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国選弁護人制度とは?|対象事件や費用負担の仕組み、依頼方法を解説

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国選弁護人制度について知りたい!

国選弁護人に依頼する方法を知りたい!

こちらのページでは国選弁護人について徹底解説していきます。


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国選弁護人制度を解説

憲法では、

身体拘束を受けたときに弁護人に依頼することができる権利

が保障されています。

何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。(略)

引用元:憲法34条

国選弁護人制度は、この「弁護人に依頼できる権利」をまっとうするべく、運用されている制度です。

平成30年6月には制度の改正によって適用範囲が広がり、より多くの人が利用できる制度となりました。

Q1

国選弁護人制度ってそもそも何?

国選弁護人制度は、独立行政法人の日本司法支援センター「法テラス」によって運営されています。

一定の条件に適う被疑者や被告人は、原則無料で弁護士を頼ることができます。

国選弁護人には、大別して以下の2種類があります。

被疑者国選弁護人

起訴前の段階で弁護活動を行う国選弁護人

被告人国選弁護人

起訴後、裁判の場において弁護活動を行う国選弁護人

刑事事件は以下のイラストのような流れとなっています。

起訴前の段階と起訴後の段階で、種類がわかれているというわけです。

Q2

国選弁護人制度の対象事件は?

国選弁護人に頼れる基準というのは、刑事訴訟法などに細かく規定されています。

被疑者、被告人がその基準に適っているのかどうかは、裁判所が審査をします。

国選弁護人に頼れる基準についてくわしく見ていきましょう。

まず、起訴前の被疑者段階で国選弁護人に頼れる基準です。

国選弁護人の条件(被疑者)

原則、この2つの基準を満たす必要があります。

起訴後の段階、つまり被告人国選弁護人に依頼することのできる原則的な基準は

資力が50万円未満であるかどうか

だけです。

被告人国選の段階であれば、在宅事件か勾留されている事件かを問わず、資力がないというだけで国選弁護人に頼れます。

国選弁護人に頼れる原則的な基準
被疑者国選 被告人国選
条件 勾留決定された

資力50万円未満
資力50万円未満

資力がある場合

原則的な基準は上記の通りなのですが、特別な事情がある場合、資力50万円以上でも国選弁護人に頼ることができます。

資力ありでも国選弁護人に頼れる、その基準を見ていきましょう。

被疑者段階で資力ありの場合

被告人段階では、以下の2つの条件のいずれかに該当すれば、国選弁護人が付されます。

条件①:弁護士会から断られた

条件②:被疑者について、弁護人を必要とするかどうか判断することが困難

ひとつずつ解説していきます。

条件①:弁護士会から断られた

勾留された状態で、かつ弁護士会に私選弁護士を紹介してくれるよう頼んだのに、

紹介が得られなかった

紹介された弁護士が拒否した

など、弁護人が選任されなかった場合、国選弁護人に頼ることができます。

条件②:被疑者について、弁護人を必要とするかどうか判断することが困難

勾留された状態で、かつ

精神上の障害などの理由で、弁護人を必要とするかどうか判断することが困難だと疑われる被疑者

については、裁判所の判断で国選弁護人が付される場合があります。

たとえば、重度の知的障害を持っているだとか、精神障害を持っている被疑者などが想定されます。

ただこれは特殊事例であり、実際に適用される事例は少ないものと考えられます。

被告人段階で資力有りの場合

被告人段階では、以下の3つの条件のいずれかに該当すれば、国選弁護人が付されます。

条件①:必要的弁護事件

条件②:弁護士会から断られた

条件③:一定の条件にあてはまり、かつ裁判所が弁護人が必要だと判断

ひとつずつ解説していきましょう。

条件①:必要的弁護事件

必要的弁護事件というのは、

死刑または無期もしくは長期3年をこえる懲役、禁錮にあたるような事件

のことです。

殺人や強盗、通貨偽造など重大な犯罪の他、

窃盗

傷害

詐欺横領

恐喝

など比較的発生件数の多い身近な犯罪も該当します。

これら必要的弁護事件は、弁護士がいなければ裁判を開廷することができないと定められています。

たとえ被告人が弁護人の選任それ自体を拒否した場合であっても、強制的に国選弁護人が付されることになります。

条件②:弁護士会から断られた

以前、弁護士会に私選弁護士を紹介してくれるよう頼んだのに、

紹介が得られなかった

紹介された弁護士が拒否した

などの理由でいまだ弁護人が選任されていない場合、国選弁護人に頼ることができます。

条件③:一定の条件にあてはまり、かつ裁判所が弁護人が必要だと判断

以下の条件にあてはまる被告人について、裁判所の判断で国選弁護人が付されるケースがあります。

未成年者

70歳以上の老人

聴覚障碍者や発話障碍者

心神喪失者や心神耗弱者

その他、弁護人の必要性が認められる者

その他、弁護人の必要性が認められる者」の例を挙げると、たとえば否認事件の被告人などは国選弁護人が付されるケースが多いです。

刑事裁判の場で否認の事実を主張するには高度な法的知識が必要となるので、被告人ひとりだけでは荷が勝ちすぎると判断されるのです。

資力ありで国選弁護人に頼れる基準
被疑者国選* 被告人国選
条件 勾留され、かつ弁護士会から断られた 必要的弁護事件
or
弁護士会から断られた
or
一定の条件にあてはまり、かつ裁判所が弁護人が必要だと判断

*稀なケースとして、勾留決定後、弁護人の必要性が判断できない被疑者につき、裁判所が国選弁護人を付すケースもある

Q3

国選弁護人ってホントに費用負担ゼロ?

