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逮捕後、職場復帰は可能か|警察の連絡で職場にバレる?言い訳はNG?

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逮捕後、職場に復帰できる?

逮捕の事実は職場にバレる?クビになる可能性は?

ご覧のページでは、逮捕の職場への影響について徹底解説していきます。

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逮捕後、職場バレする可能性

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まず、

逮捕の事実は会社にバレるのか、バレずに済むのか

という点について解説していきます。

刑事事件の加害者の方の中には、

警察が職場に連絡する、直接職場に来るなどして逮捕の事実を伝えてしまう

といった事態について、危惧する方も多いです。

まずは、警察から職場に対してどのようなアプローチをとるのかについて解説します。

Q1

逮捕後、警察は職場に連絡する?職場に直接来る?

実務上、警察が職場に逮捕の事実を伝えるケースというのは非常に稀です。

警察には、逮捕の事実を職場に告知しなければならないなどといった法的な義務はありません。

逮捕の事実を告知しないことにより、警察業務に支障が生じるといったこともありません。

警察が職場に連絡をしたり、職場に直接来たりするのは、

身元引受人に該当する人物が職場の上司以外いない場合

その犯罪が会社の業務などと直接関係がある場合

などに限られます。

身元引受人とは

逮捕後の刑事手続きの流れはこのようになっています。

刑事事件の流れ

逮捕後、送致が行われなかったり、勾留されなかったりした場合には、被疑者はすぐに釈放されます。

そのとき警察官は、被疑者の

身元引受人

に連絡をとります。

身元引受人とは

被疑者を監督する者のこと

普通は、家族などの同居人が身元引受人となります。

ただ被疑者について「ひとり暮らしで実家も遠方」といったような場合には、会社の上司が身元引受人に選ばれることもあります。

会社の上司が身元引受人に選ばれた際には、職場に連絡が行くことになります。

業務に直接関係のある犯罪とは

職場内の犯罪

会社の人間に対しての犯罪

会社の業務に関係する犯罪

などでは、警察官が職場に直接赴いて捜査を行う可能性があります。

Q2

逮捕の職場バレを防ぎたい!言い訳しても大丈夫?

