岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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強制わいせつの再犯は実刑?執行猶予中の再犯は?

  • 実刑はどのくらい刑が重くなる?
  • 強制わいせつ再犯率はどのくらい?
  • 再犯だと執行猶予はつかない?

こちらでは、過去10年の刑事弁護士としての経験にもとづいて強制わいせつ再犯に関するノウハウと正しい知識を解説しています。

この記事で解説している法律

法律
刑法176条
条文
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑罰
6か月以上10年以下の懲役

強制わいせつと再犯の関係

実刑・執行猶予

強制わいせつの再犯は実刑?執行猶予?

再犯で起訴された場合、裁判官に悪い心証を与えるので、実刑の可能性は高くなります。特に執行猶予中の再犯は実刑の可能性が高く、実刑判決が出た場合は前の刑と合わせた期間、刑務所に入ることになります。

裁判官の心証が悪化すると、条文に定められた範囲内で、言い渡される刑期が長めになる可能性があります。

執行猶予中の再犯でも再度の執行猶予がつく可能性はありますが、非常に厳しい条件が必要です。今回の懲役(or禁錮)の言い渡しが1年以下であること、特に酌量すべき情状があること、前の執行猶予が保護観察付きでないこと、これらの条件の全てを満たした場合には再度の執行猶予を獲得できる可能性が出てきます。


実刑と執行猶予の違い

強制わいせつの再犯は前の執行猶予取り消し?

執行猶予中に再犯を起こした場合、再犯で実刑判決が出ると、前の執行猶予も必ず取り消しになります。再犯でも実刑判決を回避できた場合は、前の執行猶予が取り消されず刑務所に行かなくて済む可能性はあります。

執行猶予の期間中に再犯を犯し、執行猶予がつかない禁錮以上の刑を言い渡された場合は、必ず前の執行猶予は取り消されます。この場合、前回言い渡された刑と今回言い渡された刑の合算した期間を、刑務所で過ごさなければなりません。

前の執行猶予期間が満了している場合は、今回の刑がどのような判決であれ、前回言い渡された刑が科されることはありません。


再犯の刑期

強制わいせつの再犯は刑期が長くなる?

刑法上の再犯の場合は、懲役刑の上限が二倍に引き上げられますが、言い渡される刑がそのまま二倍になるわけではありません。ここでいう再犯とは、刑法第56条1項で定義される、いわゆる累犯のことを指します。「懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処する」場合が、刑法上の再犯と定義されます。

刑法第57条に、累犯の懲役刑の上限引き上げについて規定されています。上限が引き上げられたからといって、必ず刑期が長くなるわけではありませんが、累犯でない場合に比べて刑が重くなる可能性は上がります。

前回の刑期や執行猶予期間が満了した直後の再犯は、更生の見込みが低いとして、裁判官の心証に悪影響を与えます。一方、前回の犯罪から長期間経っていれば、心証への悪影響は弱まり、執行猶予が付いたり刑が軽くなる可能性は高くなります。


強制わいせつの基礎知識

強制わいせつの意味とは?

強制わいせつとは、刑法176条に定めのある犯罪で、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合を差します。被害者が13歳未満の場合は、暴行又は脅迫がなくても、単に「わいせつな行為をした」だけで犯罪が成立します。強制わいせつの刑罰は「6か月以上10年以下の懲役」です。

強制わいせつで処罰の対象となりうる行為は『暴行または脅迫を用いて行われたわいせつな行為』が当てはまります。被害者が13歳未満の場合は、「暴行または脅迫を用いて」という条件は無くなります。強制わいせつは未遂でも処罰される可能性があります。(刑法179条)

強制わいせつの刑罰の範囲は「6か月以上10年以下の懲役」と決められています。強制わいせつの場合、罰金刑がないため、有罪になると執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。


現行犯逮捕と後日逮捕の違い

強制わいせつは「逮捕」される可能性あり?

強制わいせつは、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって強制わいせつの容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。強制わいせつの逮捕を避けるためには、問題となっている強制わいせつの被害者と早めに示談を締結することが大切です。

現行犯逮捕は、犯行直後や犯行中の現場を目撃され、通報を受けた警察官にその場で捕まる、というケースが一般的です。すぐに警察署まで連行され、留置場に入れらてしまう可能性があります。

後日逮捕(通常逮捕)は、犯行後に時間が経って、裁判所発付の逮捕状を持って警察がやって来る、という場合です。こちらも、警察署まで連行され、そのまま留置場に収監される恐れがあります。


示談の流れ

強制わいせつは「示談」で処分が軽くなる?

強制わいせつは、起訴前に示談が成立すれば、不起訴の可能性が高まります。さらに、初犯の強制わいせつであれば、不起訴の可能性がより高まります。起訴後でも、強制わいせつの被害者と示談できれば、刑罰が軽くなることが期待できます。

事件の様子が悪質であったり、同様の事件を複数回行っている場合は、起訴の可能性が高まる要因になります。しかし、被害者と示談を結んだり、初犯の場合は、不起訴の見込みが高まります。不起訴になれば前科にならないですし、刑事事件で処罰されることはなくなります。

起訴されてしまった場合でも、被害者と示談することに意味はあります。起訴を無かったことにはできませんが、示談で相手方の許しを得ていれば、執行猶予がついて実刑回避や、量刑が軽くなる可能性は上がります。


強制わいせつのポイント

示談がポイント1

前科をつけないためには「示談」が大切

強制わいせつを前科をつけないで決着するためには、被害者側と示談をすることが重要です。強制わいせつの被害者に謝罪をして、許してもらえれば、不起訴になり前科がつかない可能性は上がります。

前科になるのは、事件が起訴されたケースに限られます。そして、検察が事件を起訴するかどうかの判断に、示談の有無が影響を与える場合は多いです。

起訴を回避するためには、「加害者を許す」ことが記載された宥恕付き示談や、「加害者の処罰を望まない」旨の嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが大事です。


示談がポイント2

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント

強制わいせつの逮捕から釈放までの期間は、最大で23日間かかる可能性があります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。ですが、強制わいせつの被害者に示談してもらうことで、捜査機関の判断により早期に釈放される可能性が上がります。

逮捕後に勾留が決定し、その勾留が延長されると、最長で23日間も身柄が拘束されることになります。その間、会社や学校には行けませんので、解雇や退学の可能性は高まってしまいます。

示談で被害者の許しを得られれば、不起訴の可能性が高くなるため、身柄を拘束する必要性が下がり、早期に釈放される可能性が上がります。


弁護士相談

早めの弁護士相談で早期解決を

強制わいせつで疑われている場合、早めの弁護士相談が重要です。逮捕勾留回避や早めの釈放、起訴回避で前科をつけない、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。

取り調べに落ち着いて対処するためのアドバイス、捕まっている本人に代わっての示談交渉など、弁護士だからできることは数多くあります。示談交渉の場面では、弁護士でなければ被害者の連絡先を教えてもらえない場合も多々あります。

早めの弁護士相談のおかげで刑事事件化を避けられたケース、逮捕後すぐに釈放されて仕事を失わないで済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、今まで通りの生活を取り戻すための最初のステップになります。まずはデメリットなしの無料相談を今すぐ試してみてください。

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