
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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逮捕後の釈放の流れとは|釈放までの時間や身元引受人についても解説

- 逮捕後の釈放の流れについて知りたい!
- 身元引受人ってなに?逮捕後、釈放されるには必須なの?
ご覧のページでは、逮捕後の釈放について徹底解説していきます。
目次
逮捕後の釈放の流れ
「逮捕されるとそのまま裁判が終わるまでずっと拘束され続けてしまう」
そのようにお考えの方も多いことでしょう。
しかし、逮捕後に釈放される可能性は大いにあり、場合によっては逮捕後48時間以内に釈放が叶うケースまであります。
逮捕後、起訴されるまでの流れ
逮捕後の刑事手続きの流れはこのようになっています。

逮捕されると、
- ① 検察官に事件が送致され
- ② 検察官が勾留請求をし裁判官がそれを認容
- ③ 原則、勾留期間中に捜査を完了させて
- ④ 検察官が起訴するか不起訴とするかを判断する
といった流れとなります。
ただこれは、逮捕後、早期に釈放が行われない場合の流れです。
事件によっては、これら手続きの途上で釈放され、刑事手続きが終了したり、在宅事件に切り替わったりするケースもあります。
微罪処分とは?|逮捕後最短の釈放方法

まず、逮捕後、検察官に事件が送致されず釈放となるケースについて解説します。
送致とは?
そもそも送致というのは、
検察官に事件の証拠物や被疑者の身柄を引き継ぐ手続き
警察は事件の捜査をする権限は与えられていますが、被疑者を裁判にかけるよう要請したり裁判の場に当事者として立ち会う権利は持っていません。
そういった権利を有するのは検察官だけです。
そのため刑事訴訟法では、被疑者を特定した警察官は、検察官に事件を送致しなければならないと定められているのです。
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
引用元:刑事訴訟法246条
しかし、条文内、黄色線が引かれたただし書きの通り、検察官が指定した事件については送致が行われないこともあります。
微罪処分とは?
検察官に事件を送致しないという処分のことを
微罪処分
と言います。
微罪処分となると、そこで刑事手続きは終了となり、裁判は開かれず、刑事罰がくだされることもありません。
微罪処分の釈放時期
検察官への送致は逮捕後48時間以内にしなければならない規定となっています。
逆に言えば、微罪処分となったときには逮捕後48時間以内に釈放されるというわけです。
内容 | 検察官が指定した事件について、送致されずに刑事手続き終了となる処分 |
---|---|
釈放時期 | 逮捕後48時間以内 |
刑事手続き | 終了となる |
微罪処分の要件
微罪処分の判断は事件ごとにくだされます。
検察官が指定した事件であるという以外に「微罪処分となる条件」が法的に定められているわけではありません。
ただ、以下のような要件を備えていると、微罪処分となる可能性は高まるようです。
要件
- 初犯
- 被害者に賠償を尽くしている
- 加害者が反省の態度を示している
- 被害者が訴追を望んでいない
- 犯行態様が悪質ではない
- 被害の規模、程度が小さい
- 監督者がいる
勾留とは?|勾留阻止で逮捕後72時間以内に釈放

事件が送致されてしまった後も、まだ釈放の可能性は残っています。
事件を送致された検察官は、そこから24時間以内に勾留請求するかしないかの判断をくだします。
勾留とは?
勾留とは、逮捕に引き続き身体拘束を継続する手続きのことを指します。
勾留されると、起訴されるまで最大20日間にわたり留置場などに収監され続けてしまいます。
勾留の流れ
勾留は、以下のイラストのような流れをたどります。

検察官が勾留を請求し
裁判官が審査、勾留をするかしないかを決定する
という流れです。
勾留の要件
勾留は長期間にわたり身体拘束されるという点で、被疑者にとってとても負担の大きな処分です。
そこで刑事訴訟法では勾留の要件が定められています。
この要件に当てはまらない被疑者についてはすぐに釈放する取り決めとなっています。
勾留の要件は以下の通りです。

