第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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国選弁護人とは?利用条件や費用を解説。私選と違って示談してくれない?
- 国選弁護人ってそもそもなに?
- 国選弁護人はやる気がないって噂はホント?
- 国選弁護人から私選弁護士に切り替えることはできる?
国選弁護人とは、文字通り刑事事件の手続きにおいて国(裁判所)が選定した弁護士のことです。一定の要件を満たす被疑者(容疑者)のところに派遣されます。
もしもあなたやご家族が逮捕されて私選弁護士を選任していない場合、一定の要件を満たすときには国選弁護人がつくことになるはずです。
ですが、国選弁護人には制度上さまざまな制約があります。
この記事では、国選弁護人の制度の仕組みや、万が一あなたが国選弁護人にやる気がないと感じ、切り替えたいと思っている場合、どのような手続きが必要なのかを解説していきます。
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国選弁護人とは?利用条件や費用は?
国選弁護人には一定の利用条件がある?
国選弁護人とは、資力が乏しいために自力で弁護士を選任できない被疑者・被告人が利用できる弁護士のことです。
国選弁護人が利用できる条件は厳密にいうと被疑者と被告人で異なりますが、大まかには「預金や預貯金が50万円未満であること」といった資力がない点があげられます。
国選弁護人はどうやって選ばれる?
国選弁護人を利用できる条件を満たしていれば、法テラスが弁護士を人選し、最終的に裁判所が国選弁護人を選任する流れとなります。国選弁護人は、被疑者や被告人、またはその家族などが自由に選ぶことはできないのです。
たとえ、知人に弁護士がいたとしても、特定の弁護士を国選弁護人として指名することはできません。指名したい場合は、私選弁護士として依頼する必要があります。
国選弁護人は逮捕されたあとすぐ来てくれる?
国選弁護人は、被疑者が逮捕されてから、およそ2~3日後に被疑者の請求があった場合に留置場に来てくれます。
国選弁護人が来てくれるのは、逮捕後、継続して身柄拘束して取り調べる勾留という手続きが始まってからです。勾留が始まった後、警察の留置場で書類を記入し、「国選弁護人をつけてください」と請求すると国選弁護人が派遣されます。
また、逮捕後ではなく起訴された後に改めて国選弁護人をつけるよう請求することもできます。
なお、当番弁護士制度という、逮捕直後に費用負担なしで弁護士に一度だけ会える制度もあります。当番弁護士として派遣されてきた弁護士に、国選弁護人として依頼することも可能です。当番弁護士について詳しくは『逮捕と当番弁護士制度の関係|当番弁護士とは?呼び方や連絡先は?24時間派遣される?』の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
国選弁護人に費用はかかる?
国選弁護人をつけても、基本的に弁護士費用はかかりません。国選弁護人に対する費用を誰が払うかというと、法テラス(日本司法支援センター)が払うことになります。
ただし、後から収入が十分あることを証明されたような場合、国選弁護人の費用を含む「訴訟費用」について支払わなければならないこともあるでしょう。裁判となり有罪となった場合には、裁判所から訴訟費用を支払うよう命令されることが原則となっているからです。
もっとも、裁判所が訴訟費用を負担させないと判断することもあるため、実務上は資力の問題で支払わずに済むことも多いでしょう。
なお、被害者がいる刑事事件で示談を行う場合、示談金は弁護士費用に含まれていません。示談金は別途、自分で用意する必要があるので注意してください。
国選弁護人にはやる気がないって本当?
国選弁護人も業務としてやっている以上、きちんとやる気を持って弁護活動を行ってくれる場合がほとんどです。
ただし実務上、国選弁護人制度は弁護士の良心に依存している部分が多く、下記のような要因からやる気がないと言われがちな側面はあります。
要因
- 制度上、刑事事件の経験がある弁護士が派遣されるとは限らない
- 私選の場合に比べ報酬が割安なため、手厚い弁護活動をするには支障が生じ得る
- 被疑者自身との相性という観点で弁護士を選ぶことができない
国選弁護人と私選弁護士の違い。国選はどこまでしてくれる?
国選弁護人と私選弁護士の違いは?結局どちらがいい?