警察が職場へ逮捕事実を能動的に知らせるのは、上記の場合に限られるでしょう。

ただ、たとえ警察が連絡をしなくても、逮捕の事実が会社に知られてしまうケースはあります

逮捕されると携帯電話は使えず、留置場から外に出ることもできず、外部とは隔絶されてしまいます。

もう一度、逮捕後の流れをご覧ください。

刑事事件の流れ

逮捕後、勾留までされてしまうと、起訴されるまで最大で23日もの間、外部と連絡が取れなくなるのです。

23日間の無断欠勤」となると、会社に逮捕の事実を隠すのも難しくなります。

たとえ入院していたなどと言い訳しても、連絡が途絶していた理由は釈明できません。

またそういった場合、通常は診断書の提出を求められてしまいますから、すぐに嘘がばれてしまいます。

逮捕後、早期に釈放される可能性

逮捕後の職場バレを防ぐには、なによりも早期釈放されることが重要です。

先ほども少し触れましたが、逮捕後、早期に釈放されるのは

送致されず微罪処分となったとき

勾留されなかったとき

です。

微罪処分とは
刑事事件の流れ

逮捕後に行われる「送致」というのは、検察官に事件の証拠物や被疑者の身柄を引き継ぐ手続きのことです。

警察は事件を捜査することはできますが、そのまま裁判にまで関われるわけではありません

裁判を開くよう要請したり刑事責任を追及できたり、訴追の権利を有しているのは検察官です。

そこで、刑事訴訟法では、警察は原則事件を検察官に引き継がなければならない規定となっているのです。

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

引用元:刑事訴訟法246条

条文内の黄色の傍線部を見ると、検察官があらかじめ指定した事件については、送致をしなくても良いとされています。

検察官が指定した比較的軽微な犯罪について、以下のような考慮すべき事情がみられるときには、送致が行われないこともあります。

考慮される事情の一例

初犯

犯行態様が悪質でない

被害者が罪に問うことを望んでいない

賠償を尽くしている

反省の態度を示している

このような事情を考慮し、送致を行わないことを

微罪処分

と言います。

微罪処分となれば、逮捕から48時間以内に釈放され、刑事手続きも終了となります。

つまり、裁判にかけられたり、刑事罰を科せられたり、前科がついたりすることはないということです。

勾留されずに釈放
刑事事件の流れ

たとえ送致されてしまった場合でも、まだ早期釈放の可能性は残ります。

事件を送致された検察官は、そこから24時間以内に勾留請求するかしないかを判断します。

勾留とは

逮捕に引き続き身体拘束する処分

勾留は以下の要件に当てはまる被疑者について、起訴されるまで最大で20日間続きます。

勾留の要件

統計上は、逮捕された被疑者の約9割について勾留が認められています。

さらにそのうちの半分以上は最大日数の20日間にわたり身体拘束をうけています。

ただ事件の種類によっては、むしろ勾留されないケースの方が多い場合もあります

たとえば、東京地裁の管轄となる痴漢の事案については、原則勾留を認めない方針がとられています。

(略)

東京地裁では痴漢事件の勾留請求を原則認めない運用が定着している。

長期の拘束が社会生活に与える影響を考慮した判断

(略)

引用元:毎日新聞(2015/12/24)『痴漢で勾留、原則認めず 「解雇の恐れ」考慮』

勾留請求されなかったり、勾留が認められなかったりした場合は、そのまま釈放されます。

ただし刑事手続きは終了せず、その後は在宅事件として引き続き捜査などが行われることになります。

微罪処分と勾留阻止
微罪処分勾留阻止
釈放のタイミング逮捕後48時間以内逮捕後72時間以内
刑事手続き終了在宅事件として継続
早期釈放で職場バレを阻止

微罪処分となった場合は、逮捕から48時間以内

勾留されなかった場合は、逮捕から72時間以内

釈放が叶い、自由の身となります。

3日程度の不在となると、病気や親せきの都合など、無断欠勤の言い訳を無理に通そうと考える人もいます。

ただ、気をつけなければならないのは、会社に嘘をつく場合、それは完全な自己責任となる点です。

会社に対してどのように対応するのがベストなのか

事件の態様自身の希望、その他さまざまな事情を考慮し、判断していく必要があります。

その点、弁護士に相談すれば、過去実際にあった事例などを参照したうえで判断をくだすことができるので、安心です。

報道の有無を確認

なお、早期に釈放された場合であっても、マスコミによって報道されていた場合には職場バレは避けられません。

とくに、

公務員

会社役員

その他、世間に名前の知れている人

などは、報道のリスクも相応に高いので気をつけるべきだと言えます。

2

逮捕後、職場をクビになる可能性

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逮捕の事実が職場に知られてしまった場合であっても、懲戒解雇につながるかどうかはまだわかりません。

とくに、その犯罪が業務と直接関係のない場で行われたものである場合、解雇は不当と認められるケースが多いです。

Q1

逮捕されたら懲戒処分?職場は絶対クビになる?

まず、逮捕段階での解雇は原則不当です。

誤解されがちなことですが、逮捕=有罪確定、というわけではありません。

日本の司法では、

推定無罪の原則

が適用されます。

推定無罪の原則とは

裁判で有罪が確定するまで、被疑者、被告人は無罪であるものとして扱わなかればならないという原則

また、警察に検挙された被疑者のうち約7割の人は不起訴処分となっています。

実務的な面から言っても、逮捕段階でなんらかの処分をくだすのは不当です。

有罪判決を受けた場合は?