平成29年の統計では、逮捕された被疑者の約9割について勾留が認められ、そのうちの半分以上について最大日数の20日間に渡り身体拘束が行われたようです。
ただ、たとえば痴漢の事案については、最近は勾留を認めない運用が定着してきているようです。
(略)
東京地裁では痴漢事件の勾留請求を原則認めない運用が定着している。
長期の拘束が社会生活に与える影響を考慮した判断
(略)
引用元:毎日新聞(2015/12/24)『痴漢で勾留、原則認めず 「解雇の恐れ」考慮』
事件によっては、勾留されない可能性も十分にあるということです。
釈放の時期
勾留するかしないかは送致から24時間以内に決定されます。
つまり勾留されない場合には、逮捕後72時間以内に釈放されることになります。
釈放後
気をつけなければならないのは、勾留阻止による釈放においては、微罪処分とは違い刑事手続きが終了したわけではないという点です。
釈放後は在宅事件として刑事手続きが進んでいくことになります。
その後も警察による捜査は継続されますし、起訴される可能性も否定はできません。
裁判にかけられて有罪判決を受ける場合もあるということです。
内容 | 勾留要件に当てはまらない場合、釈放される |
---|---|
釈放時期 | 逮捕後72時間以内 |
刑事手続き | 終了とはならない 在宅事件として捜査自体は継続 |
夜間や土日にも釈放される?
警察や検察の慣例的な視点から言うと、「土日、夜間の釈放はなるべく行わない」という方針がとられています。
ただし、刑事訴訟法上の時間制限は絶対のものです。
土休日の間も、その時間のカウントは進んでいきます。
逮捕時の事情や弁護士による弁護活動の結果などによっては、夜間や土日に釈放されるケースもあります。
逮捕後、釈放時に呼び出しを受ける身元引受人
逮捕の早期に釈放が行われるとき、警察官は通常、
- だれか身元引受人になってくれそうな人はいないか
- その身元引受人の連絡先はどこか
を聞いてきます。
身元引受人とは?
身元引受人とは、身体拘束を受けている被疑者や被告人の身柄を引き受け、監督を行う人のことを言います。
通常、逮捕のあと早期に釈放が行われる際には、この身元引受人が警察署まで被疑者を迎えに来ることになっています。
身元引受人が迎えに来るまでの流れ
警察官は、被疑者から身元引受人の連絡先を聞き出し、そこに電話をします。
電話では現在の情況、事情を説明し、警察署にまで迎えに来てもらうよう要請を行います。
その後、実際に身元引受人が警察署にまで来たら被疑者を引き渡す、といった流れとなります。
身元引受人に適う人物
身元引受人は、被疑者の監督を行うのに適している人物である必要があります。
一般的には、近しい親族が選ばれますが、ひとり暮らしで実家が遠方にある場合などでは、勤務先の上司が選ばれることもあります。
意味 | 身体拘束を受けている被疑者や被告人の身柄を引き受け、監督を行う人 |
---|---|
逮捕後の釈放時の実務 | 警察署にまで、被疑者を迎えに来る |
対象 | 原則、親族 難しい場合には職場の上司など |
家族や職場に逮捕の事実を知られたくないとの思いから、
「友人や知人を身元引受人として指名したい!」
とお思いの方もいることでしょう。
しかし、単なる友人や知人では身元引受人として認められないケースも多いです。
友人、知人を身元引受人とするには
- 同居している
- 仕事上で重要なつながりがある
などといった、監督するのにふさわしいと判断され得る理由が必要となるでしょう。
身元引受人への連絡は絶対?迎え無しでは釈放されない?
身元引受人なしで逮捕後早期に釈放される可能性というのは、ないわけではないです。
ただ実務上、微罪処分や勾留の阻止によって釈放をめざすとき、身元引受人の存在はほぼ必須と言っても過言ではありません。
いま一度微罪処分の要件の一例を見てみましょう。
要件
- 初犯
- 被害者に賠償を尽くしている
- 加害者が反省の態度を示している
- 被害者が訴追を望んでいない
- 犯行態様が悪質ではない
- 被害の規模、程度が小さい
- 監督者がいる
微罪処分の獲得にあたっては、監督者の存在は非常に重要な要素のひとつとなります。
勾留の要件も見てみましょう。

監督者の存在は、
- 証拠隠滅をする余地がないこと
- 逃亡のおそれがないこと
を証明する根拠となります。
釈放にあたって身元引受人の存在は重要です。
身元引受人として協力を依頼できる人がいれば、警察にその旨を伝えるようにしましょう。
起訴後の釈放(保釈)について知りたい方はコチラ
勾留された状態のまま起訴されてしまったとき、通常は裁判が終わるまで身体拘束も継続されます。
ただ起訴後は保釈の請求により、身体拘束から解放される可能性が残されています。
起訴後の保釈についてくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
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刑事事件は時間との勝負です。
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逮捕後の刑事手続きの流れを図解しながら、どのタイミングで釈放が行われるのか解説していきましょう。