岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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パパ活(ママ活)は犯罪?犯罪になるケースと犯罪にならないケースを解説

専用マッチングアプリも登場するほど有名になっている「パパ活ママ活)」ですが、その行為が犯罪に該当するのかどうか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そもそもパパ活(ママ活)とは、金銭的に余裕のあるパパもしくはママが、相手の男性・女性とデートや食事を楽しみ、それと引き換えに金銭などを渡す行為をさすことが多いです。
一般的にはそれ以上の行為はなく、パパ活(ママ活)の相手にとっては「安全なお小遣い稼ぎ」と認識しているようです。

結論、そのような行為でとどまれば、基本的には犯罪になりません。
なぜなら、そのような行為自体を取り締まる法律・条文が存在しないからです。

しかし、他の条件を具備したり、ある一定の境界線を越えてしまえば犯罪に該当することもあります。

  • パパ活(ママ活)が犯罪になる場合の決め手はなに?
  • パパ活(ママ活)が男女の関係に発展したらどんな罪に問われる?
  • パパ活(ママ活)が慰謝料問題になるケースとは?
  • パパ活(ママ活)で逮捕されたらどうなる?

当記事では、パパ活(ママ活)が犯罪になるケースとそうでないケース、犯罪とまではいかないが他の法律で違法となるケースなどについて解説しています。

悪気はなく、むしろ善意でした行為であっても知らない間に犯罪をしていた・・・
そのようなことがないよう、パパ活やママ活をされる方は注意して行動すべきです。

パパ活(ママ活)が犯罪になるケース

パパ活(ママ活)が犯罪に該当するかしないかを見極めるには、まずは当事者の年齢に留意する必要があります。
当記事では以下、年齢で問題になる当事者を、パパもしくはママ以外の男性・女性であることを前提にお話しします。

パパ活の犯罪可能性1|未成年というだけで犯罪?

当事者が双方合意のうえ接していたとしても、相手が20歳未満の未成年(19歳以下)だった場合は注意が必要です。

まずは「誘拐罪」に該当するケースです。

(未成年者略取及び誘拐)第二百二十四条 

未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

刑法224条

未成年を連れ回しても、ただちに逮捕されるとは限りません。
しかし、仮に未成年の相手が家出少女(少年)だったとし、保護者から行方不明届が出ていた場合はどうでしょうか。

家出が発覚すれば、該当の未成年を連れまわしていたパパやママが、警察の取り調べの対象になる可能性も考えられます。

当事者が健全なパパ活(ママ活)だと思っていても、パパもしくはママが金銭と引き換えに未成年と同行していたのであれば、「誘拐」ととらえられても不思議ではありません。

 誘拐の定義は、欺罔(ぎもう)、誘惑などの間接的な手段を用いて、相手方を従前の生活環境から離脱させ、自己又は第三者の支配下に置くことをいいます。
金銭的な援助があった場合、その行為が誘惑などの間接的手段であると疑われる可能性があります。

実際に誘拐罪の疑いが晴れない場合、逮捕に至る可能性もあります。
当事者が未成年であるパパ活(ママ活)はやめておきましょう。

パパ活の犯罪可能性2|未成年の相手と肉体関係

パパ活(ママ活)にかぎらず、未成年と肉体関係を持つことはやめましょう。
犯罪に該当する可能性が高まります。

実際、専用マッチングアプリなどを活用する方は、以下のような点に注意している方が多いようです。

  • パパ活(ママ活)の内容は、単に食事やデート(カラオケなど)を楽しむだけ
  • 当事者の私生活には介入せず、トラブル回避の為に男女の関係は持たない
  • 実際に肉体関係を求めれられた場合は関係を断ち切る

パパ活(ママ活)が各都道府県の条例違反に該当するケース

各都道府県には、青少年育成を目的とした条例がおかれていることをご存知でしょうか。

内容は、基本的に未成年との肉体関係を取り締まるものですが、各自治体によって処罰対象が異なります。
青少年とは18歳未満です。

たとえば大阪の「大阪府青少年健全育成条例39条」では、以下のような行為を規制しています。

  1. 青少年に金品その他の財産上の利益役務若しくは職務を供与し、又はこれらを供与する約束で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと(児童買春に該当する行為を除く)
  2. 青少年に対し、威迫し、欺き、若しくは困惑させることその他の当該青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用い、又は当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うこと
  3. 青少年に売春若しくは刑罰法令に触れる行為を行わせる目的又は青少年にこれらの行為を行わせるおそれのある者に引き渡す目的で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと

第1項では、パパもしくはママが未成年の相手にお金を渡し、そのことと引き換えに性行為などをすれば条例違反だといっています。
つまり、パパ活(ママ活)を目的としていても、出会い系サイトやSNSで出会った未成年と肉体関係に発展すれば、犯罪となるのです。

第2項では、未成年を騙したり脅したりしたうえで性行為をすることを禁じています。

なお、当事者が真剣な交際であると認められた場合は罪に問われないこともあります。
しかしパパ活(ママ活)の場合、真摯な交際であることを立証するのは困難でしょう。

上記大阪府条例39条に違反した場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に問われます。

ちなみに「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない」と規定しています。
これら条例の内容からわかるように、パパ活(ママ活)の代表的行為である金品等の受託がなかったとしても、単に肉体関係を持ったのみで処罰対象になる可能性があるのです。

