岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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詐欺の示談金・慰謝料の相場はいくら?示談の流れと方法もわかる

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詐欺の示談金
  • 詐欺の示談金・慰謝料の相場は?
  • 詐欺罪の刑罰は?
  • 示談は弁護士に相談するべき?

一時のお金欲しさに受け子・出し子として詐欺に加担してしまうなど、近年若者の詐欺事件が増えています。

詐欺事件を起こしてしまった方や、そのご家族の中には、被害者に支払う示談金の心配をされている方は多いのではないでしょうか。

詐欺事件を起こしてしまった場合、被害者と示談することが重要ですが、示談するためには被害者に対して示談金を支払うことが一般的です。

この記事では、詐欺事件の示談金・慰謝料の相場を中心に、示談の流れや方法などについて詳しく解説します。

詐欺の示談金はどのくらい?詐欺の慰謝料は計算できる?

詐欺の示談金の相場はいくら?

詐欺事件の示談金相場は、「詐欺で騙し取った金額に加えて、慰謝料として10万円~50万円ほどを添えた金額」が一般的です。

たとえば、100万円を騙し取ったのであれば、100万円の支払いが最低限のラインとなり、そこに慰謝料を加えた110万円~150万円が示談金相場になるといえるでしょう。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

過去、アトム法律事務所がとり扱った詐欺事件の統計では、示談金の相場は50万円でした。詳しくは「詐欺事件データベース」をご覧ください。

詐欺の示談金はどうやって決まる?

示談金は、当事者間の話し合いによって決められます。示談金の金額に、一律の決まりはないのです。

もっとも、加害者の資産状況や経済状況、社会的地位なども示談金の金額に影響することがあるでしょう。

数十万円で示談締結できた事例もあれば、数百万円となった事例もあります。詐欺の被害金額が高額になるほど、示談金も高額になる傾向にあるでしょう。

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詐欺の被害者が複数人いる場合は、被害者一人ひとりと示談を成立させる必要があるため、示談金の総額も必然的に高くなります。

組織的な詐欺行為で共犯者も示談を行う際には、共犯者間で賠償額の金額も協議する必要があります。

示談金と慰謝料の関係は?

慰謝料は、示談金として支払われるお金の費目のひとつです。示談金の中に、慰謝料の金額が含まれているとイメージすると分かりやすいでしょう。

示談金は「示談の際に支払われる金銭の全体」を指し、慰謝料は「示談金の内の精神的苦痛などに対して支払う金銭」のことをいいます。

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なお、刑事事件の加害者と被害者の示談においては、示談金と慰謝料を区別せずに使われることもあります。

示談交渉の際には、支払われる金額の全体の話をしているのか、個別の費目の話をしているのかについて常に意識しておく必要があるでしょう。

詐欺の慰謝料は計算できる?

詐欺事件の慰謝料は、精神的苦痛という目に見えない損害に対する賠償であるため、明確な計算基準はありません。

ただし、詐欺の慰謝料の計算にあたっては、詐欺事件の加害者側の職業、加害者の犯行動機や被害者の受けた被害の程度などが考慮されます。

加害者側の収入や社会的地位が高い場合などは、失いかねない利益の大きさに比例して支払う金額が高くなることが多いです。

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これまでの詐欺事件で同様の事例があれば、精神的損害も同程度と考えられる傾向にあります。

過去の事例などから詐欺事件の示談金の相場を知りたい方は、弁護士に相談してください。

詐欺事件で示談する流れや示談の方法は?

示談金を支払うまでの流れと方法は?

詐欺事件で示談する場合の流れは、大まかには以下の通りです。

  1. 詐欺事件の被害者に謝罪と示談したい旨を連絡する
  2. 被害者と示談内容について話し合う
  3. 合意した内容を示談書にまとめてサインする
  4. 示談書の内容に応じた示談金を支払う

示談交渉で折り合いがつき、双方が合意すれば示談成立となります。起訴されるまでに示談交渉を行い、示談金の支払いまで完了することで不起訴となる可能性が高まるでしょう。

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示談成立によって解消されるのは、加害者と被害者の間にある民事上の問題だけです。示談が成立しても、詐欺事件が必ず不起訴となるとは限りません。

もっとも、民事上の問題を解消できていれば、検察官や裁判官の判断には一定の影響が生じるでしょう。そのため、示談が成立しているかどうかは非常に重要なのです。

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示談書に記載する内容は?

示談書の内容に一律の決まりはありませんが、主に記載される項目は以下の通りです。

  • 加害者と被害者の氏名
  • 事件の概要(日時・場所・内容・被害金額など)
  • 合意内容
    • 示談金の金額・支払い方法・支払い期限
    • 宥恕文言
    • 告訴取消し
    • 清算条項

示談は示談書がなくても成立しますが、後のトラブルを防ぐためにも示談書は必ず作成する必要があります。

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示談が成立したら、示談書や示談金領収証の写しなどを警察や検察といった捜査機関に提出して、示談の結果や状況を伝えます。

弁護士に依頼しておけば、示談交渉はもちろん、捜査機関へ示談の状況を丁寧に説明するところまで任せられます。

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詐欺事件で示談を成立させるメリットは?

