
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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逮捕~起訴までの期間・流れを図解|勾留(×拘留)とは?釈放の流れとは?

逮捕や起訴についてこのような疑問・お悩みをお持ちの方はいませんか?
- 逮捕~起訴までの流れ・期間はどんな感じなの
- そもそも起訴とは
- 逮捕後に釈放される可能性とは
ご覧の記事では逮捕~起訴までの期間について弁護士が解説します。
目次
逮捕~起訴の期間・流れ|勾留の最大期間や釈放の可能性
刑事事件は以下のような流れとなっています。

通常、事件の被疑者(容疑者)が逮捕されたときには、
- 起訴するか
- 不起訴とするか
が検察官によって判断されます。
そもそも起訴とは?
起訴
検察官が被疑者を裁判にかけるよう裁判官に要請すること。
原則裁判が開かれることになり、被疑者は刑事責任を追及されることになる。

不起訴
検察官がもろもろの事情に鑑み裁判開廷を要請せず、刑事手続き終了とする処分のこと。
裁判は開かれず、刑が科されることもなく、前科もつかない。

逮捕された被疑者は原則、検察官による起訴・不起訴の判断を受けることになります。
起訴されて裁判開廷となったときには、ほぼ有罪判決がくだされることとなってしまいます。
逮捕~起訴の流れとは?勾留(×拘留)ってなに?
逮捕後、起訴までの流れは以下のイラストのようになっています。

先に結論から言ってしまうと、
「逮捕・勾留が行われた事件では、原則逮捕後23日以内に起訴・不起訴の判断がくだされる」
となります。
逮捕後の流れ|送致
逮捕が行われた場合、身体を拘束してから48時間以内に
送致
が行われます。
送致とは
事件の証拠物や被疑者の身柄を検察官に引き継ぐ手続き
- 「裁判を開くべきかどうか判断する」
- 「裁判開廷後に被告人の刑事責任を追及する」
こういったことができるのは原則、検察官だけなのです。
送致が行われることにより警察官のみならず検察官も事件を認知するにいたります。
実務的には…
なお、事件を検察官に引き継ぐといってもそれは手続き上の話です。
実務の上では、
- 送致後、検察官の元に身柄が移されるなどということはありません。
- 警察官による取調べも継続されます。
「取調べの内容や証拠物が検察官にも共有される」
といった表現の方が、実務には近いと言えるでしょう。
逮捕後の流れ|勾留
送致から24時間以内に、検察官は被疑者について
勾留請求
するかどうかを判断します。
勾留とは
逮捕後、身体拘束を継続する手続き
刑事訴訟法では、
「逮捕後、とくに身体拘束を継続する理由がない場合には、被疑者を釈放しなければならない」
という規定があります。
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、(略)留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し(略)なければならない。
引用元:刑事訴訟法203条
「身体拘束を継続するべき理由」というのは法的に規定されています。

これら勾留の要件に当てはまるときに限り、勾留が行われるわけです。
勾留は、
「身体拘束を継続すべき理由があります!」
と検察官が裁判官に申し出て、また裁判官がその申し出を検討する流れとなっています。

「被疑者について勾留の要件にあてはまっている」と裁判官が判断すれば、勾留が行われます。
勾留が決定されると、警察署内の留置場に引き続き拘束をうけることになるわけです。
勾留の期限
起訴前の段階では、勾留はまず10日間行われます。
やむを得ない事情がある場合に限りさらに最大10日間の延長が認められ、最長で20日間行われます。
いま一度、逮捕後の流れを見てみましょう。

逮捕・勾留が行われた事件の場合、原則検察官は勾留期間の満了日までに起訴・不起訴の判断をくだします。
つまり…
- 逮捕後48時間以内に送致
- 送致後24時間以内に勾留請求
- 勾留の期間が最大20日間
つまり、逮捕後勾留が行われた事件では、身体拘束から原則23日以内に起訴・不起訴の判断がくだされる。
勾留と拘留
なお、誤解されがちなのですが、逮捕後に行われる処分は
「勾留」
であり
「拘留」
ではありません。
拘留は刑罰の一種です。
禁錮刑のより軽い版となります。