国選弁護人と私選弁護士には、以下のような違いがあります。
国選弁護人 | 私選弁護士 | |
---|---|---|
活動のタイミング | 逮捕から2~3日後 | 逮捕直後から可能 |
資力の制限 | あり | なし |
逮捕直後のアドバイス | できない | できる |
勾留を避ける活動 | できない | できる |
弁護士の選択 | できない | できる |
弁護士費用 | 原則かからない | かかる |
結局、国選弁護人と私選弁護士のどちらがいいかは、何を一番希望しているのかによって異なります。
たとえば、逮捕直後から弁護活動を行ってもらい、早期釈放を目指すのであれば私選弁護士を選任した方がいいでしょう。一方、弁護士費用を捻出することが難しければ、国選弁護人に任せざるを得なくなります。
被疑者は逮捕後、起訴・不起訴が決まるまで最大23日間身体拘束される可能性がありますが、国選弁護人の場合、勾留が決定してからでないと活動できません。大事な仕事がある、会社にバレたくないなど、そもそも勾留を避けたい場合には、私選弁護士に依頼するべきでしょう。
加害者側である被疑者や被告人が私選の弁護士を選ぶべき理由を解説した『加害者側の弁護士|示談交渉や刑事事件の弁護士の活動は?』の記事もあわせてご確認いただくことで、国選弁護人との違いについての理解もより深まるでしょう。
私選弁護士と違って国選弁護人は刑事事件が専門でない場合もある?
国選弁護人は、刑事事件が専門でない場合もあります。
国選弁護人は、弁護士会に登録している弁護士が持ち回りで引き受けることになっており、普段の業務で民事事件しか取り扱っていない弁護士が国選弁護人としてつくこともあるからです。
刑事事件を積極的に取り扱う私選弁護士を選べば、刑事弁護の経験から得たノウハウを活かした弁護活動が期待できるでしょう。
アトム法律事務所は、刑事事件を積極的に取り扱う私選の法律事務所です。これまで数多くの事件を解決に導いてきました。私選弁護士をお探しであれば、アトム法律事務所の弁護士にご相談ください。
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私選弁護士と違って国選弁護人は示談してくれない?
国選弁護人でも示談交渉してもらうこと自体はできます。国選弁護人も私選弁護士も、示談交渉をはじめとした依頼人の利益になる弁護活動を行うのが、弁護人として行う通常範囲の職務と考えられるのが一般的だからです。
ただし、私選弁護士と比べると、国選弁護人は報酬が割安であるため、あまり積極的に示談交渉に出向いてくれる弁護士ばかりではないというのが現実でしょう。
また、国選弁護人は自由に選ぶことができないので、刑事事件を取り扱った経験がない弁護人にあたってしまうと、示談の重要性や示談を行うべきタイミングを十分に理解しておらず、交渉に出遅れてしまう可能性もあるのです。もっとも、この刑事弁護に精通しているかという点は、どの私選弁護士を選ぶかでも同じことがいえるでしょう。
早期釈放や不起訴、刑の減軽などを希望する場合は、刑事事件を扱った経験が豊富な私選弁護士に依頼することをおすすめします。
国選弁護人から私選弁護士への切り替え方は?
被疑者が自分で国選弁護人を解任することはできる?
もしも国選弁護人が熱心に活動してくれなかったり、話を聞いてくれないと思っても、被疑者自身が国選弁護人を解任したり変更したりすることは困難です。
例外として、以下のような場合には解任が可能です。
国選弁護人を解任できる条件
- 私選弁護士が選任されたとき
- 被疑者と弁護人とで利益が相反するとき
- 弁護人が心身の故障などで職務を行うことができないか困難になったとき
- 弁護人がその任務に著しく反したとき など
ただ、活動内容に不満があるというだけでは解任は困難です。
ですので、私選弁護士を選任することが、国選弁護人から弁護士を切り替えるための最も簡単な手続きとなります。
私選弁護士に切り替える際の流れは?