有罪判決が下った場合であっても、その犯罪が

業務と関係のない私生活上の場面で行われた犯罪

の場合、解雇が不当と認められる可能性は高いです。

判例上、私生活上の犯罪について解雇が認められるのは、事件の態様が以下の①と②両方に当てはまる場合だけです。

要件

① 定款などに、私生活上の犯罪が懲戒の事由にあたるということが明記されている

② 下記のいずれかに該当する

その行為が企業秩序に直接の関連を有する

その行為が企業に対して社会的評価の低下毀損につながるおそれがあると客観的に認められるものである

これは非常にハードルが高く、

非番の鉄道職員が、痴漢撲滅キャンペーン中に当時14歳の被害女性の臀部、大腿部を着衣の上から触った事例

日本鋼管に勤める3人が、米軍基地内に立ち入り有罪となって、マスコミ大々的に報じられた事例

などでも解雇は不当とされました。

過去何回も痴漢をはたらいた鉄道職員が、再三、処分うけたにも関わらず、また再び痴漢をはたらいた事例

などでは解雇は正当なものだと認められました。

逆に言えば、この事例に匹敵するレベルの悪質さが無いと、解雇は認められない可能性が高いのです。

業務に直接関係のある犯罪の場合

社内窃盗社内横領

同僚や上司、部下に対する犯罪行為

業務中の犯罪行為

などでは、解雇は正当なものだと認められるケースは多いです。

また

運転免許が必要な職種において免許の停止や取消の処分をうけた

長期間服役することになった

など、今後業務に従事することができなくなってしまった場合も、解雇が認められる場合は多いでしょう。

公務員の場合

公務員は、地方公務員法国家公務員法に、

全体の奉仕者としてふさわしくない非行があったとき

懲戒処分の対象となることが明記されています。

職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。

(略)

三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

引用元:国家公務員法82条

一般的に言って、私企業に勤める人よりも公務員の方が懲戒解雇のリスクは高いです。

たとえ私生活上の犯罪であっても、解雇の可能性について否定はできません。

解雇の正当性
私生活上の犯罪業務に関連する犯罪公務員の場合
逮捕段階での解雇原則不当
有罪確定後の解雇不当と認められる可能性は高い正当と認められる可能性は高い全体の奉仕者としてふさわしくない非行だと認められれば解雇もあり得る
Q2

逮捕後、職場に復帰できる可能性は?

逮捕の事実が職場に知られなかった場合には、そのまま職務に復帰することもできるでしょう。

ただ、逮捕の事実が職場に知られてしまった場合、会社に居づらくなってしまいます。

職場の上司などが気をきかせて、逮捕事実の隠匿につとめてくれる場合もあります。

ただ、とくにこれといった対策も講じられず、逮捕の事実が噂となって広まってしまうケースもあります。

会社から解雇を言い渡されなかった場合であっても、最終的に自主退職の道を選ぶという方は数多くいます。

自主退職する際の注意点

刑事事件をきっかけとした自主退職においては、退職金についてトラブルとなるケースが多々見受けられます。

会社側の判断により、退職金が減額されたり、あるいは支給されなかったりするのです。

判例上、退職金全額カットが正当と見なされるのは

当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為

退職手当全額を不支給とする合理的必要性

があった場合に限られるとされています。

(略)

(退職金の)全額を不支給とすることができるのは,労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為があって,退職手当の賃金後払的性格を考慮しても,企業秩序の維持等のために退職手当全額を不支給とする合理的必要性がある場合に限られる

(略)

引用元:前橋地方裁判所 平成22年11月10日判決 事件番号平成21年(ワ)第730号

これは非常にハードルが高く、一般的に言って退職金全額カットが正当だと認められるような事例は稀と言えます。

ただ、退職金の一部カットについては正当だと認められるケースもあるでしょう。

いずれにせよ法的な予備知識を踏まえたうえで企業側とよく交渉する必要がありますから、弁護士に相談するのがマストと言えます。

3

刑事事件のお悩みを弁護士に無料相談

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Q1

スピーディーに弁護士に無料相談したいなら

逮捕の事実を職場に知られたくない!

逮捕されたことを理由に解雇されそう!

刑事事件の加害者として捜査、訴追されている方は、なるべく早く弁護士に頼ることが重要です。

早ければ早いほど

逮捕の阻止

職場への逮捕事実の漏洩阻止

解雇の阻止

について可能性が高まります。

刑事事件は時間との勝負です。

なにか少しでもお悩みのことがあるのなら、早急に弁護士事務所に相談するべきと言えるでしょう。

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