国選弁護人は、原則費用負担ゼロです。

ただ有罪判決が下ったとき、ごく稀に裁判所の判断で訴訟費用の支払いが命じられるケースがあります。

刑の言渡をしたときは、被告人に訴訟費用の全部又は一部を負担させなければならない。但し、被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかであるときは、この限りでない。

引用元:刑事訴訟法181条

実務上は、

特段の資産もなく

高給な職に就いているわけでもない被告人

であれば、たいていは貧困状態と認められます。

訴訟費用の支払いが命じられるのは、たとえば

高額な示談金、保釈金を納めた

高級住宅街に持ち家を持っている

など、「本当にお金がないのか疑われるような要素」が見られた場合などです。

訴訟費用の平均金額

訴訟費用の支払いが命じられたとき、その訴訟費用の金額の平均は、11万1000円だそうです。

(略)

産経新聞が最高検への情報公開請求で入手した資料によると、平成22~26年度の5年間で被告人が訴訟費用の支払いを命じられた件数は約3万1600件。総額約35億1900万円で、1件当たりの平均額は約11万1千円だった。

(略)

引用元:産経WEST 2016/5/17 06:00 刑事裁判の訴訟費用〝踏み倒し〟過去5年で5億円超 納付義務被告の6人に1人

もし仮に、本当にお金がないのに訴訟費用の負担を命じられてしまった場合、

控訴する

訴訟費用負担の裁判の執行免除の申立をする

などの方法により費用負担を回避できる可能性があります。

訴訟費用の負担を命じられてしまったことに不服がある場合、まずは依頼した国選弁護人にその旨を伝えてみましょう。

2

国選弁護人の依頼方法

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では、具体的に国選弁護人に依頼するにはどうしたら良いのでしょうか?

ここで解説していきましょう。

Q1

国選弁護人の依頼方法が知りたい!

被疑者国選弁護人の依頼方法

先述の通り、被疑者国選は原則

勾留決定された

資力が50万円未満

この2つの要件を満たしていないといけません。

警察署や警察官によって異なる場合もありますが、基本的には留置場の留置係の警察官に国選弁護人を選任したい旨を伝えれば、すぐに手続きをしてくれます。

留置係の人に国選弁護人を選任したい旨を伝えると、以下の2種類の書類が渡され、必要事項を記入するよう言われます。

国選弁護人選任請求書

国選弁護人を請求する旨が書かれた書類

資力申告書

手持ちの現金や銀行への預貯金など、各項目について金額を記載する書類

これら書類への記入それ自体については、別段勾留決定前に行っても、なんら問題はありません。

勾留の手続きの流れはこのようになっています。

被疑者勾留の流れ

勾留決定前の段階で書類記入をした場合は、留置係の担当者が勾留質問の日に、一緒に書類を裁判所の方にまで持っていってくれます。

勾留決定後に書類記入した場合は、留置係の担当者が裁判所にファックスなどで書類を送付してくれます。

裁判所に提出された書類について、事件担当の裁判官が審査をし、国選弁護人を付す条件に適っている場合は、そのまま国選弁護人が選任されることになります。

被告人国選弁護人の依頼方法

被疑者国選弁護人がすでに選任されている場合は、その弁護人がそのまま継続して被告人国選弁護人として活動してくれます。

被疑者国選弁護人が選任されていない場合、つまりは在宅事件の場合は、

弁護人選任に関する回答書

を自分で記入し、裁判所に提出します。

弁護人選任に関する回答書は、起訴状と一緒に自宅に届けられます。

必要事項を記入し、裁判所に郵送するか、直接届けます。

Q2

国選弁護人にお礼の品は渡すべき?

いざ国選弁護人が選任されたとき、お礼の品挨拶の品を渡すべきかどうかお悩みになる方は多いようです。

しかし、これらの品は原則渡してはなりません。

弁護士の行動規範を規定した、弁護士職務基本規程の条文をご覧ください。

弁護士は、国選弁護人に選任された事件について、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない。

引用元:弁護士職務基本規程49条

弁護士の職務規定として、お礼の品などはもらってはならない決まりとなっているのです。

仮にお礼の品を持って行ったとしても、弁護士も立場上断らざるを得ないので、持っていかないようにしましょう。

3

刑事事件のお悩みを弁護士に無料相談

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Q1

スピーディーに弁護士に無料相談したいなら

刑事事件の加害者として捜査、訴追されている方は、なるべく早く弁護士に頼ることが重要です。

早ければ早いほど

逮捕の阻止

勾留の阻止

不起訴処分の獲得

について可能性があがります。

刑事事件は時間との勝負です。

なにか少しでもお悩みのことがあるのなら、早急に弁護士事務所に相談するべきと言えるでしょう。

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