
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件 法律Know」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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保育士が器物損壊で逮捕…逮捕後の流れは?資格は失う?
- 保育士の家族が器物損壊で逮捕されそう!
- 器物損壊の逮捕後の流れが気になる。
- 保育士資格は失う?
こちらでは、過去10年の刑事弁護士としての経験をもとに、保育士が器物損壊で逮捕された場合の疑問や困りごとにお答えします。
目次
この記事で解説している法律
- 法律
- 刑法261条
- 条文
- 他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
- 刑罰
- 3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料
保育士の器物損壊と逮捕・資格の関係

保育士の器物損壊で逮捕から釈放までの流れは?
器物損壊で逮捕されると、留置所や拘置所に身柄を拘束され、捜査機関の取り調べを受けます。在宅捜査に切り替えられた場合や、不起訴が決まった場合は、身柄が釈放されます。

保育士の仕事は?資格は失う?
器物損壊で逮捕された場合、警察からの連絡やマスコミ報道で職場に知られる可能性はありますが、逮捕されたことのみを理由に資格を失う、ということはありません。事件が起訴され懲役刑(禁錮以上の刑)に処せられた場合は、保育士の登録を取り消され、失職することになります。
事件が不起訴で終了した場合は、児童福祉法18条の5にある保育士資格の欠格事由には該当しません。器物損壊で起訴された場合でも、罰金刑で終了すれば欠格事由には該当しません。
執行猶予付き懲役刑は、欠格事由に該当するため、保育士資格を失うことになります。保育士資格の欠格期間は、執行猶予の期間満了から2年間、または、実刑の刑期満了から2年間となります。

器物損壊で逮捕された保育士の家族との面会は?警察からの連絡は?
家族の一般面会は、基本的に逮捕中は認められず、勾留決定の翌日(逮捕後最長4日目)から可能になることが多いです。業務関連の事件であれば捜査のために職場に連絡が行く可能性はありますが、仕事と無関係な事件であれば会社に連絡がいく可能性は低いです。
逮捕された家族に面会する場合は、警察署の留置係で面会受付をし、1回15分程度の面会が認められます。一般の方の面会は、「1日一組だけ」「時間制限あり」「接見禁止中は面会不可」等の様々な制約がありますが、弁護士であればこれらの制約はなくいつでも面会が可能です。
業務と関係ない内容・時間・場所の事件について、警察や検察から職場へ連絡がいくことはまずないでしょう。家族への連絡は、警察から来る場合もありますが、弁護士や裁判所から来る場合もあります。こちらから警察へ確認をする場合は、自分の身元や逮捕勾留されている本人との関係などを聴取される可能性があり、弁護士以外が確認をしても教えて貰えない場合もあります。
器物損壊の基礎知識
器物損壊の意味とは?
器物損壊とは、刑法261条によって定められた犯罪で、「他人の物を損壊し、又は傷害した」場合を差します。器物損壊の刑罰は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。
器物損壊で処罰の対象となりうる行為は『他人の物を損壊、または傷害する行為』です。器物損壊を未遂で処罰する規定はありません。
器物損壊の刑罰の範囲は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」と定められています。器物損壊の場合、罰金刑、執行猶予付き判決、または実刑になる可能性があります。

器物損壊は「逮捕」される可能性あり?
器物損壊は、犯行現場を目撃されれば、現行犯逮捕される可能性があります。また、現行犯逮捕を免れても、証拠によって器物損壊の容疑が固まれば、逮捕状が発行され後日逮捕される可能性があります。器物損壊の逮捕を避けるためには、問題となっている器物損壊の被害者と早めに示談を締結することが大切です。
現行犯逮捕は、犯行直後や犯行中の現場を目撃され、通報を受けた警察官にその場で捕まる、というケースが多いです。すぐに警察署に連行され、留置場に収監されてしまう恐れがあります。
後日逮捕(通常逮捕)とは、事件後に時間が経って、警察が裁判所発付の逮捕状を持ってやって来る、というケースです。この場合も、警察署まで連れていかれ、そのまま留置場に収監される可能性があります。

器物損壊は「示談」で処分が軽くなる?
器物損壊は、検察が起訴を決める前に示談が成立すれば、不起訴の見込が高まります。また、器物損壊罪は親告罪ですので、示談で告訴が取り消されれば(告訴しないでもらえれば)、必ず不起訴になります。起訴決定後でも、器物損壊の被害者に示談してもらえれば、刑罰が軽くなる可能性が高まります。
悪質性が強かったり、同様の事件を複数回行っている場合は、起訴される可能性が上がる要因になります。他方、被害者と示談を結んだり、初犯の場合は、不起訴の可能性が高まります。不起訴になれば前科はつかず、刑事事件の処罰を受けることなく事件は終了します。
起訴されてしまった場合でも、被害者と示談することに意味はあります。起訴を取り消してもらうことはできませんが、示談で被害者の許しが得られれば、執行猶予で実刑回避の可能性や、量刑を軽くしてもらえる可能性は高くなります。
器物損壊のポイント

前科をつけないためには「示談」が大切
器物損壊を前科をつけないで終わらせるためには、被害者側に示談に応じて貰うことが重要です。器物損壊の被害者に謝罪をして、許しを得ることができれば、起訴され前科がつく可能性は下がります。また、親告罪である器物損壊罪は、示談で告訴が取り消されれば(告訴しないでもらえれば)、起訴される心配はありません。
事件が起訴されなければ、前科はつきません。実際、事件を起訴するかどうか検察が判断する際に、示談して被害者に賠償しているかが影響を与える場合が良くあります。
起訴を避けるためには、「加害者を許す」旨が記載された宥恕条項や、「加害者の処罰を望まない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく盛り込むことが大切です。

逮捕からの早期釈放も「示談」がポイント
器物損壊の逮捕から釈放されるまでの期間は、上限で23日間かかる可能性があります。※起訴された場合は、さらに勾留が続く可能性があります。しかし、器物損壊の被害者と示談できれば、捜査機関の判断で釈放が早まる可能性が上がります。
逮捕後に勾留まで続き、その勾留が延長されると、最大で23日間も身柄が拘束されることになります。当然、会社や学校は休むしかなく、解雇や退学の可能性は高まります。
示談で被害者の許しを得られれば、将来的に不起訴の見込みが上がるため、身柄を拘束する必要性が低くなり、早期に釈放される期待が上がります。

早めの弁護士相談で早期解決を
器物損壊で疑われている場合、早めに弁護士に相談することが重要です。逮捕回避や早めの釈放、起訴されないで前科回避、などの結果は、弁護士が早く対応するほど可能性が高まります。
取り調べに落ち着いて対応するためのアドバイス、逮捕勾留中の本人に代わって被害者と示談するなど、弁護士だからできることはたくさんあります。示談交渉の場面では、弁護士でなければ被害者の連絡先すら分からない場合も多々あります。
早めの弁護士相談のおかげで刑事事件化を避けられたケース、事件後すぐに釈放されて解雇されずに済んだケースなど、弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を取り戻すための最初のステップになります。まずは気軽に使える無料相談をぜひ試してみてください。
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逮捕から勾留、そして起訴決定までは、最長で23日間の間、留置場に身柄拘束される恐れがあります。さらに起訴が決まった場合には、判決が出るまで1か月~それ以上の期間、拘束が続いてしまう可能性もあります。