をし、対策を講じることが可能です。

親子喧嘩で傷害事件に発展したら弁護士接見

親子喧嘩で傷害事件として逮捕されたら、早期に弁護士相談を検討しましょう。
弁護士の選び方としては、刑事事件の取り扱いが豊富である弁護士事務所、およびその事務所に在籍する弁護士を選ぶことがポイントです。

刑事事件をよく知っている弁護士であれば、依頼後まもなく、被疑者の収監されている留置場などに赴くことが可能です。
弁護士が被疑者に面会することを「接見」といいますが、ご家族などの一般面会と違い、あらゆる制限がありません。

以下でお悩みの方は、ぜひ弁護士接見を検討ください。

  • 親子喧嘩で子供・親が本当に逮捕されてしまったが心配だ
  • 親子喧嘩で逮捕された家族がいるので様子を知りたい
  • 親子喧嘩ではないが、傷害事件で逮捕された家族がいるので様子を知りたい

実際に逮捕されてしまえば、ご家族であっても約3日間は被疑者と会うことができません。
面会が可能になっても、時間制限があったり立会人がいたりと、思うように面会できないのが実情です。

弁護士であればそのような制限はなく、留置場で生活しているご家族からじっくりと話を聞くことができます。
傷害事件で逮捕後、本人がどの程度反省しているのかなど、第三者である弁護士にしか聴きだせないことを聴取しやすいというメリットもあるでしょう。

なお、接見と同時にでもご家族などから依頼があれば、「弁護士による身柄解放活動」も可能です。
勾留請求前であれば検察官に、勾留決定後であれば裁判官に対し、釈放要求していくことになります。

親子喧嘩で被害届が出されている場合

親子喧嘩の傷害事件において被害届が出されている場合、今後の処分について気になる方もいるでしょう。

ご家族が傷害事件で逮捕されており、今後被害者が加害者の処分を望まない場合は、被害届の取り下げを検討します。
被害届は、被害者本人が被害意思を取り下げる手続ですので、検察官処分にもおおきく影響します。

被疑者が逮捕されない、もしくは被疑者の逮捕後釈放された場合は、検察官送致について時間制限はありません。
ですが逮捕されている場合は、身柄拘束が伴うので時間制限があります。
そのため、早めに検察官処分に向けて対策を検討する必要があるでしょう。

傷害事件で逮捕されたら、担当弁護士と勾留期間やその後のスケジュールについて確認しましょう。
刑事事件は、タイミングによって対策の内容も異なります。
身柄事件ではまず、身柄拘束に向けた活動と、検察官処分に向けた対策を検討する必要があるでしょう。

親子喧嘩でも示談はできる

親子喧嘩の傷害事件であっても、被害者がいる事件では示談が有効です。

被害届が出されている場合、示談書の内容に被害届の取り下げを約してもらうことも可能です。
示談書に盛り込む内容や示談可否について等、事件により個別に対策することが重要になります。

アトム法律事務所では、24時間365日刑事事件・傷害事件のご相談予約を受け付けております。

  • 親子喧嘩で警察から呼び出しを受けている
  • 親子喧嘩で通報された家族が逮捕されている
  • 親子喧嘩で逮捕されていないが被害届が出されている

上記のように、警察が介入している傷害事件での法律相談料は、無料0円です。
まずはお気軽にお電話またはメール、もしくはLINEにてお問い合わせください。