被疑者の方が私選弁護士を選任すれば、あとは国選弁護人と私選弁護士との間で引き継ぎの手続きが行われます。
国選弁護人が選任されているという事は、通常、被疑者の方は現在勾留され警察署内の留置場に身体拘束されているはずです。
この時、被疑者は外部との連絡を制限されているため、私選弁護士への依頼ができません。
私選弁護士の選任方法としては、家族に私選弁護士を選んでもらうのが良いでしょう。
初回接見サービスの紹介
アトム法律事務所では初回接見サービスを行っています。
ご家族からの依頼に基づいて、まずは一回、弁護士が警察署に赴いて被疑者の方と直接面会するというサービスです。
この初回接見において被疑者の方の依頼の意思などを確認することもできます。
もしも被疑者が私選弁護士を選任したがっているということがわかっているのであれば、その場で契約を執り行い、私選弁護士を迅速に選任することもできます。
国選弁護人から私選弁護士への切り替えをご検討の方は、ぜひご利用ください。
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私選弁護士に切り替えるときのデメリットは?
なお、私選弁護士に切り替えるときには以下の点に注意しなければなりません。
私選切り替えの注意点
- 初回接見や正式に依頼した際に弁護士費用が発生する
- 私選弁護士から国選弁護人に切り替えることは原則としてできない
国選弁護人制度は資力の無い人が弁護士に依頼できるよう整備された手続きです。
一度私選弁護士を選任した時点で資力があることが推定されてしまうため、私選から国選への切り替えは原則としてできません。
弁護士に相談する際に、最終的にかかる弁護士費用の見込みなども聞くとよいでしょう。
私選弁護士に依頼した後の流れは?
弁護士に依頼すれば早期釈放してもらえる?
依頼を受けた私選弁護士は被疑者やご家族の要望にしたがい、まず逮捕・勾留の回避、身体拘束からの解放に向けた活動や、拘束中の被疑者の方への接見などを行います。
逮捕・勾留は被疑者について「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」があるときに行われる手続きです。
逮捕後、起訴・不起訴の判断が下されるまで最大で23日にわたり身体拘束されるおそれがあります。
23日にもわたって身体拘束されてしまうと、職場や学校に逮捕の事実が知られてしまいますし、日常生活にかなりの影響が生じてしまいます。
依頼を受けた弁護士は捜査機関に対し「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」がないことを主張することができます。
特に警察沙汰になった直後、逮捕・勾留の回避に向けた活動は国選弁護人では行うことのできない弁護活動です。
弁護士に依頼すれば前科を付けずに済む?
弁護士は逮捕・勾留の回避に向けた活動と並行して前科が付くのを回避するため、不起訴処分の獲得を目指した活動も行います。
不起訴処分というのは裁判を開廷せずに事件終了とする手続きです。不起訴になれば前科はつかず、刑罰が科されることもありません。
警察に検挙される=ほぼ確実に有罪になる、といった誤解をお持ちの方は多いです。
しかし統計上、刑法犯では検察の把握した事件全体の半分以上が不起訴となっています。
警察沙汰になったとしても諦めることなく不起訴獲得に向けた活動を行うのが重要です。
弁護士に依頼すれば被害者と示談交渉してもらえる?
逮捕・勾留の回避の観点からいっても、不起訴獲得の観点からいっても、被害者の方と示談を締結するのは重要です。
弁護士は被疑者の方に代わり被害者の方と示談交渉を行います。
示談というのは当事者同士の話し合いによって民事上の賠償責任を解消する手続きです。
被害者と早期に示談ができた場合、被疑者の早期釈放や不起訴の決定に繋がります。
特に、示談のなかで被害者の方に「今回に限り刑事処罰を望まない」という宥恕の合意をとることができれば、被疑者にとって有利にはたらきやすくなります。
実務上、示談交渉は被疑者やご家族の力だけではできません。
捜査機関は通常、弁護士が第三者として介入していない場合、個人情報保護の観点から被害者の連絡先を教えてくれません。
また交渉にあたっては相手方の心情への配慮と法的な専門知識が必要になります。
示談の締結を目指す場合には弁護士に依頼するのがベストな選択です。
弁護士に相談するための窓口は?
もしも警察から連絡が来ていたら、まずは弁護士の選任を考えましょう。
被疑者本人の意向を確認しつつ、国選弁護人に任せるか、私選弁護士を選ぶかをしっかり検討したうえで決めるべきです。
アトム法律事務所では、警察の介入がある事件について初回30分無料の対面相談を行っています。
24時間365日受け付けしている相談予約窓口に、いますぐお電話ください。
契約を強制するようなことはありませんので、国選弁護人への依頼をご検討の方もまずはお気軽に相談して、今後の方向性を探る手掛かりにしてください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了