パパ活(ママ活)が児童買春禁止法違反に該当するケース

児童買春法の正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」です。
性的搾取及び性的虐待が、18歳未満の児童の権利を著しく侵害することの重大性に鑑み、児童の権利を守ることを目的としています。

児童とは、18歳未満の男女です。

この法律において禁止しているのは、パパ活(ママ活)で児童と性行為をした場合だけに限りません。
以下のような行為が禁止されています。

  • 児童との性交
  • 児童との性交類似行為
  • 児童の性器を触る・または児童に性器を触らせる

パパ活(ママ活)において上記のような行為があった場合は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

世の中には、法に違反しないパパ活(ママ活)も存在しますが、その一方で犯罪に該当するものも多く存在するのが現状です。

実際、2020年の児童買春の検挙率は、前年に比して上昇しています。
なかには「パパ活(ママ活)」と称した買春も存在し、単に知らなかったでは済まされないような事件に発展しているのが現状です。

パパ活(ママ活)が児童福祉法違反に該当するケース

児童福祉法では、18歳未満の児童の健全な発達と自立、その他権利を保障することを目的としています。
また、児童福祉法で禁止されているのは、未成年児童との性行為だけではありません。

児童福祉法第34条1項6号では、そもそも「児童に淫行をさせる行為」を禁止しています。
淫行とは単に性行為のみをさしているのではなく、以下のような性行為に準ずる行為も含まれています。

  • 手淫
  • 口淫
  • その他それに準ずる行為

淫行とは「みだらな行為」をいいますので、性行為よりも幅広く規制されているのです。

もっとも、児童福祉法で規制されている上記行為には、ある一定の上下関係が必要です。
単に双方が淫行を「する」のではなく、パパもしくはママが淫行を「させた」ことが認定される必要があります。

淫行をさせる」行為について、最高裁判例は「直接たると間接たるとを問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼし、児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」であると指摘しています。

パパ活が犯罪ではないが違法となるケース

つづいて、犯罪には該当しないが違法になるケースについてみていきましょう。
犯罪は、認められれば逮捕されたり刑罰が科せられたりしますが、この章でご説明する内容は、それ以外の民事上の責任を取らなければならないものです。

パパ活(ママ活)が売春防止法に違反するケース

売春防止法においては、年齢について規定されていません。
この章では、成人している男性・女性がパパ活(ママ活)していたケースを前提にお話しします。

売春防止法で規定されている「売春」の定義は、対償を受け又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することです。
また、第2条では何人も売春をし、又はその相手となってならない旨規定しています。

しかし、「売春」それ自体に罰則規定はありません。

売春防止法で刑事罰が科せられるのは、以下のような行為をした場合です。

第五条 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。

 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

以下(略)

売春防止法5条

成人の売春行為は、強制わいせつなどの罪に問われない限り、基本的に逮捕されることはありません。
しかし、売春が規制されていないからといって安易に行為に及んでしまうと、つぎにご紹介する「不法行為」に該当する可能性があります。

パパ活(ママ活)が不法行為に該当するケース

不法行為は、民法709条に規定されています。
不法行為の概念は幅広く、不倫(不貞行為)についても該当します。

アプリやSNSなどで会ったばかりのパパもしくはママと意気投合して肉体関係を持ち、そのどちらかが既婚者であった場合、不法行為に該当することがあります。
当事者の不倫(不貞行為)により、本来の夫婦関係が破たんすれば慰謝料請求されることもあるでしょう。

過去の判例で、「枕営業」が損害賠償請求の対象になるか否かの争いがありましたが、夫婦関係の破たんを認めなかった(慰謝料請求事案とならなかった)ものもあります。
また、当事者が既婚者である事実を知らなかった場合や不倫の証拠がない場合は、慰謝料請求の対象にならないこともあるでしょう。

ですが、当事者のどちらかが既婚者である場合、総じて配偶者に不倫の慰謝料を請求されるリスクはぬぐえません。
犯罪に該当しない場合であっても注意が必要です。

パパ活(ママ活)をしていて逮捕されたら弁護士相談

パパ活(ママ活)で逮捕された場合、刑事責任を負うのは未成年以外の当事者です。
未成年は逮捕後、「少年法」にのっとり手続きが進行しますので、「刑事罰」という概念は基本的にありません。

一方パパもしくはママが成人である場合、逮捕後は以下のような流れをたどります。

刑事事件の流れ

安易な気持ちで、SNSやアプリなどで出会った未成年と性的関係を持ってしまうと、取り返しのつかない事態になりかねません。
また、未成年との性行為を禁止している法律は処罰も重く、逮捕後起訴される可能性も十分に考えられます。

逮捕されてしまえば、約3日間は誰とも連絡が取れず、警察の取り調べを受けることになるでしょう。
パパ活(ママ活)で逮捕されてしまった場合、この時点で弁護士に依頼することも可能です。
ご家族などから連絡をもらった弁護士は、すぐに留置場などに接見(面会)に行くことができますので、まずは弁護士接見を依頼をするといいでしょう。

弁護士に相談・依頼後に可能な活動は、おもに以下のとおりです。
刑事事件はスピーディーに進行するため、ご家族などは早めに行動されることをおすすめします。

  • 弁護士による時間制限・立会人制限のない接見が可能
  • 逮捕後の身柄解放活動が可能
  • パパ活(ママ活)の相手側と示談交渉が可能
  • その他前科がつかないように活動することが可能