示談を成立させると逮捕されない可能性が高まる?

一般的に、示談を成立させると逮捕されない可能性は高まるといえます。

逮捕の手続きは、被疑者として認められる十分な証拠があり、「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われるものです。示談によって、逃亡の恐れや証拠隠滅のおそれが認められないと判断されると逮捕されないこともあるでしょう。

ただし、詐欺事件は、他の犯罪と比べて逮捕される可能性がそもそも高い犯罪行為です。

犯罪白書によれば、令和3年における詐欺事件の身柄率(逮捕された割合)は約47.5%でした。刑法犯全体における身柄率が約35%程度であるため、統計的にも詐欺は逮捕されやすい犯罪行為といえるでしょう。(令和4年犯罪白書「第3節 被疑者の逮捕と勾留」より参照)

詐欺は組織的な犯罪で被害額が大きいことも多いため、共犯者と口裏を合わせて証拠隠滅をする可能性が高いと判断されやすく、逮捕される可能性が高いのです。

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逮捕されずに在宅事件として手続きが取られることは多くありませんが、小規模で組織的でない詐欺事件の場合などは在宅事件として処理されることもあります。

在宅事件になった場合でも、事件終了ではありません。日常生活を送りながら適宜捜査機関から呼び出しを受けることになるでしょう。

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示談を成立させると不起訴の可能性が高まる?

詐欺事件で示談が成立すれば、不起訴の可能性が高まります。

起訴・不起訴の判断を行う検察官は、処分の判断にあたり犯行の悪質性、組織的犯罪かどうか、示談の有無、被害者の処罰感情などを考慮するからです。

被害者との示談を成立させることで、当事者間の問題は解決していることを示すことができ、事件の態様によっては不起訴になる可能性もあるでしょう。

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ただし、オレオレ詐欺に代表されるような特殊詐欺を行っていた場合は、重大な犯罪行為であるため初犯であっても起訴される可能性は高いでしょう。

示談を成立させると執行猶予獲得の可能性が高まる?

詐欺事件で示談が成立すれば、執行猶予獲得の可能性が高まります。

起訴された段階でも、示談は効果を発揮するからです。示談を成立させることができれば、執行猶予を獲得し、実刑を回避できる可能性があるでしょう。

詐欺罪には罰金刑がないため、有罪判決を受けると、執行猶予付き判決か、実刑のいずれかになります。特殊詐欺に関わっていた場合でも、受け子・出し子であれば執行猶予判決を獲得できた事例もあります。

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刑事処分を軽減するには、弁護士に相談していち早く示談交渉を開始したり、関与の程度が低いことを検察官に具体的に説明したりすることが大切です。

示談を成立させると刑罰が軽くなる?

詐欺事件で示談が成立すれば、刑罰が軽くなることもあります。

たとえ、示談が成立して示談金を払っていても起訴される可能性はありますが、示談が成立している点は刑罰の重さが決まる裁判の段階でも有利に働くのです。たとえば、懲役の年数が短くなったり、実刑ではなく執行猶予付きの判決になったりする可能性があります。

詐欺罪は刑法246条に規定されている犯罪で、法定刑は10年以下の懲役刑です。

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法246条

詐欺罪には罰金刑がないので、初犯でも執行猶予が付かなければ実刑になる重い罪ですが、示談の有無は刑罰の重さにも関わってきます。

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詐欺罪には未遂に関する規定もあることから、詐欺未遂であっても刑事上の責任を追及される可能性があります。

たとえば、振り込め詐欺の受け子が銀行の窓口から金銭を引き出そうとしているところを逮捕された場合などは詐欺未遂となります。

関連項目

詐欺事件の示談は弁護士に相談すべき?

示談をするためには弁護士に相談?

示談の流れ

詐欺事件で示談をするためには、弁護士への依頼が事実上必須になります。

被害者は加害者と直接のやり取りを嫌がるケースが多く、連絡先を聞けずに示談のテーブルにつくことすら難しい場合がほとんどだからです。

特に、詐欺事件の場合は「騙された」という感情から処罰感情が強くなりやすく、連絡先を知っていたとしても示談交渉に応じてもらえない可能性が高いでしょう。

弁護士であれば、加害者に連絡先を教えないという条件で検察官から被害者の連絡先を聞くことができる場合があります。

加えて示談交渉の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心情を考慮しながら、適切な金額とタイミングで示談交渉を行うことができるでしょう。

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特殊詐欺の事案では被害者が複数いるケースも多く、金銭面から示談が難しいと感じる方もいるかもしれません。

そういったケースでも、可能な限り示談を申し出るべきです。

示談が難しい場合でも被害弁償を行い、事件に対して反省の意思を示すことで刑罰の軽減を図れることもあります。

詐欺事件に強い弁護士の相談窓口は?

アトム法律事務所は、刑事事件専門の弁護士事務所として開業した沿革があります。

これまでに詐欺事件に関しても豊富な解決実績があります。

刑事事件はスピードが命です。早急に弁護士に相談すれば弁護活動の幅も広がります。

詐欺事件で被害者と示談を成立させたい、不起訴・執行猶予獲得を目指したいとお考えの方は弁護士に相談してください。

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監修者


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代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了