対して勾留は先述の通り、
逮捕後、もろもろの事情に鑑み身体拘束を継続する
という処分です。
同音異義語で紛らわしいので、ぜひここで覚えておいてください。
勾留* | 拘留 | |
---|---|---|
意味 | 身体を拘束 | 身体を拘束 |
期間 | 起訴前は原則最長20日間 | 1日以上30日未満 |
刑罰 | 刑罰ではない | 刑罰である |
*起訴前の勾留
逮捕後に釈放される可能性は?起訴率ってどれくらい?
逮捕後に釈放されるパターンとしては、主に以下の3つがあります。
- ① 送致されず微罪処分となった
- ② 勾留されなかった
- ③ 不起訴処分となった
①送致されず微罪処分となった
原則、逮捕が行われた事件では送致が行われます。
ただ、事件によっては送致が行われず、そのまま刑事手続き終了となる場合もあります。
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
引用元:刑事訴訟法 246条
送致をせずに刑事手続きを終了させる処分のことを、
微罪処分
と言います。
微罪処分の対象となるのは、
- 検察官があらかじめ指定していた種類の犯罪につき
- 地方検察庁が定めた基準に適う被疑者
です。
具体的な基準は明らかにはされていませんが、以下のような要素を備えていると微罪処分となる可能性があがるようです。
- 被害が軽微
- 犯行が比較的悪質でない
- 被害の回復が行われている
- 被疑者が反省しいている
- 初犯
- 監督者、身元引受人がいる
など
たとえば態様が比較的悪質でない万引きなどでは、被害弁償が済んでいる場合この微罪処分となる可能性もあります。
微罪処分となれば刑事手続き終了です。
すぐさま釈放され、その後刑罰をうけることなく日常生活に復帰できます。
②勾留されなかった
送致の後には勾留の手続きが待っています。

このとき、
- 検察官が勾留請求をしなかった
- 裁判官が検察官の勾留請求を却下した
場合、勾留されずに釈放となります。
釈放後は在宅事件として手続きが進みます。

日常生活を送りながら、ときおり警察から呼び出されて取調べをうけることになるでしょう。
なお
- 逮捕されなかった事件
- 逮捕後勾留されなかった事件
こうした
「在宅事件」
では、起訴・不起訴の判断がくだされるまでの期間は一切不明となります。
起訴・不起訴の判断がくだされるまで、場合によっては年単位で待たされることもあるのです。
③不起訴処分となった
逮捕後、勾留された事件では通常、勾留期間満了日までに起訴・不起訴の判断がくだされます。
不起訴となればすぐに釈放され、刑事手続き終了となります。
すぐさま釈放され、その後刑罰をうけることなく日常生活に復帰できます。
まとめ
逮捕後の釈放
①送致されず微罪処分となった |
---|
検察官があらかじめ指定した犯罪について送致されないこともある。 送致されなければ刑事手続き終了となり釈放される。 |
②勾留されなかった |
勾留請求されなかったり、請求が却下されるケースがある。 勾留されなければ釈放となり、在宅事件化する。 |
③不起訴処分となった |
不起訴となれば刑事手続き終了となり釈放される。 |
厳密にいえば、起訴・不起訴の判断を後回しにしてひとまず釈放だけを行う
「処分保留」
という手続きもありますが、ケースとしては稀なのでここでは省略します。
刑事事件の起訴率
統計上、検察が把握した刑事事件のうち約6割~7割の事件は不起訴となっています。
不起訴となるのは、誤認逮捕されたときなど、冤罪が疑われるときだけではありません。
犯罪の嫌疑が濃厚な場合でも、起訴猶予で不起訴になる場合があります。

平成29年の統計では、不起訴となった事件のうち、全体の約7割は起訴猶予を理由としているようです。
つまり、たとえ犯罪を犯していたと十分に疑われる場合でも不起訴になる可能性は大いに残るわけです。
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野尻大輔
起訴、不起訴とはそれぞれ以下のような処分のことです。