岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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強制わいせつの通常逮捕の要件、逮捕の流れは?

2023年7月13日、強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」に改正されました。

  • 通常逮捕の流れはどうなってる?
  • 通常逮捕可能性は?
  • 強制わいせつ通常逮捕されるまでの期間は?

こちらでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに強制わいせつ通常逮捕に関するノウハウと正しい知識を解説しています。

この記事で解説している法律

法律
刑法176条
条文
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑罰
6か月以上10年以下の懲役

強制わいせつと通常逮捕の関係

刑事事件の流れ(逮捕・勾留された場合)

強制わいせつの通常逮捕の要件は?

通常逮捕の要件には、逮捕の理由逮捕の必要性があります。逮捕の必要性には、逃亡を防ぐこと証拠の隠滅を防ぐことの2つがあります。

逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです(刑事訴訟法199条1項)。つまり、誰の目から見てもこの人物が犯人だと疑わしい理由がある、ということです。

逮捕の必要性とは、「被疑者が逃亡する」おそれや「罪証を隠滅する」おそれなどのことです(刑事訴訟規則143条の3)。つまり、身柄を拘束しておかないと被疑者に逃げられたり、犯罪の証拠隠滅されてしまう可能性がある、ということです。


逮捕状の請求・発布のながれ

強制わいせつの通常逮捕の流れは?

通常逮捕の流れは、事件発生から間をおいて、裁判所発付の逮捕状を持った警察に逮捕される、という手続きになります。事件発生から間がある、逮捕状が必要である、という点で現行犯逮捕と異なります。

通常逮捕の場合、捜査機関が裁判所に対して令状(逮捕状)を請求する必要があります。逮捕の理由及び必要性を示すための証拠を揃えなければなりませんので、現行犯逮捕の場合よりも時間がかかります。

通常逮捕は、その名の通り、刑事訴訟法が定める逮捕の原則的な方法です。捜査機関が裁判所に対して令状の発付を請求し、裁判所が審査を行い、捜査機関が裁判所発付の令状を持って逮捕、という流れになりますが、これらの手続きに一定の時間を要するため、後日逮捕とも呼ばれています。


逮捕される・されない

強制わいせつで通常逮捕される可能性は?

通常逮捕されるかどうかは事件によって異なりますが、どの罪名においても通常逮捕される可能性も、現行犯逮捕される可能性もあります。

強制わいせつの通常逮捕では、逮捕状を持った警察などの捜査機関に逮捕されます。犯行が人目につかない場所で行われ、後日被害者の被害届や防犯カメラの映像をもとに捜査が開始されることになります。

現行犯逮捕の場合は、その場で逮捕状なしで捕まります。電車内の強制わいせつなど人目につく場所で行われる場合は、通報を受けた警察に現行犯逮捕されるケースも少なくありません。


強制わいせつの基礎知識

強制わいせつの意味とは?

強制わいせつは、刑法176条に定められた犯罪で、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合が対象です。被害者が13歳未満の場合は、暴行又は脅迫がなくても、単に「わいせつな行為をした」だけで犯罪が成立します。強制わいせつの刑罰は「6か月以上10年以下の懲役」です。

強制わいせつが処罰の対象と定める行為は『暴行または脅迫を用いて行われたわいせつな行為』が該当します。被害者が13歳未満の場合は、「暴行または脅迫を用いて」という条件は無くなります。強制わいせつは未遂でも処罰される可能性があります。(刑法179条)

強制わいせつの条文では、刑罰は「6か月以上10年以下の懲役」と決められています。強制わいせつには、罰金刑がないため、有罪になると執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

強制わいせつは「逮捕」される可能性あり?

強制わいせつは、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって強制わいせつの容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。強制わいせつの逮捕を避けるためには、問題となっている強制わいせつの被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行直後や犯行中の現場を見られ、やって来た警察官にその場で捕まる、というケースが主です。すぐに警察署まで連れていかれ、留置場に入れられる可能性があります。

後日逮捕(通常逮捕)とは、事件後に時間が経って、裁判所発付の逮捕状を持って警察がやって来る、というケースです。この場合も、警察署まで連行され、そのまま留置場に入れられる恐れがあります。


示談の流れ

強制わいせつは「示談」で処分が軽くなる?

強制わいせつは、起訴される前に示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。特に、初犯の強制わいせつの場合は、不起訴の可能性がより高まります。起訴された後でも、強制わいせつの被害者と示談が成立すれば、刑罰が軽くなる可能性が高まります。

事件が悪質であったり、同様の事件を重ねている場合は、起訴される可能性が上がる要因になります。他方、被害者と示談できたり、初犯の場合は、不起訴になる可能性が高まります。不起訴になれば前科にならず、刑事事件の処罰を受けないで済みます。

起訴決定後でも、被害者と示談すべき理由はあります。起訴前に戻ることはできませんが、示談で被害者に許してもらっていれば、執行猶予で実刑を回避できたり、量刑が軽くなる期待は高くなります。


強制わいせつのポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

強制わいせつを前科をつけないで済ましてもらうためには、被害者側に示談に応じて貰うことが重要です。強制わいせつの被害者に真摯にお詫びをし、許しを得ることができれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。

前科がつくのは、事件が起訴された場合に限られます。実際、検察が事件を起訴するかどうかの判断に、示談しているかが影響を与える場合が良くあります。

起訴を避けるためには、「加害者を許す」旨が記載された宥恕条項や、「加害者の処罰を求めない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが大切です。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

強制わいせつの逮捕から釈放までの期間は、最大で23日間かかる恐れがあります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。ですが、強制わいせつの被害者と示談を結ぶことで、当事者間で事件が終結したことを捜査機関に主張でき、早めに釈放される可能性が高まります。

逮捕後に勾留まで続き、更に勾留延長まで決まると、最大で23日間も身柄拘束が続いてしまうことになります。当然、会社や学校には出られませんので、解雇や退学のリスクは高いと言えます。

示談で被害者に謝罪と賠償を受け入れられれば、不起訴の可能性が上がるため、逮捕勾留する必要性が下がり、早期釈放の可能性が上がります。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

強制わいせつトラブルに遭った場合、早めに弁護士に相談することが大切です。逮捕回避や早期釈放、不起訴で前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。

取り調べにしっかり対応するためのアドバイス、外に出られない本人に代わって被害者と示談するなど、弁護士が役立つ場面はたくさんあります。示談交渉においては、弁護士だったら相手方が連絡先を教えてもよいとなる場合も多々あります。

弁護士に早めに相談したから刑事事件化を回避できたケース、事件後すぐに釈放されて会社にバレずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を守るための第一歩になります。まずは気軽な無料相談をぜひ試してみてください。

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